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【2024】ABMツール比較6選|機能や導入手順、特徴を徹底解説!

この記事で解説すること

「ABMツール」とは、ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)というマーケティング手法を導入するために、必要な顧客情報を蓄積し、ターゲット選別を行うためのツールです。効果的なタイミングで、適切な商品やサービスを提案できるようになります。マーケティング/営業活動におけるデータの利活用が注目されている今、BtoB企業ではABMが導入され始めています。

しかし実際のABMの導入において、そのイメージができない企業も多いと考えます。今回はABMというマーケティング手法を利用していくために、ABMツールについて導入から実践までを徹底解説します。

「ABMツール」の製品比較表

※税込と表記されている場合を除き、全て税抜価格を記載しています

  • 製品名
  • 料金プラン
  • プラン名金額
  • 無料トライアル
  • 最低利用期間
  • 基本的な機能
    • 離脱候補者確認
    • 消費者調査
    • 特許動向検索
    • CRM連携
    • 見込み客予測
    • MAツール連携
    • マーケット予測
    • キャンペーン管理
    • 市場予測
    • 顧客ポートフォリオ表示
    • ABテスト実施
    • 反社・行政処分確認
    • ターゲットリスト作成
    • 見込み度判定
    • 国内メーカー
    • データクレンジング機能
    • 自動名寄せ機能
    • 動画管理機能
    • 潜在顧客企業リストアップ
    • テクノロジーの採用・解約確認
    • 同一ビル内の企業確認
    • M&A案件検索
  • サービス資料
  • 無料ダウンロード
  • ソフト種別
  • サポート
初期費用 要相談
ライトプラン 要相談
備考
手頃な価格でスタンダード機能のみが利用できます(一部機能制限)。機能を試してみたい企業に最適です。
スタンダードプラン 要相談
備考
スタンダード機能に加え、効果的なアプローチを可能にする機能が揃ったお得なプランです。
プロフェッショナルプラン 要相談
備考
高度な機能とカスタマイズ性を備え、大規模なビジネスニーズに対応するプランです。
エンタープライズプラン 要相談
備考
最上位の機能とサポートを提供し、企業の全てのニーズに応える最も包括的なプランです。
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
3ヶ月
なし 
電話 / メール / チャット /
Basic Account 無料
備考
無料お試しプラン
・ 基礎的な統計データを閲覧
・ PDF・PNG形式でのダウンロード
Starter Account 月額 $149
備考
個人ユーザー向けプラン
・ すべての統計データを閲覧
・ スタンドアローン・ライセンス
Business Suite オンデマンド
備考
企業向けプラン
・ プラットフォーム全機能の無制限アクセス
・ ユーザー数を自由に指定可能
・ オプションで専門ツールを利用可能
1年
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
月額 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /

価格や製品機能など、見やすい一覧表から、気になる製品をまとめてチェック!

目次

「ABMツール」とは、ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)というマーケティング手法を導入するために必要な顧客情報を蓄積し、ターゲット選別を行うためのツールです。効果的なタイミングで、適切な商品やサービスを提案できます。マーケティング/営業活動におけるデータの利活用が注目されている今、BtoB企業ではABMが導入され始めています。

しかし実際のABMの導入において、そのイメージができない企業も多いと考えます。今回はABMというマーケティング手法を利用していくために、ABMツールについて導入から実践までを徹底解説します。

ABM/ABMツールとは

ABMツール説明イメージ画像
ABMというマーケティング手法は簡単に言うと、データなどを用いて企業によって利益が出るか出ないかを判断し、タイミングや商品などを精査することで、狙いを定めて企業にアプローチできる手法です。以下で、詳しく解説していきます。

ABMとは

Account Based Marketing(アカウント・ベースド・マーケティング)の略称でBtoB企業向けのマーケティング戦略の1つです。自社にとって価値の高いアカウントを選別し、それぞれに対して最適なアプローチを行って利益を最大化することを目的としています。アカウントとはここでは「企業」のことを指しており、主にBtoBの営業/マーケティングにおいて注目を浴びています。似たような概念としては、法人営業の「アカウント営業」が挙げられます。

ただし、ABMでは「アカウント営業」における活動を営業部だけでなくマーケティング部とも連携しながら行う点が特徴であると言えます。さらに、以下で説明するMAやSFAなどのデジタルマーケティングツールの普及によってますます注目を浴びています。

ABMについての記事はこちら↓

ABMとは?基礎知識、メリット、おすすめツールなどを紹介

ABMツールとは

ABMは自社にとって価値の高いアカウントを選別し、企業それぞれに対して最適なアプローチを行う必要があります。そのため緻密で丁寧な顧客分析、マーケティング部と営業部でのコミュニケーション/情報共有など、導入の体制を着実に整備することが重要です。

しかし、実際に実行しようとすると多くの負担や手間がかかってしまうことも事実です。こうした問題を解決する手段として注目されているのが、ABMツールです。最近のデジタル化促進の流れにも影響され、ABM導入ハードルが下がったことも注目されている理由の一つです。

ABMツールの主な機能

営業プロセスの効率化に貢献してくれるABMツールですが、具体的にどのような機能を備えているのでしょうか。ここでは多くのABMツールに搭載されている便利な機能についてご紹介します。

  1. 顧客分析・企業リストの作成
  2. 名寄せ機能
  3. MA・SFA連携
  4. 企業リサーチ
  5. 名刺データの活用

1.顧客分析・企業リストの作成

過去の受注企業や商談中企業の情報をアップロードするだけで、自動的に顧客傾向の分析を行うことができます。過去の取引傾向や商談の実績などから、成約確度の高い企業に絞り込んでアプローチすることも可能です。さらに顧客分析の結果を踏まえて優先的にアプローチするべき企業を集めた「企業リスト」を作成する機能もあります。企業グループ・未取引事業所のセグメントなど様々な要素を掛け合わせた企業リストを活用することで、成約の確度の向上が期待できます。またSFA・MAと連携すれば、注力企業だけに絞り込んだ施策実施もスムーズに行うことも可能です。

2.名寄せ機能

名寄せとは、複数に分散したデータベースの同一人物や同一企業に対し、同一のIDを付与するなどしてデータを統合することです。顧客の名前、メールアドレス、住所、電話番号などの属性が一致する顧客を「同一顧客」と判別することで、ばらばらになった顧客情報を整理し一元管理が可能になります。既存の顧客リストをABMツールにアップロードするだけで、自動で正確な企業名と法人番号を特定し表記揺れを修正することができるようになります。顧客情報を一元管理し取引先・リードデータの精度を高めることで、営業生産性の向上も見込めます。

3.MA・SFA連携

API経由でSFAやMAといった外部ツールと連携することで、充実した顧客データを取得することができます。ABMツールで作成したターゲットリストをもとにセグメントメールを配信するなど、マーケティング施策への活用も可能です。また名刺情報と連携してデータ活用をすれば、プロセスの効率化による営業力の向上も見込めます。

4.企業リサーチ

企業固有情報や外部評価、業界レポートなど、企業に関する情報を網羅した独自のデータベースを利用することができます。最新の企業情報を活用することで、顧客データの高精度なクレンジングや名寄せが可能になります。顧客理解を深めることで営業準備にかかる時間を大幅に削減し、営業組織全体の提案力の向上を見込むこともできます。

5.名刺データの活用

名刺管理ソフトと連携することで、連絡先や人事情報等のより具体的な人物情報を管理することができます。紙ベースの名刺管理では活用しきれなかった情報も、データベース上で企業情報と共に一元管理することで営業プロセスの効率化を図ることができます。紛失にリスクに備えるだけでなく、全社員が登録した名刺データを横断的に活用できるようになるため、より幅広い営業活動のアプローチが可能になります。

名刺管理ソフトについての記事はこちら↓

【2024】おすすめ名刺管理ソフト23選徹底比較|無料ソフトも

ABMツールとMA・SFA・CRMとの関係について

ABMツールとMA・SFA・CRMとの関係性

ABMツールと似たようなマーケティング手法として、MAツール・SFAツール・CRMツールがあげられます。これらの関係性を俯瞰していきましょう。最近では、これらは組み合わせて使われることも多くなっています。

  1. ABMツールの特徴
  2. MAツールの特徴
  3. SFAツールの特徴
  4. CRMツールの特徴

1.ABMツールの特徴

ABMツールの特徴ABMツールでできることとして以下が挙げられます。

  • 自社にとって価値の高いターゲット企業の選定
  • 効果的なタイミングでのアプローチ・営業活動
  • 顧客のキーマンや商談の記録などの情報の一元管理
  • 営業部とマーケティング部のコミュニケーション促進

ABMツールでは、企業/組織単位でデータベースと照らし合わせることで、狙う企業を効率的に選定することが可能です。その際には、膨大な顧客・企業データを利活用していきます。膨大な情報に属性情報を付与することで、データ分析を効果的にすすめることができます。またABMツールは、情報の共有や他システムとの連携が必要不可欠であるため、マーケティング部門と営業部門の距離が近いのも特徴です。そんなABMツールには、主に3つの特徴があります。

  1. 顧客情報統合・一元管理機能
  2. ターゲット企業選別機能
  3. 他システム連携機能

1.顧客情報統合・一元管理機能

顧客データの統合による一元管理はもちろん、管理した情報の名寄せやタグ付けが可能です。その際、業界区分や規模などの属性を添付できます。

2.ターゲット企業選別機能

統合・管理した情報を分析し、ターゲットとなる企業を絞り込むことができます。また、情報を利活用することにより適切なタイミングやサービスを推し量れることで効果的なアプローチが可能になります。

3.他システム連携機能

以下で説明するMA、SFA、CRMツールとの連携が可能です。いままで、部署ごとで区別されていたツールや情報を共有することができます。

2.MAツールの特徴

MAツールの特徴

MAツールでできることとして以下が挙げられます。

  • 顧客情報の収集・蓄積
  • 見込み客の実名化
  • 顧客への施策を自動化
  • 営業マーケティング施策の分析

MA(マーケティングオートメーション)とは、マーケティング活動の自動化を意味する言葉でこれを実践していくツールがMAツールです。MAの活用によって、見込み客獲得から商談に至るまでの効率化や、営業活動の客観的な評価などが可能になります。MAツールでは顧客単位で使われ、対象とするターゲットは広く新規事業の拡大などに中小企業やベンチャーなどで活用されています。

主にマーケティング担当者が利用し、営業担当の営業環境を整えることができます。分析や評価、施策などを自動化することで、シナリオ作成やリードの精査など、本当に注力したい部分にリソースを割けるようになる環境を作るためのツールとして用いられます。MAツールは具体的に4つのツールを持ち合わせています。

  1. リード管理機能
  2. スコアリング機能
  3. キャンペーン管理機能
  4. コンテンツ管理機能

1.リード管理機能

リードとは、見込み顧客のことを指します。様々な人脈で得たリードの情報を一元管理できます。企業名や氏名、役職などはもちろんのこと流入のルートや行動履歴など、さまざまな情報が挙げられます。

2.スコアリング機能

スコアリングは、管理しているリードの行動をスコア化し、自社に興味があるかどうかを判断できる機能です。メールの開封率や自社サイトへの訪問回数などで判断していきます。

3.キャンペーン管理機能

リードを商談に導くためには、タイミングの良いマーケティング施策が必要です。リードの行動履歴や属性によって、プランニングを支援していきます。

4.コンテンツ管理機能

リードの流入経路である、メールやソーシャルメディアなどの様々なプラットフォームをまとめて管理できます。新規コンテンツデータの作成はもちろん、既存コンテンツのリンクや画像の更新作業も複数のフォーマットをまたいで同時に更新することも可能です。

MAツールについての記事はこちら↓

【2023】MAツール比較17選!選定~運用までの知識を徹底解説

3.SFAツールの特徴

SFAツールの特徴

SFAツールでできることとして以下が挙げられます。

  • 営業マンの行動や商談内容・プロセスを管理
  • 管理データを元に営業効率を高める
  • 見積書作成・請求書発行機能など営業支援

まず、SFAとは「Sales Force Automation」の頭文字を取った略語です。日本語では、「営業支援システム」と呼ばれています。SFAを実践していくツールをSFAツールと呼び、主な機能として顧客情報や営業ステータスの一元管理及び共有・営業データの蓄積及び分析・売上の管理及び予測などが挙げられます。具体的には、3つの機能を持ち合わせています。

  1. 案件管理機能
  2. 活動管理機能
  3. 顧客管理機能

1.案件管理機能

見込み顧客の成約に至るまで、営業にかかわるあらゆる情報を管理する機能です。営業情報が一元管理できるのでチーム全体で情報を共有し、ネクストアクションに向けての要素を洗い出しやすくなります。

2.活動管理機能

営業活動に関するさまざま指標を記録・管理する機能です。これによって、営業担当者の成約率・受注率を可視化することができるので、営業活動の効率化や正当な評価を実現することが可能です。

3.顧客管理機能

営業において欠かせない顧客の情報を一元管理し、共有することでより多くのチャンスを創出することができます。さらに顧客管理機能は顧客の分析にも利活用することができるので、その顧客のニーズや傾向を捉え、次のアプローチにむけての戦略を練ることができます。

これまで上記のような要素は、個人の経験の有無に左右されていました。SFAツールを利活用することで営業活動の効率化はもちろん、営業業務のノウハウの標準化も実現できることがわかります。

SFAツールについての記事はこちら↓

SFA(営業支援ツール)比較13選!CRMやMAとの違いも徹底解説

4.CRMツールの特徴

CRMツールの特徴

CRMツールでできることとして以下が挙げられます。

  • 営業活動後の顧客情報管理
  • メールマガジンなどの配信機能
  • 問い合わせの保存や管理
  • 成約率の高いアプローチ方法の発見
  • 既存顧客の購買傾向の分析

CRMは、「Customer Relationship Management」の略です。日本語では顧客関係管理と言い換えることができます。CRMツールでは、営業活動後の顧客との関係性を持続させ、コミュニケーションを促進し、自社の社員と顧客との関係を一元管理することができます。

情報の流動性が高まった現代においては、顧客のニーズも変化していきます。その時々のニーズや潜在的なニーズを割り出すためにも、CRMツールは必要不可欠と言えるでしょう。具体的には、4つの機能を持ち合わせています。

  1. 顧客情報管理機能
  2. 配信機能
  3. 問い合わせ管理機能
  4. データ分析機能

1.顧客情報管理機能

顧客の基本的な情報はもちろん、取引や商談の日時、商談内容の履歴情報などを管理する機能です。上記の情報はそれぞれのIDに紐づけて管理することが可能です。

2.配信機能

主にメールなどを用いて、顧客に情報発信を行う機能です。メールマガジンやステップメールなども配信できます。また、メールの開封率やクリック率などのデータとの連携ができ、アプローチの精度を高められます。

3.問い合わせ管理機能

顧客からの問い合わせ内容を保存・備蓄できる機能です。この機能によるデータによって、よくある問い合わせをFAQとしてまとめることができます。

4.データ分析機能

備蓄された顧客データをもとに、マーケティング戦略を考案できます。様々な視点での表やグラフを作成し、分析に利活用できます。

CRMツールについての記事はこちら↓

CRM徹底比較27選|顧客管理システムを味方にするために

ABMツールの導入の流れ・手法・進め方

ABMツールの導入の流れ・手法・進め方

ABMの概要は理解できたものの、実際にどのように業務に取り入れていくのかはイメージしていくのは難しいです。ここでは、ABMツールの導入後のイメージを導入の流れや手法・進め方を参照していきながら解説していきます。

  1. ターゲット・アカウントの選定・顧客データ管理
  2. パーソナライズされたアプローチ戦略を策定する
  3. 施策実施から実施後の効果測定、振り返り・改善

1.ターゲット・アカウントの選定・顧客データ管理

ABMを始める際には、ターゲットとなる企業(アカウント)の選定を最初に行います。選定を行う際には、もちろん顧客データの整理及び取捨選択も必要です。情報を統合して名寄せを行い、企業情報や役職者情報などの最適化を行うことが重要です。選定したターゲット企業の優先順位もつけていきます。取引履歴や市場での影響度、リピーターや高額取引へのポテンシャルなどを考慮してランク付けを行い、自社にとって価値の高い企業を選定しましょう。ABMツールでは、データの管理が効果を高めるためには必要不可欠です。

2.パーソナライズされたアプローチ戦略を策定する

次に、ターゲット企業に対してどのようなマーケティング活動を行っていくかを決定しましょう。特に、キーパーソンが抱えている課題やニーズに対応したキャンペーンやメッセージなどのコンテンツ提供が求められます。どのようなチャネルでアプローチするかも決定します。チャネルを一つに絞る必要はなく、自社サイトや広告、メールなど複数のチャネルを用意して組み合わせていきます。

また、前段階で行っている顧客データを最大限利活用しながら、顧客のニーズ・社内のキーマンなどを把握していくことが求められます。また、この段階でアプローチ戦略における具体的な指標を定義しておくことで、最後の効果測定・振り返り・改善の効果が高まります。

3.施策実施から実施後の効果測定、振り返り・改善

営業アプローチを実施したら、効果を測定・学習してPDCAサイクルを回し最適化していきます。絶えず施策の調整や改善を続けることが重要です。また、個別のデータだけでなく傾向データを確認して、価値の高い顧客へアプローチができているか・顧客ごとのエンゲージメント強化ができているかなどを評価し、効果的な施策を残していくようにします。

さらに、MAツール・SFAツール・CRMツールとの連携・共有を実践することで、営業活動のデータを総合的に収集することができ、ネクストアクションに向けて分析を効果的に行えます。特に、顧客との関係性を持続させるCRMツールはこのフェーズにおいて連携が求められます。

ABMツールのメリット4つ

ABMツールのメリット

ここからは、ABMツールのメリット・デメリットについて解説します。実際に導入を検討していく際に参考になれば幸いです。

  1. 企業ごとに情報を管理できる
  2. 他システム(MA/SFA/CRM)などと連携が可能
  3. 営業部門とマーケティング部門の距離が縮まる
  4. ターゲットの絞り込みによって、投資対効果が高い・効率的に顧客企業にアプローチできる

1.企業ごとに情報を管理できる

従来型の営業手法では、サービス・商品・イベント毎の顧客管理を行うことも多いです。しかし、ABMツールではそれらの要素と企業を紐図けて管理できるため企業単位で最適なアプローチが可能になります。また長期的な視点においても、企業情報が一元管理されているため企業データから適切なタイミングで営業アプローチを図ることができます。

2.他システム(MA/SFA/CRM)などとの連携が可能

マーケティングを自動化し顧客を見込み顧客に育成・管理していくMAや営業活動の可視化や効率化を実現するSFA、営業活動後の顧客との長期的な関係性を築くのに欠かせないCRMなどとの他の営業システムとの相互作用が期待できます。

3.営業部門とマーケティング部門の距離が縮まる

企業単位で情報を管理できるABMツールの情報は、営業部の情報・ノウハウをマーケティング部でも利活用することができます。また、顧客志向の営業部とマーケティング部との連携により効率的な営業活動・社内の業務円滑化を実現できます。

4.ターゲットの絞り込みによって投資対効果が高い・効率的に顧客企業にアプローチできる

自社の利益につながる企業に絞った上で営業活動を行えます。投資対効果も高く、自社にとって最適な企業にのみリソース集中させることで効率的な営業活動が実現できます。

ABMツールのデメリット3つ

ABMツールのデメリット

  1. 導入に対して、企業によって向き不向きがある
  2. 運用を軌道に乗せるまでに時間がかかる
  3. 全社的にABMツールを導入するには新たな社内体制を構築する必要がある

1.導入に対して、企業によって向き不向きがある

ABMツールは絞り込んだターゲット・顧客に対して、少数で集中的にアプローチするという手法です。そのため、一つのターゲット・顧客からの売り上げはある程度の量が見込める必要があります。すると、ターゲット・顧客となるのは必然的に大企業や大規模中小企業レベルになります。企業の規模や商材によってもABMツールが営業手法として適しているかは変わってきます。

2.運用を軌道に乗せるまでに時間がかかる

ABMツールはマーケティング部と営業部の連携はもちろん、顧客データや企業情報の収集ができて初めて運用できます。一般的なツールと違い総合的なマーケティングツールでもあるため、営業活動における多くの側面を考慮する必要があります。

3.全社的にABMツールを導入するには新たな社内体制を構築する必要がある

データの運用や社内情報共有が従来の営業手法よりも重要であるため、各部門に対して導入の理解を得て、体制の土台を営業部・マーケティング部主導で構築していく必要があります。

ABMツールを導入すべき企業

ABMツールを導入するか話し合う

このページで、自社はABMツール導入に向いているかが分かります。

ABMツールは多くの特徴がある分、企業によって向き不向きがあるのも事実です。

  1. 会社が中規模以上であり、ターゲット/顧客の単価が比較的高い企業
  2. すでに顧客情報や営業データを蓄積できている企業
  3. MA・SFA・CRMツールなどをすでに導入している企業

1.会社が中規模以上であり、ターゲット/顧客の単価が比較的高い企業

ABMは全社体制での導入が基本であり、部門を超えて多くの工数が必要不可欠です。その負荷に耐えられる規模を持つ企業であることが求められます。またターゲットを絞り込む営業手法であるため、自社のリソースを集中できる規模感の顧客である必要があります。自社にとって優良な企業だけをターゲットにするため、商材単価が高ければ高いほど投資対効果も上がっていきます。

2.すでに顧客情報や営業データを蓄積できている企業

ABMツールでのターゲット選定において、顧客データの整理及び取捨選択・営業データの利活用は、顧客に適切なアプローチをするうえで重要な要素となります。またABMツール導入における最初の段階として、顧客情報の統合や企業情報や役職者情報などの最適化を行うことで、より効果的に、アプローチ戦略策定や実施後の効果測定が実現できます。よって、以前から営業活動を行い顧客情報を蓄積できている企業にはABMツール導入のハードルは低くなります。

3.MA・SFA・CRMツールなどをすでに導入している企業

ABMツールとの連携が図れる営業ツールは他にも多く、顧客へのアプローチやデータの利活用という点でABMツールとの関連付けができます。特に、ABMツールは営業部とマーケティング部門の相互作用が期待できます。MAやSFAなど各部門ごとのツールとABMツールを対応させることで、社内の情報管理/情報共有を効率的に行うことができ、全社的なDX化も期待できます。

ABMツールを導入すべきではない企業

ABMツール導入相談

  1. 新規顧客の獲得が中心である企業
  2. 商談単価の低い顧客が中心である企業
  3. 営業部門とマーケティング部門の連携が不十分である企業

1.新規顧客の獲得が中心である企業

ABM実施には工数がかかるため、新規顧客をターゲットとする企業では成果が出にくいと考えられます。また、ABMツールは顧客データの利活用が重要であるため、データの収集/新規顧客獲得の段階では投資対効果は低いと考えられます。

2.商談単価の低い顧客が中心である企業

ABMツールでは、ターゲット選定を行います。ターゲット選定は大企業向けに行うマーケティング手法のため、ターゲットになる企業が商談期間が短く、分析できる情報が少ない場合や商談単価が低い顧客が中心である場合にはABMツールの効果があまり見込めません。

3.営業部門とマーケティング部門の連携が不十分である企業

マーケティング部門と営業部門のコミュニケーション/情報共有はABMツール導入に向けて欠かせません。組織として営業部門とマーケティング部門が独立しており、連携ができない場合はABMツールの効果は期待できない可能性が高いです。

ABMツール6選を徹底比較

ABMツール企業データベース

トライアル 無し
サポート メール 

製品のおすすめポイント

  • トピックページによってビジネスに役立つ最新情報を把握できる
  • Statista独自のマーケティング予測で主要業界の未来を展望できる
  • 重要な指標を備えたデータベースにより手軽な競合調査が可能に
トライアル 有り
サポート メール 

製品のおすすめポイント

  • 日本初の高精度なセールスシグナルによる顧客動向の分析が可能
  • リアルタイムのインテントデータを利用できる
  • 部署・人物情報からキーマンへのアプローチが可能
トライアル 有り
サポート 電話 

製品のおすすめポイント

  • 大手・中堅企業約4,000社におけるキーマン情報の取得・リスト作成
  • 手紙の作成・送付およびコール代行支援により大手・中堅企業開拓を支援
  • 週1回の定例ミーティングにおける進捗確認や擦り合わせなど、サポートの手厚さが魅力
トライアル 無し
サポート 電話 メール 

製品のおすすめポイント

  • 高精度なデータ統合を実現する日本最大の法人データ
  • 使用中の各種ツールと連携することで、よりデータの精度がアップ
  • 名刺だけでは見えない情報も可視化できる、高度な名刺管理機能
トライアル 無し
サポート 電話 メール チャット 

製品のおすすめポイント

  • 日本全域をカバーする150万社の企業データを保持
  • 分析により潜在顧客を発見し、営業戦略を進化させる
  • 簡単に名寄せができるので、作業の省力化が可能
トライアル 無し
サポート メール 

製品のおすすめポイント

  • AIによる既存客の分析を基にした、見込み客の優先順位データが手に入る
  • 既存顧客を自社から離脱させない仕組みづくりが可能
  • ビジネスチャンスを掴む、顧客候補情報のリアルタイム通知

ABMツールの導入事例を紹介

ABMツール 導入事例 FORCAS

では、実際にABMツールを導入することで、具体的にどのような効果を得られるのでしょうか?ここでは、株式会社ユーザベースが提供する「FORCAS」の導入事例を3つ紹介します。業種や会社の規模などもそれぞれ異なるので、自社の形態に近いものを参考に、自社への導入を検討していただければと思います。

  • CASE1.事業内容:エンタープライズソリューション、従業員数:1001名以上
  • CASE2.事業内容:クラウドサービス、従業員数:101-300名以上
  • CASE3.事業内容:DXビジネス、従業員数:1001名以上

CASE1.事業内容:エンタープライズソリューション、従業員数:1001名以上

①FORCAS導入前の課題

NSW株式会社は従来、受け身型の営業スタイルを採用しており、DXにおける提案型営業への転換が急務でした。まず、従来の受け身型アプローチでは、お客様の課題やニーズを的確に理解し、提案型のソリューションを提供することが難しいという問題がありました。次に、営業メンバーのスキルや顧客理解力にばらつきがあり、一貫性のある提案が難しいという課題もありました。

参考:「DXとは顧客の潜在課題を解決すること」 営業スタイル変革へDX FIRSTを掲げるNSWの挑戦 | FORCAS(フォーカス)

②FORCAS採用の決め手

FORCASを活用することで、必要な顧客情報を瞬時に得ることができ、お客様の業界特性や課題を深く理解できるようになりました。これにより、提案の質が向上し、顧客への価値提供が容易になりました。また、情報収集の効率化も大きな利点です。以前は時間をかけて情報収集を行っていましたが、FORCAS を活用することで、情報収集にかかる時間を大幅に短縮できました。これにより、営業メンバーはより効率的に業務を進めることができるようになりました。最後に、組織全体のスキル向上も実現しました。FORCAS は情報共有を可能にし、メンバー間での情報や活動の可視化を実現しました。これにより、営業組織全体のスキル向上と連携が実現し、一貫性のある提案が可能となりました。

参考:「DXとは顧客の潜在課題を解決すること」 営業スタイル変革へDX FIRSTを掲げるNSWの挑戦 | FORCAS(フォーカス)

③業務中によく使うFORCASの機能

FORCASの情報収集機能を特に重宝しています。FORCASを活用して、お客様の企業情報、業界情報、競合情報などをリアルタイムに収集し、必要な情報を素早く取得することができます。次に、業界レポートの活用があります。FORCASには業界レポートが含まれており、各業界の概要から市場動向までが記載されています。これらのレポートを活用して、新規開拓先や既存顧客の業界課題を理解し、提案のベースとすることができます。さらに、FORCASの利用ログの確認機能も効果的です。これにより、メンバーがどの情報を見ているかを確認でき、営業活動の透明性が向上し、マネジメントや情報共有が円滑に行えます。

参考:「DXとは顧客の潜在課題を解決すること」 営業スタイル変革へDX FIRSTを掲げるNSWの挑戦 | FORCAS(フォーカス)

CASE2.事業内容:クラウドサービス、従業員数:101-300名以上

①FORCAS導入前の課題

株式会社スタディストのインサイドセールス業務では、商談化率や案件創出数が不足しており、未経験者が多かったため、業界理解や提案力にバラツキが生じていました。また、仮説構築のプロセスがブラックボックス化し、情報収集に時間を費やす状況でした。

参考:未経験中心のインサイドセールスにも提案力を。仮説づくりプロセスの標準化で、架電数・案件数アップ。 | FORCAS(フォーカス)

②FORCAS採用の決め手

FORCASの導入に踏み切る要因は、業界やトレンド情報を効率的に収集・標準化できるプラットフォームとしての期待に加え、インサイドセールス業務の標準化を実現し、属人化を防ぐ手段としての適切さがありました。また、未経験者にも理解しやすい形で、ABMツールを利用できるのも魅力でした。

参考:未経験中心のインサイドセールスにも提案力を。仮説づくりプロセスの標準化で、架電数・案件数アップ。 | FORCAS(フォーカス)

③業務中によく使うFORCASの機能

FORCASは、情報収集の効率化を図り、特に仮説構築のための情報収集が向上し、架電数が増加しました。また、ターゲット選定や企業課題に関するデータ提供、インサイトの提供、データ駆動の意思決定など、インサイドセールス業務のさまざまな側面で活用され、業務の効率化と成果向上に寄与しています。

参考:未経験中心のインサイドセールスにも提案力を。仮説づくりプロセスの標準化で、架電数・案件数アップ。 | FORCAS(フォーカス)

CASE3.事業内容:DXビジネス、従業員数:1001名以上

①FORCAS導入前の課題

富士通Japanは、幅広いソリューションを提供する企業として、民需分野において、新規開拓が必要である課題に直面していました。また、営業の役割が過大で商談に十分な時間を割けない状況でした。このような状況では、適切なターゲット選定や顧客課題の特定が難しく、営業効率の向上が求められていました。

参考:「新規開拓先が見えたのは大きな価値」”営業頼み”から全社連携へ、富士通Japan戦略企画統括部の挑戦 | FORCAS(フォーカス)

②FORCAS採用の決め手

FORCASは、ターゲット企業の特定や業界トレンド情報の収集を効率化できるプラットフォームとして採用されました。また、FORCASの導入により、営業プロセスを変革し、営業活動の生産性向上が期待されました。FORCASを活用することで、新規開拓先の特定が可能になり、従来は見逃されていた有望な顧客を浮かび上がらせることができました。

参考:「新規開拓先が見えたのは大きな価値」”営業頼み”から全社連携へ、富士通Japan戦略企画統括部の挑戦 | FORCAS(フォーカス)

③業務中によく使うFORCASの機能

FORCASでは、新規開拓のために見込み顧客リストを作成し、新たな営業活動を開始するための情報提供機能を重宝しています。この情報提供機能は、マーケティングと連携し、戦略的なマーケティングプランを策定する際にも活用されます。さらに、異なる業種や課題に対して、客観的なデータに基づいたアプローチを可能にし、戦略的思考を促進します。FORCASは、組織全体で新たなビジネスチャンスを見つけ、営業活動を効果的に展開するための貴重なツールとなっています。

参考:「新規開拓先が見えたのは大きな価値」”営業頼み”から全社連携へ、富士通Japan戦略企画統括部の挑戦 | FORCAS(フォーカス)

さらに詳しいABMツールに関する導入事例の記事はこちらから

ターゲットを絞り込み、最適なアプローチを行う上でABMツールは必須

ABMツールの重要性について

ABMツールはマーケティングにおいて、データを活用し最適なアカウントを選別することができます。狙いを定めて営業活動が行えるので、うまく運用していくことで一層大きい投資対効果が見込めます。さらに、顧客のキーマンや商談の記録などの情報の一元管理や、営業部とマーケティング部のコミュニケーション促進なども実現できるため社内の業務効率化やDX化を図ることができます。しかしABMツール導入には、扱っている商材やターゲットとしている企業によって向き不向きがあります。ABMツールの特徴を俯瞰的に捉え、自社に効果的な影響を与えられるかを考察していくことが重要です。

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