IT資産管理ソフトとは

IT資産管理ソフトとは、ハードソフトやソフトウェアなどを中心としたIT関連の社内資産を管理するソフトです。ハードソフトの代表例はPC本体やモニター、社内用スマートフォン、プリンターなどです。また、ソフトウェアの代表例はiOSやAndroidなどのOSや企業ですでに導入しているチャットツールや会計ソフトなどのアプリケーションです。他にもライセンスや利用しているアカウントの利用状況を把握でき、管理できます。

従来の管理方法では、今後も増加することが見込まれるIT資産を適切かつ効率的に管理することが難しくなるでしょう。将来的に必要となる可能性が高いならば、早めにIT資産管理ソフトを導入することをおすすめします。これまで人的・時間的コストをかけてきた作業をソフトが自動化してくれるため、企業の生産性も向上します。現代の企業にとって、今後の必要性と重要性が高まるツールといえるでしょう。

IT資産管理ソフトが重要視されている2つの背景

1.IT資産の増加で手動管理では不十分になっている

IT資産は企業にとって重要な固定資産です。固定資産は会計処理を行うため、定期的な確認作業が必要です。さらにデジタル化が進んだ現代では、企業の保有するIT資産数は増加傾向にあります。従来のExcelなどを用いた手作業で膨大なIT資産を管理することは困難な状況になっているほか、人為的なミスも生じてしまいます。さらに、現状の管理状況が把握しにくいという問題点もあります。

2.テレワークの普及で情報管理の重要性が高まっている

テレワークの増加により、企業ではより一層情報管理の重要性が高まっています。IT資産のハードウェアを各従業員が自宅で管理することも増え、さまざまなリスクが高まっています。例えばPCを紛失して行方不明になるリスク、業務外利用でウイルスに感染するリスク、個人情報や機密情報が漏えいするリスクがあります。企業のコンプライアンス遵守はより重要視されているため、IT資産管理ソフトでこれらのリスクを防ぐことは必要です。

IT資産管理ソフトを導入するべき5つのケース


IT資産管理ソフトがなぜ重要視されているかを見てきました。本章ではIT資産管理ソフトをぜひとも導入するべき5つのケースについて紹介します。自社が抱えている課題にひとつでも当てはまるものがあれば、ぜひIT資産管理ソフトの導入を検討してみてください。

1.IT資産管理者の負担が大きいケース

IT資産管理で取り扱う情報は多種多様で、数も膨大です。手動での管理では企業のIT資産の実態は把握しにくく、担当者の負担は大きくなってしまいます。さらに今後も増えることが見込まれるIT資産の管理業務は大変になるばかりです。現状の管理業務に限界を感じている、あるいは余裕がない方は導入を検討するべきです。

2.IT資産管理に無駄なコストがかかっているケース

IT資産管理業務では、企業が保有するハードウェア、ソフトウェア、ライセンスについての利用状況と過不足が生じているかどうかを把握している必要があります。手作業での管理では人的・時間的コストが無駄にかかってしまいます。この作業に人為的なミスが生じてしまうと、機器の適切な購入タイミングを間違えてしまったり、不要なライセンス契約を継続してしまったりするなど、無駄な出費が生じてしまいます。

3.企業のセキュリティ対策を強化したいケース

企業のIT資産に対するセキュリティ対策を強化して、個人情報や機密情報の漏えいや流出を対策することは必須です。PCの脆弱性対策だけでなく、外部デバイスを制御してUSBメモリによる情報の持ち出しを防ぎます。IT資産管理ソフトにはセキュリティ関連機能が搭載されていることが多く、一元管理による効率の良いセキュリティ対策を実現できます。

4.企業コンプライアンスを推進したいケース

IT資産には個人情報や機密情報が含まれていることが多く、コンプライアンスに基づいた管理が必要になります。情報漏えいや流出が発覚した場合は、損害賠償や刑事罰などの短期的な損失だけではなく、社会的信用が失墜するという長期的な損失が生じる危険性があります。IT資産管理ソフトでは管理が必要な情報を自動で収集するほか、ライセンス・契約情報と利用状況を照合することでこれらの危険性を未然に防ぐことができます。また、テレワーク下でもPCの稼働状況から勤務状況を把握し、従業員の労務コンプライアンス遵守にも役立てることもできます。

IT資産管理ソフトの代表的な機能

IT資産管理ソフトに搭載されている代表的な機能は下記の3種類に分類できます。本章ではそれぞれの機能について、具体的に効果などについて解説します。

1.IT資産の情報収集&運用最適化

台帳管理機能とは、IT資産管理ソフトに登録した情報を台帳で記録・管理する機能です。さらにネットワークに接続されている周辺機器情報も自動的に取得できます。そして管理している現在の状態と本来あるべき状態を照合させて、いち早く問題を発見、対処することができます。
インベントリ収集機能とは、IT資産が保有するPC・サーバー・周辺機器などのハードウェアとソフトウェアの型番や利用履歴などのインベントリ情報を自動で収集する機能です。手作業では大きくなる業務負担に対して、自動収集機能では業務負荷を大幅に削減できます。

2.ソフトウェア資産管理によるライセンス適正化

ソフトウェア資産管理機能では、複数のPCにソフトウェアを一括で配布し、自動でインストールさせることができます。さらにインストールしたソフトウェアのバージョンを常に把握し、アップデート情報を適切に管理できます。個人単位でアップデートの適用に制限をかけたり、一律のスケジュールを設定できたりします。
ソフトウェアのライセンスを自動集計し、管理台帳に起源や利用状況を記録できます。ライセンスの過不足を管理するため最適な購入量を選択できるほか、ライセンスの不正使用を自動検出するためコンプライアンス遵守につながります。また、不要になったソフトウェアやライセンスは一元的にアンインストールすることもできます。

3.セキュリティ対策の強化

IT資産管理では重要情報を扱うため、セキュリティ対策の強化は万全である必要があります。下記4つの機能はセキュリティ強化に有効であり、具体的にどのような機能があるのか確認していきましょう。

1.操作制限

アプリケーションのインストールやメール送信など、任意の操作に対して制限をかけられる機能です。制限をかけられる機能はPC単位、ユーザー単位などで自由に設定することができます。

2.操作ログ管理

アプリケーションの利用状況、特定のファイル操作、データの取り扱いなど、すべてのPC操作ログを収集します。不正行為の抑止につながるだけではなく、従業員の勤務状況を正確に把握できます。

3.セキュリティパッチ適用・分散配信

セキュリティパッチとは、ソフトウェアから発見された脆弱性を自動修正するプログラムを書くハードウェアに適用する機能です。セキュリティパッチはファイルサイズが大きく、全従業員が一斉にインストールすると企業内ネットワークに大きな負荷がかかってしまいます。分散配信ではネットワークへの負荷を軽減することができます。

4.死活監視

死活監視とは、サーバーやシステムが正常に作動しているかを定期的に確認する機能です。ユーザーの不正利用を感知した場合は、その情報が即座に管理者へ通知が到達します。異常を検知した場合は通知が到達するだけでなく、自動的にネットワークを遮断する機能が搭載されている場合もあります。

IT資産管理ソフトを導入するメリット


企業がIT資産管理ソフトを導入すると、下記5つのメリットを得ることができます。本章ではそれぞれの観点から、実務に役立つ具体的なベネフィットについて確認していきましょう。

1.企業が保有するIT資産を一元管理

企業内ネットワークに接続されているハードウェアの稼働状況、機器にインストールされているソフトウェアの情報を一元的に管理できます。ライセンスの運用数を最適化させてコストを抑えるなど、効率的な管理が実現できます。また、各端末のアップデート情報やインストールされているソフトウェアの情報も管理者が閲覧できます。これによりIT資産管理者の業務負担が大幅に減少し、効率的よく業務を行えるでしょう。

2.ソフトウェアの一斉配布・更新が可能

社用PCにインストールされているOSやアプリケーションのアップデートやセキュリティパッチ適用を計画的かつ一斉に実行できます。各従業員が各自で更新する必要がなくなり負担を軽減できるほか、更新忘れによるセキュリティホールの発生を防げます。もちろん、従業員が勝手にアップデートを行うことも防ぐこともできます。

3.セキュリティ対策の強化を実現

IT資産管理ソフトにはセキュリティ対策強化のための機能が搭載されています。一元管理に基づき、許可されていないソフトウェアの操作制限、社外PCからのアクセス拒否を遠隔操作できます。不正アクセスや企業内部からの機密情報漏えいリスクを軽減させることができます。

4.IT資産の棚卸業務における負担を削減

棚卸業務とは、期末に商品等の在庫の数量を確認し、会計上の期末棚卸資産の金額を確定させるために行われる作業です。IT資産は固定資産に含まれるため、棚卸業務を定期的に実施する必要があります。IT資産の棚卸業務は周辺機器だけではなく、マウスやキーボード、コード類も含まれます。ソフトの導入によって、取り扱う量と比例して大きくなる作業負担を軽減させることができます。また、IT資産管理ソフトで登録しているIT資産はソフト内の管理ファイルを台帳と代用することも可能です。

5.リプレースの際に予算の最適化を実現

社内で保有しているIT資産は固定資産であるため減価償却を行い、いずれは新しい機器と入れ替えるリプレースの時期がやってきます。リプレースでは相当の予算をあらかじめ確保しておく必要がありますが、IT資産管理ソフトでは管理情報から購入適切数を導き出し、予算を最低限に抑えながら適切な導入時期を決定できます。ソフトウェアのリプレースではハードウェアのリプレースが必要になる場合がありますが、その場合も柔軟に対応した予算を導き出すことができます。

IT資産管理ソフト比較14選

IT資産管理ソフト

トライアル期間 無し
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製品のおすすめポイント

  • 画面が分かりやすいので、習得にコストがかからない
  • 機能を選択できるため、費用と工数を削減できる
  • グローバル対応が可能で、多言語利用が可能

IT資産管理ソフト

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製品のおすすめポイント

  • Ivantiの独自技術によってソフトウェア配信が素早く正確
  • パッチのタイミングや形式が豊富で工数を削減できる
  • 社外ネットワークも、グローバル拠点も一元管理可能、

IT資産管理ソフト

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製品のおすすめポイント

  • 高い信頼性とスケーラビリティで実力を発揮
  • 多機能・高性能でありつつ、低コストで負担軽減
  • 使いやすいだけでなくサポートも万全なので迷わない

IT資産管理ソフト

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製品のおすすめポイント

  • IT資産管理から情報漏洩対策、労務管理まで支援
  • 勤怠管理システムとの併用で、労務管理を支援
  • 社内に混在する、WindowsとMac端末を一元管理
  • 60種類以上の必要な機能を、オールインワンで提供
  • 情シス担当者”にやさしい、ダントツの使いやすさ

IT資産管理ソフト

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製品のおすすめポイント

  • Excel調の画面で簡単に社内のIT機器を管理
  • 導入から運用まで一貫したサポートをお約束
  • オプション機能の選択も自由自在ニーズにあわせてコストも削減

IT資産管理ソフト

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製品のおすすめポイント

  • オーダーメイド:最小コストで、最大限の効果を発揮します
  • 統合管理ができるため、IT投資効果が高い
  • アクセス権を限定して権限委譲することで分散管理が可能

IT資産管理ソフト

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製品のおすすめポイント

  • 環境に合ったインベントリ収集で、正確かつ効率的なIT資産管理を実現
  • 保有している情報資産を一元管理により、リスクアセスメントの精度を向上
  • ハードウェア(周辺機器含む)構成管理が可能

IT資産管理ソフト

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製品のおすすめポイント

  • リスクを低減させ、生産性の向上を実現します
  • 『IT資産管理ツール』から『統合型エンドポイントマネジメント』へ
  • ユーザー同士のコミュニケーションを大事にしています

IT資産管理ソフト

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製品のおすすめポイント

  • リスク軽減を図るため様々な機能を制御・制限とログ収集
  • スマートデバイスやパソコンを紛失した場合、各種リモート機能で被害を最小限
  • セキュリティチェック&セキュリティチェック結果確認
  • ハードウェア情報収集、ソフトウェア情報収集

IT資産管理ソフト

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製品のおすすめポイント

  • 業界トップクラスの「配布機能」を搭載しています
  • 状況に合わせた計画的なソフトウェアの配布を実現します
  • 管理者がリアルタイムにクライアントPCの現在の環境を収集可能

IT資産管理ソフト

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製品のおすすめポイント

  • さまざまな業務に対応した専門的な機能が集まったクラウド型社内資産管理システム
  • 台帳管理をサポートする、汎用性・拡張性が高い機能が満載、
  • さまざまな管理業務に対応した社内資産の統合管理ソフト

IT資産管理ソフト

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製品のおすすめポイント

  • 豊富な機能を搭載した統合エンドポイント管理
  • 統合エンドポイント管理によるマルチプラットフォームの一元管理
  • デバイス資産の可視化し、管理の時間と資金の節約を実現できます

IT資産管理ソフト

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製品のおすすめポイント

  • ライセンス使用状況の最適化ソリューション
  • 検証を容易にし、ITチャージバックを実現
  • 企業全体のモニタリングし、IT資産の正確な概要を把握

IT資産管理ソフトの選定時に意識するべき5つのポイント

IT資産管理ソフトを導入する際は、自社に最適な製品を選ぶことが重要です。本章では下記7つの観点から、自社に最適なIT資産管理ソフトを選定するポイントを解説します。

1.エージェント型とエージャントレス型のどちらにするか

エージェント型

エージェント型とは、サーバーにエージェントと呼ばれる駐在プログラムをインストールする方法です。この駐在プログラムが詳細な情報収集、操作制御などを行います。エージェント型は既存の環境を変更する必要がなく、負荷が大きくなりやすい場合にも対応可能です。ユーザーの利用記録を特定しやすいためセキュリティの強化が見込めるほか、拡張性が高いというメリットがあります。しかし、サーバーのプラットフォームによっては対応していない場合があるので注意が必要です。

エージェントレス型

エージェントレス型とは、名前の通り、エージェントを使わずにIT資産情報を収集する方法です。エージェントのインストールが不要なのでシステムを変更しなくてよい、導入の手間がかからない、メモリへの負担を軽減できるといったメリットがあります。しかし、エージェント型と比べて情報や機能が限定されてしまう点には注意が必要です。

2.導入形態はクラウド型とオンプレミス型のどちらにするか

クラウド型

クラウド型とは、ソフト提供会社のサーバーを使う形態です。自社でサーバーを用意する必要がないため、初期費用を抑えてすぐに運用を開始できます。月額制を採用しているプランが多く、バージョンアップも自動で行ってくれるためメンテナンスの必要もありません。テレワークにも柔軟に対応できるのも特徴です。しかし、セキュリティの安全性が万全ではない点とカスタマイズ性能が低い点には注意が必要です。

オンプレミス型

オンプレミス型とは、ソフトを自社のサーバーにインストールして使う形態です。自社内の閉鎖的なネットワークで使用するため外部との接触が少なく、高度なセキュリティが期待できます。ライセンス数によって価格が設定されている場合が多く、自社に適したシステムへのカスタマイズ性能が高いのも特徴です。しかし、初期費用が高価であり、運用までに金銭的・時間的ハードルが高い点には注意が必要です。

3.対応OSとそれに伴う機能面の制限があるか

近年では一般企業でもMacを標準利用するケースが増えてきています。しかし、Macに対応していないソフトがあるほか、Windowsよりも対応機能が少ない場合があるため注意が必要です。さらにMacとWindowsのハードウェアをどちらも使用する場合は、一つのソフトで一元管理が可能か確認しておきましょう。スマートフォンやタブレットなども管理したい場合にも機能制限がない確認しておきましょう。

4.必要な機能が搭載されているか&オプションで追加できるか

IT資産管理ソフトによって、対応している機能の範囲は大きく異なります。自社にとって必要な機能が搭載されているかを事前に確認しておきましょう。もし必要な機能が搭載されていない、あるいは不十分である場合でも、オプション機能によるカスタマイズで解決できるかもしれません。具体的にはより強固なセキュリティ機能、モバイルデバイス管理機能などが提供されています。

5.万が一の場合に備えたサポート体制が整っているか

IT資産管理ソフトではセキュリティ対策が重要であるため、万が一の場合に備えたサポート体制が整っていることは必要です。平日の日中だけに電話・メール・チャットで対応する場合もあるため、休日や夜間も対応してくれるソフトを選びましょう。特に夜間に必要なデータが参照不能になったり、自然災害が発生したりした場合の対応を確認しておくと、安心してIT資産を運用できるでしょう。

IT資産管理ソフトの導入後に注意するべき2つのポイント


IT資産管理ソフトでは導入後にも下記2つの注意するべきポイントがあります。IT資産管理ソフトは適切に運用することで初めて効果を発揮するため、導入したらおわりではありません。自社にとって最適なIT資産管理体制を整えるために、本章で紹介するポイントを確認しておきましょう。

1.導入後の運用方法はどうするか

IT資産管理ソフトを情報システム部門が管理するのか、総務などの管理部門が担当するのかを話し合う必要があります。管理内容によって担当を分担する場合には、複数の管理アカウントが登録できるかも確認しておいてください。

2.他の運用管理ツールと連携させるかどうか

IT資産管理ソフトでは、他の運用管理と連携させることで高い相乗効果を発揮する場合があります。IT資産管理ソフトで作成した管理台帳などのデータをCSV形式のファイルでエクスポートする方法が一般的です。現在の状況だけではなく、将来の利用状況を考慮したうえで他の運用管理ツールと連携させるかを検討しておきましょう。

ソフトの導入で、IT資産の管理を安全かつ効率的に!


セキュリティ対策やコンプライアンスの遵守がより必要とされる現代において、IT資産の適切な管理は必要です。さらにテレワーク推進に伴い、社外でもIT資産を利用する機会が増えています。IT資産には企業の重要情報が多く保管されているため、IT資産管理ソフトで確実な管理方法だと安心でしょう。本記事で紹介した製品の選定ポイントをふまえて、自社に最適な製品の導入を検討してみてください。