OCRとは?
そもそもOCRとは何なのでしょうか?OCRはOptical Character Recognition(またはReader)の略称で、直訳すると光学的文字読取を意味します。先述したように、画像データのテキスト部分から文字を読み取り、文字データに変換・保存する機能です。従来の紙からパソコンへデータを手動入力する作業をコンピューター上で自動的に行います。入力ミスは劇的に減少し、チェック作業も短縮するため大幅な作業効率の向上化が期待できます。
OCRが重要視される背景
近年、OCRが重要視されている背景にはどのようなものがあるのでしょうか?急激な社会の変化に対応するためにデジタル化が推奨されている中で、多くの企業がAI OCRを導入しています。それは下記4つの背景からOCRの重要性が増しているからです。それぞれについて確認し、OCRの必要性について検討してみましょう。
1.デジタル化進行に対応するため
政府主導のもと進められているデジタル化。紙での保存からデータとしての保存に移行している企業が多く、契約書や帳簿では電子保存がかなり進んできています。特に電子帳簿保存法では「紙で受領・作成した書類を画像データで保存」すること、具体的には相手から受け取った請求書や領収書などを、スキャニングして保存することが2024年から義務化します。なるべく早い段階で準備しておきましょう。
参考:どうすればいいの?「電子帳簿保存法」 | 経済産業省 中小企業庁」
2.将来的な労働力不足に対する対策として
現在の日本では急速な少子高齢化が進んでおり、2050年には日本の人口は約1億人まで減少する見込みです。それにより15歳から64歳の働き手は絶対数が減少するほか、人口比率でみても低下すると考えられています。したがって日本全体で労働力不足が発生するため、貴重な労働力をデータの手動入力などの単純作業に費やしてしまうのは得策ではありません。AI OCRの導入による作業の自動化で労働力不足に備えましょう。
参考:経済産業省「2050年までの経済社会の構造変化と政策課題について」
3.AI OCRの進化により完全自動化も可能に
AI OCRはバージョンの更新を繰り返すことで進化を続けています。ただのOCRソフトでは帳票上の読み取り位置を指定する書式定義の作成が必要でしたが、AI OCRでは自動的に読み取り位置を判定して作業します。もちろん私たちが事前に帳票設定を行うことで、読み取り範囲を限定することも可能です。さらに非定型の帳票でも自動で文字を読み取れるソフトもあります。
4.デジタル化の第一歩として導入ハードルが低い
新しいIT技術を導入する際には導入コスト、運用コスト、学習コストなど様々なコストがかかります。しかし、これらのコストを避けるために現状維持を続けることは、かえって多くのコストがかかることが多いです。その際にかかるコストが比較的安く済むAI OCRの導入は、デジタル化の第一歩としてふさわしいといえます。無料体験版が用意されている場合がほとんどなので、まずは業務の自動化を体験してみてはいかがでしょうか。
AI OCRの導入メリット3選
AI OCRを導入することで、企業は下記の3つのメリットを得ることができます。それぞれの観点から実務に役立つ具体的なベネフィットを確認していきましょう。
1.単純作業の効率化による従業員の負担減少
AI OCRは紙の資料から文字を読み取ってデータに変換する作業を自動で行ってくれるため、大幅な作業効率化が期待できます。これにより単純な作業量が減少するため、労働力不足への対策となるほか、従業員をより生鮮性のある仕事へ集中することができます。さらに従業員の残業を減らすことによる従業員の負担減少と人件費のコスト削減にもつながります。
2.電子データ化による一元管理
AI OCRで読み取り保存した文字データは電子データとしてコンピューター上に保存されます。これにより過去のデータの蓄積が可能なほか、検索も容易になります。情報資産の共有や活用により異なる部署間での連携がよりスムーズになります。
3.RPAとの連携で完全な自動化を実現
AI OCRの導入に合わせてRPAを導入することで作業の完全な自動化を達成できます。RPAではAI OCRで読み取ったデータに対してコンピューター上でそのまま別の処理を加えることが可能であり、人の手が関与しない完全な自動化を実現できます。完全な自動化でより優れた作業効率化が実現できます。
※RPA…Robotic Process Automationの略称で、コンピューター上の作業をロボットによって自動化する機能
OCRソフトのおすすめ製品比較
製品のおすすめポイント
- 高精度な文書仕分け&読み取りで データ入力時間やコストを大幅削減
- 誰でも使いやすいUI/UXだから 導入・運用・全社展開もスムーズ
- 充実した外部連携機能で データをすぐに活用できる
製品のおすすめポイント
- AIが自動で、契約書の管理台帳を作成
- スキャンした契約書をOCR処理でテキストデータ化
- 電子帳簿保存法に則して電子契約を保管可能
- セキュリティ対策も万全
製品のおすすめポイント
- 元の資料を再現する高精度のOCRエンジン
- 斜めになっている文章も、自動補正で綺麗に読み取り
- 簡単テキスト化と名刺管理の便利なソフトを搭載
製品のおすすめポイント
- 特許技術OCRエンジンWOCRによる高精度なデータ化が可能
- クラウドワーカーによる目視確認でより精度の高いデータ化
- 圧倒的な低価格を実現
製品のおすすめポイント
- 手書き書類のデータ化が驚異の95%以上を達成
- NOC RPAと連携することで社内システムまでスムーズ登録
- 運用から見直せる現場視点のフルサポートプランあり
製品のおすすめポイント
- 請求処理の自動化で、作業の時間や手間を削減
- AIを活用し、綺麗なデータに書き換えるOCR処理技術基盤
- 専用の管理画面を活用し、請求書の実画像と処理結果を確認
製品のおすすめポイント
- 様々な帳票タイプに対応する使い勝手の良さ
- 位置補正機能と帳票自動識別機能による認識力の高さ
- スキャンデータのファイル名を自動設定し、フォルダ-仕分けも自動に
製品のおすすめポイント
- 基本の特長となる高精度な文字認識と全自動変換
- 各書類への対応力が高い、頼れるデータ抽出エンジン
- 操作画面もユーザー管理も分かりやすく、セキュリティも安心の設計
製品のおすすめポイント
- PDFやフォームを、編集、共有し、アーカイブ可能なドキュメントに変換
- 広範囲かつ様々なケースに対応可能なグローバル設計
- モバイルドキュメントのスピーディな変換や、デバイス対応の広さ
製品のおすすめポイント
- 約18万語を収録した充実の辞書機能に、対応文字追加も可能
- OCRソフトが初めての方でも使いやすい安心設計
- 高精度なOR機能に加え、付属ソフトの便利さも見逃せない
製品のおすすめポイント
- AI-OCRによる高い文字認識率と、進化する精度
- 使いやすいインターフェイスと、テンプレート設定不要の高い効率性
- 複雑な帳票・多種類の読み取りに強みを持つ
製品のおすすめポイント
- 紙のデータに特化して活字、手書き文字でも理論上100%のデータ化を実現
- テキスト出力やAPIの利用により業務システムとのシームレスな連携が可能に
- 分散入力や暗号化によりセキュリティへの配慮も万全
製品のおすすめポイント
- 豊富な機能で活字をスピーディにOCR変換可能
- 縦書き内の横書き英字やピンボケ画像にも対応の新機能
- 高精度な認識機能による元原稿の高い再現性を実現
製品のおすすめポイント
- 高い読み取り精度と、豊富な出力形式に多数の言語が対応
- 夜間処理なども得意なバッチ処理に対応したエディション
- 外部クラウドストレージとの連携により、ファイル送受信が簡単に
製品のおすすめポイント
- クラウド、オンプレミスの選択が可能な柔軟な導入シナリオ
- AIを用いた自動仕分け機能と自然言語処理による読み取り機能の拡張
- スムーズな外部連携を実現するREST API
製品のおすすめポイント
- AIの文字学習機能により読み取り精度は99%を実現可能
- 帳票の仕分けや傾き補正など様々な便利機能が標準装備
- クラウド版だけでなく、オンプレミス版も選択可能
製品のおすすめポイント
- AI-OCR市場シェアNo1。あらゆる書類を高精度でデジタルデータ化
- 高速処理のための分散コンピューティングと高いセキュリティレベル
- AIがすべて自動で行うから設定不要で帳票のまるごと読み取りが可能
製品のおすすめポイント
- AI+人の目で高精度なデータ化を実現。精度は驚きの99.98%
- 24時間365日対応可能なクラウドワーカーと連携でスピーディーなデータ化が可能
- 直感的にわかりやすい操作画面と自動分類機能
- 書類のスキャニングもオプションで対応可能
- 個別サーバーにより万全のセキュリティ体制を確保
ここに注目!導入ポイント4選!
AI OCRの導入の際には搭載されている機能に応じて最適な商品を選ぶことが大切です。下記4つの観点から最適な製品を選定するポイントを解説していきます。
1.読み取り精度はどのくらいか
AI OCRを選ぶうえで最も重要になるのがこの読み取り精度です。読み取り精度は搭載しているシステムによって大きく異なります。有料ソフトは無料ソフトより精度が高いですが、その中でも製品によって精度の違いは大ききくなっています。精度を確認するためにはレビュー等を参照したり、無料体験版を試したりすることがおすすめです。また、100%の精度を誇るAI OCRは存在しないことにも注意が必要です。
さらに認識文字範囲が異なる場合があります。日本語の読み取りを中心に扱うときに重要なのは漢字の対応範囲です。日本産業規格に収録されているJIS漢字コードのどの水準に対応しているかで、旧字体をどこまで反映できるかが決まります。旧字体も扱う場合には忘れずに覚えておきましょう。
2.対応している言語はどの範囲までか
外国語で書かれた文書を読み取りたい場合は複数の言語に対応したAI OCRを選択する必要があります。対応している言語には限りがあるため、必要な言語をカバーしているソフトを選びましょう。同じソフトでも日本語よりも外国語の読み取り精度は悪くなる可能性があります。さらに日本語と外国語が混在した文章も読み取れるかどうかも製品を選定する重要なポイントとなります。また、外国語を専門的扱う場合は海外産のAI OCRの導入を検討してもよいでしょう。
3.レイアウトの認識はどこまでか
AI OCRが認識する画像データは2種類以上のレイアウトが混ざっている場合が多いでしょう。特に資料や本を読み取る場合、複雑なレイアウトなだけではなく、写真と文章が混在しているものもあります。レイアウトを正確に認識できないと、読み取りたい文字が写真として認識されてしまう場合があります。
さらに縦書きと横書きでレイアウトの認識が大きく変わる場合もあります。どのソフトも横書きでのレイアウト認識は高い水準を誇りますが、縦書きでのレイアウトは違います。それは縦書きが英語圏には存在しないレイアウトだからです。縦書きの画像データも読み込む場合に日本製のAI OCRを選ぶべき理由はこの一点につきます。特に段落を正確に把握できているかが重要なポイントとなります。
4.文字はどのくらい見やすいか
AI OCRで画像データから文字を読み込んだ後はファイルに出力されます。通常圧縮と高圧縮ではファイルサイズによって表示画質が異なります。ソフトによって圧縮の割合や表示画質が変わるため、使用頻度や容量とも相談してソフトを選択してください。もともと読み込んだ画像データの状態がかなり悪い場合には表示画質も悪くなる可能性が高く、通常圧縮で出力することをおすすめします。しかし通常の文章では高圧縮でもある程度の視認性が確保されているため、特に問題はないでしょう。
日本を代表する御三家について
OCRソフトには御三家と呼ばれる日本語の高性能AI OCRが存在します。この3つの製品は常に売り上げトップに位置してます。もし製品の種類が多すぎて決めきれない場合にはこの3つの製品から選ぶことをおすすめします。
1.読取革命
とにかく高性能なAI OCRを導入したい方におすすめ!
読取革命はもともとPanasonicが製造していた人気OCRソフトであり、現在はソースネクストが発売しています。FAXやコピーした文書、手書き文字など低品質文字の認識に強く、ABBYY社製のエンジンによる英語文書の読み取りにも対応しています。縦書きテキスト、横書きテキスト、画像、表などが混在した原稿でも、レイアウトを保って再現できることが特徴です。シンプルな画面で必要最低限のボタンに絞るなど、初心者にやさしい操作性も魅力の一つです。
2.e.Typist
数多くの言語に対応したAI OCRを導入したい方におすすめ!
e.TypistはNTTデータNJKが開発したOCRソフトであり、「老舗」の商品として信頼度が高いです。最大の特徴は対応言語の種類が圧倒的に多いことです。認識可能な言語は日本語、英語はもちろん、ドイツ語、フランス語、ロシア語などの欧米言語、中国語の簡体字、繁体字、韓国語などを含む58か国語を誇ります。さらにこれまで認識が難しかった日本語のイタリック文字、日本語の縦書き内に記述されている横書き英字にも対応が可能になりました。
3.本格読取
とりあえずAI OCRを試してみたい方におすすめ!
本格読取は先述した「読取革命」の廉価版として提供されている製品であり、ソースネクストが販売しています。紙の資料をExcelやWordなどのデータに変換できますが、PDF出力・透明テキスト化ができない点には注意が必要です。しかしOCRソフトとして必要な機能は一通り揃っているため、初めてのAI OCRとして最適です。
まとめ
OCRソフトの導入は企業のデジタル化の第一歩にふさわしく、作業効率化が生産性を高めることは間違いありません。手動のデータ入力作業に多くに時間・コストがかかっている企業はぜひAI OCRの導入を検討してみてください。本記事で紹介したメリットや導入ポイントを参考にして製品を導入をし、作業の効率化を実現させましょう。