【2024年】クローニングツール7選比較！導入事例も紹介！

現在多くの職場、学校でリモートワークやオンライン授業が当たり前になっています。そのため、      同じ設定のデバイスを複製するクローニング作業が必要となってきます。   クローニングを手作業でやろうとすると、多くの手間や時間がかかり、ミスも発生します。そのため、クローニングツールを導入する事がおすすめです。クローニングツールを導入することで、複雑なクローニングツールを自動化することが可能です。今回はクローニングツールの概要から導入まで徹底解説します。

「クローニング」とはどのような作業か

クローニングとは、あるデバイスのデータを全て複製し、同じデータを持つデバイスを作成するプロセスの事です。クローニングツールは、この作業を自動化するために用いられます。学校、企業、官公庁といった多くの団体で使われるようになっています。

クローニングツールが必要になった背景

コロナウイルスの影響で、リモートワークやオンライン学習が主流となりました。そのため、「設定の同じ大量のデバイス」を準備する必要が出てきました。その際にクローニングツールを使用することで、簡単にデバイスを準備できます。デバイスのクローニング作業が必須となった今、クローニングツールは欠かせないものとなりました。

以下で、クローニングツール導入の際のポイントを解説していきます。

クローニングツール導入のメリット

複雑なクローニング作業を自動化できる。

マスターPCを作成できれば、それを自動で複製することができます。これにより作業時間を大幅に短縮でき、ミスも減らすことが可能です。そのため、情シス担当者にとって非常に負担になるクローニング作業を、簡単に行うことができます。社内システム管理、IT技術導入など情シス担当は仕事が多いため、キッティングの負担を減らせるのは非常に便利です。

大量のPCを複製することが可能。

1度に大量のPCをクローニングすることができます。そのため、企業や学校で導入が進んでいます。

IT資産管理ツールも備えている。

クローニング機能だけでなく、データ消去システム、ログ機能といったIT資産管理ツールも兼ね備えている事が多いです。これらの機能によって、PCのLCM(ライフサイクルマネジメント)も可能になります。

クローニングツール導入の際の注意点

情報漏洩

情報漏洩、紛失事故は毎年100件以上起こっています。クローニング作業中にこれらのアクシデントが起こる可能性もあるため、注意が必要となります。

規制の遵守

クローニングの際に、個人情報保護法や、企業秘密の保護に注意する必要があります。情シス担当者にとってはこれらのルールを守ることは非常に重要になります。

ライセンスの取り扱い

オペレーティングシステムやアプリケーションのライセンスは、クローニングによる使用が許可されているかどうかを確認する必要があります。これを確認しないままクローニングを行ってしまうと、契約違反になってしまう可能性があります。

十分なスペースを確保できているか

クローニングツールの中には、サーバーを設置しなければならないタイプのものがあります。USBメモリを使用するタイプではスペースを取りませんが、サーバー設置型は広いスペースを必要とします。そのため、どれだけのスペースを確保できるのかを把握しておくことも重要です。

クローニングツール導入の際の比較ポイント

ここでは、クローニングツール導入の際の注意点について解説します。メリットだけでなく注意点も把握することで、自社において導入の際に、効果的なクローニングツールの導入が実現できるでしょう。

デバイスの数

クローニングできるデバイスの数に注意する必要があります。100台以上クローニングできるクローニングツールもあれば、1台のみ対応しているクローニングツールもあります。学校や企業向けに作られたものは大量のクローニングに対応していることが多いですが、個人用に作られたものはそれができない事があります。

OSに対応しているか

対応しているOSにも注意する必要があります。自社のOSに対応していない場合、せっかくクローニングツールを導入しても無駄になってしまう可能性があります。中には、使用しているOSに関係なくクローニングを実行できるソフトもあります。

データ移動速度

移動速度も重要です。個人用PCなら、速度を気にする必要はそこまでありません。しかし、大量のPCをクローニングしたい場合は、速度が非常に重要になります。学校や企業では期限内にPCを設定しなければならないため、ある程度の速度が求められます。

どのようなIT資産管理機能を備えているか

クローニングツールは、ログ機能、環境復元システム、データ消去システムなどの機能を持っています。製品ごとに持っている機能が異なるため、ニーズに合った製品を選ぶことが重要です。

セキュリティの強さ

クローニングを実行する際、データが漏洩してしまうことがあります。また、元のデバイスがマルウェアに感染していた場合、マルウェアも転送してしまう場合があります。それらのトラブルを防止できるかも、重要な要素となってきます。

キッティング、バックアップ、クローニングの違い

キッティング

PCに各種設定やソフトウェアのインストールを行う作業の事。ユーザーが業務で使用できる状態まで仕上げる過程のことをキッティングと呼びます。

バックアップ

パソコンに保存したデータを、ハードディスクやUSBメモリに保存することを指します。

クローニング

キッティングが完了したPC(マスターPC)を複製することを指します。企業や学校では、大量のPCをキッティングする必要があります。それらを１つずつキッティングすると膨大な時間と労力がかかり、ミスも多発します。そのため、PCを大量導入したい時にはマスターPCを複製します。マスターPCを複製する過程の事をクローニングと言います。

言葉の定義としては、キッティング＞クローニング＞バックアップとなります。(クローニングが行われるときには同時にバックアップが行われていることが多い。キッティングが行われるときにはクローニングが行われていることが多い。)

クローニングツールの導入事例を4つ紹介！

では、実際にクローニングツールを導入することでどのような効果を得られるのでしょうか？ここではクローニングツールの導入事例を４つ紹介します。自社のニーズに最もあっているものを選択し、導入を検討して頂ければと思います。

CASE1: M2 Deploy Tools　(三谷商事)

導入前の課題

2019年に、児童生徒一人ずつに、高品質のデジタル端末を配布する計画が発表されました。下野市には5000人を超える小中学生がいたため、5000台以上の端末を整備する必要がありました。さらに、補助金の関係上2020年までに配布を終わらせなければならず、早く導入する事が求められました。

採用の決め手

これまではWindowsを採用してきましたが、維持管理が大変でアップデートも煩わしいという課題がありました。そのため、三谷商事の提案したIpadと管理ツールのプランが最も適していると思い、導入を決定しました。現場の危機トラブルがあった際も、遠隔で状況を把握し三谷商事の方が迅速にフォローしてくれました。

導入後

わずか1年で、5000人以上の全ての小中学生への端末の配布が終了しました。現場からも好意的な反応が返ってきました。教員は、パソコン室の空き状況に左右されることなく、いつでも電子素材にアクセスできるようになりました。生徒は、Ipadを利用することによって苦手な分野を集中的に勉強したり、映像授業を受けられるようになったりしたため、学習効率が大幅に上がりました。さらに、ネットワーク環境の格差を無くし、デジタルスキルを浸透させることにも寄与しました。

引用:【iPad導入事例】「GIGAスクール構想」で市内の全小中学校にiPad 約5,300台を整備

CASE2:  V-recover(株式会社アルファシステムズ)

導入前の課題

情報システム部門で運用管理する業務用のノートPCにて、情報漏洩防止等のセキュリティ対策を検討する必要がありました。そこで、ノートPCに利用者のデータを残さず情報漏洩を防止するために、PCをシャットダウンや再起動するとPC利用前の状態まで戻す環境復元システムをいくつか候補としました。しかし、運用中のウイルス対策ソフトウェアをサポート外とする製品ばかりであった。

導入の決め手

さらに環境復元システムの製品調査を進めると、V-Recoverでは運用中のウイルス対策ソフトウェアは動作確認済であることが分かりました。製品の提案を受けた後、試用版でも動作確認を行い、ウイルス対策ソフトウェアやその他のアプリケーションでも動作を確認することができたため、V-Recoverの採用に至りました。

導入後

クローニングだけでなく、PC運用の際の情報漏洩対策もできるようになった。V-Recoverを導入することで、利用者のデータを残さないPC運用が可能となった。また、ノートPCの返却後にアップデート対応するPCメンテナンスのコストを削減できた。

引用:情報漏洩対策とPCメンテナンスコスト削減の両立が可能となった。

CASE3: Pallet Control(株式会社JALインフォテック)

導入前の課題

「電子自治体構築に向けての基本的方針」が策定され、その実現のために情報システム基盤を構築する必要がありました。

導入の決め手

他のIT資産管理ソフトに比べて、より柔軟な対応ができたため導入に至りました。配布機能や、業務ソフトのアップデート機能だけでなく、個別ソフトウェアの設定変更などにも対応していました。Pallet Controlより柔軟性の高いIT資産管理ソフトは他にありませんでした。

導入後

導入後allet Control を使用したことによって、ソフトウェアのインストールにかかる時間を大幅に削減できました。すべてのPCに手作業でインストールしていたら500時間かかるところを、わずか半日で完了させることができました。また、県内各所に点在するPCを一括管理できるようになり、利便性が上がりました。

引用:4,500台のPCすべてを一元管理、500時間かかる工数を12時間程度に短縮

CASE4: ActiveImage Deploy USB(株式会社アクティファイ)

導入前の課題

多数のPCをリプレースする案件において、キッティング作業に苦労した経験がありました。毎日20台～30代のPCを手作業でキッティングしなければなりませんでした。さらに1台ずつユーザーに合わせて設定を行わなければならない時もあり、作業量が膨大かつ複雑になっていました。そのためミスも多くなってしまい、キッティング作業の効率化が急務となっていました。

導入の決め手

操作が容易かつ、高速でクローニングすることができるため、ActiveImage Deploy USBを導入しました。ワンクリックでマスターマシンのバックアップを作成することができ、それをUSBメモリによって簡単にクローニングできます。

導入後

以前は1台当たりのキッティングに1時間もの時間を費やしていました。この製品を導入してからは、作業時間を5分に短縮することができ、10分の1の時間で作業を完了できるようになりました。クローニング時間が短縮されたことにより、他の業務に集中することもできています。今まではキッティングを行う時は作業日を設けて、1日かけて作業を行っていました。しかし現在は隙間時間でキッティングを行うことができます。USBメモリを使って誰でも簡単に操作ができるため、社員にキッティング作業を任せられるようになったのも助かりました。

引用：キッティング作業時間を1/10に短縮、空いた時間を別の業務に振り向けることで生産性のさらなる向上に貢献

おすすめクローニングツール7選

人数によって導入すべきクローニングツールは異なってきます。そのため、組織の規模ごとに分類して紹介していきます。

中小企業、個人、初心者向け

V-Recover(株式会社アルファシステムズ)

このクローニングツールは、20台程度までのクローニングに向いています。サーバーが必要ないため気軽に導入することができ、値段も安くなっています。IT資産管理機能として環境復元システムを持っており、PCをシャットダウンすることで利用前の環境に戻すことができます。そのため、データの漏洩防止や、マルウェア感染予防に非常に役に立ちます。

Image Maker(株式会社ウルトラエックス)

このクローニングツールは非常にシンプルな構成をしています。また、作業時に必要になるのはUSB、HDDだけであり、最小限の設備があれば導入可能となっています。そのため、今までクローニングツールを導入したことが無い場合や、導入を考えている中小企業に適しています。さらに、この企業の提供するライセンスは業界最安値となっています。100ライセンス単位で、使用する分だけ購入可能となっています。

大企業、学校自治体向け

M2 Deploy Tools(三谷商事)

パッケージ型のソフトとなっており、アプリケーションのインストール、実行を一度に行うことができます。そのため大量にキッティングを行う場合に適しています。また、タスクを手動設定する機能があります。これによって設定したタスクの順に処理が実行されるようになります。さらにチェックシートを作って進捗を確認することができます。このように、パソコンの台数が多い場合でもクローニングの状況を簡単に把握することができます。

Symantec Ghost Solution Suite(シマンテック)

このクローニングツールでは、起動ディスクを用いてクローニングを行います。この方法を用いることで、簡単に大量のデバイスをクローニングできます。設定用PCにこのソフトをインストールして起動メディアを作成し、それを複製したいデバイスに接続するだけでクローニングが完了します。また、セキュリティ対策も万全です。付属しているGdiskというツールを使用することで、パソコン廃棄時に企業情報や個人情報を完全に削除することができます。

Pallet Control

Pallet Controlは、クローニングとIT資産管理のどちらも充実しているクローニングツールです。PCへのクローニングの進捗をオリジナル台帳に簡単に記録することができ、作業結果確認やPC展開状況を把握することができます。さらに、クローニングの実行回数、タイミングの指定もでき、状況に合わせた計画的な配布ができます。IT資産管理機能として、リアルタイム収集機能を持っています。PCの環境を細かくチェックでき、安全性を確保することができます。

Kit Post

従業員数が2000人の企業で用いられるほど、大量のクローニングに向いています。大量クローニングの際にも、USBメモリで簡単に実行できます。サーバーを使用しないため、スペースを取らないというメリットもあります。さらに、KitPostは最適なキッティング環境を構築してくれます。会社ごとにPCの環境は異なるため、ふつうクローニングツールの導使用は難しいです。しかし、KitPostを導入すると職員によるヒアリングサービスがあり、最適な環境を提供してくれます。

Activeimage™ Deploy USB(株式会社アクティファイ)

USB、DVDといった光学メディアに対応しています。そのためマスターイメージを取得後、同一機種マシンへ高速展開が可能です。そのため、大量のデバイスにクローンイングを実行するのに適しています。また、障害発生時にも素早く対応可能です。

まとめ

ここまで読んで頂いてありがとうございました。クローニングツールについて理解できましたか？クローニング作業を自動化してくれるクローニングツールは、今後も多くの場面で必要になってくるツールだと思います。また、クローニングツールは種類が豊富で、製品ごとに特徴が異なります。そのため導入を検討されている方は、この記事に書かれている注意点を是非参考にしてほしいと思います。