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ECサイト構築会社の選び方・費用相場ガイド【発注企業向け】|外注か自前か・Web制作との違い・費用相場

目次

本記事は、自社ECサイトやネットショップの企画・デザインからカート構築、モール運用、そして公開後の改善までを支援してくれる会社を、発注する側の視点で選ぶための共通ガイドです。対応できる範囲も料金体系も依頼先ごとに大きく異なるため、まずは相場の目安と自社に合った選び方の物差しを持っておくと、複数の候補を比べたり見積もりを検討したりする作業がぐっと進めやすくなります。

ここで整理した基本的な考え方をふまえたうえで、地域ごとのおすすめを紹介する各記事へと読み進めていただける入口としてご活用ください。

1. 売れるECを外注で作るか、ASP・モールで自前/出店するか

「売れるEC」とは、公開時の見た目ではなく、顧客が買いやすく、公開後も数字を見ながら改善して売上を伸ばせる状態です。構築会社への外注は有力な手段ですが、最初に決めるべきなのは依頼先ではなく、目的・業務の複雑さ・社内で担える運用を踏まえた持ち方です。

先に決めるべき到達点

新規開設、既存サイトの刷新、モール中心から自社ECへの移行、越境販売、D2Cの立ち上げでは、同じ「ECサイトがほしい」でも優先順位が変わります。まず「誰に、何を、どの購入導線で売り、公開後に何を改善するか」を一文で定めてください。必要な構築方法や依頼体制は、その後に決まります。

商品写真やデザインが整っていても、商品情報、配送・返品条件、決済、受注処理、在庫、販促がつながらなければ、売上を継続して伸ばす土台にはなりません。通信販売では販売価格、送料、支払方法・時期、引渡時期、返品特約、事業者情報などの表示も販売者自身の責任です。消費者庁「通信販売広告について」を確認し、どの手段でも運営責任を自社が持つ前提で選びます。

六つの選択肢

手段 選びやすい状況 先に確認したいこと
ASPカートを自社で使う 商材・訴求・販売導線を小さく早く検証したい テンプレートと標準機能で、初期の販売・受注業務が回るか
モールのみで出店する まず販売機会を得て、商品の反応を確かめたい モールのルール、手数料、顧客との継続的な関係づくりの方針
オープンソースを自前構築する 社内または継続契約先に、保守・改修を担う技術体制がある 担当者交代後も、更新・障害対応・セキュリティ対応を続けられるか
構築会社へ外注する 独自要件、既存システム連携、複数部門の調整、公開後の改善設計が必要 要件整理から公開後の検証まで、必要な役割を切り分けられているか
フリーランスへ発注する 依頼範囲が明確で、意思決定とレビューを自社で速く進められる 緊急時の代替体制、権限・成果物・運用手順の引継ぎ方法
社内担当を採用・育成する 商品理解や顧客理解を生かし、改善を日常業務として積み上げたい 採用・育成期間中の専門作業を、誰が補うか

小さく試す段階

商品の売れ方や運用負荷がまだ読めない段階では、ASPカートを自社で使い、販売ページ、価格、配送条件、集客後の購入率を確かめる方法が合理的です。たとえばBASEは初期費用・月額費用が0円のプランを示しており、最短30秒での開設としているため、仮説検証の入口にできます。BASEの料金プラン・手数料

Shopifyも年払い換算で月額3,650円からのプランを案内しています。Shopify料金プラン ただし、すぐに始められることと売れることは別です。商品が選ばれる理由、流入の作り方、購入を妨げる情報不足を検証する担当者がいなければ、カートだけ導入しても改善は進みません。

外注を選ぶ分岐点

構築会社への外注を検討するのは、単にページ数が多いときではありません。商品ごとに異なる注文条件がある、受注・在庫・基幹システムとの連携が欠かせない、既存顧客向けの施策を設計したい、複数部門の業務を変える、といった場合です。こうした要件では、公開後の運用を想定せずに作ると、手作業や再改修が増えやすくなります。

依頼する場合も、運用知識やデータまで社外にすべて預けない設計が要ります。商品・顧客・利益に関する判断は社内に残し、専門性が高い設計、実装、広告や分析の支援を外部と分担すると、事業の学びを蓄積しやすくなります。契約前には、管理画面や分析データの権限、成果物の所在、更新手順、担当交代時の引継ぎを確認してください。

モールと自社ECの役割

モール出店は、商品を探している利用者に接点を持ちやすい反面、運営ルールや販売コストの影響を受けます。自社ECは、ブランドの見せ方や購入後の関係づくりを自社の方針で設計しやすい半面、集客を自ら作る必要があります。どちらか一方を正解とせず、「今は販路の検証を優先するのか」「顧客との継続関係を育てるのか」で役割を決めます。

モールで売れていることは、自社ECでも同じ条件で売れる証明にはなりません。自社ECへ移す、または並行して始める場合は、顧客がわざわざ自社サイトで買う理由、再購入の導線、問い合わせ・受注業務を社内で担えるかを先に検討します。

失敗しにくい判断順

  • 目的を「サイト公開」ではなく、検証したい販売仮説または改善したい業務として定めます。
  • 標準機能で許容できることと、独自対応が必須なことを分けます。
  • 公開後に毎週または毎月見る指標と、改善を担う人を決めます。
  • 社内に残す判断と、外部へ任せる専門作業を切り分けます。
  • その条件を満たす手段だけを比べ、必要なら構築会社または個人へ相談します。

構築方式ごとの違いは第3章、依頼先が担える範囲は第4章、費用の見方は第5章で確認してください。この順で考えると、「安く早く始める」選択と「長く改善できる形に投資する」選択を、同じ基準で比べられます。

2. EC構築会社とWeb制作会社は何が違うか(売る仕組みとサイト全般)

EC構築会社は「売る仕組み」をつくり育てる専門家、Web制作会社はサイト全般を設計・制作する専門家です。両者は重なる部分もありますが、ECを依頼する場合は、見た目の完成度だけでなく、購入・受注・継続購入までを無理なく回し、運用を始めてからも改善していける力があるかで選ぶ必要があります。

本業は売る仕組みかサイト全般か

Web制作会社の主な守備範囲は、コーポレートサイト、採用サイト、サービス紹介サイト、LPなど、Webサイト全体に及びます。一方、EC構築会社は、商品を選び、購入し、決済し、受注・配送されるまでの流れを事業として成立させることに重心があります。Shopifyも、ECサイト制作会社はEC構築・運用に特化し、Web制作会社はWebサイト全般に強みを持つと整理しています。Shopify 日本|ECサイト制作会社の選び方

ECでは、商品ページやカテゴリの構成、カート・決済、定期購入、在庫・受注管理との連携、モールとの役割分担などが、売上と日々の業務に直結します。サイトを公開できることと、注文を安定して受けられる状態をつくることは同じではありません。自社の商品、販売方法、社内の受注体制に合う仕組みを設計できるかを見ます。

きれいと売れるは別軸

デザインが優れたサイトでも、購入までの導線が分かりにくい、商品比較がしづらい、決済に不安がある、送料や納期が見えにくいといった状態では、成約を逃すおそれがあります。ECでは、ブランドらしい表現を保ちながら、初めての来訪者でも迷わず商品を選べる設計が求められます。

提案を比べる際は、制作実績の画面だけで判断せず、「この会社が何を根拠に品ぞろえや購入までの流れを組み立てたのか」「サイト公開後にどの指標を見ながら、どう手を加えていくのか」を確認してください。ECの成果は公開時点で固定されず、分析と改善を重ねる運用フェーズにも左右されます。Shopify 日本|ECサイト制作会社の選び方

EC対応の実力を見抜く質問

「ECサイトも制作できます」という説明だけでは、EC構築会社としての適性は判断できません。自社と似た販売条件で、売る仕組みまで扱った実績があるかを具体的に確かめると、制作範囲の違いが見えやすくなります。

  • 自社と近い商材・客単価・購入頻度の案件で、商品構成や購入導線をどう設計したか。
  • Shopify、EC-CUBE、futureshop、makeshopなどの選定理由を、必要な連携や運用体制から説明できるか。
  • 決済、定期購入、受注・在庫連携、モール運用で、標準機能・アプリ・個別開発の境界を明確にできるか。
  • 公開後に確認する指標と、CVR改善・広告・CRMの支援範囲を事前に示せるか。
  • 販売事業者として必要な特商法表示や最終確認画面、個人情報・決済の扱いについて、担当範囲と確認手順を説明できるか。

とくに、受注処理や在庫更新を誰がどの画面で行うのかまで確認することが大切です。構築時には問題が見えなくても、注文が増えた後に手作業が増え、運用が滞ることがあります。提案内容を「公開までの制作物」ではなく、「公開後に自社で回せる販売業務」として読み替えると、比較の精度が上がります。

依頼先を決める判断軸

会社名だけでEC構築会社かWeb制作会社かを二分するより、自社の依頼目的に対し、どこまで責任を持てる会社かで選ぶのが現実的です。ブランドサイトの刷新が中心で、ECは既存カートへの導線追加にとどまるなら、Web制作の強みが生きる場合もあります。反対に、カート選定、販売設計、業務連携、公開後の改善までが課題なら、ECの実務経験を持つ会社を優先した方が判断しやすくなります。

確認したい目的 優先して見る力
商品を売る流れを新たにつくる カート・決済・商品構成・購入導線の設計実績
受注や在庫の手作業を減らす 業務フローの整理と外部システム連携の設計力
公開後の売上を伸ばす 分析、CVR改善、広告・CRMを含む運用支援の実績
ブランドや会社全体の発信を整える 情報設計、表現、複数サイトを横断した制作力

EC構築会社に頼む場合でも、売上を保証するものではありません。商品力、価格、物流、集客、社内の運用体制も成果に影響します。それでも、制作会社が「何をつくるか」だけでなく、「どう売り、どう改善し、誰が運用するか」まで会話できるなら、ECを事業として進めるための頼れる候補になります。対応範囲や依頼内容の整理は、次章以降で詳しく取り上げます。

3. 構築方式とカート種別の選び方(モール・ASP・オープンソース・パッケージ・フルスクラッチ)

構築方式は「作れる機能」ではなく、売り方と運用体制に対して無理なく続けられるかで選びます。集客を優先するのか、ブランドと顧客関係を育てるのか、独自業務をどこまで仕組みにするのかを先に定めると、依頼先から出されたカート案も比較しやすくなります。

方式ごとの役割と制約

構築方式 向く状況 主な利点 見落としやすい制約
モール出店 まず販路と商品需要を確かめたい場合 購買目的の利用者が集まる場で販売を始めやすい 店舗表現や顧客データの扱いに制約があり、モール内の競争にも対応が必要です。
ASP・SaaS 短期間で自社ECを立ち上げ、運用しながら育てたいとき サーバー運用の負担を抑え、標準機能を使って始めやすい 独自要件はアプリや外部連携で満たせるかを事前に見極めておく必要があります。
オープンソース 既存業務に合わせた設計を行いたい局面 画面・機能・外部システムを柔軟に組み合わせやすい 更新、障害対応、脆弱性対策を担う保守体制が欠かせません。
ECパッケージ 複数部門・複数チャネルで安定運用を求めるケース 中〜大規模ECで必要になりやすい標準機能と支援体制を選びやすい 標準機能に業務を寄せる範囲と、個別開発する範囲の整理を求められます。
フルスクラッチ 既製品では代替できない業務や顧客体験が競争力になる場面 要件に合わせて全体を設計できます。 要件定義、開発、保守の負担が大きく、仕様変更も事業側の判断力を要します。

モールには、楽天市場やYahoo!ショッピングのようなテナント型と、Amazonのように商品起点で購入されやすいマーケットプレイス型があります。前者は店舗としての見せ方を持ちやすい一方、後者は商品比較の中で購入されやすく、ブランドへの記憶が残りにくいことがあります。どちらも「集客を任せられる」と考えるのではなく、商品ページ改善、レビュー、在庫、広告運用を継続できるかで判断します。

要件から逆算する選定軸

カートを比較する前に、受注から出荷、購入後の対応までを一連の業務として書き出します。たとえば定期購入、会員ランク、複数倉庫、予約販売、卸売、越境販売などは、売上が伸びてから追加すると運用が複雑になりがちです。現在必要なことだけでなく、次の成長段階で変えにくい部分を依頼先とすり合わせます。

  • 決済では、希望する支払方法だけでなく、カード情報を自社で保持しない設計や本人認証への対応を確認します。EC加盟店には不正利用対策などが求められるため、機能名だけで判断しないことが大切です。EMV 3-Dセキュア導入に関する案内
  • 物流・在庫では、受注件数よりも、倉庫、実店舗、モール、自社ECの在庫をどこで正と位置づけるかを見定めます。手作業で吸収している例外処理も要件に含めると、連携の必要度を見誤りにくくなります。
  • 会員・CRMでは、初回購入の獲得はもちろん、再購入時にどの情報を使い、どの施策を実行したいかを考えます。自社ECでは、閲覧・購入データを活用する運用設計まで含めて依頼範囲を検討します。
  • 越境では、言語や通貨表示にとどまらず、配送、関税、決済、返品対応を誰が担うかまで詰めておきます。

規模ではなく運用余力で決める

小規模だからASP、大規模だからフルスクラッチと決めると失敗します。少人数でも独自の受注処理が多ければ連携やカスタマイズが必要になり、反対に売上規模が大きくても標準的な業務に整理できていればSaaSやパッケージで運用しやすい場合があります。

見積もりを受ける際は、「今回実装する要件」と「将来のために接続口だけ用意する要件」を分けて整理します。将来像を理由に過剰な開発を選ばず、ただし後から変更しにくい在庫・会員・基幹連携の方針は初期段階で固める、という切り分けが現実的です。具体的な対応範囲の確認は次章、費用の見方は第5章で扱います。

モールと自社ECの併用

モールと自社ECは、どちらか一方に統一しなければならないものではありません。モールを新規顧客との接点として使い、自社ECではブランドの世界観、会員施策、購入後の関係づくりを担わせると、それぞれの強みを分けられます。

ただし、モール購入者を自社ECへ誘導する施策は、出店先の規約を確認したうえで設計します。併用の成否は、出店チャネルの数ではなく、価格、在庫、問い合わせ、販促の責任分担を一元管理できるかにかかっています。支援会社には「どのチャネルで新規を獲得し、どこで再購入を育てるか」という役割分担から提案を求めるとよいでしょう。

依頼前に確認する問い

  • 自社の強みは、商品そのもの、価格、品ぞろえ、接客、独自の購入体験のどこにありますか。
  • 受注・在庫・出荷・問い合わせで、すでに人手に頼っている処理は何ですか。
  • 標準機能やアプリで許容できる部分と、業務上変更できない部分はどこですか。
  • 公開後に誰が商品更新、販促、改善、保守の判断を担いますか。
  • モール、自社EC、実店舗を含めて、顧客と在庫の情報をどう扱いたいですか。

これらへの回答が曖昧なまま製品名だけを指定すると、必要以上の開発や、公開後に運用できない仕組みにつながります。複数の構築方式を提案してもらい、各案で「実現できない要件」「追加開発になる要件」「自社が引き受ける運用」を明示して比較することが、方式選定の確かな基準になります。

4. どこまで任せるか=EC構築の対応範囲(構築・システム連携・公開後のCVR運用)

EC制作会社は「サイトを作る会社」ではなく、企画から連携、公開後の改善までを担い得ます。自社で継続して持てる業務を起点に、どこまで任せるかを契約前に線引きすることが、作っただけで止まる失敗を防ぎます。

依頼範囲は三段階で考える

まずは、必要な支援を「構築」「業務システムとの連携」「公開後の売上改善」に分けて考えます。EC制作会社の対応範囲は、戦略・KPI設計、UI/UXデザイン、撮影、カートや決済の実装、受注・在庫管理、基幹連携、集客・CVR改善まで広がり得ますが、実際にどこまで担うかは各社で差があります。Web幹事の解説も、構築のみを担う会社と運用まで支援するところがあることを示しています。

任せる範囲 自社で担う前提 発注時に確認すること
構築まで 商品登録、受注対応、更新、販促を継続できる 要件定義、デザイン、カート設定、公開後の引継ぎ範囲
連携まで 日々の受注・在庫・出荷の判断者は社内にいる 在庫・物流・基幹・店舗など、接続対象ごとの責任分界
改善伴走まで 施策判断と承認、商品・在庫・顧客対応の意思決定を行える CVR改善、広告、CRM、LP制作などの対象と自社側の担当者

少人数で商品企画や受注まで兼務しているなら、構築後の運用設計や改善の伴走も依頼範囲に入れる余地があります。一方、社内にEC担当、販促担当、物流担当がそろうなら、構築と連携の品質に発注範囲を絞り、運用は内製する判断もできます。外注範囲を広げるほどよいわけではなく、依頼先と発注側の役割が曖昧にならないことが優先です。

構築前に固める業務境界

見積もりを取る前に、「注文が入ってから出荷・問い合わせ対応・再販促まで、誰が何をするか」を一枚に整理します。画面制作の要望だけを渡すと、公開後に必要な商品更新、在庫差異の確認、返品処理、問い合わせ対応が発注範囲から外れ、運用が滞りやすくなります。

  • 戦略・企画:誰に何を売り、どのKPIを見て判断するか
  • フロント制作:商品情報、撮影素材、導線、LPを誰が用意・更新するか
  • 受注・在庫:受注確認、欠品判断、出荷指示、返品対応を誰が担うか
  • システム連携:カート、決済、物流、在庫、基幹システム間で何を同期するか
  • 集客・顧客対応:広告、モール、メール、LINEなどの施策と承認者を誰に置くか

制作会社には、この業務の流れを前提として「対応する作業」「設定のみで終える作業」「自社または別ベンダーが担う作業」を分けて提示してもらいます。連携の可否だけでなく、実現しない場合にCSV運用や手作業がどこに残るかまで確認すると、公開後の負荷を判断しやすくなります。

売り方からカート要件を決める

対応カートは、知名度や初期の作りやすさだけで選べません。定期購入、法人向け価格、承認フロー、越境販売、複数倉庫、モール併売など、自社の売り方が成立するかを先に確認します。定期購入やBtoBでは必要な機能が大きく変わるため、実現したい販売条件を明確にしてからカートを選ぶ考え方が紹介されています。SBペイメントサービスのカート選定解説

越境販売を予定する場合も、多言語・多通貨、配送先、決済、対象国での運用実績を要件に入れます。国内向けカートへの追加対応では制約が残ることがあるため、販売先の国と商品を定めてから方式を検討することが欠かせません。EC幹事の越境ECカート解説

依頼先には「対応カート名」だけでなく、自社と似た商材・販売方式で、どの要件をどこまで実装したかを尋ねます。標準機能、アプリやプラグイン、個別開発、外部サービスで補う部分を分けて説明できる会社なら、公開後の制約も見通しやすくなります。

公開後の担い手を先に置く

ECは公開後に商品追加、販促、導線の見直しを続けて初めて育ちます。更新や分析が止まるとサイトが放置されやすいため、運用開始後に誰が数字を見て、誰が改善を決め、誰が実装するかを契約前に決めておきます。継続的な更新、販促、問い合わせ・在庫物流管理が必要になる点は、アプロ総研のEC運用解説でも整理されています。

自社で改善を回せない場合は、web接客、入力フォームの見直し、カゴ落ち対策、LP改善、広告やCRMまでを伴走範囲に含めるかを検討します。ただし、施策の実行を任せても、商品供給、値引き判断、顧客対応方針は発注者側の意思決定が必要です。公開後の運用内容そのものは、次章以降で比較する前提として、ここでは担い手と責任範囲を固定しておくことに集中します。

5. ECサイト構築の費用相場と見積もりの内訳【方式別】

ECサイト構築の初期費用は、方式だけでなく必要機能・商品数・既存業務との連携範囲で決まります。相場を単価表として見るのではなく、自社がどこまでを公開時に実装するかを揃えて比較すると、見積もりの妥当性を判断しやすくなります。

初期構築費の相場アンカー

Web幹事のECサイト構築費用調査では、新規案件94件の平均は163.2万円、中央値は100.0万円でした。平均は大規模な連携開発を含む案件に左右されるため、まずは中央値を比較の起点にし、必要機能が増えるほど上振れするものとして捉えるとよいでしょう。

初期費用帯 構成比 読み取り方
100万円以下 51% テンプレート活用や機能を絞った立ち上げが中心です。
101〜200万円 30% デザインや商品登録、基本的なカート設定を含める比較対象になりやすい水準です。
201〜500万円 15% 独自要件や外部システム連携が増えると入りやすい帯です。
501万円以上 4% 高度な業務連携や独自開発を伴うケースです。

この分布も同調査によるものです。商材別の平均には食品110.3万円、アパレル・雑貨・インテリア86.5万円、エンタメ・レジャー・ゲーム183.0万円という差もあるため、同業の平均だけで発注額を決めるのは避けるべきです。商品点数、販売方法、受注処理の複雑さまで揃えて比べてください。

方式別の初期費用

構築方式は、初期費用と将来の拡張性を同時に左右します。Web幹事の方式別相場を目安にすると、次のように整理できます。

方式 初期費用の目安 費用判断のポイント
ECモール 無料〜10万円程度 楽天市場やYahoo!ショッピングなどの既存基盤を使うため、独自設計の余地は限られます。
ASP・SaaS 無料〜100万円程度 Shopifyなどを使い、テンプレートと標準機能で始めるほど初期費用を抑えやすくなります。
オープンソース 10万〜500万円超 EC-CUBEなどを基盤に要件へ合わせられますが、改修・検証範囲によって大きく変動します。
ECパッケージ 100万円〜 標準機能が豊富な反面、追加連携や個別開発が見積もりに影響します。
フルスクラッチ 500万円以上 独自の受注・在庫・販売ロジックまで作る場合に検討します。

低い初期費用だけで方式を決めると、後から必要になった加工注文、在庫・会計連携、複数チャネル受注への対応で作り直しが起こり得ます。たとえば、加工オーダーや在庫連携に対応できず、手作業が増えた事例もfutureshopの立ち上げ記録で紹介されています。公開時点で必須の業務と、売上拡大後に追加する業務を分けて方式を選ぶことが現実的です。

見積書で確認する内訳

同じ「ECサイト構築」でも、見積書に何を含めるかで総額は変わります。少なくとも、企画・ディレクション、デザイン、カート構築、決済、物流・在庫連携、商品撮影・登録、公開後の支援を分けて記載してもらうと、比較しやすくなります。

費目 見積もりで確認したい内容 参考となる単価目安
企画・ディレクション 要件整理、画面構成、進行管理、テスト・公開支援の範囲 企画立案30万円〜(中小規模では構成費に含む場合あり)、全ページの構成作成5万円〜
デザイン・実装 テンプレート調整か個別デザインか、対象ページ数、スマートフォン対応 デザイン・コーディング各1ページ1.5万〜5万円
商品準備 撮影の有無、登録点数、商品情報の整備範囲 撮影10万円〜、商品登録1点5,000円〜
カート・決済 カート初期設定、決済手段、本人認証、テストの範囲 決済機能導入1万〜5万円前後
CMS・連携開発 商品・コンテンツ管理、在庫・物流・受注データの連携仕様 CMS導入30万〜50万円前後

これらの費目と単価目安は、pull-netの費用内訳を参考にしています。外部システムとの連携や独自実装は、必要な工数を人月で積み上げる見積もりになり、エンジニアの人月単価は80万〜150万円程度とする解説もあります。Shopify日本の見積もりガイドを参照し、連携要件ごとの工数・テスト費は個別に把握してください。

総額を動かす機能要件

見積差が出やすいのは、見た目のページ数よりも、注文後の業務や販売ルールに関わる機能です。次の要件は「必要か」「標準機能か追加開発か」「誰がテストと運用設計を担うか」を確認しておくと、想定外の追加費用を減らせます。

  • 決済手段、EMV 3-Dセキュア、返品・キャンセル時の処理
  • 配送条件、複数倉庫、在庫・受注管理システムとの連携
  • 会員ランク、ポイント、定期購入、予約販売などの販売ルール
  • 商品バリエーション、セット販売、加工・名入れなどの商品固有の入力項目
  • 楽天市場やYahoo!ショッピング等との商品・在庫・受注連携
  • 商品撮影、原稿作成、商品登録、既存データの移行

カード決済を扱うなら、2025年3月末までに原則として全EC加盟店でEMV 3-Dセキュア導入が求められています。JCBの加盟店向け案内を踏まえ、構築会社には対応方法と決済事業者側の設定範囲を確かめておきましょう。特商法表示や最終確認画面など、販売事業者側の表示責任もあるため、消費者庁の通信販売広告ルールを満たす画面・運用体制になっているかも発注前に確認したい点です。

方式ごとの料金を混同しない

初期構築費と、カートやモールに支払う利用料・決済手数料は別に見ます。たとえばShopifyは月払いでBasic 4,850円、Grow 13,500円、Advanced 58,500円で、Shopifyペイメント利用時のオンラインカード決済手数料は各3.55%、3.4%、3.25%です。これはShopify公式料金ページの料金体系であり、制作会社の構築費とは別の費用です。

同様に、BASEのスタンダードプランは初期費用・月額0円で、決済手数料3.6%+40円とサービス利用料3%が発生します。BASE公式料金ページで確認できる条件です。モールも初期登録費用や出店料、売上連動のシステム利用料があり、構築代行費だけでは比較できません。楽天市場の初期登録費用・月額出店料・システム利用料は、楽天市場の料金解説でプランごとに把握できます。

公開後に継続してかかるカート利用料、決済手数料、モール費用、保守や運用代行費は、第6章で総合的に扱います。この章では、まず公開までに必要な初期構築費を切り分けて見積もることに徹してください。

相見積もりのそろえ方

依頼前に「方式」「必須機能」「商品数」「商品データ・撮影の担当」「在庫・受注・物流の連携」「公開後の支援を初期費用に含めるか」を一枚に整理し、同じ条件で複数社へ見積もりを依頼しましょう。総額だけでなく、各費目、対象外となる作業、追加開発になる条件、テスト・公開支援の範囲を並べれば、安価に見える提案の不足も判断できます。

受発注・在庫管理などのIT導入を伴う場合は、補助制度を使えることがあります。ただし、デジタル化・AI導入補助金は単なるECサイト制作だけを対象とするものではありません。EC向け補助金の整理を入口にしつつ、対象経費・申請時期・要件は必ず各制度の公式情報と支援事業者へ確認してください。

6. 公開後の運用・CVR改善と月額費用──自社で回すか伴走支援か

公開後に自社で回せるかは、日々の受注・在庫業務と、売上を伸ばす改善業務を分けて設計できるかで決まります。構築会社を選ぶ際は、納品後に誰が何を担い、どの数字を見て改善を続けるのかまで確認してください。運用を丸ごと外注するかではなく、自社に残す業務と伴走を依頼する業務とを分けて判断すると、費用と成果のバランスを取りやすくなります。

公開後の業務を二つに分ける

公開後の運用は、止めてはいけない「受注・在庫の運用」と、売上を伸ばす「CVR改善・集客」の二層で考えます。前者が滞れば欠品、誤出荷、問い合わせ増加につながり、後者を止めると広告費や商品企画の投資を購入につなげにくくなります。

領域 主な業務 自社に残しやすい業務 支援を検討しやすい業務
受注・在庫運用 受注確認、出荷指示、返品対応、在庫更新、モールとの在庫連携 商品知識が必要な判断、顧客への最終回答、仕入れ判断 受注処理の設計、連携エラーの監視、繁忙期の作業補完
CVR改善 商品ページ、カート、決済、入力フォーム、表示速度の改善 顧客の声の収集、優先順位の決定、商品訴求の承認 計測設計、仮説立案、A/Bテスト、実装・分析
広告・CRM・SEO 広告配信、メール・LINE、再購入施策、検索流入の改善 販促方針、ブランド表現、配信内容の最終承認 媒体運用、配信シナリオ設計、技術的なSEO対応

委託先には「更新を代行するか」だけでなく、障害時の連絡窓口、在庫差異が出た場合の切り分け、商品追加の手順、モールと自社ECで在庫をどう同期するかを確認しましょう。担当者が替わっても回るマニュアルと権限管理を引き渡す会社なら、将来の内製化にもつながります。

スマホ起点でCVRを点検する

物販系BtoC-ECではスマートフォン経由の比率が61.7%に達しています。経済産業省調査を報じたネットショップ担当者フォーラムを踏まえると、PC画面で見栄えがよくても、スマホで商品を探し、決済し、入力を完了できなければ売上につながりません。

  • 商品一覧から詳細、カート、決済完了までを実機で操作し、文字・画像・ボタンが読みやすいかをたしかめます。
  • 決済方法、住所入力、クーポン利用で迷う箇所を洗い出し、入力項目やエラー表示を見直します。
  • 表示速度を定期的に測り、容量の大きい画像や不要な計測タグ・アプリを放置しない体制を保ちます。
  • 流入数だけでなく、商品閲覧、カート投入、購入手続き開始、購入完了を分けて計測します。

カートに入れた後の離脱は、改善の優先度を判断しやすい接点です。月商500万円以上のECを対象とした調査では、平均カゴ落ち率は62.9%とされています。CART RECOVERYの調査のような数値を自社の計測値と比べる際も、業種や購入頻度の違いを考慮し、まずは自社の離脱地点を把握することが先決です。

改善支援で確認すべき進め方

「CVRを改善します」という提案だけでは、伴走支援の良し悪しは判断できません。改善の対象、測定方法、実装担当、検証後の判断までが見積もりに含まれているかを確かめてください。

仮説と検証の単位

商品ページの訴求、送料表示、フォームの入力負荷、カート内の不安要因など、変更理由を仮説として説明できる会社を選びます。一度に多くを変えると結果の理由が分からなくなるため、施策ごとに比較対象と判定期間を置く設計が望まれます。EFO、カゴ落ち対策、Web接客は手段であり、導入そのものを成果としないことが大切です。

データの所有と引継ぎ

アクセス解析、広告、CRM、ヒートマップ、接客ツールのアカウントを誰名義で持つかも契約前に決めます。自社で閲覧できない状態では、委託先の変更時に比較や改善を引き継げません。月次報告では、売上だけでなく、施策、対象ページ、変化した指標、次回の判断を把握できる形を求めましょう。

広告運用はCVR改善と連動しますが、媒体ごとの配分や運用手法は論点が広いため、詳しくはWeb広告運用の選び方を参照してください。公開後の支援会社には、広告流入を増やす前に購入導線の課題をどう見極めるかをすり合わせておくと、役割分担が明確になります。

月額費用は業務範囲で比べる

運用代行の月額は、作業量と専門性で大きく変わります。目安として、戦略・分析は月10万〜30万円、広告運用は月5万〜20万円に広告費が加わり、SEO対策は月10万〜50万円、受注・発注管理は月10万〜40万円、カスタマーサービスは月5万〜15万円とされています。EC運用代行の費用相場はあくまで業務別の参考値であり、全てを一括委託すれば合計額も増えます。

比較時は月額の安さだけでなく、含まれる作業回数と責任範囲をそろえます。たとえば「分析」がダッシュボード共有のみなのか、改善案・実装・検証まで含むのかで必要な予算は変わります。広告費、撮影・制作費、ツール利用料、緊急対応、追加ページ制作が別費用かどうかも、見積書で分けて把握しておきましょう。

  • 受注・在庫処理は、件数上限、対応時間、返品・例外対応の範囲を見ておきます。
  • CVR改善は、月間の分析・提案・実装・検証の回数と、A/Bテストの費用を確認します。
  • CRMは、配信作業だけでなく、顧客区分、シナリオ、効果測定を誰が担うか把握しておきます。
  • 内製化を予定するなら、操作研修、マニュアル、アカウント移管を契約範囲に入れます。

自社運用と伴走の判断軸

日々の受注・商品更新を担える人が社内にいるなら、定型業務は自社で持ち、計測設計や難度の高い改善だけを外部の専門家に頼む形が有効です。一方、繁忙期の波が大きい、在庫連携が複雑、改善担当を置けない場合は、運用設計から伴走してもらうほうが、公開後に止まるリスクを抑えやすくなります。

判断の基準は「社内でできるか」ではなく、「継続して品質を保てるか」です。毎週見る指標、異常時の担当、改善の決裁者を自社で決めたうえで、その不足部分だけを委託候補に伝えると、比較可能な提案を受け取れます。

公開後にカゴ落ち、フォーム離脱、購入直前の迷いを改善したい場合は、Web接客ツールを比較して自社の課題に合う選択肢を絞り込みましょう。Web接客ツールの比較表を見る・資料をリクエストする

公開後のカゴ落ち対策・サイト接客・EFOで転換率(CVR)を上げるなら、Web接客ツールで改善する選択肢もあります。以下のWeb接客ツール比較もあわせてご覧ください。

「Web接客ツール」の製品比較表

※税込と表記されている場合を除き、全て税抜価格を記載しています

  • 製品名
  • 注目ポイント
  • 料金プラン
  • プラン名金額
  • 無料トライアル
  • 最低利用期間
  • 基本的な機能
    • 外部サービスとの連携
    • 有人チャット切り替え可
    • 会話ログの蓄積
    • 同時対話可能
    • 24時間対応
    • ABテスト連携
    • レポート機能
    • ターゲティング機能
    • FAQ作成
    • チャットタイプ
    • 離脱防止機能
    • シナリオ型チャット
    • AIチャット
    • ハイブリットタイプ
    • マルチデバイス対応
    • ポップアップタイプ
    • タグ1行挿入で導入可
    • 会員情報との連携
  • サービス資料
  • 無料ダウンロード
  • ソフト種別
  • サポート
能動的に集客を
初期費用 無料
利用料金 25,000円~/月
制限なし
PUSH ONEの資料サムネイル
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
業界に強いAIが即解決
FAQ1~100問 30,000円/月額
FAQ101~200問 40,000円/月額
備考
このあと100問ごとに10,000円ずつ増加します。
1,001問以上 要問合せ
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
800社以上の導入実績
初期費用 要相談
備考
問い合わせ後にヒアリング
利用料金 要相談
備考
問い合わせ後にヒアリング
最低利用期間の定めなし
なし 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
月額基本料 150,000円/月額
オンボーディングプラン 400,000円
備考
人気のオプションプランです。
初期データ登録支援、Q&A/シナリオコンサルティング支援、ログ分析・運用改善支援などのサポートを受けられます。
制限なし
なし 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
プラン 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 100,000円
1ルーム 35,000円/月額
備考
個人アカウントは1アカウントあたり3,000円です。
3ルーム~ 69,000円~/月額
備考
個人アカウントは1アカウントあたり3,000円です。
10ルーム~ 215,000円~/月額
備考
個人アカウントは1アカウントあたり3,000円です。
20ルーム~ 400,000円~/月額
備考
個人アカウントは1アカウントあたり3,000円です。
1年
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 100,000円
設定サポートプラン 75,000円/月額
運用コンサルティングプラン 100,000円/月額
自分で運用プラン 50,000円/月額
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
スタートプラン 2,980円(税込)/月額
備考
月間配信数1,000通までのプランです。別途 LINE公式アカウント(旧:LINE@)の費用がかかります。
スタンダードプラン 21,780円(税込)/月額
備考
月間配信数15,000通までのプランです。別途 LINE公式アカウント(旧:LINE@)の費用がかかります。
プロプラン 32,780円(税込)/月額
備考
月間配信数45,000通までのプランです。別途 LINE公式アカウント(旧:LINE@)の費用がかかります。
10万通 プラン 87,780円(税込)/月額
備考
月間配信数100,000通までのプランです。別途 LINE公式アカウント(旧:LINE@)の費用がかかります。
30万通 プラン 131,780円(税込)/月額
備考
月間配信数300,000通までのプランです。別途 LINE公式アカウント(旧:LINE@)の費用がかかります。
50万通 プラン 142,780円(税込)/月額
備考
月間配信数500,000通までのプランです。別途 LINE公式アカウント(旧:LINE@)の費用がかかります。
100万通 プラン 197,780円(税込)/月額
備考
月間配信数1,000,000通までのプランです。別途 LINE公式アカウント(旧:LINE@)の費用がかかります。
3ヵ月
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
プラン 30,000円~/月額
備考
正式な金額は、ボット数や月間リクエスト数により見積もります。
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
プラン 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 1,000,000円~
備考
立ち上げにあたってのサポートを中心にサポートチームが支援。1ドメインあたりの料金です。
マーケティングプラン 150,000円/月額
備考
マーケティングダッシュボード含めて、全ての機能が利用可能です。1ドメインあたりの料金で、従量課金です。
エンタープライズプラン 200,000円~/月額
備考
サイトUU数による従量課金なく、全ての機能が利用可能1ドメインあたりの料金です。
1年
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
プラン 10,000円~/月額
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
フリープラン 0円
備考
Web接客をまずは試してみたい方に向けたプランです。サイト数は1つまでで、ウィジェットをサイト来訪者に表示する回数は100回/月です。
スタンダードプラン 9,800円/月額
備考
実施したい施策の内容が限定される方に向けたプランです。サイト数は2つまでで、ウィジェットをサイト来訪者に表示する回数は10,000回/月です。
エンタープライズプラン 48,000円~/月額
備考
接客により成果を最大化したい方に向けたプランです。サイト数とウィジェットをサイト来訪者に表示する回数は無制限です。
6ヵ月
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
プラン 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
プラン 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
Starter 要相談
備考
20万PV/月までの、小規模、自社運用に向いたプランです。
Growth 要相談
備考
100万PV/月までの、充分な基本サービスがあるプランです。
Professional 要相談
備考
100万PV/月までの、カスタマイズが可能なプランです。
Enterprise 要相談
備考
100万PV/月以上で、大規模サイト向けのプランです。
1年
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
スタンダードプラン初期費用 50,000円
スタンダードプラン 50,000円/月額
備考
導入サイト数、CVタグ数は無制限です。80万PV以上の場合は別途お見積りとなります。
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
A/Bテスト検証後導入プラン 要相談
備考
A/Bテスト導入を1ヶ月行い、効果を確認してから本導入の流れとなります。
簡易接客導入プラン 要相談
備考
簡易機能だけの導入プランです。料金を抑え導入準備もほとんどかかりません。
本格接客導入プラン 要相談
備考
接客会話を充実させたリッチな構成プランです。希望の内容に合わせ構成を作ります。
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
月額料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 なし
ライトプラン 6,500円/月額
備考
1ID当たりの価格です。
スタンダードプラン 50,000円/月額
備考
1ID当たりの価格です。
ビジネスプラン 10,000円/月額
備考
1ID当たりの価格です。
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
ミニマム 1,980円/月
備考
年額プランだと月額換算で1,500円です。まずは手軽に導入してみたいという方向けです。
ビジネス ライト 10,800円/月
備考
チャットボットの機能を網羅しています。
プレミアム 30,000円/月
備考
セキュリティ・検索性を高めたい方向けです。
AIライト 54,000円/月
備考
類義語・辞書を導入してみたいという方向けです。
オートAI 78,000円〜/月
備考
簡単にAIを導入してみたいという方向けです。
AIチャット ボット 170,000円/月
備考
高性能なAIを導入してみたいという方向けです。
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
備考
問合わせ後にヒアリング
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /

価格や製品機能など、見やすい一覧表から、気になる製品をまとめてチェック!

7. 失敗しないEC構築会社の選び方と危険な会社の見分け方

失敗しないEC構築会社選びは、制作物の見た目ではなく、自社の売り方・業務・公開後の改善までを実現できるかで判断します。依頼前に目的と条件を整理し、提案・見積もり・担当者の対応を同じ基準で比べれば、安さや実績件数だけでは見えないリスクを避けられます。

選定前に固める発注条件

制作会社へ相談する前に、「誰に何を売り、公開後に何を改善したいか」を自社で言語化します。目的とKPIを曖昧にしたまま依頼すると、各社の提案範囲がそろわず、見積もりも比較できません。要件定義では狙いと指標を先に絞り込むことが出発点であり、連携要件や優先順位を後回しにすると予算・納期・品質が崩れやすいとされています。Shopify Japanの要件定義ガイド

最初から詳細な仕様書を完成させる必要はありません。ただし、次の内容は発注側の仮説として用意します。制作会社はそれを具体化する相手であり、事業の目的まで完全に丸投げする相手ではありません。

  • 販売の目的:新規顧客の獲得、既存顧客の再購入、法人受注の効率化、モール依存の見直しなど
  • 追う指標:受注数、CVR、客単価、リピート率、問い合わせ削減、受注処理時間など
  • 販売条件:商材の特徴、定期購入・予約・名入れなどの販売方法、主な顧客、想定注文量
  • 業務条件:在庫・受注・会計・倉庫との連携、社内の更新担当、公開希望時期
  • 予算条件:初期構築、月額保守、広告・CRM・改善施策を分けた上限と優先順位

この整理があると、「できる」という回答ではなく、「どの要件を、どの方法で、どこまで対応するか」を比べられます。後から必要機能が判明すれば再設計や追加調整が起こり、費用や納期が膨らむおそれがあります。aishipの要件定義解説

自社に合う実績の見方

実績は件数の多さより、自社と似た難しさを解いた経験があるかで見ます。BtoC、D2C、BtoB、越境、定期購入では、必要な導線、価格表示、受注フロー、CRMの設計が変わります。扱う商材によってECの浸透度や競争環境にも差があるため、業種名だけでなく、顧客の買い方と運用の複雑さまで把握しておきます。経済産業省調査を紹介する日本商工会議所の記事

ポートフォリオを見る際は、完成画面の印象だけで判断しません。「どの課題に対し、どの機能・導線・運用を設計したか」「公開後に何を検証したか」を尋ねます。同業種・同規模の支援例、構築後の改善例、継続支援の内容までとらえる視点が、公開して終わる会社を見分ける助けになります。EC制作会社選定の解説

あわせて、提案を担当するディレクターやPM本人の経験を確かめます。会社の代表実績が豊富でも、実際の担当者に必要な判断経験があるとは限りません。担当者が、自社の商材、利益構造、顧客獲得方法、日々の受注業務について具体的な質問を返してくるかも判断材料です。

カートと連携の適合性

Shopify、EC-CUBE、futureshop、makeshopなどのカートは、知名度や初期費用だけで選ばず、自社の必須要件を無理なく満たせるかで比較します。とくに、定期購入、法人向け価格、複雑な商品オプション、受注・在庫連携、複数チャネル管理、決済やセキュリティの対応は、公開後に変更しにくい条件です。

たとえば、加工内容や商品条件が複雑な事業では、カートが要件に合わないと、プラグイン追加や手作業でしのぐ運用になりがちです。実際に、商品加工要件と在庫・経理連携に応じきれないまま運用負荷が増え、移行を決めた事例もあります。futureshopのEC立ち上げ事例

提案会社には、必須要件ごとに「標準機能で可能か、追加開発か、外部アプリや連携サービスが必要か、運用で回避するのか」を表で示してもらうと有効です。曖昧な「対応可能」ではなく、制約・追加費用が発生する条件・将来の拡張方法まで見極めます。

カード決済を扱う場合は、決済・脆弱性対策・本人認証への備えも点検の対象です。EC加盟店にはEMV 3-Dセキュア導入を含む不正利用防止措置が求められているため、採用するカート、決済代行、運用体制の役割分担を明確にします。JCBのEMV 3-Dセキュア導入案内

構築後まで含めた支援範囲

ECは公開が成果ではありません。商品登録、受注・在庫対応、集客、購入導線の改善、CRMまで、誰がどこまで担うかを契約前に決めます。構築だけを依頼すること自体は問題ありませんが、その場合は公開後の運用主体と改善の判断方法を自社で持つ必要があります。

確認対象 見極める質問
CVR改善 公開後に確認する指標、改善提案の頻度、実装の担当は誰か
受注・在庫連携 初期設定だけか、障害時の切り分けや仕様変更も支援対象か
広告・CRM 運用代行か助言か、媒体費と運用費、顧客データの利用範囲はどうなるか
モール運用 楽天・Yahoo等の売上だけでなく、自社ECの顧客育成と併用方針を提案できるか

モール運用を依頼する場合も、自社ECをどう育てるかを聞きます。モールでは顧客データの活用や直接的なCRM施策に制約があり、販売先を一つに寄せすぎると利益構造や顧客資産の面でリスクが残ります。コマースロボのモール依存に関する解説

見積もりの比較方法

総額だけで比べると、安い提案が本当に安いのかは分かりません。同じ前提条件で各社に依頼し、初期構築、追加開発、外部サービス、データ移行、テスト、公開支援、保守、改善支援を分けて提示してもらいます。費用相場や構築方式ごとの特徴は第5章・第8章に譲り、この章では見積もりの中身を比較することに集中します。

とくに注目したいのは、修正回数、対象外作業、仕様変更時の単価、外部アプリや決済の継続費、保守の対応時間です。追加費用の条件を先に説明できず、要件を聞かずに即答で低価格を出す会社は注意が必要です。修正や機能追加時の費用、連絡・ファイル共有の体制が明確かを見極めるべきとする選定指針もあります。メルカートのチェックリスト

危険な選び方の逆引き

よくある失敗は、契約前の確認不足として現れます。失敗例を「起きた後の反省」で終わらせず、商談時に何を確認すれば避けられるかへ置き換えます。

失敗の兆候 契約前の見極め方
安さやデザインだけで選び、売れない 購入導線、スマホ画面、商品ページ、計測、公開後の改善案まで提案に含まれるか点検します。
カート選定を誤り、後から拡張できない 必須要件を一覧化し、標準対応・追加開発・不可を回答してもらいます。
公開後に放置される 保守の範囲、障害時の窓口、改善会議、社内引き継ぎの有無を契約書と見積書で確かめます。
モール売上だけに依存する 自社ECの集客、会員化、再購入施策を含むチャネル設計を説明できるかを見ます。
要件後出しで追加費用が増える 前提・対象外・変更管理・追加単価を明文化し、要件の優先順位を合意します。

担当者との相性と体制

EC支援では、担当者とのやり取りの質が成果に直結します。質問への返答が早いことだけでなく、不明点を曖昧にせず、事業側の言葉を要件や優先順位に翻訳できるかを見ます。商談で専門用語だけを並べる、懸念点への回答を書面に残さない、都合のよい実績だけを見せる場合は、進行後も認識差が広がりやすいでしょう。

契約前に、担当者、意思決定者、制作・開発・運用の役割分担、定例頻度、連絡手段、緊急時の窓口をすり合わせます。自社側も、決裁者と日常のとりまとめ役を分け、誰が期限内に判断するかを決めておくと、制作会社任せによる停滞を防げます。

最終判断の基準

最終的には、「自社の目的を理解し、必要な方式と運用を説明でき、費用と制約を隠さず示す会社」を選びます。提案資料が華やかでも、商材・顧客・業務・KPIへの理解が浅ければ、公開後に売上や運用の課題が残ります。

複数社を比べる際は、価格順ではなく、要件適合、類似実績、公開後の役割、見積もりの透明性、担当体制の順で評価します。この基準を持って地域別の会社紹介を見ると、知名度や掲載順位に流されず、自社に合う候補を絞り込めます。

8. 目的で選ぶ会社タイプ(Shopify特化・EC-CUBE・D2C定期購入・総合・低予算)

ECサイトの構築・運用を支援する会社は数が多く、一社ずつ見比べても違いはなかなか見えてきません。先に会社を「タイプ」で束ね、自社の目的・規模・予算・商材のうちどれが主な動機かを起点に絞り込むと、広い候補プールに地図が引けます。ここでは代表的な五つのタイプを整理し、「自社はどれを選ぶべきか」まで結び付けます。会社名の羅列ではなく、撃ち分けの軸を持ち帰ってもらうのが狙いです。

会社タイプは5つに束ねる

実務でよく出会う支援会社は、次の五つに束ねると輪郭がはっきりします。得意な規模・予算・商材がそれぞれ異なるため、まずは自社の動機に最も近い行を探すところから始めると迷いません。

会社タイプ 向いている目的・規模 予算・商材の目安
自社カートシステム提供型(中〜大規模) 独自の販売形態・大量商品・基幹連携が要る中〜大規模EC パッケージ〜フルスクラッチ帯
運営改善・リニューアル強化型(中堅中小) 公開後のCVR改善・売上停滞の立て直し・作り替え 現行資産を活かす改修が中心
複数カート対応型 商材や要件に合わせてカートを選びたい Shopify・EC-CUBE・futureshop等を横断
低予算対応型 まず小さく始めたい・仮説検証の段階 ASP/オープンソースの下限帯
Shopify特化/D2C・定期購入特化 越境・海外販売、またはサブスク・単品リピート通販 標準機能が目的に直結する商材

規模と予算で骨格が分かれる

タイプの大きな骨格は、扱える構築方式と想定規模で決まります。構築方式別の初期費用の目安は、モール出店型が0〜10万円、ASP・SaaS型が0〜30万円、オープンソース型(EC-CUBE等)が50〜200万円、パッケージ型が300〜1,500万円、フルスクラッチ型が1,000万円以上とされます(Shopify 日本 公式ブログ)。低予算対応型はこの下限を、独自カートを持つ中〜大規模型は上位帯を担うため、予算感がそのままタイプの分かれ目になります。ただし判断は初期費用だけで下さず、3〜5年の総保有コスト(TCO)で見比べる姿勢が欠かせません。

作るか伸ばすかで分かれる依頼先

依頼の動機が「新しく作る」のか「すでにあるものを伸ばす」のかでも、選ぶ相手は変わります。運営改善・リニューアル強化型は、公開後の運用や売上の立て直しに軸足を置く会社です。たとえば楽天市場で月商2,000万円を売った店舗でも、出店料やシステム利用料で月約9万円に加えて繁忙期の広告費が重くのしかかり、人手と費用を賄えなくなって自社ECへ移した実例があります(SEO Packブログ)。逆に、安さだけでカートを選んだ結果スマホ非対応や加工オーダー・基幹システムとの非連動が判明し、売上が伸びた途端に手作業がパンクして作り替えに至った例もあります(futureshop「EC立ち上げ奮闘記」)。停滞や作り替えが動機なら、構築力そのものより運用・改善の実績でタイプを選ぶのが近道です。

商材が決める特化型の選び分け

扱う商材が定まっているなら、特化型が最短路になります。ECの浸透度や競争環境は商材ごとに大きく異なるため(日本商工会議所/経済産業省調査)、得意商材で会社を選ぶ意味があります。主な対応関係は次のとおりです。

  • 越境・海外販売ならShopify特化型。標準機能のShopify Marketsで言語・通貨・送料を一つの管理画面で扱え、現地通貨での価格表示まで自動化できます。ただし関税をチェックアウト時に自動計算・徴収するには上位のManaged Markets(旧Markets Pro)が必要です(株式会社AO)。
  • サブスクや単品リピート通販ならD2C・定期購入特化型。定期と単品の同時処理、お届けスキップ、解約抑止、ステップメールといった機能を標準で備えます(リピスト)。ただし広告に売上を依存させる構造は残りやすく、Meta広告のアカウント停止で売上の約9割を失いかけた事例もあり、獲得経路の分散は別途必要です(note・現役CMOのレポート)。
  • アパレルなどデザイン重視の中〜大規模ならfutureshop等のSaaS。細かな見せ方を作り込むcommerce creatorを備え、利用店舗の平均年商は約8,700万円と中〜大規模帯が中心です(ECサイトメディア)。
  • 自由度の高いカスタマイズが要る中〜大規模ならEC-CUBE。国内で35,000店舗以上が稼働し、月商1,000万円以上での利用実績も豊富です(ITreview)。反面、オープンソースゆえ運用は開発者の負担が大きく、ドキュメント不足でソース読解が要る場面もある点は織り込みが必要です(Zenn)。

これらを一社で横断できるのが複数カート対応型で、商材や要件に応じてカートそのものを撃ち分けられます。特化型と横断型のどちらを採るかは、商材が一つに定まっているか、まだ動く余地があるかで見極めます。

「公認パートナー」表記の読み方

特化型を選ぶ際、認定制度の表記はそのまま鵜呑みにしないほうが安全です。Shopifyの「Plus Partner」という区分は2024年12月に廃止され、現在はRegistered・Select・Plus・Premier・Platinumの5段階ティアに統一されています(swooo)。ティアは四半期ごとに見直されるため、古い「Plus Partner」表記を根拠にせず、現行のティアを確認する必要があります。

自社が選ぶべきタイプの絞り方

最後に、絞り込みの順番を決めておくと迷いません。まず動機(作る・伸ばす・越境・サブスク)でタイプの候補を挙げ、次に規模と予算で帯を合わせ、最後に商材で一つに寄せる、という順序が扱いやすい流れです。低予算から始める場合も、たとえばBASEのように初期0円・月額0円で開業できる選択肢はありますが(BASE公式)、成否を分けるのはツールの安さより商材選定と効果測定です。実際、Shopifyで開業しながら、送料を払ってまで買う理由の薄い商材とPDCA不足で売上ゼロに終わった記録も残されています(note)。

なお、この章は普遍的な選び方の土台に徹するため、地域ごとの具体的な窓口や会社名までは踏み込みません。実際の候補は、対象エリアを扱う地域別のおすすめ記事で確認してください。

9. ECサイトのリニューアルで売上とSEO評価を落とさない

ECサイトのリニューアルは、見た目を新しくするだけでは不十分です。既存の検索流入、商品ページの評価、購入導線、会員・受注データを引き継ぐ設計がなければ、公開直後に順位や売上を落とすおそれがあります。依頼先は制作力だけでなく、現行サイトを分析し、移行後まで責任範囲を具体化できる会社を選びます。

最初に目的と守る指標を決める

「古く見えるから全面刷新したい」だけでは、必要な変更と残すべき資産を判断できません。売上改善、カート移行、ブランド表現の見直し、受注処理の効率化など、リニューアルの主目的を一つずつ整理し、売上、CVR、自然検索流入、主要商品ページの順位、会員移行率といった守る指標を決めます。

依頼先には、現状のアクセス解析、検索流入ページ、売れている商品・カテゴリ、離脱が多い導線、在庫・受注処理の課題をどのように調べ、要件定義へ反映するかを確かめてください。課題を把握せずにデザイン案やカートの話から始める会社では、既存資産を壊すリスクを見落としやすくなります。

一括刷新より優先順位を設計する

すべてを一度に変えるほど、売上低下の原因を切り分けにくくなります。購入者に影響する不具合、決済・在庫連携、検索流入の大きいページ、改善効果の高い導線から優先順位を付け、変更しない領域も明文化する進め方が現実的です。

たとえば、カートだけを移行するのか、商品・カテゴリ構造も再編するのか、ブランド刷新まで同時に行うのかで、必要な検証は変わります。提案書には変更対象、引き継ぐ対象、公開後に改善する対象が分けて示されているかを見ます。

SEO資産を引き継ぐ設計

URL変更は新旧対応表から始める

恒久的にURLが変わる場合は、旧URLと対応する新URLをページ単位で対応付け、公開前に301リダイレクトを検証します。Googleも恒久的なURL変更にはサーバー側の301リダイレクトを推奨しており、302など一時的な転送と混同しないことが必要です。Google 検索セントラルのリダイレクト解説

トップページへ一律に転送するのではなく、旧商品ページは対応する新商品ページへ、旧カテゴリページは対応する新カテゴリページへつなぎます。新旧URLの対応表を誰が作成し、例外ページをどう扱い、テストを誰が担当するかまで把握できる依頼先が安心です。リダイレクトマッピングの手順

ドメイン・構造・内部リンクの維持

事業上の理由がなければ、ドメインは可能な限り維持します。ドメイン変更を伴う場合でも、Googleは301リダイレクトを少なくとも180日間維持し、旧ドメインも少なくとも1年間は保持することを案内しています。Google Search Console ヘルプ:アドレス変更ツール

商品名、説明文、カテゴリ階層、パンくず、関連商品、特集からの商品リンクなど、評価と回遊を支える構造も移行対象です。カテゴリを整理する場合でも、検索流入や売上への影響を見極めてから変更します。重要な内部リンクを過度に削除しないという視点は、公開後の検索流入と買い回りの双方を守ります。リニューアル時のSEOチェック項目

カート移行とデータの引き渡し

EC-CUBEから別カートへ移るなど、基盤を変更する場合は、デザインより先にデータ移行の可否を確かめます。商品情報、SKU、在庫、カテゴリ、画像、会員情報、購入履歴、受注情報、配送・決済ステータスのうち、何を新環境へ移し、何を旧環境で保管するのかを決めます。

旧制作会社や運用会社が管理している場合は、データの所有権、エクスポート形式、管理画面・ドメイン・サーバー・各種アカウントの引き渡し条件を契約前に確かめてください。CSV形式、文字コード、日付形式、SKUやメールアドレスの重複は移行エラーになりやすいため、テスト移行と件数照合を工程に含める必要があります。ECサイトのデータ移行で確認する対象と注意点

公開前後の確認体制

公開判定は、画面が表示されたかだけで終えません。注文、決済、在庫反映、メール送信、計測タグ、主要ページの301リダイレクト、スマートフォンでの購入導線を、実データに影響しない方法も含めて点検します。あわせて、公開直後に誰が不具合を受け付け、どの基準で戻すかを決めておくと、売上への影響を抑えやすくなります。

公開後はSearch Consoleでインデックス状況、クロールエラー、リダイレクトを把握し、新しいサイトマップを送信します。開発環境用のnoindexやrobots.txtの制御が残ると、検索結果に出ない事故につながるため、公開確認項目に含めてください。自然検索、広告、購入完了、受注・在庫連携の計測値を旧サイトの基準と比較し、異常を早期に見つけられる体制を依頼先と合意します。公開後のインデックス・robots.txt確認の注意点

依頼先を見極める質問

  • 現行サイトの検索流入、売上上位ページ、購入導線を、どの資料と手順で分析しますか。
  • URL変更の有無をどう判断し、新旧URL対応表と301リダイレクトのテストを誰が担いますか。
  • 商品・カテゴリ・内部リンクのうち、引き継ぐものと変更するものをどのように決めますか。
  • 商品、会員、受注、在庫の移行範囲と、件数照合・復旧方法は提案に含まれますか。
  • 公開後に見る指標、監視期間、不具合時の連絡・対応手順はどうなりますか。

これらへの回答が、抽象的な「SEO対策をします」「移行できます」にとどまらず、自社の現行構成に沿った工程・成果物・確認方法まで示されるかが判断材料です。リニューアルの目的を明確にし、残す資産を可視化したうえで段階的に進めることが、売上とSEO評価を守る近道になります。

10. 見積もり比較から発注までの進め方(発注前チェックとよくある質問)

同じ条件で相見積もりを取り、金額の内訳と公開後までの役割を横並びで比べることが、EC発注の失敗を減らす近道です。安さだけで決めず、自社の目的を実現できる体制か、運用を続けられる設計かまで見極めてから発注先を絞り込みます。

相見積もりの準備

依頼先ごとに前提が違えば、見積金額の差が仕様差なのか提案力の差なのかを判断できません。目的、方式、商品数、必要機能、希望公開日をRFPや依頼文にまとめ、同じ資料を複数社へ渡します。ECサイトの見積もりでは、目的・KPI、SKU数、必要機能、既存システム、予算、運用体制などを事前に整理することが推奨されています。Shopify 日本「ECサイト見積もりの完全ガイド」

  • 今回の目的を「新規販売」「既存ECのリニューアル」「モール運用改善」などに分け、優先するKPIを記載します。
  • 自社EC、楽天・Yahoo!などのモール、併用のどれを対象にするかを明確にします。
  • 商品数、SKU数、定期販売・予約・法人価格など、開始時点で必要な販売要件をそろえます。
  • 受注管理、在庫、基幹システム、倉庫、CRM、広告計測との連携要件を伝えます。
  • デザインの範囲、素材や商品登録を誰が担うか、公開希望日と社内確認の期限を共有します。
  • 初期費用だけでなく、保守、改修、広告運用、CRM支援を含む公開後の想定範囲も示します。

見積書の比較軸

見積書は総額だけでなく、「何をどこまで誰が行うか」を比較します。特にカート構築費が低く見えても、連携開発や商品登録、公開後の改善が別料金なら、実際の必要予算は変わります。

比較項目 確認する内容
対応範囲 企画、デザイン、カート構築、商品移行、モール運用、CVR改善のどこまでが見積内かを確かめます。
対応カート Shopify、EC-CUBE、futureshop、makeshopなどで、必要な連携やカスタマイズを実現した経験を確認します。
得意商材・実績 自社と近い商材、SKU数、定期購入、法人販売、モール併用などの事例を聞きます。
体制と進行 窓口、実装担当、公開判定者、定例頻度、要件変更時の費用とスケジュールを把握します。
公開後支援 障害対応、改修、分析、CVR改善、広告・CRM支援の範囲と月額、契約期間を見極めます。
総保有コスト 初期費用、月額、決済・アプリ費、保守、追加改修を同じ期間で合算して比べます。

保守費用には幅があり、初期費用だけで方式や発注先を選ぶと、後から保守・改修費がかさむことがあります。比較表では、少なくとも導入後3〜5年の費用を同じ前提で並べると判断しやすくなります。cloudec「ECサイト保守費用の相場」

発注前の最終確認

候補を一社に絞る前に、見積書に含まれない作業と、公開後に自社へ残る業務を把握しておきます。提案資料で「対応可能」とされていても、標準機能、追加アプリ、個別開発のどれで実現するのかが不明なら、発注前に文書で整理します。

  • 見積書の対象外作業、追加要件の単価、仕様変更の承認手順が明記されているかを確認します。
  • 受注・在庫・顧客データの移行対象、テスト、切替当日の担当分担をすり合わせます。
  • カード決済を扱う場合は、EMV 3-Dセキュアへの対応方法と責任分界を確かめます。JCB「EMV 3-Dセキュア導入案内」
  • 特定商取引法に基づく表記、返品条件、最終確認画面など、事業者側で確認・承認する表示を洗い出します。消費者庁「通信販売広告について」
  • 個人情報、受注データ、広告アカウント、各種ツールのアカウントを誰が管理し、契約終了時にどう引き継ぐかを明確にします。
  • 公開後の改善提案を求める場合は、見る指標、報告頻度、改善施策の実行範囲を契約内容に含めます。

よくある質問

迷いやすい論点は、前章で整理した判断基準に戻ると解決しやすくなります。ここでは発注判断に必要な要点だけをまとめます。

ECサイト構築の相場は?

構築方式と連携要件で大きく変わります。目安として、モール型は無料〜10万円程度、ASP型は無料〜100万円程度とされる一方、在庫・受注連携や個別開発を含む案件は大きく上振れします。費用の見方は第5章「費用相場」で確認してください。Web幹事「ECサイト構築の費用相場」

モールと自社ECはどちらが良い?

集客の入口を優先するか、ブランド表現や顧客データを軸に育てるかで選択が変わります。二者択一ではなく、役割を分けて併用するケースもあります。判断基準は第3章「モールと自社ECの選び方」を参照してください。

作った後の運用はどうする?

商品更新、受注・在庫管理、問い合わせ対応に加え、アクセス解析、CVR改善、広告・CRMの運用が続きます。どこを内製し、どこを支援会社へ委ねるかは、公開前に決めておく必要があります。詳しくは第6章「公開後の運用支援」で整理しています。

Web制作会社に頼んでもよい?

ECの販売要件、決済、受注・在庫連携、公開後の改善まで対応できるなら候補になります。制作実績だけでなく、必要なカートと商材に近い運用実績を確認してください。見極め方は第2章「依頼先の選び方」を参照してください。

リニューアルで売上やSEOは下がらない?

URLやサイト構造を変えると検索順位や流入が変動する可能性があります。旧URLから新URLへの301リダイレクト、移行前後の計測、購入導線のテストを計画に含めることが大切です。具体的な確認事項は第9章「ECリニューアルの注意点」で解説しています。SEM Plus「サイトリニューアルのSEO対策」

ASPは自前と外注のどちらが良い?

標準機能で始められる範囲、社内で担える作業、連携や改善の難易度で判断します。初期構築を抑えられても、要件整理や運用設計が不要になるわけではありません。方式の考え方は第1章「EC構築方式の基礎」、支援の使い分けは第8章「目的で選ぶ会社タイプ」をご覧ください。

地域別記事への橋渡し

基本の比較軸を押さえたら、地域別のおすすめ記事で具体的な候補を絞り込みます。自社の要件表と比較表を持って相談すれば、地域の違いではなく、対応領域・実績・公開後支援が自社に合うかで判断できます。資料ダウンロードや比較表のリクエストを活用し、同条件で提案を集めてから発注先を決定してください。

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