SFAとは
SFAとは、企業の営業活動における情報や営業プロセスをデータ化してシステム上に蓄積し、その情報を分析することで、営業活動の改善・効率化を図れるシステムです。
SFAを有効に活用すれば、営業活動が可視化され、営業の効率化や質の向上、属人化の解消などが実現でき、売上や利益拡大にも繋げられます。
SFAは、英語の「Sales Force Automation」の頭文字をとって略された言葉で、日本語では「営業支援ツール」や「営業支援システム」とも呼ばれています。
SFAに備わっている主な機能5つ
SFAには営業活動を管理し、改善・効率化するための機能が備わっています。本章では、SFAに備わっている主な機能を5つ挙げているので、それらについて確認することでSFAの理解を深めましょう。
- 機能1:顧客管理
- 機能2:案件管理
- 機能3:行動管理(活動管理・プロセス管理)
- 機能4:予実管理
- 機能5:レポート機能
機能1:顧客管理
CRMが大きな役割を持っている顧客管理ですが、営業活動においても顧客情報は重要であるためSFAにも顧客管理の機能が備わっています。この機能では顧客の基本情報やコミュニケーション履歴などを記録でき、セールスの重複を防ぐことや引継ぎ時のスムーズな情報共有などが可能となっています。
機能2:案件管理
案件管理では、各担当者が抱えている案件の進捗や受注見込み、提案商品の内容、受注金額など、案件を進めるにあたって担当者しか得られない詳細な情報をシステム上で可視化し、共有することができます。この機能を活用することで、担当者の属人化解消や受注確度が高い営業担当者のノウハウを共有することが可能となります。
機能3:行動管理(活動管理・プロセス管理)
行動管理では、営業活動のプロセスにおいてどれだけ活動したかを営業担当者ごとに管理し、システム上で把握できる機能です。営業担当者の訪問数や商談回数、テレアポの場合はコール数などの行動を記録し、その結果を顧客管理や案件管理と結び付けて管理できます。この機能を活用することで、営業担当者の行動量と結果を適正に評価でき、記録を見直すことで営業活動の改善にも繋げられます。
機能4:予実管理
予実管理では、顧客や商品・サービスの金額、営業担当者などの複数要素を考慮した売上予測が立てられ、実績と比較しながらの進捗管理や目標達成度の把握も可能となります。リアルタイムで予実管理ができるため、目標を意識して効率的かつ臨機応変に営業活動を進められます。
機能5:レポート機能
レポート機能では、蓄積された日々の営業活動や顧客の行動を集計し、レポートを自動で作成します。この機能を活用することで、会議資料の作成時間を削減したり、今後の方針に役立たりすることが可能です。
SFAとCRMとの違い(CRMの概要)
SFAとよく比較されるツールとしてCRMが挙げられます。SFAとCRMの違いについて知りたいという方のために、本章ではSFAとCRMの違いについて解説します。
CRMとは?何ができる?
CRMとは、「Customer Relationship Management」の略称で顧客関係管理をするためのツールです。顧客情報と見込み顧客情報をそれぞれ適切に管理・利用でき、企業と顧客との関係の構築をサポートします。
CRMを導入することで、顧客一人一人に適したコミュニケーションが可能になるため、顧客満足度の向上、顧客との長期的な関係構築による顧客生涯価値の向上などが期待できます。
見込み顧客の発見や顧客理解向上、営業プロセスの効率化、マーケティング予測の精度向上などだけではなく、顧客に関する様々なデータの一元管理までCRMツールで一貫して行うことが可能です。
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CRMの機能
CRMにはSFAと同様に多くの機能がありますが、その中から5つの主な機能を紹介します。
- 機能1:顧客管理
- 機能2:顧客分析
- 機能3:フォームやLPの自動生成
- 機能4:テキストマイニング
- 機能5:ワークフロー機能
機能1:顧客管理
CRMのメイン機能として顧客管理機能が挙げられます。顧客の氏名や住所、電話番号、役職などの基本情報はもちろん、その顧客が購入した商品や応募したキャンペーン、クーポンの取得履歴などマーケティングに関わる情報も管理できます。問い合わせ内容の管理もできるため、顧客と信頼関係を構築する際に属人化を防ぐことも可能です。
機能2:顧客分析
顧客分析では、指標を用いてスコアリングした重要な顧客グループを特定し、それぞれのグループごとに適した施策を打つことが可能となります。グループはレポート機能で図やグラフとして視覚化されるため、エリアごとの特性を把握し、ランクごとにアプローチを的確に変えることが可能です。
顧客分析には「RFM分析」という以下3つの指標で顧客をランク付けする手法があります。
- Recency…直近の購入日
- Frequency…来店頻度
- Monetary…購入金額のボリューム
Recencyでは、直近に商品を購入した顧客の方が、前回の購入から期間が空いている顧客より見込みが良いとされているため、購入日でターゲットを絞ることができます。
Frequencyでは、リピート購入が多い顧客の方が優先するべき顧客となるため、リピーターがどれだけいるか分析できます。ただ、Frequencyが高い顧客が多い場合は、 新規の顧客が少ないという意味なので新規顧客獲得に向けた施策が必要です。
Monetaryでは、顧客の購入金額の合計が高ければ高いほど、多くの商品を買う確率が高い顧客となるため、購入金額でターゲットを絞ることができます。
機能3:フォームやLPの自動生成
CRMでは問い合わせフォームや受注フォームなどを自動生成するだけでなく、フォームから送信された情報を各種マスター情報に自動的に反映させることもできます。
また、ランディングページ(LP)の自動生成もできるので効率良く新規顧客を獲得できます。ランディングページとは、広告などのリンクをクリックしたときに表示される1枚の縦に長いWebページのことで、アピールしたい商品・サービスの訴求を行い、コンバージョンまで完結させることが目的です。
CRMツールに自動生成が基本的な機能に含まれていることで、営業業務の自動化が実現可能です。
機能4:テキストマイニング
テキストマイニングとは、大量のテキストデータから有益な情報を取り出すことです。自然言語解析を活用して文章を単語ごとに分解し、それらの出現頻度や相関関係を分析しています。インターネット上のテキストデータには顧客の不満・満足・要望のデータが大量に存在するため、顧客のニーズが埋もれてしまいがちです。
しかし、テキストマイニングを活用することで要素の関係性を分析し、分析結果の可視化・見える化を行うことで課題と原因の管理が容易になり、PDCAサイクルを確実に回してくことが可能です。
機能5:ワークフロー機能
業務の一連の流れをワークフロー機能を使うことでルールの定義や自動的な処理が可能になり、条件に応じて複雑に変化する業務ルールを対応し、効率的な業務を行うことができます。
営業業務では、顧客とのやり取りやコンバージョンまでのフローが確立されていることが重要になるため、ワークフロー機能はなくてはならない存在です。また、スケジュール管理やタスク管理なども併用して使うことで、効率の良い業務が可能になります。
SFAとCRMの違いについての詳しい記事はこちら
SFAとCRMの違い|役割や機能からどちらを導入すべきか徹底解説
SFAとMAとの違い(MAの概要)
SFAとよく比較されるツールとしてCRMが挙げられますが、MAという用語も目にする機会は多くあると思います。本章ではSFAとMAの違いについて解説します。
MAとは?何ができる?
MAとは、「Marketing Automation」の略称で、企業のマーケティング活動を自動化するためのツールです。
MAツールの導入により、新規顧客の獲得から購買へ導くまで一連のプロセスを自動化し、企業のマーケティング活動を効率化することができます。
少ない人員でも大きな効果が得られるようになり、結果的にマーケティングの費用対効果が改善して、企業の生産性も大きく向上します。
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MAの機能
MAにはSFAと同様に多くの機能がありますが、その中から5つの主な機能を紹介します。
- 機能1:リードジェネレーション機能
- 機能2:リード管理機能
- 機能3:リードナーチャリング機能
- 機能4:リードクオリフィケーション機能
- 機能5:オートメーション機能
機能1:リードジェネレーション機能
「リードジェネレーション機能」は、リードつまり見込み客を獲得するための機能です。潜在的に購買ニーズを抱えているユーザーにリーチして、将来的に自社の顧客となる可能性を秘めた見込み客を獲得できます。
リードジェネレーション機能の具体的な活用例としては、SNSアカウントで自社への認知度を高めて、ユーザーを自社サイトへ誘導するという施策です。Webサイトの訪問者をユーザーの関心に応じて適切なページへ誘導したり、プッシュ通知で再訪問を促したりする施策も効果的です。
機能2:リード管理機能
「リード管理機能」は、先ほどのリードジェネレーションで獲得した見込み客を、適切に管理するための機能です。具体的には企業名・氏名や役職、年齢や性別などの「デモグラフィック情報」と、趣味や興味関心などの「サイコグラフィック情報」です。
リード管理機能の具体的な活用例としては、自社サイトに設置した資料請求フォーム経由で受信した顧客情報を、データベースへ自動的に登録するなどです。こうして収集した見込み客情報から、適切な対象者を抽出してメールマガジンを送付すると、後述するリードナーチャリングを効果的に行うことができます。
機能3:リードナーチャリング機能
「リードナーチャリング機能」は、獲得した見込み客を育成するための機能です。見込み客に自社製品やサービスの魅力をアピールすることで、見込み客の購買意欲を高めて「優良顧客」へ引き上げます。
リードナーチャリング機能の具体的な活用例は、収集した見込み客の情報から顧客の検討フェーズを合わせて、必要に応じて最適な内容のメールマガジンを送信するなどです。さらに、見込み客の属性や行動履歴を反映して最適なセミナーを紹介することも、効果的なリードナーチャリング施策となります。
機能4:リードクオリフィケーション機能
「リードクオリフィケーション機能」は、成約の確度がとくに高い見込み客を選別するための機能です。企業が獲得した見込み客は、最終的には営業部門に引き渡して営業活動を行い、成約へと導く必要があります。
リードクオリフィケーション機能の具体的な活用は、料金プランや機能一覧など、製品に関するページを複数回閲覧した見込み客を、成約確度が高いと判断して営業部門へ引き渡すなどです。高得点で出力された見込み客が本物の優良顧客であったか、成約率が上がったかなど、レビューを重ねて評価基準を更新すると、精度の高いMAツールになります。
機能5:オートメーション機能
「オートメーション機能」は、あらかじめ設定したルールに従って、マーケティング業務を自動化してくれます。
オートメーション機能の具体的な活用方法は、メールマガジンに登録した見込み客に対して、行動履歴に基づいて自動的に最適なメールマガジンを送付するなどです。オートメーション機能をうまく活用すると、見込み客一人ひとりに対し、最適な施策を最適なタイミングで実施できるようになります。
SFA/CRM/MAの違い
SFA・CRM・MAの違いを簡潔にいうと以下となります。
SFA
営業活動を管理し、組織化や業務の改善・効率化を目的としたツール
CRM
顧客関係を構築し、良好に維持するための管理を目的としたツール
MA
マーケティング活動を自動化し、顧客に最適な価値提供を行うことを目的としたツール
SFAを導入するメリット5つ
企業がSFAを導入すると、下記5つのメリットが得られます。本章では、SFAが企業にもたらす具体的なメリットについて、詳しく見ていきましょう。
- 営業の属人化が解消され、営業全体のパフォーマンスが向上する
- 定型業務を減らし、より本質的な営業活動に集中できる
- 営業活動が可視化される
- 高精度な売上予想が可能に
- ノウハウの共有により育成コストの削減が可能に
1.営業の属人化が解消され、営業全体のパフォーマンスが向上する
SFAでは各営業担当者が持つ顧客情報や営業のノウハウをシステム上で共有できます。
従来の営業活動は属人性が強く、営業担当者しか知り得ない顧客情報があったり、個々のスキルにより実績に偏りが生じたりしていました。営業が属人化すると、トラブルなどの顧客対応も担当者に依存することとなり、不在の場合は適切な対応ができなくなってしまいます。
そこで、SFAを用いて顧客情報や営業ノウハウを共有して、営業担当者以外のメンバーも情報を参照できるようにすることで、営業活動が組織化され、営業活動の活性化や属人化の解消が図れます。これにより、営業担当者個人ではなくチームとして顧客と向き合うことができ、営業全体のパフォーマンス向上が実現可能となります。
2.定型業務を減らし、より本質的な営業活動に集中できる
SFAには、見積書の作成機能、スケジュール管理、商談管理など、定型業務を効率化するための機能が備わっています。Excelやスプレッドシートで管理を行うと、手入力やシートの枚数が増えて管理が複雑となり、手間もかかります。
営業活動では、定型業務よりも顧客とのコミュニケーションなどの本質的な営業活動が最優先であるため、できるだけ定型業務や雑務は削減したいものです。
そこで、SFAの定型業務や雑務を削減する機能を用いることで、その分のリソースを提案や商談などの本質的な業務に向けられるため、営業活動の改善を図れるでしょう。
3.営業活動が可視化される
SFAで情報共有することで、営業担当者の案件や進捗などが可視化されます。
また、現場からリアルタイムで情報が更新されるため、問題点や改善点、アドバイスが必要となる局面などでマネージャーからの適切な指示を素早くもらうことができます。これにより、早期の対策を講じることが可能となり、成約率の向上や売上の増加も期待できるでしょう。
4.高精度な売上予想が可能に
SFAには顧客と案件の情報が蓄積されていて、成約率や見積額などをもとに売上予想を立てられます。
従来は売上予測を立てる際、営業担当者の勘や主観に頼ってしまう部分も多く、大きなずれを生じる可能性がありました。これをシステムで行うことで、データに基づいた精度の高い売上予測が可能となり、正確な予実管理の実現が可能となります。
5.ノウハウの共有により育成コストの削減が可能に
SFAでは前述した通り、情報共有だけでなくノウハウの共有も可能となっています。営業成績が優秀なメンバーのノウハウを他のメンバーにも共有することで、個々の得意不得意や実力差を減らすことができ、営業部門全体の成績向上も見込めるでしょう。
また、ノウハウの共有は新人や異動で新たに営業部門に配属されたメンバーの教育にも役立てられます。従来では時間をかけて行っていた教育もノウハウの共有により、早い段階で戦力となる優秀な人材の育成が可能となり、教育コストの削減も図れます。
SFAの顧客データによって最適化したアプローチを、高いノウハウを持って行うことで成約率の向上や全体の売上の増加が期待できるでしょう。
SFAの選定ポイント7つ
SFAは製品によって費用や強みとしている部分が異なるため、比較のポイントを知ることが重要となります。本章では、製品選定の基準となる比較のポイントを下記の7つにまとめて紹介します。
- 目的に応じた必要機能が備わっているか
- 導入の際に避けるべき点をクリアしているか
- 操作やカスタマイズが簡単であるか
- サポートが充実しているか
- 導入実績がどのくらいあるか
- 予算に見合った製品であるか
- どのツールと連携できるか
1.目的に応じた必要機能が備わっているか
SFAの製品を選定する際に重要度の高い項目となるのは、導入目的に応じて必要な機能が備わっていることです。
まず、目的に合う製品を選定するためには、導入目的を明確にしておく必要があります。SFAの製品によって案件管理に強みがあるものや、現場との連携に強みがあるものなど、強みとしている部分が異なっているため、自社の課題を洗い出すことでどのように改善したいかを明確にしましょう。
次に、課題や目的が明確になったらそれを解決するための機能を必ずピックアップしましょう。機能をピックアップしておかないと、製品を選んだのは良いものの必要な機能が標準ではなく拡張機能として備わっていて、その機能を使用するために追加で費用がかかってしまう可能性があります。
そのため、製品を選定する際は目的に応じた必要機能の多くが標準で備わっていて、拡張しなければならない機能は最小限かつ予算の許容範囲内であることが重要です。
2.導入の際に避けるべき点をクリアしているか
SFAでは、導入する製品によって導入に多くの時間と手間を費やす必要があったり、導入後に業務プロセスが大きく変わったりする可能性があります。そのため、「導入後にこうなるのは避けたい」という避けるべき点についても考慮しておくことが大切です。リスクを考えた製品選定の例については以下が挙げられます。
- 業務プロセスの大幅な変更を避けるため、自社のプロセスに合ったカスタマイズが可能な製品を選ぶ
- 導入に手間と時間がかかり過ぎることを避けるため、導入にかかる期間が短いまたは手間がかからない製品を選ぶ
- 導入後に使わなくなるのを避けるため、定着率が高い製品を選ぶ
このように、避けるべき項目を事前にピックアップすることで製品の選定基準がより明確になり、導入後のトラブルも避けられるでしょう。
3.操作やカスタマイズが簡単であるか
SFAは導入して終わりではなく、導入後にしっかりと活用できるかが重要なポイントとなります。そのためには営業マネージャーなどの管理者だけでなく、実際に営業を行う営業担当者も使いやすいシステムであるとよいでしょう。
また、上記でも挙げたように自社のプロセスに合ったカスタマイズが可能な製品を選んだ際、カスタマイズのやり方が難しいとうまく使いこなせず、使用をやめてしまう可能性があります。そのため、操作性に優れた製品や、カスタマイズが必要であればカスタマイズが簡単にできる製品を選定するのがおすすめです。
4.サポートが充実しているか
SFAの導入時から導入後の運用が安定するまでは、様々な疑問が生じたり、トラブルが起きたりすることもあるでしょう。そのような時に解決策が分からず、使用を中断することになるとせっかくSFAを導入したことが無意味となってしまいます。
そこで、手厚いサポートがあることによって運用の定着率も大きく変わってくるため、SFAの製品を選定する際はサポートがどの程度あるのか確認することも重要だといえます。
サポートの充実度によって費用が異なる場合もありますが、価格の安さだけを意識して定着しなくなるよりも、多少のコストをかけてでもサポート体制に優れた製品を選んで定着させる方が、長期的な費用対効果が得られるでしょう。
5.導入実績がどのくらいあるか
導入実績の豊富さも製品を比較する際のポイントとなります。導入実績が豊富な製品にはサポート体制が優れていることや、操作性に優れている、定着率の高さに優れているなど多くの企業に選ばれる理由が必ず存在します。
また、導入実績が豊富であると導入事例も豊富に公開されていることが多く、製品紹介だけでは知り得ないメリット・デメリットなども記されているため、導入後のイメージがしやすくなります。導入実績が豊富にあり、安心して運用できるSFAを利用したい場合は実績の豊富も考慮するとよいでしょう。
6.予算に見合った製品であるか
SFAには機能が最小限であるほどコストが安く、多機能であるほどコストも高くなる傾向があります。そのため、機能の必要性を十分に検討し、予算と照らし合わせて製品を選定しましょう。多機能な製品はカバーする範囲が広い分、操作が複雑化して使いこなせないこともあります。どの機能が必要かをピックアップし、余計なコストがかからない製品を選びましょう。
7.どのツールと連携できるか
既に外部ツールを導入している場合やこれから導入予定がある場合は、導入したSFAとその外部ツールを連携することで、より便利に使える可能性があります。たとえば、チャットツールとの連携によって外出先からもチャットのやり取りが可能となることや、受発注システムとの連携によってサービスの質向上を図ることも可能となります。
また、MAツールを既に導入している場合は、そのツールとの連携に対応しているSFAを導入して連携を行うことで、マーケティングと営業の掛け合わせが可能となり、営業活動の更なる改善が図れます。そのため、製品選定の際は連携できるサービスを確認しておくとよいでしょう。
【導入事例あり】SFAのおすすめ比較10選
製品のおすすめポイント
- 470万社以上の「企業データべース」を活用、アプローチリストを簡単作成
- アプローチ先へ営業したい内容を 雛形から選び、送信文面を作成
- 各企業のお問い合わせ窓口に一斉に送信 経営者や責任者に情報が届く
- 「反応があった」企業へアプローチ
製品のおすすめポイント
- 営業支援ツールの組み合わせより低コストを実現可能
- 顧客画面を1画面に集約し、営業活動を支援
- 高い拡張性と盤石なセキュリティにより安心して利用できる
製品のおすすめポイント
- 機能とプランのバランスが抜群、低価格で多機能
- 組織定着にはまず使われることが大前提。親しみやすいシンプルな画面
- 運用開始が短期間で可能、平均1ヶ月で運用開始できます
製品のおすすめポイント
- 総合満足度No. 1である顧客管理システムの中小企業版システム
- 簡単な設定で、使いやすいようにカスタマイズが可能
- 豊富な機能で低コスト、オールインワンで課題解決
製品のおすすめポイント
- 会話をWebサイトで獲得できる成果につながります
- 自社のビジネスに合わせて作業手順を構築、管理できます
- 最も見込みのある商談チャンスを逃しません
- Zendesk以外の営業支援ツールとの連携もスムーズです
- データに基づきドリブンな意思決定ができます
製品のおすすめポイント
- プログラミング専用知識不要でSFAを構築できます
- 営業スタイルに合わせたSFAを柔軟に構築できます
- 外部のシステムやサービスと連携するためのAPIを搭載
製品のおすすめポイント
- 顧客データをCRMに登録し顧客情報管理を効率化
- SFAツールは、営業担当者の活動を支援し営業効果を向上します
- マーケティングオートメーション(MA)機能で売上増を実現
製品のおすすめポイント
- 状況に応じた方法で顧客登録、スピーディにアプローチ
- 内勤スタッフともリアルタイムで情報共有
- スマートデバイス利用で、PDCAサイクルのさらなる高速化を実現
製品のおすすめポイント
- アウトバウンドセールスのよくあるお悩みの解決します
- 管理職のよくあるお悩みを解決します
- インサイドセールスのよくあるお悩みを解決します
製品のおすすめポイント
- 表計算ソフトを使わずデータを集計・表示してストレスフリーな案件管理
- 営業実績の把握を一瞬で、将来の着地予測も正確に
- 営業プロセスだけでなく、受注後の納品プロセスもまとめて管理
製品のおすすめポイント
- マップ上で簡単に訪問計画や活動報告ができる地図機能
- 見やすさ、マネジメントのしやすさが特長の案件管理
- 複数商材を取り扱う営業スタイルでも細やかな管理が可能
SFA導入時の注意点4つ
多くのメリットがあるSFAですが、導入時に注意しなければならない点も存在します。本章では、以下4つの注意点について解説しているので、事前に確認しておきましょう。
- 導入目的を明確にする
- 営業担当者の理解を得る
- 操作性の確認をする
- データを分析し、活用するための体制を整える
1.導入目的を明確にする
SFAの導入には目的の明確化が最重要となります。導入目的を明確にする際に「営業の効率化」や「売上の増加」といった曖昧な目的にしてしまうと、必要な機能やどの部分を強みとしている製品を選定するかの判断基準も曖昧になり、導入に失敗する可能性が大きくなります。
そのため、自社の課題をしっかりと洗い出し、何を改善するべきか明確にすることで導入の成功へと繋げられるでしょう。
2.営業担当者の理解を得る
営業メンバーに対するSFA導入についての説明が不十分であると、導入の際に反発が起きることや、導入後に混乱を招いてしまう可能性があります。
そのため、事前にSFAについての説明や導入目的の共有など、メンバーが納得して導入を進められるようなフォローを行うことが大切です。目的や導入効果をメンバーがしっかりと把握し、導入への理解を得ることによって協力的な姿勢を持ってもらえるため、スムーズな導入や導入後の安定的な定着にも繋げられるでしょう。
3.操作性の確認をする
現場との情報共有を行う際には操作のしやすさが求められます。日々の営業に関する報告や情報共有をするためには現場のメンバーがシステムに入力する必要があるため、使い勝手の良いシステムでないと使う際にストレスとなってしまいます。それにより、システムへの不満が溜まり、定着する前に使われなくなる可能性も出てきます。
そのため、製品の導入前にPCの操作画面と現場から入力をするスマートフォンでの操作画面が使いやすいかを事前に確認することが大切です。使い勝手が悪そうな画面であったり、入力項目が多すぎたりする製品は極力避け、便利だと思ってもらえるような製品を選びましょう。
また、無料トライアルが用意されていて、完全に導入する前に操作性を確認できる製品もおすすめです。無料トライアルを利用することで導入後のイメージが具体化され、失敗の防止にも繋がります。
4.データを分析し、活用するための体制を整える
SFAではデータを活用し、営業活動の改善を図れることが大きなメリットとなりますが、蓄積したデータを分析し、活用に繋げられる人材がいないとそのメリットが得られなくなってしまいます。
eセールスマネージャー Remix Cloudを提供しているソフトブレーン株式会社の調査によると、データを活用した営業ができている企業の割合はわずか15%にとどまったという結果が出されています。
そのため、データ分析の担当者を用意する、またはデータ分析の担当者として育成する人材の準備が必要となります。データ分析を担当する人材がいれば、業務効率化だけでなく、データを活用した営業成績の向上を図れるでしょう。
SFA導入後に定着させる方法3つ
SFAは導入して終わりではなく、導入後も安定して使われるように体制を整える必要があります。本章では、導入後にSFAを定着させるための方法として、下記の3つを紹介します。
- 運用体制を整える
- システムの使用を当たり前にする
- PDCAを回す
1.運用体制を整える
SFAの使用をやめてしまうリスクを減らすために、運用体制を整えておくことも大切です。運用体制の例は以下が挙げられます。
- SFAの管理者や役割を明確にする
- 入力項目を絞り込み、負担を減らす
- 操作方法が分かるマニュアルを準備しておく
- 不明点やトラブルなどをすぐに相談できる窓口を用意する
- 評価制度にSFAの使用状況を取り入れるなどをして、使用に強制力を持たせる
このように、SFAの使用をサポートするための体制や、SFAの使用に強制力を持たせる体制を作ることで使用の継続を仕組化できるため、定着に効果的であるといえます。
2.システムの使用を当たり前にする
SFAを定着させるためには操作に慣れることが重要です。導入したばかりの時は不明点が出てくることもあると思いますが、そこでSFAを使用せずに済ませてしまうと今後も使わなくなる可能性があり、定着から遠ざかってしまいます。
そうならないためにも不明点は一つずつ解決していき、使用を続けて操作に慣れていけば、不明点が出ることも少なくなるでしょう。こうしてSFAが日常的に使われるようになり、使うのが当たり前という状況が作り出せたら安定的な定着に大きく前進したといえます。
3.PDCAを回す
上記で操作に慣れることの重要性について解説しましたが、操作に慣れる機会を増やしてスムーズな定着に繋げるにはPDCAを回すことも重要となってきます。PDCAを回し、システムの利用と不明点の解消・改善を行う機会を多く作ることで、業務プロセスとSFAのスムーズな定着が図れます。
SFAの導入率
矢野経済研究所で行われたCRM/SFA導入率の調査によると、以下のような結果となっています。
- 2014年度の調査では、アンケートに回答した139社のうち、12.9%(約18社)がSFA/CRMを導入していた
- 2020年度の調査では、アンケートに回答した158社のうち、32.9%(約52社)がSFA/CRMを導入していた
この結果から、2014年から2020年までの6年間でCRM/SFAツールを導入した企業の割合は、20.0%増加したことがわかります。この傾向から、今後もSFAやCRMの認知度が上昇するとともに導入する企業の割合も増加していくでしょう。
参照:ERP及びCRM・SFAのクラウド利用率を調査(矢野経済研究所)
人気のkintoneとsalesforceで選ぶならどちらを導入すべき?
数あるSFAの中でもトップレベルのシェアを誇る「kintone」と「salesforce」ですが、どちらを導入するべきかわからないという方もいると思います。そこで、本章ではこの2つの製品が持つ特長と導入すべきについて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
- salesforceの特徴と導入すべき企業
- kintoneの特徴と導入すべき企業
salesforceの特徴と導入すべき企業
salesforceは世界で導入社数が15万社を超えていて、世界No.1のシェアを誇るクラウドSFAです。日本でも約6,000社が導入していて、操作性やカスタマイズ性に優れているのはもちろん、営業活動において必要となる機能が網羅的に備わっています。
salesforceの特徴
salesforceの特徴をまとめると以下となります。
- 営業活動の管理や業務を改善することに特化している
- 営業活動を完全に可視化できる
- マーケティングにも対応している
- 営業活動のプロセスに一気通貫でカバーしている
salesforceを導入すべき企業
salesforceの導入をおすすめできる企業をまとめると以下となります。
- 営業活動の管理だけでなく、営業データを分析して業務改善を図りたい
- コストをかけてでも営業活動に特化した製品を導入したい
- 風土を変えてでも営業活動を合理化したい
- 営業活動のパフォーマンスを最大化したい
これらの目的に合う企業は、salesforceの導入がおすすめです。
kintoneの特徴と導入すべき企業
kintoneは導入社数20,000社以上を誇る国産のクラウド型業務改善プラットフォームです。SFA/CRMとしての機能も充実していて、操作性、カスタマイズ性、サポートなどの良さから「日経コンピュータ 顧客満足度調査 クラウド基盤サービス(IaaS/PaaS)部門」において3年連続の1位を獲得しています。
kintoneの特徴
kintoneの特徴をまとめると以下となります。
- 営業活動の管理に必要な機能は備わっているが、業務改善のための分析などを行える機能はない
- 営業活動を管理すること以外の用途でも使える機能が多く備わっている
- 複雑なデータ管理には向かない
kintoneを導入すべき企業
kintoneの導入をおすすめできる企業をまとめると以下となります。
- Excelより使い勝手が良く営業活動の管理機能だけ備わっていればいい
- 営業活動の分析・改善を行う予定がなく、管理のみを目的としている
- 安価な価格で営業活動が管理できるツールを導入したい
- 営業に限らず、様々な部署の業務もシステム上で管理したい
これらの目的に合う企業は、kintoneの導入がおすすめです。
営業活動の改善・最適化にはSFAが必須
SFAを導入すると、営業活動における様々な情報が見える化され、蓄積したデータを分析することで営業活動の最適化に繋げられます。営業部門全体の成績向上を図りたい場合や営業活動の効率化に課題を抱えている場合は、SFAの導入を検討してみてください。
SFAの選定時は、導入の目的が明確になっているか、必要な機能が標準で備わっているかなどの観点から選ぶとよいでしょう。ただし、SFAを導入からといって、それだけではSFAのメリットを最大限に得られるわけではありません。SFAの運用体制を整え、使うのが当たり前の環境を作り出すことが重要です。