文字起こしソフトとは
文字起こしとは、会議などの音声をパソコンに打ち込んでテキストデータにする作業です。また、文字起こしソフトは文字起こし作業の効率化を補助するソフトです。
文字起こしとは
「文字起こし」とは、会議やインタビューなどで人の発する言葉(音声)からテキストを作成する作業を言います。 これまでは、ICレコーダー・スマホ・タブレット端末などのデバイスで録音した音声を聞きながら、その内容をパソコンに入力していく大変労力のいる作業でした。約40分の長さの音声データでもすべての発言を文字起こししようとすると文字数10,000文字を超えることもあり、録音時間の数倍もの作業時間が必要になります。 しかし、AI技術の発展により音声を自動でスピーディーに文字に変換することが可能になりました。
文字起こしソフトとは
文字起こしソフトは、人の発する言葉からテキストを作成する(文字起こし)ソフトです。 AI技術を利用した音声認識ソフトを活用すれば、ゼロの状態から入力作業をすることが不要となり、業務効率を大幅にアップできます。
文字起こしソフトが注目される背景
文字起こしソフトが注目を集める背景として、「AI技術の発展による認識精度の向上」、「働き方改革による業務効率の見直し」の2点が挙げられます。
AI技術の発展による認識精度の向上
AI技術の発展により、年々音声認識の精度が向上しています。通常の会話レベルであれば、高い精度で自動で音声を認識し、文字に変換することが可能です。これまで、手作業で作成していた会議の議事録やインタビュー原稿は、AI技術により簡単に文書化できます。
働き方改革による業務効率の見直し
昨今、国を挙げて「働き方改革」が推進されています。わが国では、少子高齢化社会を迎えるにあたり、労働人口の減少が確実にせまってきています。このような状況下で労働時間を現状維持、もしくは削減していくためには業務の効率化が必要不可欠です。
文字起こしソフトの主な機能5つ
文字起こしソフトの主な機能を5つご紹介します。
- 音声を認識し自動でテキスト化
- 翻訳機能
- 話者識別機能
- 辞書登録機能
- 自動学習機能
1.音声を認識し自動でテキスト化
文字起こしソフトを利用すれば、音声を自動で認識しテキスト化できます。録音された会議の音声データをもとに、パソコンに入力していく文字起こしの作業は想像以上に労力を要します。 発言が聞き取れなかった場合には、巻き戻して再生、どうしても聞き取れない場合には再生速度を落として再生のように、一度再生・視聴すれば文字起こしが完了するものではありません。 この点文字起こしソフトの利用により、音声の誤認識の部分についてのみ修正すれば済みますので、作業効率が改善します。
2.翻訳機能
文字起こしソフトによっては、日本語だけでなく複数の外国語に対応しているものがあります。日本語と外国語が混じる会議でも、ソフトが自動でテキスト化してくれますので、議事録作成業務を効率化できます。 また、この翻訳機能を活用することで、通訳を入れずに外国語話者とのコミュニケーションが可能となります。
3.話者識別機能
文字起こしソフトは、音声を単にテキスト化するだけではなく、発言者の声を自動で聞き分け、テキストに話者を割り振る機能があります。 会議後にテキスト化されたデータの発言ひとつひとつに話者を付与するといった手間もなく、議事録作成の業務を効率化できます。
4.辞書登録機能
文字起こしソフトには、辞書としてあらかじめ多くの単語が登録されていますが、特殊な分野の専門用語などすべての用語には対応しきれません。 会議、インタビューでよく使用される専門用語、誤認識の多い単語を登録することで、ソフトが利用環境に合わせて能力を発揮してくれるでしょう。
5.自動学習機能
文字起こしの際に誤認識が発生した単語、誤字、専門用語など、文字起こしソフトを利用する過程でAIが自動で学習をしていくため、利用するほどに手間が掛からなくなります。利用頻度が高い場合には、ぜひ活用したい機能です。
文字起こしソフトを導入する主なメリット4つ
文字起こしソフトを導入すると多くのメリットが得られます。本章では、文字起こしソフトのメリットについて解説します。
- 手動での文字起こしと比較し業務効率がアップ
- 会議・打ち合わせ不在者への迅速な情報共有が可能
- 文字起こし業者に依頼するよりもコストを抑制
- 翻訳機能により外国語話者とのコミュニケーション活性化
1.手動での文字起こしと比較し業務効率がアップ
自動の音声認識に対応した文字起こしソフトを利用すれば、会議や打ち合わせでの参加者の発言を自動でテキスト化できます。 会議終了後、録音した音声データをもとにゼロから手作業で文字起こしする場合と比較すれば、会議終了時にすでにテキスト化が完了します。修正が必要な部分のみ変更すればよいため、議事録作成に関する手間を大幅に削減することが可能です。
2.会議・打ち合わせ不在者への迅速な情報共有が可能
文字起こしソフトによっては、会議・打ち合わせとほぼ同時進行で自動で発言内容をテキスト化することが可能です。 会議終了時点で議事録のドラフトができあがっていますので、不在者への打ち合わせ内容の伝達を迅速に、また手間なく行うことができます。議事録作成だけでなく、情報を受け取る側にもメリットがあります。
3.文字起こし業者に依頼するよりもコストを抑制
インターネットを検索すると、文字起こしを専門にするプロの個人もしくは法人がたくさん見つかります。プロであることから自分で文字起こしするよりも短時間でテキスト化が可能です。 ただし、一般的な文字起こし業者の報酬計算はもととなる音声データの長さ(分)により設定されており、長時間になればコストもさらにかさみます。 文字起こしソフトであれば、音声データの長さにより所要時間が多少変わりますが、自動でテキスト化してくれますので、文字起こし業者に依頼するよりもコストメリットがあると言えるでしょう。
4.翻訳機能により外国語話者とのコミュニケーション活性化
会議・打ち合わせ、顧客との商談など、参加者に日本語以外の話者がいる場合でも、外国語対応の文字起こしソフトならばほぼリアルタイムでその言語をテキスト化します。 これにより、特に通訳を用意しなくてもコミュニケーションの活性化を図ることができます。
文字起こしソフトを導入するデメリット4つ
文字起こしソフトは、人の発する声を自動でテキストデータに変換でき大変便利ですが、100%正確に音声を文字に再現できるわけではありません。 下記のケースでは、音声から作成されたテキストデータに手修正が必要になります。
- 発言者の声量・声質・イントネーションにより誤認識発生
- 業界特有の専門用語、ブランド名・商品名の誤変換
- 複数人が同時に発言した際の認識ミス
- 広いスペースでは、発言の拾いもれが発生
1.発言者の声量・声質・イントネーションにより誤認識発生
聞き取りやすい声量で標準的な日本語の会話であれば、AIによる音声認識の精度も非常に高い水準を達成しています。 しかし、声が小さい、方言が混じっている、標準的なイントネーションではない、場合には音声の誤認識が発生し、自動作成されたテキストデータを一部手修正する必要があります。
2.業界特有の専門用語、ブランド名・商品名の誤変換
医療用語や政治・法律・経済用語などの専門用語、ブランド名や商品名・サービス名もAIの音声誤認識が発生しやすいところです。ソフトによっては登録されている単語数が100万語を超え、専門用語にも対応できるものがあります。文字起こしソフトを利用する分野の登録単語数を確認しましょう。
3.複数人が同時に発言した際の認識ミス
高性能のマイクを使用して声をひろったとしても、会議で複数人が同時発言した場合には声が重なってしまい、AIの音声誤認識が発生することがあります。 会議参加者が多くなるほど、声の重なりも多くなり、テキストデータ変換後の手修正が必要であることを理解しなければなりません。
4.広いスペースでは、発言の拾いもれが発生
広いスペースでの打ち合わせでは、マイクに近い参加者、マイクから遠い参加者で、音声認識の精度が変わってきます。実際参加者の発言だけでなく、発言者以外の雑談、物音なども音声認識の精度に影響するところです。
文字起こしソフトの活用方法5つ
文字起こしソフトは幅広い機能を有し、利用者ごとに活用の方法はさまざまです。以下、具体例を5つピックアップしました。
- 会議や打ち合わせの議事録作成
- インタビュー取材を文字起こし
- 営業活動の履歴をテキスト化
- コールセンターの顧客対応の履歴をテキスト化
- 外国語翻訳
1.会議や打ち合わせの議事録作成
各部門から責任者が出席する大人数の経営会議、自部門所属の数人のみの打ち合わせなど、参加者数の規模を問わず、議事録・会議録作成の場面で活用できます。 文字起こしソフトによっては、会議・打ち合わせとほぼ同時進行で自動で音声をテキスト化してくれるものもあります。不在者への会議内容の伝達も容易となり、全社的な業務効率の改善に貢献するでしょう。
2.インタビュー取材を文字起こし
取材でのインタビュー音源からテキスト化を行うことが可能です。インタビューは、「1対1」、「1対複数」、「複数対複数」と形式がさまざまです。 いずれの場合にも声が重なってしまうケースや録音環境が悪いケースなどでは、音声の誤認識が発生する可能性がありますが、録音時間を問わずテキスト化が可能なため、作業の手間を省くことができます。 なお、インタビュー音源をテキスト化したものは、記事や論文の原稿として利用可能です。
3.営業活動の履歴を共有
営業部門は既存・新規問わず、多数のクライアントと日々接しています。打ち合わせの音声をテキストとして共有できれば、営業部員同士・または他部門との連携もスムーズとなり、効率化できた時間を営業活動に充てることができます。 また、クライアントとの間に認識の不一致が発生した場合でも、音声データ・テキストにて過去のやり取りを振り返ることが可能となり、トラブルの解消に役立ちます。
4.コールセンターの顧客対応の履歴を共有
カスタマーサービスなどのコールセンター業務では、多数のカスタマーとのやり取りが発生するため、録音により音声データを保存している企業も見受けられます。 ただし、音声データそのままでは再生・視聴しなければならず、情報の共有という点で非効率と言えます。 文字起こしソフトにより、カスタマーとのやり取りをテキスト化し関係者で共有することができれば、部門内さらには全社的な業務効率化にもつながることでしょう。 カスタマーとの間に認識の不一致が発生した場合にも、営業部門での活用とおなじく、音声データ・テキストにて過去のやり取りを振り返ることでトラブルを解決することに役立ちます。
5.翻訳
会議・打ち合わせ参加者に日本語以外の話者がいる場合でも、文字起こしソフトがその言語に対応していれば会議の進行とほぼ同じペースで音声のテキスト化が可能です。 この場合でも100%音声を正確に再現することは厳しいですが、通訳を挟まなくてもスピード感のあるコミュニケーションが取れます。
文字起こしソフトの比較ポイント7つ
文字起こしソフトの選び方、比較ポイントを7つご紹介します。
- 音声認識の精度
- 利用目的
- 利用規模
- 利用できるデバイス
- 料金とコストメリット
- 対応言語
- セキュリティ対策
1.音声認識の精度
文字起こしソフトを選ぶ際に、もっとも重要なポイントは音声認識の精度です。音声を100%正確にテキストとして自動で再現することは難しいですが、AI技術の発展により日々精度は高まっています。もとの音声をより正確に文字起こしできれば、修正の手間が掛からず更なる効率化を達成可能です。 ソフトによっては、無料のトライアル期間やお試し版が用意されていますので、導入前に実際にどのくらいの精度で音声認識が可能か確認することをおすすめします。
2.利用目的
文字起こしソフトはその利用目的により機能が多岐にわたります。
- 音声をテキスト化したい
- 議事録として話者ごとに発言を振り分けたい
- 会議参加者に日本語以外の話者がおり、翻訳したうえでテキスト化したい
など、利用目的を明確にすることで、希望に叶うソフトが絞られてきます。 必要な機能が備わっているか、使う予定のない機能で料金が高くなっていないかを検討初期段階で確認しましょう。
3.利用規模
文字起こしソフトにより、ユーザーライセンスごとの価格体系になります。日頃メインで使用する担当者以外に、共有データの編集権限が必要なひとがいるかを確認しましょう。 会社で1つライセンスがあればよいのが、部署ごと・事業所ごとに必要かなど自社の利用状況にマッチしたソフト選びが重要です。ソフトによっては、利用する人数分の料金やアカウントが必要です。 検討すべきは、日常的に使用する人は誰か、部署ごとに1つのアカウントを共有すれば済むのかという点です。どの程度の規模で利用するか決めておくと、ソフトの比較がしやすいでしょう。
4.利用できるデバイス
文字起こしソフトにより、会議での音声データやテキスト化したデータをクラウド上で共有することができます。ソフトの持つ機能を有効活用するために、パソコン・スマホ・タブレット・ブラウザ・アプリなど、利用したいデバイスに対応しているか確認しましょう。
5.料金とコストメリット
文字起こしソフトはサービスにより料金体系がさまざまです。「月額基本料金」が決まっているものや、「利用時間に対する月額利用料」という契約もあります。利用時間は音声データの時間に該当しますので、毎月平均的な時間分を文字起こしする場合にはこのような契約形態も選択肢になるでしょう。 毎月定例の会議が複数あり、それぞれ議事録を作成している場合には、文字起こしソフト導入により議事録作成者の業務負荷を軽減できます。 さらに、本人だけでなく会議不在者にとっても情報の取得が容易となり、全社的なメリットがあります。利用コストと導入するメリットをシミュレートし、導入時だけでなく導入後も継続してコストメリットを測定していくことが重要です。
6.対応言語
文字起こしソフトは日本語の発言だけでなく、複数の外国語に対応しているものがあります。 会議の参加者の中に英語の話者がいる場合でも、ソフトが日本語・英語問わず自動で音声をテキスト化しますので、自社の利用環境に合ったソフトを選択しましょう。
7.セキュリティ対策
文字起こしソフトによりテキスト化されたデータは、クラウド上で瞬時に共有が可能です。大変便利である一方で、例えば社内の機密を扱う会議の議事録をテキスト化・共有する場合には、情報漏洩に特に注意しなければなりません。サービス提供会社のセキュリティ対策については、事前に十分な確認が必要です。
おすすめの文字起こしソフト13選
製品のおすすめポイント
- Legaledgeで契約書のマネジメント業務とドキュメンテーション業務をシームレスに連携
- 契約書情報を自動で解析してデータ化
- 契約書のレビュー・作成をより快適に
製品のおすすめポイント
- 10ヶ国語対応の AI自動文字起こしで多言語ミーティングをスムーズに
- リアルタイム共同編集で 保存・共有の手間いらず
- 外部のWEB会議ツールとの連携でさらに効率的に
製品のおすすめポイント
- 録音データだけでなく、リアルタイムに文字起こし・編集可能
- 自動翻訳機能で複数言語での会議にも対応可能、ゲスト参加も可能
- 音声の聞き直し、テキスト編集も容易にできる
製品のおすすめポイント
- 大手録音機器メーカーと提携した高い音声認識精度
- 音声・テキストデータはすべてクラウド上で管理可能、編集も簡単
- マルチデバイスに対応していて手軽に利用できる
製品のおすすめポイント
- マイク1台で最大10人まで話者を識別できます
- 精度の高い音声認識で正確な議事録を作成できる
- ハイレベルなサービスを完全無料で提供
製品のおすすめポイント
- 気になる発言を簡単に振り返ることができます
- AI が10秒で要約を作成、重要なポイントが一目瞭然
- カンタンでスピーディーな情報共有が可能
製品のおすすめポイント
- 「話者識別機能」で議事録作成の効率大幅アップ
- 気になった発言を簡単にプレイバック
- 会議中もその後の編集もサポート、より集中できる環境へ
製品のおすすめポイント
- チーム共同でのコメント入力、チャット、リアルタイム編集が可能です
- インターネットの有無にかかわらず、異なる端末間で作業可能です
- 一般的なファイル形式のすべてに対応しています
製品のおすすめポイント
- 高い音声認識制度で議事録作成を大幅な効率アップを実現
- 安心安全な利用ができるスタンドアローン型
- 音声と認識結果を紐づけ編集作業を効率化
製品のおすすめポイント
- 音声データとともにテキストデータもクラウド上で一元管理ができる
- テキストデータを分析し、営業対応品質向上とマーケティングへの活用が可能
- コンプライアンス管理の強化を図ることができる
製品のおすすめポイント
- 高度な音声認識制度と業界初の感情認識機能で会議の見える化を実現
- 強固なセキュリティ機能により社内の情報を守ります
- 会議に何人参加しようと料金固定のコスパの良さが魅力
- 多言語翻訳・字幕で会議を円滑に進められます
製品のおすすめポイント
- 1台の端末で Web会議・対面会議いずれの録音も可能
- 録音・エディタ・文字起こし・ メディアプレイヤーがすべてひとつに
- 会議の重要ポイントを簡単にすばやく共有できる
文字起こしソフトを活用し、業務の自動化・効率化を達成しましょう
AI技術を活用した文字起こしソフトを導入すると、議事録作成者の業務負荷を軽減できるだけでなく、会議終了後に迅速な打ち合わせ内容の社内共有が可能になります。 利用環境・導入目的を明確にしたうえで、今回ご紹介した文字起こしソフトをご参考に自社に最適なソフトを選択してください。