受発注システムとは
受発注システムとは受注と発注に関する処理をシステム上で迅速かつ正確に管理するシステムで、受注側と発注側の双方の業務効率化を実現します。最大の特徴として、自社だけではなく取引先と一緒に利用するという点が挙げられるため、双方にとって使いやすい必要があります。
従来の受発注業務ではメールや電話、FAXを利用して業務を行っていましたが、受発注システムを導入することで大幅に業務を効率化できます。さらに仕入れ金額や棚卸しなどの管理もできるため、導入する企業は増加傾向にあります。
受発注システムの導入が増加している背景
現在では多くの企業が受発注システムを導入しています。本章では下記2つの背景からポイントについて確認し、受発注システムの必要性を検討してみましょう。
1.クラウドサービスの登場による導入費用の低下
これまで受発注システムは莫大な初期費用が必要でしたが、クラウド型ソフトの登場により初期費用が抑えられるようになりました。これにより大企業だけではなく、誰でも利用することが可能になっています。
2.ECサイト増加の流れ
ECサイト(electronic commerce site)とは、インターネット上で商品を販売するWebサイトのことです。ネットショップでと店頭のどちらでも販売している場合は受発注に一元的な管理が必要であるため、受発注システムの導入を決定している企業が増えています。また、個人経営のネットショップでは自力で受発注管理と在庫管理を行う必要があり、業務効率化のために導入をする人が増えてきています。
受発注システムの代表的な機能
受発注システムに搭載されている代表的な機能は下記の7つです。本章ではそれぞれの機能ができる業務について解説します。
1.受注管理
複数の企業からの受注を一元的に管理できます。その日に受けた注文から必要な商品の総数を簡単に算出することができます。
2.在庫管理
在庫の入出荷情報から在庫データをリアルタイムに管理できます。さらに蓄積したデータから必要な在庫数を予測して、適正在庫を維持できます。
3.出荷管理
納期にあわせて商品の出荷指示を出せます。製品によってはバーコードスキャンで管理できます。
4.請求管理
納品書や受領書のデータから納品書を作成できます。システム上で作成するため人為的なミスも削減でき、履歴もデータとして残せます。
5.取引先管理
受注履歴や商談の記録を残し、発注先の企業情報を整理します。また、過去の記録を参照することで発注が入る量と時間帯を予測できます。トラブルの際もサポート内容や問い合わせ先をスムーズに確認できます。
自動メール返信
取引先から注文を受けた際の確認メールやお礼のメールを自動で発信できるように設定できます。メールの履歴が残るので発注ミスを防ぐことが可能なほか、丁寧なお礼メールは顧客満足度の向上にも繋がります。
7.マルチデバイス対応
パソコンからの受発注だけではなく、スマートフォンやタブレットにも対応しています。
受発注システムを導入するメリット
受発注システムを導入することで得られるメリットは共通のメリット、受注側のメリット、発注側のメリットに分別できます。本章ではそれぞれの観点から実務に役立つ具体的なベネフィットについて確認していきましょう。
<共通のメリット>
1.受発注業務の負担軽減・ミス削減
頻繁な受発注ではFAX、電話やメールでもやり取りに時間がかかってしまいます。FAXでは文字が不鮮明で読み取れなかったり、電話だと言い間違いや伝え忘れたりすることで二重に手間がかかることもあります。受発注システムではクラウドが作業を管理するため人為的なミスの削減が期待できます。
2.決算の早期化
取引先と常に取引情報を共有できているため、請求書と納品書の照合が必要ありません。システム上のデータを参照するだけで決算を早期に確定できます。
3.ペーパーレス化の実現
システム上で完結するため紙の納品書や請求書が不要になります。過去の取引はデータとして保存されるため、紛失の心配や保管にかかる手間もありません。また、過去のデータの参照もすぐに行えます。
4.新規商品の提供・導入
受発注システムでは商品の一覧が見られるため、発注側は取引先の商品を確認しやすくなります。新規商品の導入機会と提供機会を提供してくれるため双方にメリットがあります。
<受注側のメリット>
1.受注内容・金額の正確な把握
発注書や受注伝票を照合する必要がなく、受注の数量と金額を正確に把握できます。
2.受注窓口の一本化
複数の取引先が同じ受発注システムを利用することで、受注窓口の一本化を実現します。
<発注側のメリット>
1.好きなタイミングでの受注
電話では相手の営業時間や担当者の都合に合わせる必要がありますが、システム上ではいつでも発注が可能です。営業終了後の深夜などにも行うことで、その日に応じて必要な量を発注できます。
2.在庫管理と連携による発注業務の自動化
注文履歴からできる再発注で定期的な発注の手間がかからないほか、店舗在庫を決めることで完全な自動発注も可能になります。
受発注システムを導入するデメリット
残念ながら受発注システムを導入することで生じてしまうデメリットもあります。本章では共通のデメリット、受注側のデメリット、発注側のデメリットの2つの観点からそれぞれ解説します。デメリットも理解したうえで導入を検討しましょう。
<共通のデメリット>
1.受発注システムの導入で取引先が変更する恐れも
取引先によっては電話やFAX以外に受発注の方法がない企業もあるでしょう。新たな受発注システムの導入でこれまで付き合いのあった取引先を変更せざるを得ないかもしれません。
2.取引先とのコミュニケーション減少
電話やFAXで行っていた受発注をシステムが自動的に行うことで取引先とコミュニケーションする機会が減少してしまいます。これまで築いてきた良好な関係性が希薄化してしまう可能性もあるでしょう。
<受注側のデメリット>
1.手間が増える可能性も
すべての取引先が同じ受発注システムを導入してくれるとは限りません。特に個人経営の取引先では従来のFAXや電話での発注方法を続けるかもしれません。また、複数の店舗から異なる受発注システムの利用を求められてしまった場合は、管理するシステムが増えたことによる作業の煩雑化を引き起こすかもしれません。
2.システム普及のための手間と時間
受発注システムは取引先にも導入してもらう必要があるため、すべての取引先に導入を依頼する必要があります。パソコンやタブレットなどの環境が整っていない企業は導入することが困難であり、導入までに時間もかかってしまうでしょう。
<発注側のデメリット>
1.システムの使い方の学習
新たにシステムを導入する場合は使い方を一から覚える必要があります。新しいシステムに慣れるまでにはこれまでよりも発注に時間がかかってしまう可能性もあります。システムが浸透するまでは操作方法に関する問い合わせが増えるため、システムのサポート対応も求められます。
2.対応デバイスの導入
発注側は新たに業務用のデバイスを導入する必要があります。デバイスの購入などで受発注システムの導入とは別に初期費用がかかるため、導入ハードルは高くなってしまいます。
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- 設備投資が必要なく、スピード導入が可能なシステム
- システム連携実績が豊富で、さらなる業務効率化が可能
- 充実したサポート体制と、安心のセキュリティ監視体制
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- 難しい操作は不要で、取引先の導入も簡単にできる
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- クラウドだからいつでも&どこでも&どこからでも注文・確認OK
- クラウドだからデバイスを選びません。WindowsもMacOSでもOK
- 受発注だけではない機能も標準搭載することで販売促進に繋げます。
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- 取引先の発注方法を変更しなくてもコスト削減を可能に
- 取引先へのサービスの案内や注文方法の説明もフルサポート
- 導入時は商品マスタと注文履歴を用意するだけのシンプルインターフェイス
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- エンドユーザー側の伝票詳細照会機能を搭載
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- 日々入荷が変わる生鮮品の入荷案内(提案書)が利用できる
- FAXを自動送信することで、ミスを最大限に削減
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- 多数のモールやショッピングカートとの連携を標準装備
- オフラインでの注文にも対応可能。オンライン・オフラインの一元管理を実現
- 指定の形式にすると自社開発のカートとの連携も可能に
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- IoTセンサーと連携することで業務をもっと効率化
- 発注者がより柔軟に購買管理できる機能を搭載
- 受発注だけではなく請求機能も備えた強力機能
製品のおすすめポイント
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- 基幹システム導入顧客の声から生まれた受発注システムだからこその連携力
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導入する際のポイント
受発注システムを導入するときは、自社に最適な製品を選ぶことが重要です。本章では下記5つの観点から、自社に最適な受発注システムを選定するポイントを解説します。
1.自社の業界・業種への対応
受発注システムには複数の業界・業種に対応している汎用性の高いシステムだけではありません。限定された業界・業種で専門的な機能を搭載したシステムがあります。
2.取引先の導入難易度
前提として、受発注システムは取引先と同じシステムを使います。自社にとってだけではなく、取引先にとても導入しやすいか、使いやすいかが重要になります。導入コストはもちろんですが、導入企業数や業界での普及率も考慮しましょう。
3.サポート体制
サポート体制が充実しているソフトほど導入難易度は低いです。操作に関する問い合わせからシステムの不具合まで、あらゆるトラブルに対応するサポート体制が整ったソフトを選びましょう。メール・電話・チャットでのサポート窓口が用意されているのか、サポートの対応時間はいつなのかを確認しておきましょう。
4.データ分析の難易度
受発注のデータが蓄積されるため、目標や過去と比較しての仕入れ額や原価率の推移、在庫の効率性や取引先別の取引額推移がわかります。これらのデータは店舗の業績改善につながるでしょう。
5.カスタマイズへの対応
受発注のやり方は企業によって独自の慣習があるでしょう。受発注システムの標準機能で対応していない場合に細かい条件を設定できるかどうかを確認してください。
メリットとデメリットを把握したうえで受発注システムの導入を!
受発注システムは受発注業務の効率化や負担軽減だけでなく、人為的なミスの削減も実現します。しかし現状よりも手間がかかってしまう可能性もあります。求めている機能を明確にし、メリットとデメリットを検討しながら最適な製品を導入しましょう。