契約書管理システムとは
契約書管理システムとは、契約書を適切に管理するために必要な機能を搭載したシステムです。企業内にある契約書の内容をデータ化し、一元管理できます。
契約書管理システムで管理できる文書は、主に以下のとおりです。
- 契約締結文書
- 機密保持契約書
- 売買契約書
- 業務委託契約書
- 労働契約書
- 雛型文書
契約書を紙で印刷し、ファイリングして倉庫に保管している企業はまだまだ少なくありません。どこに保管しているか、いつ契約期限を迎えるのかをエクセル台帳で管理する企業もあるでしょう。
しかし、従来の契約書管理方法だと以下のような問題が発生しやすいです。
- 入力漏れ
- 契約期限・更新時期の見逃し
- 検索に時間がかかる
- 管理スペースが必要
そこで、契約書管理システムを活用することで、属人的な管理による課題を改善します。管理コストを削減でき、業務効率改善に繋げられるでしょう。
契約書管理システムの4つのタイプ
契約書管理システムと一括りに言いますが、何を得意とするかによって以下の4つのタイプに分けられます。自社の求める契約書管理システムがどのタイプに当てはまるのか、確認しましょう。
- 契約書のデータ管理メインのタイプ
- 電子契約メインのタイプ
- 紙の契約書の対応もできるタイプ
- ほかの文書管理の対応もできるタイプ
契約書のデータ管理メインのタイプ
契約書のデータ管理を効率的に行うための機能が充実しているタイプです。
メイン機能には、以下のようなものが挙げられます。
- スキャンデータから情報を読み取る
- PDFデータから自動で項目を読み取る
- 契約書を自動でリスト化する
- 期限管理ができる
このように入力や検索などの機能がメインです。契約書の量が多くて管理しきれないといった悩みを解決してくれるため、管理台帳入力や契約書検索の時間削減を目指す企業に向いています。
電子契約メインのタイプ
データ管理だけでなく、電子契約に対応しているタイプです。
このタイプだと、契約書にまつわる以下のようなことができます。
- 契約書の作成
- 電子契約の締結
- 締結後の契約書管理
契約書に関する一連の流れを1つのシステム上で完結できます。そのため、契約書周りを一式デジタル化したいと考えている企業におすすめです。
紙の契約書の対応もできるタイプ
効率的なスキャン機能を活用して紙の契約書にも対応できるタイプがあります。取引先によっては紙の契約書に対応しなければならないケースもあるでしょう。また、すでに社内に多くの契約書が保管されている場合、すべてをスキャンして電子化する作業は大変です。
そこで、紙の契約書を簡単にスキャンし、電子データとして管理できるタイプであれば大きな手間がかかりません。なかには、既存の管理方法からシステムこうする際に、膨大な紙ベースの契約書のスキャンを代行してくれるサービスもあります。過去の契約書もすべてデータ化したい企業におすすめです。
ほかの文書管理の対応もできるタイプ
契約書以外の文書の管理にも対応できるタイプがあります。たとえば、以下のような書類も電子化できます。
- 見積書
- 納品書
- 請求書
- 履歴書
- 稟議書
- 報告書
- 社内ルール・マニュアル
あらゆる社内文書を一元管理できれば、ペーパーレス化を後押しします。法務担当以外にも、管理部門・総務部門・営業部門などで業務効率の改善を目指せます。
契約書管理システムでできる5つのこと
契約書管理システムを導入すれば、どのように業務が変わるのか想像できない方もいるかもしれません。
契約書管理システムでできることは、主に5つあります。契約書管理システムでできることを知れば、利便性を理解できるはずです。契約書管理システムの機能について、具体的に見ていきましょう。
- 紙の契約書の電子化
- 契約書管理台帳の情報の入力
- 契約書の検索エンジン
- 契約書の更新期限の通知
- 契約書のバージョン管理
紙の契約書の電子化
紙の契約書の電子化ができます。PDF形式で保存できるものから、OCR機能で文字をデータ化するものまで幅広く提供されています。
OCR機能とは、「Optical Character Recognition」の略で、紙に印刷された文字を読み取ってテキストデータに変換する機能です。読み取った情報から契約日や更新日を自動で入力してくれるため、管理がとても楽になります。
また、なかには膨大な書類を郵送すればスキャン・データベース化してくれるサービスも存在するため活用しましょう。社外に持ち出せない書類は出張でスキャンしてくれる場合もあります。社内の契約書を一度に契約書管理システムに移行させたい場合におすすめです。
契約書管理台帳の情報の入力
契約書をシステムにアップロードすれば、以下のことを読み取って自動的に契約書管理台帳へ入力してくれる機能があります。
- 契約書のタイトル
- 契約書の締結相手
- 契約締結日
- 契約開始日および終了日
- 契約期限・更新日
- 自動更新の有無
- 契約更新拒絶期限
いままでのExcelによる管理台帳だと、手入力のため時間と手間がかかることを問題視していた法務担当の方は多いのではないでしょうか。しかし、契約書管理システムなら自動でデータベース化してくれるため、時間削減と入力ミス防止に繋がります。
契約書の検索エンジン
契約書管理システムには、検索エンジンがついています。Excelの管理台帳からでは、契約書のタイトルや契約日、締結相手などの情報でしか検索できません。
しかし、契約書管理システムの全文検索エンジンを使えば、「この条文を使った契約書」といった曖昧な検索条件や「〇〇会社の▲▲サービスについての1年前の契約書」といった詳細な絞り込み条件で、目的の契約書類を探し出せます。
さらに、紙の文書であればどのファイルに綴じられているかを確認し、文書管理スペースからファイルを探し出す作業が必要です。契約書管理システムの検索エンジンで目的の契約書を見つけたら、ワンクリックで全文を確認できます。
契約書の更新期限の通知
契約書管理システムを使えば、更新期限が近づくタイミングでアラート通知してくれます。システム起動時やメールなど、通知方法は製品によってさまざまです。アラート通知は、以下の項目をカスタマイズできます。
- 通知頻度
- 通知回数
- 通知条件
- 通知先の指定
紙の契約書管理だと、どうしても更新期限を見逃しやすいです。知らない間に契約終了となっていた、契約終了したかったのに自動更新してしまっていたといったことを防ぎます。
契約書のバージョン管理
契約書のバージョン管理も契約書管理システムの基本機能の1つです。バージョン管理とは、操作ログや承認履歴を残せる機能です。万が一、誤って削除してしまったり間違って加筆してしまったりしても、過去のバージョンを復元できます。
多くの契約書を管理していると、ファイル名や更新日時だけで最新版を判断することは難しいです。契約書管理システムであれば、同一の契約書の最新版を常に表示してくれます。
契約書管理システムを導入する4つのメリット
契約書管理システムを導入すれば、どのように社内が良くなるのか具体的にイメージするためにはメリットを知る必要があります。
契約書管理システムを導入するメリットは、以下の4つです。メリットを知れば、導入に前向きな気持ちになれるはずです。順番に確認しましょう。
- 契約書を探す時間が省略できる
- リスクマネジメントができる
- 紙・印刷・切手のコスト削減ができる
- テレワーク実現の後押しができる
契約書を探す時間が省略できる
契約書管理システムの検索機能を使えば、必要な契約書をすぐに見つけられます。検索後、ワンクリックで目的の契約書の全文を確認できるため、席を立ったり、時間をかけて探したりする必要がありません。
紙媒体で保管しなければならない文書があっても、スキャンで取り込んでおくことで管理が可能です。「書類を探す」といった無駄な時間を削減することで、本業に集中できるようになるでしょう。
リスクマネジメントができる
紙での保管と比べ、契約書管理システムでの管理方法はあらゆるリスクを軽減します。
まず、情報漏えい防止やプライバシー保護の観点においてメリットがあります。誰でも入れる書類倉庫は、誰でも契約書を持ち出せてしまう環境です。契約書は機密性の高い情報が詰まっているため、情報漏えいは企業にとって大きなダメージです。取引先との信用問題にも関わるため、外部流出は避けなくてはなりません。
また、災害による紙の紛失も防げます。近年の大雨や台風による被害は大きく、床上浸水に合う企業は少なくありません。もちろん、地震による建物倒壊も書類を紛失する原因の1つです。契約書を紙だけでなくデータでも保管できていれば、災害が起きても滞りなく業務を進められます。
このように、契約書管理システムは企業全体のリスクマネジメントに貢献するツールです。
紙・印刷・切手のコスト削減ができる
紙の契約書で必要だった、紙・印刷・切手にかかるコストを削減できます。
とくに電子契約機能であれば、契約のために直接会ったり郵送したりするコストを省くことが可能です。もちろん、電子契約において印紙税の納税も不要です。また、契約書の承認のために出社・帰社する必要もなくなるため、交通費の削減にも繋がります。
さらに、紙の保管スペースの削減も可能なため、事務所内の有効活用もできるようになるでしょう。保管スペースのために事務所や倉庫を借りている場合、大幅な固定費カットに繋がります。
このように契約書をデジタル化することで、大きな節約が期待できます。
テレワーク実現の後押しができる
クラウド型の契約書管理システムであれば、テレワーク実現の後押しができます。紙の契約書だと内容の確認や締結のために会社に行く必要がありますが、契約書管理システムなら自宅やコワーキングスペースからでも業務の遂行が可能です。
テレワーク・リモートワークが広く認知されて久しいですが、まだまだバックオフィスは「出社して仕事するもの」という固定概念が残っています。しかし、契約書管理システムを使えば、出社せずとも遂行できる業務が増えるためテレワーク実現を後押ししてくれるでしょう。
クラウド型の契約書管理システムは、テレワークの需要以外にも出張先や別拠点からの契約書締結・閲覧・編集を可能とします。
おすすめの契約書管理システム13選を徹底比較
製品のおすすめポイント
- ISO文書管理や契約書管理、電子帳簿保存法に対応でき業務の適用性が高い
- 全文検索や高速ビューワ、ワークフローやセキュリティなど、充実した機能性
- あいまい検索や属性検索、自然文検索など検索性能が高い
製品のおすすめポイント
- Legaledgeで契約書のマネジメント業務とドキュメンテーション業務をシームレスに連携
- 契約書情報を自動で解析してデータ化
- 契約書のレビュー・作成をより快適に
製品のおすすめポイント
- AIが自動で、契約書の管理台帳を作成
- スキャンした契約書をOCR処理でテキストデータ化
- 電子帳簿保存法に則して電子契約を保管可能
- セキュリティ対策も万全
製品のおすすめポイント
- 有給・経費の申請をボタン一つで、申請内容も一覧表示し、簡単確認
- 請求書を自動作成し、送付もワンクリックでメール送信
- 契約期間を自動で一覧化し、契約更新に掛かるコストを大幅削減
製品のおすすめポイント
- 紙の契約書に触れずに契約が作成&締結できる
- あらゆる契約書をクラウド上で一元管理できる
- アナログな業務をデジタル化し、多様な働き方を実現できる
製品のおすすめポイント
- オフィスペースを最適化、キャビネットを減らせます
- 電子化は必要な分だけで済むため、電子化にかかるコストを大幅に削減
- 契約書管理のルールが統一でき、確認・検索の無駄な工数が削減
製品のおすすめポイント
- ひとり法務の手間を減らし、契約書管理業務の効率化を実現
- 締結中、締結済み契約書におけるリスク管理の強化
- いままでの紙の契約書と電子契約を一元管理できます
製品のおすすめポイント
- 契約業務のフローを最適化、案件の抜け漏れを防ぎます
- 契約書の全ての情報がストック、情報の一元管理
- 契約情報も管理でき、さまざまなAPIとも連携できます
製品のおすすめポイント
- 文書のテンプレート登録やクラウド上で完結するワークフローにより業務を効率化
- タイムスタンプの付与など信頼性が担保された契約の締結
- 外部からの不正なアクセスを防ぐための多重の予防措置
製品のおすすめポイント
- 既存の「紙の書面契約」と「電子契約書」を簡単に一元管理
- 電子証明書を利用した当事者型署名と、メール認証による立会人型・事業者署名型署名
- 充実のセキュリティで、多くの外部認定を受ける
製品のおすすめポイント
- さまざまな条件でスピーディに探せる、多機能検索
- 細かい設定が可能なアラート機能で、作業の漏れを防ぐ
- 電子帳簿保存法の証憑管理に最適な、データ削除・変更の制限
製品のおすすめポイント
- 契約書のスキャン・データ入力の業務を代行
- 契約更新・終了間近の契約書を自動で通知など、リスク管理機能も充実
- 導入から運用、書類返却までのスムーズな流れ
製品のおすすめポイント
- AIによる自動で手間のない管理台帳作成を実現
- 全社での運用を可能にする、柔軟な閲覧権限管理
- 更新期限の自動リマインドなど抜け漏れ回避の機能を搭載
製品のおすすめポイント
- 法務相談を契約書に紐つけて管理可能、コンプライアンスリスクを回避
- 最適な契約プロセスを自社向けにカスタマイズできる
- 契約書のワークフローを柔軟に管理可能、効率化を進める
製品のおすすめポイント
- DX化を推進させるワークフロー機能も搭載
- 管理機能によって、紙の契約と電子契約を一元管理できる
- 電子契約に必要な機能だけでなく、アラート通知など便利な機能も
契約書管理システムの6つの比較ポイント
契約書管理システムを導入しようと思っても、さまざまな製品があるため選定に悩む企業は多いでしょう。選定するときに比較すべきポイントは6つあります。自社にぴったりの契約書管理システムを選ぶために、しっかり確認していきましょう。
- 導入形態
- データ化の精度
- 検索精度
- 操作性
- 機能の豊富さ
- セキュリティの高さ
導入形態
契約書管理システムには、以下の2つの導入形態があります。
- クラウド型:外部サーバーへアクセスし、サービスを利用する
- オンプレミス型:自社で構築したサーバーにパッケージ製品を入れて利用する
クラウド型とオンプレミス型の違いは、以下の表の通りです。
クラウド型 | オンプレミス型 | |
---|---|---|
接続方法 | インターネットを利用する | VPN回線で利用する |
サーバー・構築運用 | なし | あり |
導入コスト | 安価 | ネットワーク機器やサーバーの購入が必要 |
サービス利用料 | 安価 | 買い切りのため利用料は不要 |
外部からの接続 | インターネットがあれば可能 | 不可 |
カスタマイズ性 | サービスに合わせなければならない | 自社の使いやすい形に合わせられる |
セキュリティ性 | 低い | 高い |
クラウド型はサービスの提供を受けて利用できるため、社内でサーバーやネットワーク環境を整える必要がありません。契約後すぐにアクセスでき、サービス利用料を払うことで利用し続けることが可能です。
社内外問わず、外部サービスへ接続して利用します。そのため、セキュリティ性は低いと考える人もいますが、閲覧権限を設定したり運用ルールを定めたりすることで安全に使えます。
一方、オンプレミス型は社内にサーバーを構築し、ネットワーク接続することで利用できます。初期費用は一定かかるものの、買い切りのため利用料はかかりません。
基本的に社内で利用することが想定されており、外からアクセスする場合にはVPNで接続しなければなりません。その分セキュリティ性は高く、外部へ情報漏えいするリスクは低いです。
このように、それぞれにメリットとデメリットがあります。近年では、どこでも仕事できる環境を整えることを想定したクラウド型が人気です。自社の事情や使うシーンを考慮し、クラウド型・オンプレミス型どちらを選ぶべきか検討しましょう。
データ化の精度
紙の契約書をデータ化する頻度が高いのであれば、データ化の精度は重要なポイントです。たとえば、PDF形式で保存されれば良いのか、OCR機能で文字のデータ化までしたいのかといったところまで確認しましょう。
とくに、OCR機能は製品によって精度が大きく異なります。せっかくOCR機能が搭載されているのに、読み取りが甘いと結局手入力も必要です。二度手間となるため、データ化の精度は無料トライアルを活用してチェックすることをおすすめします。
検索精度
契約書の検索機能はどの製品にもついている機能です。契約相手、契約開始日、有効期限に加え、文字列でキーワード検索できることが一般的です。しかし、検索範囲がタイトルのみであるか、文章全体なのかによって大きな差があります。
検索結果をCSVで吐き出すことが可能な製品もあり、利便性に違いがあります。無料トライアルを活用し、どのような検索ができるのか確認しておくと失敗しません。
操作性
従業員の多くが触れる契約書管理システムは、操作性も確認すべきポイントです。まず、管理画面や操作画面を見て直感的に使いやすいかどうかを確認しましょう。
とくに、大企業の法務部門では年齢層が幅広いです。頻繁に人材配置が変わる場合、誰でもすぐに覚えられる操作性でなければ教育に時間がかかってしまいます。
直感的に使いづらいと思わせてしまうと、なかなか社内に定着しません。せっかく費用を払って契約書管理システムを導入したにもかかわらず、「従来の方がやりやすい」と思わせてしまうと、二重の管理方法ができてしまったり、余分なコストがかかったりします。
新しいことを始めるには、何かしら従業員の反発を受けるものです。しかし、「これなら便利」「使いやすい」と思ってもらえれば、従業員は自然に契約書管理システムに移行してくれるでしょう。
機能の豊富さ
1つのシステム導入で、複数のことができると効率的です。企業側のコスト負担が少ないうえに、従業員も1つのシステムを覚えるだけで済みます。
特にチェックしておきたい機能は、以下の通りです。
- 更新期限の通知
- 電子契約サービス
- OCR機能
機能の有無はもちろんですが、機能の使いやすさを見るようにしましょう。たとえば、更新期限の通知の条件設定はできるのか、契約書ごとに通知ユーザーを定められるのかといった点です。
機能性の高さによって受けられる恩恵に違いが出てきます。必ず機能の豊富さと機能性について確認すれば、製品の選定で後悔することは少ないでしょう。
セキュリティの高さ
顧客情報を漏洩させないためにも、セキュリティの高さは考慮すべきポイントです。一般的に、契約書管理システムには以下のようなセキュリティ機能が搭載されています。
- アクセス権限設定
- ログ管理
- 印刷・ダウンロード不可設定
ただし、製品によって設定できる細かさは異なります。当然、セキュリティ機能の高い製品を選ぶとコストは高くなりやすいです。そのため、どのようなセキュリティ機能をどれくらい備えているかを製品ごとに確認し、自社の求めるセキュリティ性を満たす製品を選びましょう。
契約書管理システムを導入するときの3つの注意点
契約書管理システムを活用するとコスト削減や業務効率向上に役立ちますが、導入の際には注意点もあることに留意しましょう。
契約書管理システムを導入するときの注意点は、以下の3つです。導入前に注意点を理解していれば、対策ができます。順番に確認しましょう。
- 導入コストがかかる
- 社内浸透に時間がかかる
- セキュリティ面での心配が残る
導入コストがかかる
契約書管理システムの導入には一定の費用がかかります。クラウド型とオンプレミス型で発生するコストが異なるため比較しましょう。
クラウド型 | オンプレミス型 | |
---|---|---|
初期費用 | 無料のサービスもあり、比較的安価。 | サーバー構築・ネットワーク構築・パッケージ料など、高額になりやすい。
※パッケージ購入相場:〜30万円程度 |
利用料 | 月々利用する従業員数に応じて発生。 利用料相場:1ユーザー300〜500円/1ヶ月 |
買い切りのため、利用料は不要。 |
このように、クラウド型とオンプレミス型では発生する費用が異なるため、会計処理の方法も異なります。もちろん、機能面での比較も必要ですが、自社に合う料金体系であるかどうかも考慮しなければなりません。
どちらにせよ、導入コストには一定の費用が発生します。導入コストに見合うだけのメリットが得られるかどうかを慎重に判断しましょう。
社内浸透に時間がかかる
導入後、社内浸透に時間がかかります。契約書管理システムを活用すればすぐに契約書を検索したり、電子契約のための契約書作成・捺印をしたりできるようになりますが、すぐに従業員が使いこなせるとは限りません。導入直後から業務効率向上や経費削減の効果が出るわけではないため注意しましょう。
社内浸透を促すには、以下のことに気を配りましょう。
- 見やすい・使いやすい製品を選ぶ
- 操作や運用ルールの研修を行う
- 二重管理にならないよう過去の契約書のデータ化をする
また、実際に使う頻度の高い法務担当者や管理部門には選定時から協力してもらうことをおすすめします。無料トライアルを活用して実際に操作してもらえば、同時に運用における課題の洗い出しもできます。
できるだけ早く効果を出すためにも、すばやく社内浸透できる工夫をしましょう。
セキュリティ面での心配が残る
契約書管理システムには、重要な契約書情報をたくさん登録します。セキュリティが十分でなければ、機密情報や取引情報、個人情報が社外に流出してしまいます。情報漏れは企業の信頼問題に関わるため、必ず防ぐべき課題です。
契約書管理システムのセキュリティリスクは、運用ルールによって下げられます。以下のような内容を運用ルールに含め、セキュリティ面の不安を払拭しましょう。
- アクセス権限で閲覧・編集できる従業員を限定する
- 操作ログをこまめに確認・保存する
- ダウンロードや印刷ができないよう設定する
このような運用・設定をしていれば、万が一情報が流出した場合でも最終アクセスをした人物を特定できます。特定できることを周知しておくことで、不正の抑止力にもなります。
重要な情報を扱う契約書管理システムだからこそ、セキュリティ面で心配がない運用ルールを作成しましょう。
契約書管理システムを使って業務効率を改善しよう
契約書管理システムは、契約書を適切に管理するために欠かせないシステムです。社内の契約書をデータ化し、一元管理できます。社内全体の生産性が上がるうえに、テレワークやリモート環境の整備の後押しもしてくれます。
電子契約のついているタイプだと契約締結の際に必要な一連がシステム内でできるようになるため、より業務効率向上・コスト削減の効果が実感できるはずです。
まずは自社に必要な契約書管理システムのタイプを把握し、どのような機能があれば便利かを社内で検討しましょう。導入前には無料トライアルを活用し、自社の課題を解決してくれる製品を見つけてくださいね。