タスク管理ツールとは
「タスク管理ツール」とは、プロジェクトの各タスクを可視化して、進捗状況を管理するためのツールです。そもそも「タスク管理」は、プロジェクトで個人が遂行すべき「タスク(作業)」をリストアップし、期限や進捗状況を確認することを指します。タスクを整理せずにプロジェクトを進めると、作業漏れや遅延などの原因になります。
そのため、タスク管理はプロジェクトを成功させるために欠かせません。しかしタスク管理を手作業で行うと、どうしてもマネジメントの精度や効率に限界があります。たとえば突然追加されたタスクにうまく対応できなかったり、情報の更新にタイムラグが発生したりするなどです。こうした問題が、プロジェクトの進行に支障をきたすことも。
タスク管理ツールは、タスクのリストアップや優先順位の設定、情報共有などの作業をサポートしてくれます。さらに蓄積したデータを活用できるので、同じようなプロジェクトが発生したときのタスク管理に役立てることも可能。タスク管理の「見える化」と「合理化」により、人為的ミスを防ぎながら正確な仕事ができるようになります。
タスク管理ツールが重要視される理由
近年では多くの企業がタスク管理ツールを導入し始めています。タスク管理ツールが大きな注目を集めているのは、下記4つの課題を解決できることが理由です。
- 重要な業務にリソースを割く必要があるため
- 企業の成長のためにデータ活用が欠かせないため
- 進捗状況の可視化とタスクの分散が必要なため
- 適切なマネジメントが求められているため
重要な業務にリソースを割く必要があるため
人手不足が深刻化するなかで、「人的リソース」をいかに有効活用するかという点が、多くの企業の課題となっています。付加価値を生み出しづらく生産性が低い作業には、できるだけリソースとコストを割きたくありません。しかし従来の人力によるタスク管理では、タスク管理自体に時間と手間がかかるうえに、人為的ミスで余計な作業が生じてしまいます。
合理的なタスク管理を行うことでタスクの優先順位が明確化し、「今やるべきこと」や「注力すべきタスク」が浮き彫りになります。プロジェクトでは複数のタスクが同時並行的に動くことが多いですが、タスク管理が確実に行われているとペース配分を最適化して進めることが可能。これを実現してくれる選択肢として、タスク管理ツールが注目されています。
企業の成長のためにデータ活用が欠かせないため
企業が蓄積した「データ」を活用することは、企業の成長のために欠かせません。タスクに関するデータは軽視されがちですが、意外な可能性を秘めていることもあります。たとえばタスクに関するデータを分析すれば、人員配置や期日の設定を効果的に管理できます。
さらに、コストやタイムマネジメントなど多角的な視点での戦略立案に役立つこともあり、それが営業活動など企業の成長につながることも多いです。手作業でタスク管理を行う場合は困難ですが、IT化されたタスク管理ツールであれば容易に行えると期待されています。
進捗状況の可視化とタスクの分散が必要なため
タスク管理を正確に行うためには、進捗状況を可視化する必要があります。どれくらいのタスクが同時進行していて、誰がどのタスクを担当しているかなど、具体的な部分を確認しづらければうまく管理できません。
タスクの状況がわかりづらいとメンバーの負荷も把握しきれません。メンバーの負荷をうまく分散させることができないと、プロジェクトの遂行は困難です。タスク管理ツールはそれを可能にする機能を備えています。
適切なマネジメントが求められているため
マネージャーはメンバーを適切にマネージする必要があります。しかし現在では時差出勤やテレワークが普及しつつあり、メンバーそれぞれのタスク進捗が見えづらい状況です。従来の手作業によるタスク管理では、マネジメントが困難な場合もあるでしょう。
オンラインでタスク管理できる手段があれば、場所に関係なくメンバーのタスクをマネージできます。状況が思わしくないメンバーをリモートでもサポートし、臨機応変に対応できます。タスク管理ツールは適切なマネジメントを可能にする手段として有用です。
タスク管理ツールに搭載されている主な機能
タスク管理ツールには下記6つの主要機能が搭載されています。本章ではそれぞれの機能について、できることを詳しく確認していきましょう。
- プロジェクト管理
- ToDoリスト
- コメント機能
- ファイル添付
- 詳細情報の記入
- 検索機能
プロジェクト管理
多くのタスク管理ツールでは、「ボード」と「カード」によってタスク管理を行います。ボードはプロジェクトを指し、各ボードにはタスクがカード形式でリストアップされています。タスク管理はボードにあるカードを操作することで実現可能です。
もちろんボードは複数作成できるので、プロジェクト単位で適切なタスク管理ができます。また各ボードへのメンバー招待や除外も自由に行えるので、タスクの混乱や混同も防げます。ボードの公開と非公開も設定できるのでセキュリティ面も安心です。
ToDoリスト
タスクとToDoリストは混同されがちですが、タスクは明確な期限があり、ToDoには明確な期限がないという点で異なります。たとえば週明けの会議資料の作成はタスクで、整理整頓のために古い書類を処分するのはToDoです。
タスク管理ツールでは、ボード内に「ToDoリスト」を作成することも可能です。タスクの下位にあるToDoを明確化すると、より効率的なタスク遂行ができるようになります。もちろん個人用のToDoリストの作成も可能です。
コメント機能
タスク管理ツールは「コメント機能」も充実しています。コメントはタスクのカードごとに投稿できます。コメントに「@」で始まる「メンション」を付けて、特定の個人にコメントを送ることも可能です。
重要事項の共有やタスクの補足、フィードバックなどを個別のコミュニケーションツールを介さず行えるので便利です。コメント機能は、タスク管理ツールに欠かせない機能といっても過言ではありません。
ファイル添付
タスク管理ツールを使用すると、ファイルの添付や共有も簡単に行えます。ボードやカードに必要なファイルをアップロードするだけです。タスクの参考になるドキュメントや、重要資料などを共有するために活用します。外部のコミュニケーションツールやメールを介する必要がないので、情報共有の円滑化と効率化のために便利です。
詳細情報の記入
タスクを示すカードごとに、タスク名や担当者名、期日やラベルなどを設定できます。ラベルは「タスク区分」のことで、タスクのジャンルをわかりやすく分類可能です。さらに各タスクで重要な情報を記入し、抜け漏れのないタスク進行ができるようになります。これにより、進捗が思わしくないタスクが可視化されるため、適切な対処が可能です。
検索機能
タスク管理ツールに搭載されている「検索機能」により、さまざまな条件を指定してタスクを検索できます。現在進行中のタスクはもちろん、過去に完了したタスクや詳細情報についても検索可能です。似たようなタスクを過去に遂行している場合、検索機能を活用するとタスク進行や効率化に役立つヒントが見つかるでしょう。
タスク管理ツールを導入する8つのメリット
企業がタスク管理ツールを導入すると、下記8つのメリットを得ることができます。本章ではそれぞれの具体的なベネフィットについて、詳しく見ていきましょう。
- プロジェクト全体の業務を効率化できる
- タスクの進捗状況を可視化して確認できる
- タスクの抜け漏れを減らしてミスを減らせる
- タスク外の急ぎの業務にも対応しやすくなる
- 部署やカテゴリーごとにタスク管理ができる
- チーム内での情報共有がスムーズにできる
- テレワークでも円滑なタスク管理ができる
- 蓄積したタスクデータを有効活用できる
プロジェクト全体の業務を効率化できる
タスク管理ツールを導入すると、プロジェクト全体の業務を効率化できます。従来のタスク管理の手法では、Excelでフォーマットを作成したり、ホワイトボードで付箋やカードなどを貼り付けたりする、いわば「アナログ」な手段を採用することが一般的でした。しかしアナログなタスク管理は、とにかく余計な時間と手間がかかることが厄介です。
たとえばExcelでタスク管理を行う場合、あらかじめフォーマットを作成しておく必要があります。さらにひとつずつ手作業で入力し、プロジェクトやタスクに変更が生じた際は、入力し直さないといけません。これではタスク管理の雑務のほうに時間を取られて、最も重要なタスクそのものに注力しづらくなってしまいます。
タスク管理ツールには、タスク管理に欠かせないすべての機能が搭載されていて、フォーマット作成のような事前準備は不要です。プロジェクトやタスクの更新、情報共有なども簡単に行えるため、とにかくタスク管理の手間を省くことができます。結果的により重要なタスクにリソースを割きやすくなり、プロジェクト全体の大幅な効率化が可能です。
タスクの進捗状況を可視化して確認できる
タスクの進捗状況を可視化してリアルタイムに把握できることは、タスク管理ツールの最も大きな導入効果です。タスク管理ツールでは、進捗状況と期日が可視化されて、優先順位も明確に表現しやすくなります。さらにこれまでは手作業、もしくはメンバー個人で行っていたタスク管理が、チーム全体で合理的に行えるようになることもポイントです。
その結果として余計な工数をかけずに、誰がどのタスクを担当していてどれくらい進んでいるかなど、さまざまな要素を可視化できます。タスクの進捗状況が思わしくないメンバーがいれば、余裕があるメンバーへ割り当てるか、サポートメンバーを起用するなど適切な対策を行うことが可能。チーム全体の業務効率と生産性が大幅に向上することでしょう。
タスクの抜け漏れを減らしてミスを減らせる
タスク管理ツールを導入すると、タスクを適切に管理して人為的ミスを減らせます。メンバーが担当していたタスクを失念して、期日に遅れてしまうというミスは珍しくありません。タスクの担当量が多いほど、タスクの抜け漏れは発生しやすくなります。手作業や個人の裁量によるタスク管理では、どうしてもマネージできる範囲に限界があるものです。
しかしタスク管理ツールではすべてのタスクをボード上で、可視化して合理的に管理できます。各カードには担当者と期限、カテゴリーや詳細情報などを記載できるため、責任範囲が明確になります。さらに「リマインド機能」があるタスク管理ツールも多く、期限の数日前や直前になると、通知やメールで教えてくれるのでタスクの抜け漏れ防止に最適です。
タスク外の急ぎの業務にも対応しやすくなる
タスク管理ツールを活用すると、想定外の急ぎの業務にも対応しやすくなります。たとえばプロジェクト開始後にクライアントから要件変更があり、当初の予定には入っていなかった業務を行う必要があるなどです。この場合は既存のタスクに変更が生じるため、適切なタスク管理を行っていなければ抜け漏れが発生し、プロジェクトがうまく進行しません。
タスク管理ツールでは、いつでもボードに新たなカードを追加できます。担当者ごとにどれくらいのタスクを担っているかわかり、追加のタスクを誰に任せるべきか的確に判断可能。優先順位の明確化や情報共有も容易なので、新たなタスクにもチーム全体で対応しやすくなります。臨機応変にプロジェクトを進められることがタスク管理ツールの魅力です。
部署やカテゴリーごとにタスク管理ができる
大半のタスク管理ツールでは、複数のボードを作成できます。ボードはプロジェクトを示すため、複数のプロジェクトを同時に管理できるということです。さらに、各ボードで自由にカードを追加できるので、複数のプロジェクトとタスクを同時並行的にマネージできます。これは全社的なタスク管理の効率化につながるので、多くの企業にとって魅力的です。
ボードごとに異なるメンバーをアサインしたり、ボードのアクセス権限を設定してほかのメンバーから見えないようにしたりすることも可能。たとえばハイレベル案件用の「少数精鋭ボード」や、新たにジョインした新人用の「新人教育ボード」などを作ると便利です。部署やカテゴリーごとにボードを作れるので、業務管理や情報共有の円滑化に役立ちます。
チーム内での情報共有がスムーズにできる
ほとんどのタスク管理ツールには、ボード内でのファイル共有や各カードへのコメント、メンバー同士で使えるチャットなどの機能が搭載されています。外部のコミュニケーションツールやメールなどで情報を共有すると、どうしても確認漏れが生じたり、あとから確認するのが困難になったりすることが問題です。
タスク管理ツールを導入するとメンバーへの一斉連絡もツール内で完結し、さらにタスクと関連付いたログとして保存できます。たとえばクライアントからの追加案件が発生したときは、新たにタスクを割り当てる必要があります。タスク管理ツールでは円滑な情報共有が行えるので、タスクの抜け漏れを予防可能です。
テレワークでも円滑なタスク管理ができる
近年ではテレワークやリモートワークが普及しつつあり、会社ではなく自宅で働く人も増えています。しかし従来のタスク管理手法では、マネージが行き届く範囲は社内に限られ、ほかの場所で働く人には及びません。そのため情報共有が難しかったり、タスクの抜け漏れが発生してしまったりするケースがよくあります。
大半のタスク管理ツールはオンラインで稼働するため、ネット環境さえあれば自宅や出張先など、どこからでもアクセスできます。ファイルのアップロードやコミュニケーションもツール内で行えるので、リモートワークの社員に対してもきめ細やかなタスク管理が可能。
さらにログも残るため、現場に居合わせなかった社員もあとから経緯を確認できます。「聞いていない」「上司から伝えられなかった」ということを防ぎ、メンバーがいる場所に関係なく丁寧な情報共有が可能です。多様化する働き方に対応するためには、タスク管理ツールが必須といっても決して過言ではないでしょう。
蓄積したタスクデータを有効活用できる
タスク管理ツールはITシステムなので、あらゆるデータが記録されていきます。たとえばプロジェクトやタスクの詳細、誰が何を担当してどのようなスケジュールで遂行したかなど、手作業では記録しきれないデータが保存されます。こうしたデータを活用すると、参考にできるタスクを探したり、情報の分析で過去のノウハウを活かしたりすることが可能です。
たとえば過去に担当したものと類似するプロジェクトを担当する場合、過去のボードを検索するとタスク配分やスケジューリングなどの参考になります。誰が優れたパフォーマンスを発揮したかも判断しやすいため、余分な人員を増やさずに業務効率を向上させることが可能。優秀な人材を活かしながらコストカットもできるため、生産性の向上を見込めます。
おすすめのタスク管理ツール14選
製品のおすすめポイント
- 組織の現実に合わせて、柔軟なタスク管理が可能
- 作業の手間を省く、外部ツールとの連携力が魅力
- チーム員同士のコミュニケーションを円滑にする機能が豊富
製品のおすすめポイント
- 予定を明確化して、タスクの抜けや漏れを防ぐ
- 仕事仲間、家族などチームでの連携もスムーズに
- 世界中のあらゆる人の為の、豊富なテンプレート
製品のおすすめポイント
- テレワークでも、同じ場所にいるような感覚で働ける
- 大規模な組織を管理できる、エンタープライズプラン
- 大規模組織向けに限らず、フリーランスなどの個人利用にも便利な機能が充実
製品のおすすめポイント
- タスクごとのチャットにより、業務推進のための質の高いコミュニケーションが可能
- 作業の時間も割り出せる、緻密なタスク管理
- 信頼のセキュリティで、タスクのデータを守る
製品のおすすめポイント
- シンプルで必要十分の機能だから使いやすい
- チームの情報を効率的に蓄積、共有、活用できる
- スマートな連絡と明確なタスク表示で、スピーディな進行が可能
製品のおすすめポイント
- かゆい所に手が届く実践的な機能が搭載されている
- チャット機能によりチーム間、他部署との連携を可能に
- 案件ごとにチャット可能、タイムラインを視覚的に管理できる
製品のおすすめポイント
- チームの連携を支援し、仕事を整理することができる
- ルーチン作業を自動化し、クリエイティブな作業に注力できる
- 1つのプラットフォームで200を超えるアプリと連携可能
製品のおすすめポイント
- オープンソースなので自由に誰でも利用可能
- プロジェクト管理や業務を一元管理し、チームで共有可能
- ソースが公開されており、業務にあわせてカスタマイズ可能
製品のおすすめポイント
- ワークフローを選択、それぞれのチームにあったものにカスタマイズ可能
- 既存のツールと連携し、ワークフローを改善できる
- SAML SSO、2 段階認証などを使用した高いセキュリティ性
製品のおすすめポイント
- シンプルなデザインによりコラボレーションを促進
- プロジェクト管理に必要な機能がオールインワンされている
- androidやスマートフォンでも利用可能、いつでも管理できる
製品のおすすめポイント
- 複数部門のタスクをまとめてスムーズに進行できる
- ガントチャートやカンバン表示をフル活用し全体像を把握
- 高いセキュリティ性により、利用者の情報を強固に守る
製品のおすすめポイント
- 4人まで無料で利用可能でありながら、充実したサポート体制
- スマホでのタスク管理にも対応、リアルタイムで確認
- タスク管理を4つの方法で可能、一目でわかりやすい
製品のおすすめポイント
- チームの情報をストックし、情報を流さない
- チームのタスクを誰でも手軽に管理できるようになる
- メンバー間でのメッセージのやり取りが可能に
タスク管理ツールの種類
タスク管理ツールには大きく分けて下記3つの種類があります。それぞれ機能性や使い勝手が異なるため、本章でそれぞれの特徴をあらかじめ確認しておきましょう。
- ToDoリスト
- カンバンボード
- ガントチャート
ToDoリスト
「ToDoリスト」は最もシンプルな形式のタスク管理ツールです。ToDoリストの目的は「やるべきこと」のリストアップです。各タスクカードには担当者や期日、詳細内容などを記載して担当内容を明確化できます。フィルタ機能による絞り込みや期日による並び替えも可能で、カレンダーと連動している製品も多くあるので便利です。
ただしToDoリストはやるべきことの把握には役立つ一方で、何をいつまでにすべきかを識別しづらいことがあります。とくにタスクやメンバーが多い場合は、使いづらさを感じることもあるでしょう。あくまでタスクの抜け漏れを防ぐために個人で利用する場合は、ToDoリスト形式のタスク管理ツールを選んでも問題なさそうです。
カンバンボード
「カンバンボード」形式のタスク管理ツールは、現在では主流になりつつあります。カンバン方式とは元々製造業で使われていたタスク管理手法ですが、その有用性が非常に高いため現在ではあらゆる業界で使用されるようになりました。カンバンはToDoリストをさらに進化させたようなもので、未着手・着手・完了などタスクの進捗状況に応じて列を構成し、タスクの進捗状況に応じてカードを移動させてタスクを管理します。
カンバンボード形式のタスク管理ツールの魅力は、合理的かつ正確なタスク管理を行いやすいことです。どのタスクが作業中でどれくらい進行しているのか、ボードを見ればひと目でわかります。進捗状況が遅れているタスクがあれば、期限表示ラベルの色変化で示してくれるため、すぐに対策を講じることができます。チームメンバー数やタスク総数が多い場合は、ガンバンボード形式のタスク管理ツールを選ぶのがおすすめです。
ガントチャート
「ガントチャート」形式のタスク管理ツールは、細分化したタスクを表形式で表示するタイプです。プロジェクトの各タスクの進捗状況と、スケジュールとの兼ね合いを明確化できます。基本的には縦軸に作業工程とタスク、横軸に日時と期日を配置して、棒グラフ形式でどの期間にどのタスクを遂行するか表示します。
ガントチャートはスケジュールを視覚的に表示できるため、日時ごとの作業量と進捗状況を把握しやすいことがポイントです。ただしメンバー個人としては、タスクの担当者や詳細情報などがわかりづらいことがあります。メンバーの作業量とタスク進捗を視覚的に管理したい場合は、ガントチャート形式が向いています。
タスク管理ツールを選ぶときに意識すべき7つのポイント
タスク管理ツールを導入するときは、自社に最適な製品を選ぶことが大切です。本章では自社に最適なタスク管理ツールを選定するために重要な、下記7つのポイントについて解説します。導入前にあらかじめ確認しておきましょう。
- 自社の業務内容に合っているか
- チーム全体でタスク管理しやすいか
- 既存ツールと正確に連携できるか
- コストパフォーマンスが適切か
- 販売形態が自社に合っているか
- サポートがしっかりしているか
- UIや操作性は優れているか
自社の業務内容に合っているか
タスク管理ツールを導入する目的を明確化して、当該ツールが本当に自社の業務内容に合っているかを精査することが大切です。まずはタスク管理について、自社が抱えている課題を洗い出してみましょう。たとえばタスク管理自体の工数が多い、タスク管理で抜け漏れが多く業務効率が悪いなどです。メンバーやタスクの数も重要なポイントとなります。
課題点が明確化すれば、どのようなタスク管理ツールを導入すべきかわかります。多くのプロジェクトとタスクを同時並行的に稼働し、動員するメンバーも多いのであれば、カンバンボード形式のタスク管理ツールを選ぶのが無難です。一方で個人や少人数で行うプロジェクトであれば、ToDoリスト形式のタスク管理ツールでも十分な効果があるでしょう。
チーム全体でタスク管理しやすいか
一般的にプロジェクトは複数メンバーで遂行します。したがってタスク管理ツールはマネージャーだけではなく、メンバー全員が「使いやすい」と感じるものを選ぶことが重要です。どれだけ高機能でマネージしやすくても、メンバーにとって使いづらいものであれば、せっかく導入したタスク管理ツールをメンバーが使わなくなってしまうかもしれません。
そのためタスク管理ツールの選定時は、チームメンバーにデモ版やトライアルを試してもらい、チームのパフォーマンスを最大化できるものを選びましょう。とくにオンラインで稼働する「クラウド型タスク管理ツール」であれば、トライアルも充実しているのでおすすめです。導入前に慎重に検討しておくことで、チーム全体の生産性が大きく向上します。
既存ツールと正確に連携できるか
タスク管理ツール単体でプロジェクト全体を管理する場合は、既存ツールとの連携については気にする必要はありません。しかしタスク管理ツールを既存ツールと組み合わせる場合は、「連携性」が極めて重要な要素になります。実際のところ、タスク管理ツールだけで完結することは珍しく、ほかのツールとの併用が必要になることは多いです。
たとえばタスク管理に関する機能は極めて優秀でも、チャット機能がいまいち使いづらいという場合は、外部のチャットツールも併用する必要があります。しかし社内で導入するツールが増えると、情報が分散して整理しづらくなり、情報漏洩のリスクが生じることもあります。ツール同士で連携できれば情報を一元管理できるため安全で便利です。
コストパフォーマンスが適切か
タスク管理ツールを導入するときは、どうしても機能性を意識して、「できるだけ高機能なものを選びたい」と思うでしょう。しかし高機能なタスク管理ツールは高額で、プロジェクトの規模によっては大半の機能を使わないこともあります。単に機能性で選ぶのではなく、自社にとって必要な機能を適正価格で満たしてくれる製品を選ぶことが大切です。
またタスク管理ツールは「料金形態」や「料金プラン」が複雑なことがあるので注意が必要です。たとえば基本的には無料だが一部機能は課金されるものや、参画するメンバー数によって利用料金が増減するものなど、さまざまなタイプの製品があります。導入前に利用料金に関する条件を精査して、費用対効果が最大限に高くなるものを選びましょう。
販売形態が自社に合っているか
タスク管理ツールには大きく分けて、「クラウド型」と「インストール型」という2つのタイプがあります。現在ではクラウド型のタスク管理ツールが主流なので、基本的にはこちらを選んでおけば問題ありません。ここでは両者の特徴と違いについて簡単に解説します。
インストール型は、企業のパソコンにインストールして使用するタイプ。オフラインで稼働するためインターネット環境が不要で、セキュリティ性が高いことが特徴です。ただし会社でしか使えないので、リモートワークが多い場合は実用的ではないので注意が必要です。
一方でクラウド型のタスク管理ツールは、ベンダーのサーバー上で稼働します。インターネット環境があれば、自宅でも外出先でもアクセスできるので便利です。セキュリティ強度はベンダーの体制に依存しますが、ほとんどの企業はクラウド型を選べばいいでしょう。
サポートがしっかりしているか
タスク管理ツールは導入後ずっと使い続けるツールなので、「安心できるツール」であることが重要です。アクセスできない、操作方法がわからないなどのトラブルが発生したときに、サポート体制が充実していればすぐに対応してもらえます。問い合わせの方法や受付時間などを含めて、導入前に細かく確認しておくことが大切です。
UIや操作性は優れているか
タスク管理ツールは複数メンバーで使用するため、インターフェイスや操作性がメンバーに合うかどうかも確認しておきましょう。いざ導入してから問題が発覚するというのでは困るので、あらかじめデモ版やトライアルなどをメンバーに試してもらうのがおすすめです。全員でうまく使いこなせそうであれば、その製品を導入するといいでしょう。
プロジェクトの円滑な進行にタスク管理ツールが必須
タスク管理ツールを導入すると、プロジェクトメンバーがそれぞれのタスクを遂行しやすくなり、全体の生産性を向上させることができます。タスク管理の効率が悪くてリソースを有効活用できない場合や、メンバーを適切にマネージするのが難しい場合は、タスク管理ツールの導入をぜひ検討してみてください。
プロジェクト管理ツールは、基本的にクラウド型でカンバンボード形式を採用した製品がおすすめです。プロジェクトやタスク数が増えても合理的に管理しやすく、自宅や出張先からでも使えるのでメンバーにとっても便利です。自社の業務内容に適合して、メンバー全員が使いやすい製品を選定してみましょう。