PCのデータをバックアップする方法

PCのデータをバックアップする方法として以下の3種類が挙げられます。それぞれの方法について理解し、バックアップの知識を深めましょう。

 

  • 外付けHDDでバックアップする
  • OSに搭載されている標準機能でバックアップする
  • クラウドにバックアップする

外付けHDDでバックアップする

PCのデータをバックアップする際に最も用いられるのが外付けHDD(ハードディスク)に保存する方法です。SSDやUSBメモリなどの他媒体よりも安価で、保存容量に対するコストパフォーマンスに優れています。

近年のPCでは標準となっているUSB3.0以降に対応していれば、従来のUSB2.0よりも1,9~5.5倍の速度でデータ転送が可能となり、高速なバックアップが可能となります。
ただし、HDDは衝撃や振動が弱点となるため、頻繁に持ち歩く場合は向きません。

OSに搭載されている標準機能でバックアップする

PCのOSにはWindowsやMacなどをはじめとする多種類のOSが存在し、そのほとんどに標準機能としてバックアップを取れる機能が備わっています。ここでは、シェア率が高いOSであるWindowsとMacの標準バックアップ機能について解説します。

Windowsでバックアップを取る方法

windowsでは設定の「更新とセキュリティ」に「バックアップ」という項目があり、PC内臓のHDD・SSDからバックアップ元以外のドライブにデータをコピーすることができます。一度バックアップを取った後は定期的なバックアップ間隔を設定できるため、忘れる心配がなくなります。

しかし、標準のバックアップ機能は特定のファイルかシステム全体のバックアップしか対応していないため、なるべく容量を抑えたい場合や自身でバックアップするファイルを指定したい場合はバックアップソフトを利用するとよいでしょう。

Macでバックアップを取る方法

Macでは「Time Machine」という標準機能でバックアップができます。定期的なバックアップができ、空き容量がなくなると古いデータから削除されていく仕組みとなっています。

注意点として、保存先が外付けHDDなどの外部ストレージしか選択できないため、ストレージデバイスを別途用意する必要があります。また、保存範囲もディスクごとであるため、細かくファイルを指定してのバックアップはできない仕様となっています。

クラウドにバックアップする

近年では、クラウド上に保存する方法が注目されています。ディスクやUSBメモリなどの物理的な外部ストレージに保存する方法とは違い、サーバーにデータを保存するため、ディスクが壊れる心配や紛失する心配がなくなります。また、端末や場所に依存せず、インターネット環境があればデータの読み取りやアクセスが可能です。

しかし、クラウドストレージは容量が大きくなるとその分費用がかかり、月額制などのサブスクリプションプランしか用意されていないこともあるため、物理的な外部ストレージより利用コストがかかる可能性がある点に注意しましょう。

有料ソフトと無料(フリー)ソフトの違いとは?

バックアップソフトには有料と無料のものが存在します。どちらを選ぶかは用途によって異なるため、それぞれの特徴について理解しておきましょう。

 

  • 有料ソフト
  • 無料(フリー)ソフト

有料ソフト

有料ソフトは、バックアップの速度が無料ソフトに比べて早く、機能面でもバックアップの定期的なスケジューリングやバックアップの対象とするデータの指定、バックアップデータのセキュリティ保護などができます。
さらに、復旧の際には最新のバックアップ以外にも〇回目のバックアップを復元させるといった世代管理が可能です。

このように、有料ソフトではバックアップを取ること以外にも便利な機能が充実しているため、業務の大切なデータを取り扱う法人やバックアップの範囲を細かく管理したい人などに向いているでしょう。

無料(フリー)ソフト

無料ソフトは、システム全体や無料ソフトで指定できる範囲でのファイルバックアップを取ることがメインの機能で、有料ソフトほど便利機能が充実していません。

また、バックアップの速度も有料ソフトに比べて遅いため、定期的なバックアップを取るのであれば長期的にみてバックアップにかかる時間が有料ソフトと大きく異なるでしょう。

そのため、無料ソフトはバックアップの細かい管理や便利機能が不要で、バックアップさえ取れればよいという方に向いているといえます。

有料ソフトか無料ソフトか迷った場合には、はじめに無料ソフトや無料で使えるOS搭載のバックアップを使用してみて、他にも機能が欲しくなった時に有料ソフトを導入するのがおすすめです。

バックアップソフトの選定時に意識すべき4つのポイント

バックアップソフトを選ぶときは、下記4つのポイントを意識することが重要です。バックアップソフトを導入する際に、選定基準がないまま導入すると失敗の原因となってしまうため、本章で解説する内容を確認してどのようなソフトを選ぶべきかの基準を設けましょう。

 

  • 使用しているOSに対応しているか
  • バックアップ方式が適しているか
  • バックアップの対象とするデータは何か
  • 利用したいデバイスに対応しているか

1.使用しているOSに対応しているか

バックアップソフトは製品によって対応しているOSが異なります。使っているOSに対応していない製品を選んでしまうとバックアップができないため、導入の際はしっかりと確認しておきましょう。また、対応しているOSは合っていても古いバージョンには対応していない場合があるのでその点にも注意が必要です。

2.バックアップ方式が適しているか

バックアップ方式は以下の4つに分けられ、選ぶ方式によって選定する製品も変わってきます。ここでは、それぞれのバックアップ方式について解説するので。適した方式を見つけましょう。

 

  • フルバックアップ
  • 差分バックアップ
  • 増分バックアップ
  • ミラーバックアップ

フルバックアップ

フルバックアップとは、システム自体を丸ごとバックアップするという方式で、PC内のデータや各種設定、インストールされているアプリケーションなど、バックアップする時点でのPC内環境を全てコピーできます。

大容量のディスクが必要となり、毎回のバックアップに時間がかかりますが、トラブルによってデータが消えてしまった場合に少ない手間でバックアップ時の状態に復元できるのが最大のメリットです。

バックアップ方式の中でも手厚い方式であるため、顧客情報や機密情報などの重要なデータをバックアップする際におすすめです。

差分バックアップ

差分バックアップとは、初回にフルバックアップを行い、2回目以降は初回のデータを基準に変更があった箇所のみを上書きする方式です。この方式では、2回目以降のバックアップに時間がかからず容量も少なく済むため、ディスクのコストを抑えたい場合やサーバーの容量に余裕がない場合におすすめです。

しかし。復元の際にはフルバックアップデータと更新したデータを繋ぎ合わせなければならないため、復元の手間がかかる点に注意しましょう。

増分バックアップ

増分バックアップは、差分バックアップと同様に初回はフルバックアップを行います。2回目以降のバックアップは、初回のデータを基準とする差分バックアップとは異なり、増分バックアップでは前回のデータを基準に変更があった箇所を上書きします。

初回からの更新を取得する差分バックアップに対して、前回からの変更のみを取得する増分バックアップは、バックアップ方式の中で最も少ない時間かつ最小のディスク容量で運用できます。

しかし、データを復元する際には最も時間がかかるため、データの復元をする機会が滅多になく、バックアップにかかる時間や容量をできるだけ抑えたい場合におすすめです。

ミラーバックアップ

ミラーバックアップは、システム自体を外部ディスクと同期させながら運用し、変更があるたびにリアルタイムでバックアップデータが上書きされる方式です。

バックアップを忘れる心配がなくなり、元のデータと同程度の容量で運用可能ですが、元のデータで削除した箇所がバックアップデータでも削除される点や復元の際に他の方式とは違ってバックアップを遡れない点には注意が必要です。

3.バックアップの対象とするデータは何か

バックアップソフトを選定する際には「何のデータをバックアップするか」も重要なポイントとなります。対象とするデータによって導入する製品が変わってくるため、以下2つを確認しておきましょう。

  • イメージバックアップ
  • ファイルバックアップ

イメージバックアップ

イメージバックアップは、システム自体を丸ごとバックアップの対象とする方法です。PCの中身をそのままバックアップするため、容量やバックアップにかかる時間は多くなりますが、フルバックアップのように重要なデータがあるPCを丸ごと保護したい場合におすすめです。

ファイルバックアップ

ファイルバックアップは、システム全体ではなくファイルごとにバックアップの対象とする方法です。よく利用するファイルや重要なデータが入っているファイルのみを保護したい場合におすすめです。

バックアップの時間が少なく済み、ファイルの復元もすぐにできるのがメリットですが、トラブル時にはシステムのバックアップがないため元の状態に戻すのに時間がかかります。復旧作業に時間がかかることを許容でき、ファイルやフォルダに重点を置いてバックアップを取りたい場合にこの方法を選びましょう。

4.利用したいデバイスに対応しているか

バックアップをする際には、どこからバックアップを取って、どこへ保存するのかを事前に決めておくとよいでしょう。PC以外にもUSBメモリやSDカードからデータのバックアップを取って、外付けHDDにデータを保存したいなど、取得先と保存先は多種多様にあります。ソフトを導入してからデバイスに対応していなかったという事態にならないためにも、利用したいデバイスに対応しているかを確認することが大切です。

おすすめのバックアップソフト比較10選

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製品のおすすめポイント

  • さまざまなバックアップを簡単な操作で実行
  • ディスク単位、パーティション単位でのクローンを作成
  • スケジュールを設定すればファイルの同期を自動実行
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製品のおすすめポイント

  • 無料ソフトとは思えない多彩なバックアップ機能を搭載
  • 3種類のクローン機能でディスク交換やデータの移行を迅速に実行
  • バックアップは完全・増分・差分バックアップを選択可能
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製品のおすすめポイント

  • 多様なバックアップ方式は用途に応じて選択が可能
  • さまざまなクローン機能でSSD/HDD移行を迅速に実行
  • 有用なユーティリティ、仮想環境やクラウドまでカバー
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製品のおすすめポイント

  • 複製機能を使えばハードディスクの入れ替えだけで復元
  • さまざまなバックアップ方法で用途に合ったバックアップを提供
  • スケジュール・増分バックアップ機能をを使ってバックアップ忘れの防止に
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製品のおすすめポイント

  • ソフトの起動後すぐにバックアップができる機能を新設
  • バックアップファイルからの復元もわかりやすいウィザード式
  • タスクとログでバックアップや復元の動作を一括管理

バックアップソフト

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製品のおすすめポイント

  • 多彩なバックアップ設定をシンプルなユーザーインターフェイスで実現
  • データの圧縮、暗号化にも対応。さらにバージョン3ではバックアップ速度が向上
  • 自在なカスタマイズ設定でよりニーズに合ったバックアップを提供
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製品のおすすめポイント

  • サブスクリプションではない買い切りの永年ライセンス版
  • ディスク全体やパーティション単位で丸ごとバックアップ可能
  • スケジュールのバックアップやサイクルバックアップが可能
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製品のおすすめポイント

  • パーティションのサイズ変更と分割などにも対応
  • 米国国防総省の規格に準拠した方式でハードディスクの中身を完全に抹消
  • さまざまなバックアップ方式を採用することで、一括にも常時バックアップにも対応

バックアップソフト

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製品のおすすめポイント

  • WindowsだけではなくMacOS、Linuxもサポート
  • バックアップ領域を圧迫しない増分バックアップを採用
  • リカバリはどのシステムへもワンクリックで自動化。ITスタッフの負担を軽減します
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製品のおすすめポイント

  • 初心者でも簡単に使える「おまかせバックアップ」機能
  • 自動バックアップ機能でバックアップ忘れ防止が実現
  • ブート機能をバックアップ先に付加することで起動ディスクが不要になりました

バックアップの必要性・しなかった場合のリスク

現代ではどの業界でもコンピューターやインターネット環境が欠かせないものとなっています。しかし、バックアップを取ることが重要なのはなんとなく分かっていても、具体的な必要性やリスクについて把握できていない方もいるのではないでしょうか。

本章では、バックアップがなぜ必要なのか、バックアップをしなかった場合にどんなリスクがあるのかについて解説します。

 

  • バックアップの必要性
  • バックアップをしなかった場合のリスク

バックアップの必要性

そもそも本当にバックアップをする必要があるのか、トラブルが起きることなんて滅多にないのではないかと思うかもしれません。しかし、データが破損してしまう原因は下記のように多くあります。

 

  • ハードウェアの経年劣化や落下などによる物理的な破損
  • ソフトウェアの不具合やウイルス感染によるデータ破損
  • 人手によるデータの誤削除や保存ミス
  • 災害による停電や物理的な破損
  • 犯罪による盗難やデータ改ざん

他にも様々な原因があり、予期しないトラブルによるデータ破損がいつ起きるかわかりません。データの損失は企業活動や個人にも大きな影響を及ぼしてしまうため、まだデータのバックアップができていない場合は早めにバックアップを取ることが必要となります。

バックアップをしなかった場合のリスク

もし、バックアップを取っていない状態で、システムのトラブルなどによってデータが破損し、復旧ができないとなった場合に企業はどのような損失が出るでしょうか。考えられるものとしては以下が挙げられます。

 

  • 重要データの損失により企業活動の再開が困難に
  • サービス停止や取引停止により企業の信頼が失墜
  • 電子データの保管義務を順守できていないことによる社会的な信頼の失墜

これらが挙げられますが、最悪の場合は企業の経営が困難になる可能性も出てきてしまうでしょう。

データ損失のリスクを回避するにはバックアップソフトの導入が必須

バックアップソフトを導入すると、データの損失によるリスクを回避することが可能となります。なくしてはいけないデータのバックアップを取っていない場合や、バックアップデータのセキュリティ向上を図りたい場合は、ぜひバックアップソフトの導入を検討してみてください。

有料のバックアップソフトには、バックアップを取る以外にもバックアップの取り忘れを防止する定期的なスケジューリングや最新のバックアップより以前に遡れる世代管理など、バックアップと復元をサポートする便利機能が搭載されています。選定の際には、意識すべき4つのポイントを押さえて最適な製品を選びましょう。