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経営管理システム9選を徹底比較!導入すべき理由と種類・選び方を解説

「経営管理システム」とは、企業経営の適切なマネジメントをサポートしてくれるシステムです。企業経営において、事前に設定した目標を達成することが極めて重要です。そのためには、ヒト・モノ・カネ・情報の四大経営資源を適切に管理し、企業の成長基盤を構築する必要があります。

しかし現在では企業経営が複雑化し、経営資源を適切に管理することが難しくなっています。そこで注目されているのが経営管理システム、とくに「ERP(Enterprise Resource Planning)システム」です。経営管理システム・ERPを導入することで、現状の経営管理を大幅に改善できます。

本記事では、経営管理システムの特徴や導入メリット、厳選したおすすめERPシステムと選び方を解説します。企業経営に課題を抱えている場合は、ぜひ参考にしてみてください。

経営管理システムとは

「経営管理システム」とは、企業が事業目標を達成するための経営管理を、効率的かつ正確に行うためのシステムです。経営管理は企業リソースの最適化と統括を行い、生産性を高めるための概念です。現在では企業が保有する資源は多岐にわたり、その運用をいかに行うかが課題となっています。

企業にとってヒト・モノ・カネ・情報は、事業目的を達成するために極めて重要な四大経営資源です。ビジネスの多様化や複雑化が進む現代ビジネスにおいては、限られた企業リソースを可能な限り効率的に有効活用することが欠かせません。そのためには社内の情報を集約する必要がありますが、膨大な情報を適切に管理するのは困難です。

そこで多くの企業が導入し始めているのが、今回紹介する経営管理システムです。経営管理システムを導入すると、企業が保有する膨大な情報を集約し、一元管理できるようになります。高度なIT技術で情報を管理することで、企業の状況を迅速に判断して、適切な経営戦略の構築と企業リソースの最適化ができます。

経営管理システムの導入目的は企業の生産性向上

経営管理システムの主な導入目的は、企業の事業目的を達成するために生産性を向上させることです。そのためには企業リソースの運用を最適化して、各部門が業務パフォーマンスを最大化できる環境を整える必要があります。

パフォーマンス向上には、事業活動に必要なヒト・モノ・カネ・情報などリソースの状態を迅速に把握して、適切な配分と運用を行うことが大切です。そのためには、リソースのモニタリングと統括が正確に行える仕組みづくりが欠かせません。

たとえば事業規模が拡大して業務内容が複雑化し、企業リソースの運用効率が低下したら、業務効率化の一環としてグループや部門の再編成を行う必要があるでしょう。経営管理システムは、企業リソースを最大限に活かすために役立ちます。

経営管理システムは4つの要素から成り立つ

 

経営管理システムは、企業の経営管理を効率化するために役立ちます。しかし、経営管理システムがカバーする業務範囲は非常に広いため、具体的にどのような効果があるか分かりづらいかもしれません。そこで本章では、「経営学の父」と呼ばれる経営思想家「ピーター・ドラッカー」が定義した、経営管理の基本機能4つについて解説します。

 

  • マーケティング機能
  • イノベーション機能
  • 経営管理的機能
  • 利益の機能

マーケティング機能

最も基本的な要素が「マーケティング機能」です。マーケティングとは、市場と顧客のニーズとマッチする商品やサービスを開発し、自然に売れるようにする仕組みづくりを指します。言い換えれば、市場の流動やトレンドに対して、常に柔軟に対応することがマーケティングの基本だということです。

そのためには、市場の動向に関する情報を競合他社よりも早く収集し、正確に分析する必要があります。現状の市場を分析するだけではなく、業界内で将来的な地位を築くためにも、新しい価値観やニーズを発掘することも大切です。これらの情報を活かし、企業は緻密なマーケティング戦略を立案することが求められます。

イノベーション機能

企業が安定的な成長を続けるために、「イノベーション機能」も重要な要素です。イノベーションは意識的な改革を意味し、技術革新や新たな価値観の創出を指します。新技術を開発するだけではなく、社内ですでに保有している技術を再構成し、付加価値を生み出す創意工夫もイノベーションです。

また、イノベーション機能は前述したマーケティング機能とも密接に関連しています。ユーザーが求める製品、満足できるサービスを提供することはビジネスの基本です。ユーザーに今まで以上の充実感を与えるためにも、イノベーションを起こしてユーザーの期待以上の価値を提供する必要があります。

経営管理的機能

経営管理システムの中核となるのが「経営管理的機能」で、企業の生産性を向上させるためのものです。具体的には管理会計や組織ビジョンの明確化、KPIの設定などが挙げられます。経営管理的機能を確立することにより、経営管理の基本となるヒト・モノ・カネ・情報の四大経営資源の動向をリアルタイムに把握できます。

利益の機能

企業活動の原動力は利益にあり、利益を生み出し続ける取り組みが重要です。そのための要素が「利益の機能」ですが、これをコントロールするのは企業側ではなくユーザー側です。前述したマーケティング機能・イノベーション機能・経営管理的機能の3要素を、企業側がいかにコントロールするかによって、利益の結果が出ます。

企業活動が十分な利益を生み出していない場合は、3つの機能のいずれかがうまく機能していないということです。言い換えれば、利益の結果を測定して分析することで、どの機能に問題があるかフィードバックを行うことができます。経営管理システムを導入することで、これらの要素を正確に機能させられるようになります。

経営管理システムが担当する主要業務は5つ

経営管理システムは、先ほど紹介した4つの要素から成り立ちます。実際の業務においては、部門ごとのさまざまなリソース管理に関与します。経営管理システムがカバーする下記5つの業務について、本章で確認しておきましょう。

 

  • 生産管理
  • 販売管理
  • 労務管理
  • 人事管理
  • 財務管理

生産管理

「生産管理」の役割は、企業活動に欠かせない生産活動を効率化させることです。経営計画と販売計画どおりの生産や、需給バランスの変動への柔軟な対応が求められます。在庫切れや過剰在庫を防ぐことは、企業のキャッシュフロー改善のために極めて重要です。

生産活動ではヒト・モノ・カネが激しく流動するため、経営管理のなかで最もコントロールが困難です。経営管理システムを導入することで、生産管理が適切に行えるようになりコストを削減できます。さらに、商品やサービスを期限内に効率よく供給できるため、顧客満足度も高まるでしょう。経営管理システムが担う、生産管理の業務内容は下記のとおりです。

 

  • 生産計画の作成
  • 調達計画の作成
  • 購買計画の作成
  • 原材料の調達と確保
  • 生産場所の確保
  • 生産設備の確保
  • 資材の供給
  • 品質管理
  • 工程管理
  • 作業員の適切な配置

販売管理

「販売管理」は、企業活動におけるヒトとモノの流れを管理する役割を担います。仕入れ状況や在庫管理などの購買管理も含めて、幅広い業務範囲が該当します。販売管理を適切に行うと、売上や契約数の推移から市場ニーズを把握し、ユーザーが求める商品やサービスを適切に提供することが可能です。結果的に、営業目標達成のための適切な施策が行えます。

さらに、販売活動に携わる部署間の情報も管理できるため、受注や納品のミスも防ぎやすくなります。経営管理ではどうしても人為的ミスが発生しますが、これを最小限に抑えることができれば、余分なリスクとコストを削減可能です。経営管理システムでは、販売管理において下記のような業務を担います。

 

  • 見積書の作成
  • 受注管理
  • 商品出荷
  • 請求書の作成
  • 入金確認
  • 仕入先への発注
  • 仕入れへの代金支払い
  • 在庫の棚卸し

労務管理

「労務管理」の役割は、労働条件や福利厚生など従業員の労働環境を管理することです。労務管理は、労働基準法や最低賃金法など法令と関連するため、労務管理の徹底は企業コンプライアンスの向上にもつながります。

労務管理は経営の根幹である「ヒト」のリソースを管理するものです。適切な労務管理により、従業員の満足度やエンゲージメントも向上するため、労務管理は生産性向上にも極めて重要です。経営管理システムでは、労務管理において下記の業務を担います。

 

  • 労働契約の締結
  • 就業規則の整備
  • 社会保険の手続き
  • 雇用保険の手続き
  • 勤怠管理
  • 給与計算
  • 安全衛生管理

人事管理

「人事管理」は、企業活動に欠かせない人材を管理する役割を担います。人材確保はもちろん、経営目的を満たすための人材育成や配置、人事評価や情報統制まで含まれる重要な業務です。人事管理は従業員のモチベーションや生産性と関連するため、これらを向上させるためにも適切な人事管理が求められます。経営管理システムの担当業務は下記のとおりです。

 

  • 人材採用
  • 人材配置
  • 人事考課
  • 就業時間管理
  • 賃金管理
  • 社内教育
  • 退職手続き

財務管理

「財務管理」の役割は、企業経営で生じる「カネ」の管理です。事業活動に必要な資金の調達や、資産の運用方法の立案と実行を担います。適切な財務管理を行うことで、コストカットの必要性や投資可能な金額を把握でき、健全な企業経営を実現できます。

企業当初は財務管理を丁寧に行わないと、テクニカルデフォルト(黒字倒産)のリスクが高いためとくに注意が必要です。具体的には以下のような業務があります。経営管理システムの業務範囲は下記のとおりです。

 

  • 資金調達
  • 資産運用
  • 決算書の作成
  • 財務分析
  • 予実管理
  • キャッシュフロー管理
  • 資金繰り表作成

従来の経営管理手法の問題点

経営管理が担う業務範囲は、前述したように多岐にわたります。企業規模が大きな場合は、経営管理に課題を抱えているケースが少なくありません。たとえば、経営管理の計画が不明瞭になったり、明確な予測が困難だったりするなどです。

こうした課題が生じる主な原因は、膨大な情報の集約と分析が困難なことや、管理基盤とワークフローがシステム化されていないことにあります。人力でこれらの根本原因を解決するのは困難です。そこで注目を集めているのが経営管理システムです。

経営管理システムは「ERPシステム」と「BIツール」の2種類

経営管理システムは、一般的に「ERPシステム」と呼ばれています。本章では、経営管理システム・ERPシステムの概要と、組み合わせて使うことでより高度な分析ができる「BIツール」について解説します。

ERPシステムは経営管理システムの基本

経営管理システムとして「ERP(Enterprise Resource Planning)システム」、つまり統合基幹業務システムが活用されている。ERPは「企業資源計画」を意味し、これまで解説してきた経営管理と同義です。ERPは企業が保有するあらゆる情報を一元管理できます。

先ほど紹介した、生産管理・販売管理・労務管理・人事管理・財務管理それぞれの必要な情報を正確に管理できます。部門ごとに散在している情報をひとつに集約できるため、データ分析の時間と手間をカットして、リアルタイムに経営判断が行えることが魅力です。

BIツールも併用すると経営情報を高度に分析可能

ERPシステムと組み合わせて導入されることが多いのが、「BI(ビジネスインテリジェンス)ツール」です。BIツールでは、ERPシステムで集約した膨大な情報から、経営に関わるデータを抜き出して分析できます。

これまで経営管理におけるデータ集計や分析では、Excelのような表計算ソフトを使用することが一般的でした。しかし、作業に多くの手間と工数を要するため、業務効率が低下することが課題です。BIツールの導入により、効率的なデータ分析ができます。

なお、BIツールが搭載されたERPシステムもあり、現在ではERPシステムとBIツールはセットで考えられることも増えています。詳細は後述しますが、ERPシステムの選定時はどのような目的で導入したいか検討することが重要です。

ERPシステムはあらゆる基幹システムの集合体

ERPシステムは、あらゆる基幹システムの集合体となります。そもそも基幹システムとは、「事業遂行で不可欠な業務システム」を指します。一部についてはすでに解説していますが、代表的な基幹システムは下記のとおりです。

 

  • 財務会計システム
  • 経費管理システム
  • 債権管理システム
  • 債務管理システム
  • 調達管理システム
  • 販売管理システム
  • 生産管理システム
  • 在庫管理システム
  • 人事管理システム
  • 給与管理システム
  • 資産管理システム
  • 顧客管理システム
  • 営業支援システム
  • 原価管理システム

 

上記の基幹システムは、その業種や業態でも普遍的に必要なものです。製品によって多少の違いはありますが、ERPシステムは大半の業務システムを統合管理します。言い換えればERPシステムの導入は、さまざまな基幹システムを同時に導入するということです。

ERPシステムの代表的な9つの機能を解説

ERPシステムはさまざまな基幹システムを包含するため、その機能も多岐にわたります。冒頭で紹介したマーケティング機能・イノベーション機能・経営管理的機能・利益の機能の4要素を基本として、実務で役立つシステムが搭載されています。本章では、下記9つに代表されるERPシステムの機能を詳しく解説します。

 

  • 販売・購買管理機能
  • 生産管理機能
  • 調達・在庫管理機能
  • 財務・会計管理機能
  • 貿易管理機能
  • 債権・債務管理機能
  • 資産管理機能
  • 経費精算機能
  • 人事管理機能

販売・購買管理機能

「販売・購買管理機能」は、自社製品やサービスの販売状況を管理するための機能です。商品やサービスの受注と見積書の作成、在庫確認や出荷情報の登録、納品と代金回収など販売に関するあらゆる業務を担います。また、販売予算と売上実績の比較や月ごとの販売状況など、さまざまなデータを各種レポート形式で出力できます。

販売・購買管理機能は、ビジネスの起点となる機能といっても過言ではありません。同業他社であっても販売業務の内容は多様なので、経営管理システムの機能が自社の販売スタイルにマッチしていることが重要です。たとえば、訪問販売かオンライン販売かによって、必要な機能は大きく異なります。

生産管理機能

「生産管理機能」は主に製造業で必要な機能です。原材料の調達や生産をスムーズに行い、適切な在庫管理など「QCD(品質・コスト・納期)」を満たすために欠かせません。生産計画や人員配置、作業工程の管理はもちろん、原価の妥当性も把握することができます。

生産管理機能は「量産型」と「個別型」の2種類に分類されることが一般的です。家電製品などを大量生産する場合は量産型生産管理機能、建設や大型機械など特定の顧客に合わせて生産する場合は個別型生産管理機能が適合します。どちらが搭載されているかによって、付帯する機能が大きく異なるので注意が必要です。

また、受注生産と見込生産によっても必要な機能が異なるため、自社の業態に応じた機能を備えていることが重要です。とくに受注生産型の製造業では、各作業工程の進捗を正確に把握できる機能が欠かせず、製品の歩留まり率や異常率の管理機能も重要です。

調達・在庫管理機能

「調達・在庫管理機能」は、サービス業以外の製造業や卸売業など、自社で「在庫」を保有する大半の業種で必要な機能です。在庫管理が不適切だと、在庫切れや過剰在庫が多く発生します。いずれもキャッシュフロー悪化の原因となり、とくに在庫不足は取引先からの信用低下を招きます。企業成長のためにも、適切な在庫管理機能を行うことが重要です。

調達・在庫管理機能では、品目や倉庫、ロケーションなどの項目から保有在庫を確認できます。システムによっては、「棚卸機能」や「在庫分析機能」も利用可能です。棚卸機能ではシステム上のデータと実際の在庫状況が一致するか確認し、在庫分析機能では蓄積したデータを分析し、市場の需要予測やマーケティング戦略の立案に役立てることもできます。

財務・会計管理機能

「財務・会計管理機能」は、自社の財務情報を管理するための機能です。財務会計は、主に外部のステークホルダー(利害関係者)に対し、経営状況を報告するために行います。財務会計の一連の業務は、会社法や金融商品取引法などの法令で定められているため、コンプライアンス順守のためにも適切に行うことが重要です。

ERPシステムでは、「総勘定元帳」「固定資産管理」「売掛金管理」など、さまざまな機能で財務諸表に基づいた決算書を作成できるため業務効率が向上します。さらにERPの「企業情報の一元管理」という性質を活かし、経営判断に必要な各種情報の分析を行い、ダッシュボードで可視化することもできるので便利です。

貿易管理機能

「貿易管理機能」は、主に海外との取引を行う製造業などで活用される機能です。貿易は輸出業務と輸入業務の2つから成り立ち、ERPでは契約・輸送・決済など重要なプロセスを管理できます。取引内容の一元管理はもちろん、外国為替相場の変動により生じる為替差損益も計算できるので便利です。

債権・債務管理機能

「債権・債務管理機能」は、未払い金の回収や支払いの業務を通じ、企業の資金管理を行うための機能です。いずれも厳格な期限管理が求められるため、残高や遅延状況をリアルタイムで監視することが大切です。ERPでは売掛金の管理はもちろん、請求書に基づく銀行振り込みと債権消込の実施などが行えます。

債権・債務管理機能は、前述した財務・会計管理機能に組み込まれていることも多いですが、債権・債務管理に特化した機能があると業務をさらに効率化しやすくなります。製品によっては、インターネットバンキングと連動して自動的に債権消込が実施される機能や、遅延アラートや催促機能なども備わっているので便利です。

資産管理機能

「資産管理機能」は、自社が保有する固定資産を台帳化して、減価償却などを行うための機能です。パソコンやソフトウェア、機械などは企業の固定資産であり、資産管理や会計処理を行うためには適切な管理が求められます。

大半のERPシステムではほかの機能と連動し、自社が購入した固定資産を自動的に登録できます。製品によっては、固定資産以外のリース資産にも対応しており、減損会計や税務申告も行えるので便利です。

経費精算機能

「経費精算機能」は、企業活動で発生した経費を管理するための機能です。たとえば備品の購入や交通費の支払いなど、経費はさまざまな場面で発生します。ERPシステムでは、経費を個別に登録することはもちろん、指定された口座への振り込みが行えます。

製品によっては、クレジットカードの明細から自動的に経費精算を行ったり、経路検索で交通費の金額を自動入力したりできるので便利です。近年では電子帳票保存法の改正により、デジタルデータで領収書などを管理できるため、今後はさらに活用の幅が広がります。

人事管理機能

「人事管理機能」は、従業員の各種情報を管理するための機能です。勤怠管理や給与計算、人事評価や人事異動などさまざまな情報の登録と共有ができます。なお製品によっては、タレントマネジメントやマイナンバー管理などの機能も備えており、全社的な業務効率の改善にも役立ちます。

ERPシステムは企業の情報を保護する機能も備えている

経営管理システム・ERPシステムは企業活動の根幹を担う極めて重要なシステムです。そのデータに損失や漏洩が生じると、企業活動に多大な悪影響を与えかねません。こうした事態を防ぐために、ERPシステムには下記2つの重要な機能も搭載されています。

 

  • セキュリティ機能
  • バックアップ機能

セキュリティ機能

ERPは企業の機密情報を扱うため、わずかでも情報漏洩があると収益や信用の低下など、企業経営に重大な悪影響を与えかねません。そのため、ERPシステムには「データの暗号化」「ユーザー認証」「ログ管理」など、高度なセキュリティ機能を備えています。外部からの不正アクセスをブロックし、企業の機密情報を強固に保護してくれるので安心です。

また、機密情報の漏洩は外部からのサイバー攻撃だけではなく、内部の関係者によって意図的に行われることもあります。ERPシステムでは、マスターデータやトランザクションデータを管理者が監視することはもちろん、ログ管理機能で誰がどのデータにアクセスしたか記録できます。内部統制の強化への効果は多大で、不正行為の防止に役立つでしょう。

バックアップ機能

ERPシステムは企業全体の情報を集約します。しかし、これを言い換えるとERPのデータにアクセスできなければ、全社的に業務を遂行できなくなるということです。そのためERPシステムには、機能停止を防ぐためのバックアップ機能が備わっています。

たとえば、ERP全体のデータのバックアップを毎日作成し、複数のサーバーでバックアップを保持するなどです。事故や災害などでERPのデータが失われたとしても、バックアップを復元すれば通常どおりの業務に復帰できます。

経営管理システム・ERPシステム9選を徹底比較!

経営管理システム・ERPシステムを導入するメリット5つ

企業が経営管理システム・ERPシステムを導入すると、下記5つのメリットが得られます。本章ではそれぞれのポイントについて、具体的なベネフィットを解説します。

 

  • 全社的に企業リソースを最適化できる
  • 企業内に散在する情報を一元管理できる
  • リアルタイムで適切な経営判断ができる
  • ベストプラクティスを自社に活用できる
  • コンプライアンスと内部統制が高まる

全社的に企業リソースを最適化できる

経営管理システムを導入することで、企業リソースの最適化が図れます。企業経営を改善するためには、ヒト・モノ・カネ・情報の四大資源を適切に管理することが重要です。たとえば、個人のパフォーマンスを高めるための適材適所の人材配置や、キャッシュフローを改善するための在庫管理などです。

そのためには、企業リソースの把握と分析が必要ですが、企業が保有するリソースは膨大です。また、四大資源はそれぞれ複雑に関連し合っていることも多く、分析には専門的な知識も必要です。

経営管理システムの導入により、企業が保有する四大経営資源を適切に分析し、リソース配分が適切に行えます。その結果、リソースを最大限に活用でき、今まで以上に大きな成果を出せるようになります。リソースの制約が厳しい、もしくは規模の大きな企業ほど、経営管理システムの導入効果が高いでしょう。

企業内に散在する情報を一元管理できる

経営管理システムを導入することで、企業内のあらゆる情報を一元管理できるようになります。ほとんどの企業では、部門や業務ごとに情報が分断されており、情報のやり取りをスムーズに行うことが困難です。結果的に部門間の連携が悪くなり、業務効率が低下してしまいます。

たとえば、販売事業では在庫状況や販売状況、原材料の確保などは互いに関連し合っています。しかし、部門間で異なるデータベースを使用している場合は、リアルタイムに情報を確認できません。その結果、受発注のミスや在庫不足、過剰在庫などの問題が発生しやすくなります。

経営管理システムでは、部門や業務ごとの「マスターデータ」や「トランザクションデータ」を、「統合データベース」で一元管理できます。すべてのデータが連携し合うため、ある業務で情報を更新すると、ほかの部門でもリアルタイムに適用され、合理的な情報管理と共有が可能です。

リアルタイムで適切な経営判断ができる

経営管理システムを導入すると、適切な経営判断が素早くできるようになります。現代のビジネスは移り変わりが早いため、常にリアルタイムな情報を把握することが重要です。ヒト・モノ・カネ・情報に関するタイムリーな知識は、時代の流れを読んで最適な意思決定を行うために欠かせません。

経営管理システムでは、企業リソースを一元管理できるため、いつでも必要な情報が得られます。さらに、各部門の情報を「見える化」して、ビッグデータとして活用することも可能です。利益やコスト、人事情報などを総合的に判断して、「今何をすべき」か正確に見極めやすくなります。

ベストプラクティスを自社に活用できる

経営管理システム・ERPシステムの代名詞は「ベストプラクティス」です。ベストプラクティスとは、「成果を出すうえで最も効果的なプロセス」を指します。経営管理システムを導入することで、そのベストプラクティスを自社に活用しやすくなります。ただし「業界のベストプラクティス」が、必ずしも「自社のベストプラクティス」だとは限りません。

現在では、多くの経営管理システムが柔軟なカスタマイズに対応しています。自社の課題に合わせた経営管理システムを導入すれば、自社独自のベストプラクティスを生み出せるでしょう。たとえば、取引先から評価の高い商習慣を維持したまま、経営管理システムで経営管理を効率化すれば、既存顧客を維持したまま適切な効率化を図ることができます。

コンプライアンスと内部統制が高まる

経営管理システムの導入により、コンプライアンスと内部統制を強化しやすくなります。従来の体制では、部門ごとに情報が分散しているため情報を一元管理できず、管理者の目が届かないところで不正行為や情報漏洩が生じる可能性があります。経営管理システムには、高度なセキュリティ機能が搭載されているため、情報の健全性を確保することが可能です。

たとえば、部門や役職に応じたアクセス権限を設定すると、不正アクセスを予防できます。あらゆるアクセスログが記録されるため、内部からの情報漏洩に対しても監視が行き届きます。さらに、受注から販売までのプロセスも可視化できるため、不正行為の抑止としても効果的です。経営管理システムの導入は、経営陣と従業員双方の意識改革につながります。

経営管理システム・ERPシステム選定時の7つのポイント

経営管理システム・ERPシステムは各社からさまざまな製品が販売されており、その機能や使用感はさまざまです。そのため、自社にマッチするシステムを選ぶことが重要です。本記事では、経営管理システム・ERPシステムの導入効果を最大化するために、ぜひ心掛けたい下記7つの選び方を解説します。

 

  • 自社の業務内容に適合する機能があるか
  • 用途に応じて柔軟にカスタマイズできるか
  • セキュリティやデータ保護の機能が万全か
  • 導入・運用・保守のサポートが充実しているか
  • 現場の担当者にとって使いやすい操作性か
  • 自社と類似する企業での導入実績が豊富か
  • 製品の提供形態が自社環境に適合するか

自社の業務内容に適合する機能があるか

どの経営管理システムを選んでも、基本的な機能はどれもほとんど同じです。しかし、「どの機能が重要か」や「商習慣」などは、業種や業態によって大きく異なります。そのため、自社の業務内容に適合する機能を備えた、使いやすいERPの導入が重要です。

ERPは多様な機能を網羅しているため、ほかの業務システムよりコストが高めです。しかし安価なERPを選ぶと、必要な機能が搭載されていないこともあるので要注意。自社の課題を洗い出し、機能の過不足が最小限で費用対効果が高い製品を選びましょう。

用途に応じて柔軟にカスタマイズできるか

自社の業種や業態、特有の商習慣に応じて、柔軟なカスタマイズができることも重要です。たとえば食品業界では、原材料の使用期限や製品の賞味期限・消費期限などの概念があります。自社が属する業界にERPが対応できなければ、せっかく導入しても逆効果になりかねません。自社の業務プロセスとカスタマイズ項目は、必ずマッチングさせておきましょう。

また、取引先からの評価が高い商習慣が、ERP導入によって失われないようにすることも重要です。たとえば業種に関わらず、顧客の状況に応じたフレキシブルな納期や優先順位の設定を行い、それが取引先から高い評価を得ていることがあります。ERPで杓子定規な経営判断を行うと、取引先を失う結果につながりかねないので、カスタマイズ性は重要です。

セキュリティやデータ保護の機能が万全か

経営管理システムやERPは、企業の重要な情報を取り扱うためセキュリティ強度が肝心です。近年では、企業機密が流出する事例が相次いでいますが、ひとたび情報漏洩が起きると企業の信用が失墜する事態になりかねません。

情報漏洩だけではなく、何らかの事故や災害でデータが失われることもあります。データのバックアップ機能は、セキュリティ機能と同様に企業経営と直結する要素です。機能性やカスタマイズ性と合わせて、ぜひ確認しておきましょう。

導入・運用・保守のサポートが充実しているか

経営管理システムは高度な業務システムなので、導入や運用は容易ではありません。とくに導入にあたっては、「何をすべきかわからない」こともあるでしょう。ベンダーによっては、導入サポートやコンサルティングなど、きめ細やかなサービスを提供しています。少しでも不明点や不安があれば、ぜひそれらのサポートを利用しましょう。

また、ERPは企業経営の根幹を担うシステムなので、何らかの障害が起きると深刻な損失が生じかねません。そんなときにベンダーのサポートが充実していると、迅速にトラブルを解決してくれます。ベンダーによっては、24時間対応のサポートが受けられることもあるので、万が一のときのために慎重に比較検討を行って選定しましょう。

現場の担当者にとって使いやすい操作性か

せっかく高度なERPを導入しても、現場の担当者や従業員が使いこなせなければ、導入する意味がありません。一部の人しか使えないという「属人化」したシステムは、引き継ぎ時に余分な教育コストがかかり、組織全体にERPが浸透しづらくなります。

したがってERPの選定時は、現場で使いやすい製品を選ぶことが重要です。ただし、仕様を確認しただけでは使用感はわからないため、デモ版や無料トライアルなどを実務担当者に試してもらいましょう。そのうえで最終検討を行えばミスマッチを防げます。

自社と類似する企業での導入実績が豊富か

自社と業種や業態がよく似た企業で、豊富な導入実績があるERPを選ぶのも効果的です。このようなシステムでは、過去の事例を基にしてバージョンアップが行われているため、自社にとって必要な機能が十分に網羅されている可能性が高いです。さらに、ERPの機能と自社の業務フローを比較すると、業務効率改善のヒントも得られます。

つまり導入実績が豊富な企業は、ベストプラクティスなERPだといえます。ただし、他社にとってのベストプラクティスが、必ずしも自社に適合するわけではないことに注意が必要です。自社にとってのベストプラクティスを実現するためには、導入実績が豊富であることに加えて、やはりカスタマイズ性が優れたERPを選ぶことが重要です。

製品の提供形態が自社環境に適合するか

経営管理システム・ERPには大きく分けて、「オンプレミス型」と「クラウド型」の2種類の提供形態があります。オンプレミス型は自社のサーバー、クラウド型はベンダーのサーバーで運用することが特徴です。

オンプレミス型はカスタマイズ性が非常に高く、自社に最適なERPシステムを構築できます。一方でサーバーの構築から行う必要があるため、莫大なコストがかかることが難点です。潤沢な予算があり、業務体系が複雑な場合はオンプレミス型がいいでしょう。

一方でクラウド型は、オンプレミス型と比べると導入コストが安価なことが魅力です。現在ではクラウド型でもカスタマイズ性に優れた製品が多いため、ほとんどの要件に対応できます。多くの場合はクラウド型を選ぶほうがメリットが大きいでしょう。

経営管理システム・ERPシステム導入時の注意点

経営管理システム・ERPシステムは多機能で便利ですが、下記3つについては導入前に注意が必要です。経営管理システム導入前に確認しておきたいポイントについて、本章で改めて解説します。

 

  • システムの種類や機能が多くシステム選定が難しい
  • 導入・運用・保守などで多額のコストが発生する
  • 実務で活用するための社員教育やデータ整理が必要

システムの種類や機能が多くシステム選定が難しい

経営管理システムは国内外のさまざまなベンダーから、多種多様な製品が販売されています。ERPとしての基本的な機能はどのシステムも備えていますが、細かな機能性や価格は多岐にわたります。そのなかで自社にマッチした製品を選ぶのは大変です。自社に適切なシステムを導入できなければ、せっかくのERPも十分な効果を発揮できません。

一方で、ERPは適切な選び方を意識すれば、ミスマッチのリスクを最小限に抑えられます。今回紹介した7つのポイントを軸として、十分な期間をかけて検討すれば、自社に最適な経営管理システムを導入できるでしょう。とくに、自社の業務内容と機能のマッチングや、カスタマイズ性やサポート体制については重点的に比較検討しましょう。

導入・運用・保守などで多額のコストが発生する

業務システムにはさまざまな種類がありますが、そのなかでも経営管理システム・ERPはとくにコストが高い傾向があります。ERPは多様な業務をカバーできる大規模なシステムなので、どうしても導入・運用・保守に費用がかかります。したがって、導入前にしっかり予算とコストの擦り合わせを行っておくことが重要です。

一方で、ERPはそれだけのコストをかけてでも、導入する価値がある業務システムだといえます。企業リソースや情報を集約して、経営管理を効率化できることで得られるベネフィットは計り知れません。自社にマッチする経営管理システムを導入できれば、導入や運用にかかるコストを大幅に上回る収益を確保できるでしょう。

実務で活用するための社員教育やデータ整理が必要

経営管理システムやERPを導入しても、社内で適切に運用できなければ十分な効果が得られません。とくに重要なのが、正しい情報の入力と管理や、セキュリティを重視するための社員教育です。ERPの主な導入目的は、社内情報の一元管理による経営効率の向上ですが、そもそも情報が正しくなければ経営リソースを最適化できません。

入力するデータの正確さを徹底することはもちろん、各部門の従業員がルールに従って入力することが重要です。ただし、部門ごとに従業員の業務知識が異なるため、データを整理するためのルールを事前に策定しておく必要があるでしょう。

また、経営管理システムは企業活動の中核を担うため、サイバー攻撃の対象になることが多いシステムです。機密情報を保護するためにも、信頼度の低いWebサイトやアプリケーションを、社内コンピューターで利用しないように教育することが大切です。万が一のときのために、ログの監視やファイルの暗号化も徹底しておくようにしましょう。

企業経営の合理化には経営管理システム・ERPシステムが必須

経営管理システム・ERPシステムは、企業が保有する膨大な情報を集約し、企業経営を最適化するためのシステムです。経営管理システムの導入により、ヒト・モノ・カネ・情報の四大経営資源を適切に運用し、タイムリーで正確な経営判断が行えるようになります。

経営管理システム・ERPシステムの選定時は、まず自社の業務内容に適合しているか、カスタマイズ性に優れているかを重視しましょう。そのうえで、システムの操作性やベンダーのサポート体制を比較すると、自社に最適な経営管理システムを導入できるでしょう。

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