1on1ツールとは？機能や選び方を解説！おすすめツール9選も一覧徹底比較

「1on1の効果を高めるためにツールを活用したい」「1on1を実施しているが、本当に効果があるのか確認したい」と悩む方も多いでしょう。

1on1は部下とのミーティングを通じて、目標管理のほか部下の心情や職場環境の雰囲気といった目に見えない部分の確認が可能です。しかし、1on1を上司の感覚のみで実施したり、進捗報告だけ行ったりしている状態では効果を発揮しにくいでしょう。

部下が適切な指導を受け、自分の特性を活かし成長するためにも、1on1ツールの導入による対策が有効です。

本記事では、1on1ツールの概要や課題、活用するメリット・デメリットなどを詳しく解説します。1on1ツールの活用事例やツールの選び方を踏まえておすすめの1on1ツールも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

1on1ツールとは

1on1ツールは上司が部下と1対1のミーティングを効率的に行うためのツールです。ここでは、1on1ツールの概要や1on1の重要性などを解説します。

1on1ツールの概要

1on1ツールとは、1on1ミーティングの効果をより高めるためのツールです。1on1ミーティングは、上司と部下が1対1で行う人材育成の手法であり、部下の仕事の目標管理や状況を共有し、上司が適切なフィードバックを行います。

1on1ツールはミーティングのスケジュール管理や項目・記録管理などが可能です。1on1実施における煩雑な事務作業を定型化し、スムーズな進行や記録の効果的な活用に役立ちます。

1on1の重要性

1on1は上司が部下の成長をサポートしますが、部下の目標を設定する項目は何でもよいわけではありません。

たとえば、部下の仕事が経理事務であるにもかかわらず「システム開発の勉強をする」と目標を掲げた場合、現在の業務成果やスキルアップにはつながらないでしょう。また、会社のミッションとは別の方向に舵を切ろうとしている場合も軌道修正する必要があります。

1on1を効果的に行えば、会社のミッション達成や業務に関する成果に向けた部下の目標項目を設定・管理できます。さらに、1on1は部下一人ひとりにフィードバックできるため、社員の成長につながりモチベーションを向上させられるでしょう。

部下の成長や意欲向上により仕事への満足度が上がれば、業績によい影響を及ぼしたり人的資本の流出を防いだりできるため、会社の存続にもつながります。

1on1の課題

1on1は人材育成に効果があるものの、ツールを用いずに行う場合は以下のような課題が挙げられます。

• 事前の準備物やミーティングの方法などが確立されていない場合、上司の負担が大きくなる
• 1on1で上司が一方的に話したり、ミーティングの目的を見失ったりすると、効果を発揮しにくくなる
• ミーティングがスムーズに進まない場合、部下に対しても負担がかかる
• 1on1の意義を疑問視され、実施率が下がる

1on1ツールに備わっているテンプレートやスケジュール・記録管理機能などを活用すれば、上記のような課題の解決に役立つでしょう。

1on1ツールを活用するメリット

1on1ツールを活用すれば、1on1実施の準備を効率化できるほか、ミーティングの平準化や部下への適切なアプローチが可能です。ここでは、1on1ツールを導入した場合の具体的なメリットを解説します。

実施のハードルが下がる

1on1ツールを活用すれば、ミーティング実施前に上司が行う準備や心的ハードルを下げることができます。

1on1を実施する際は、部下の普段の仕事ぶりや勤務態度などを記録し、フィードバックできるよう準備しておくことが欠かせません。記録する際のフォーマットや項目が定まっていない場合、上司が自分で作成する手間がかかります。何を設定すればよいか迷い、ミーティング実施へのハードルが上がる可能性もあるでしょう。

豊富なテンプレートが備わっている1on1ツールを利用すれば、1on1実施前の煩雑な作業を低減できます。また、ミーティング実施のハードルが下がれば継続しやすくなるでしょう。

人事担当にとってもフォーマット作成やスケジュール調整などの負担が減るため、効率的に1on1を実施できます。

1on1を平準化できる

1on1ツールを用いれば、ミーティングを平準化できる点もメリットです。

1on1は1対1で行うミーティングのため、上司のコミュニケーションの得手・不得手に成果が依存しやすいと言えます。コミュニケーションが不得手な上司の場合、部下の目標や仕事へのフィードバックを適切に行えず、ミーティングの効果を発揮しにくいでしょう。

また、評価基準が上司によって異なる場合、部下は上司との相性次第で正当な評価を受けられない可能性があります。

1on1ツールを導入すれば、テンプレートを用いて部下に対して統一的なアプローチが可能です。部下も自分の努力が正当に評価されていると実感でき、満足度向上につながるでしょう。

部下のコンディションを把握できる

1on1ツールを用いれば、分析機能により部下の心的なコンディションを把握しやすくなります。上司が部下のコンディションを把握できていない場合、部下のモチベーション低下や早期退職につながりかねません。

たとえば、部下のなかには仕事の悩みをなかなか打ち明けられなかったり、些細な失敗を引きずり仕事のパフォーマンスが落ちていたりする人もいるでしょう。状況を改善しない場合、重大なミスといった深刻な事態を招く可能性があります。

一方で、上司が常に部下の状態を把握することは難しいでしょう。定期的なアンケート調査や性格診断ができる1on1ツールなら、上司は部下の状態を把握でき、個々の状況や正確にあわせたフォロー・アプローチが可能です。

人事業務に役立つ

1on1ツールの結果をほかの人事業務と連携すれば、人員配置や人事評価などにも役立ちます。1on1の内容は部下の仕事ぶりに直結する部分もあるため、業務の適性把握や人事評価への反映につなげることが可能です。

また、1on1を通じて部下のやりたい仕事や将来のイメージを把握すれば、研修の実施といった人材育成にも活用できます。さらに、1on1ツールにミーティングの記録が残るため、データ分析を行う人事担当の負担も減るでしょう。

人事業務の負担が減ればデータ活用により注力でき、新たな研修や職場環境の改善に向けたアイデアも生まれやすくなります。

1on1ツールを活用するデメリット

1on1ツールはメリットがある一方で「上司の研修が必要」「成果の把握に時間がかかる」といったデメリットがあります。ここでは、1on1ツールを利用する際のデメリットを詳しく解説します。

ツールだけに頼らず上司の研修が必要

1on1ツールを活用する際は、ツールの使い方だけでなくミーティングや部下の育成に関する上司の研修が必要です。

1on1ツールによりミーティングの平準化や効率化は可能ですが、上司の対応が人によって異なると意味を成しにくいでしょう。また、上司によっては経験が浅く、部下の育成方法に悩んでいるケースもあります。

1on1ツールを導入するだけでなく、上司に対してマネジメント研修やコーチング研修を実施すれば、1on1の効果をより高められます。研修により上司は部下への適切な接し方や目標達成に向けて導く方法を把握でき、部下も安心して指導を受けられるでしょう。

成果がわかるまでに時間がかかる

1on1ツールを用いたミーティングの成果を得るには時間がかかる点もデメリットの一つです。

1on1ミーティングはマンツーマンで個々の進捗や特性に応じたアプローチを行います。1on1実施後は部下の成長を見守りつつ、必要に応じて指導を行います。

しかし、部下の成長スピードは異なり、うまく指導できていない場合は時間をかけたにもかかわらず想定通りの成果につながらないケースもあるでしょう。

また、1on1に抵抗感を示す社員も想定できるため、まずは部下との信頼関係を築くことからスタートとなります。そのうえで継続的に1on1を行い、PDCAを重ねることで少しずつ成果に現れます。

コストがかかる

1on1ツールの導入には費用の発生を見込んでおきましょう。初期費用や月額費用、追加費用などのコストがかかりますが、想定外の費用がかからないかどうかも確認すべきです。1on1ツールには無料で使えるものがあるため、機能面とあわせて検討してください。

また、1on1の準備や振り返りなどの時間はコア業務に集中できず、慣れないうちは手間と時間がかかる恐れがあります。ストレスを抱える従業員もいると想定されるため、ツール導入への理解を求めつつ、一定期間継続することが大切です。

1on1ツールの選び方

1on1ツールを選ぶ際は、自社の目的にあった機能や操作性、テンプレートの充実度、分析機能の有無などを確認しましょう。ここでは、1on1ツールを選ぶ際の具体的なポイントを解説します。

自社の目的にあっているか

1on1ツールを導入する際、自社の1on1実施における課題にあわせてツールを選ぶことが大切です。

たとえば、社員数が多く業務内容も多岐にわたり、1on1にかかる準備や個々の管理が複雑になる点が課題だとします。その場合、スケジュール管理機能やログ管理機能が付帯しているツールを活用すれば、1on1の実施に向けた調整や記録管理が容易になるでしょう。

また、1on1の内容が業務報告のみで終わってしまう点が課題の場合は、会話をサポートするテンプレートが付帯しているツールを選ぶのがおすすめです。

まずは1on1の課題を洗い出し、ツールを導入する目的を設定したうえで1on1ツールを検討しましょう。

操作性が優れているか

1on1ツールは使いやすいかどうかも重要なポイントです。使いにくいツールの場合、上司・部下ともに1on1にかかる時間と手間が増えてしまい、継続的な実施や成果につながらない恐れがあります。

また、人事担当がデータを分析し活用する際も、使いにくいツールでは「必要なデータを抽出しきれない」「時間がかかり迅速な対応ができない」などの可能性があります。

手間が重なればストレスの蓄積やコア業務にも支障をきたしかねません。1on1ツールを導入する際は、操作性が優れているかどうかや画面の見やすさなどを確認しましょう。

テンプレートや記録フォーマットが備わっているか

テンプレートや記録フォーマットが備わっているツールなら、1on1の効率化に役立ちます。テンプレートの種類や活用事例は以下を参考にしてください。

• 上司の話す内容がテンプレートで用意されており、コミュニケーションが不得意な人も効果的な1on1を実施できる
• ミーティングの進行テンプレートに沿って進め、実施する人を問わず1on1を平準化できる
• 記録用フォーマットを利用し、準備時間や手間の短縮、事後の振り返りが容易にできる
• トークテーマのテンプレートでアイスブレイクを図れる
• 自社の業務内容に沿うようテンプレートをカスタマイズできる

テンプレートを活用すれば「人によって評価ポイントが異なる」「何を話せばよいかわからない」といった課題を克服できるでしょう。

予算内に収まるか

1on1ツールは機能によって価格が異なるため、事前に確認したうえで導入を検討することが大切です。導入コストやランニングコスト、追加費用の有無を確認し、自社の予算内に収まるツールを選びましょう。

ただし、ツールの操作性やテンプレートの使いやすさなどは、使ってみなければわからない場合があります。また、自社に必要な機能がどれなのかが不明瞭なケースもあるでしょう。

1on1ツールによっては無料トライアル期間を用意しているため、活用することで不要な機能まで導入して費用を圧迫する事態を回避できます。

サポート体制が整っているか

1on1ツールの提供元に、ツール利用時の疑問や不具合を解消するためのサポート体制が整っているかも重要なポイントです。

上手くサポートを受けられない場合、疑問や不具合が解消されず、1on1ツールの機能が発揮できません。状況が改善されないことでストレスを抱く従業員も想定されます。

具体的には以下の項目を確認して、自社の事業形態にあわせてサポートが受けやすいツールを選びましょう。

• 問い合わせ方法（電話・メール・チャット・Webミーティング・オフライン）
• 土日祝の対応や問い合わせ可能時間

1on1ツール導入による人事データ連携や、使い方のレクチャーを受けられるかも確認するのがおすすめです。

外部ツールと連携できるか

1on1ツールを選ぶ際は、外部ツールと連携できるかどうかもポイントです。人事評価システムや労務管理システムなどと連携できれば、人事担当の転記する手間が省けるほか、ミス防止にもつながります。

また、Googleカレンダーなどの予定管理ツールと連携すれば、リマインドや共有機能を通じて1on1ミーティングのスケジュールを管理しやすいでしょう。

1on1ツールがチャットやメッセージアプリと連携できれば、ミーティング前後における部下との資料や情報共有がスムーズです。急なスケジュール変更にも対応しやすいでしょう。

1on1の内容を分析できるか

1on1でヒアリングした内容をもとに、ツールで分析できるかどうかもチェックすべき項目です。たとえば、ツールを用いて1on1の実施率がわかります。

実施率が低い場合、現場の繁忙期や問題発生、1on1ツールの不具合などが想定されるため、必要な対策を行いましょう。

また、1on1ツールではミーティングにおける会話内容のデータ分析が可能です。特定のワードが頻出していれば、部署・組織の課題や悩みの原因を含んでいる可能性があります。

課題や悩みの原因を解消すれば、職場環境の改善や早期退職の防止などにつながるでしょう。1on1による目的を達成するために、1on1ツールの分析機能の有無は重要です。

おすすめの1on1ツール＜タレントマネジメントタイプ＞

ここからは1on1におすすめのツールをご紹介します。厳選してピックアップしました。各製品の機能や特徴を一覧で比較していきましょう。

HRBrain

あしたのクラウド

カオナビ

タレントパレット

HRMOSタレントマネジメント

CYDAS

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おすすめの1on1ツール＜目標管理ツール＞

Co:TEAM

Wistant

MotifyHR

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1on1をExcelで管理する方法

1on1の実施はツールを活用するほか、Excelで管理する方法もあります。ここでは、Excelを用いた1on1の方法を解説するので、参考にしてください。

日常業務を観察する

Excelで1on1を管理するには、以下の項目をExcelに記載していきます。

• 部下の日常業務を観察した日付
• 目標に対する部下の結果
• 成功・改善箇所のフィードバック

まず、行動や成果目標といった管理項目をExcelに記載します。目標に対する部下の仕事ぶりを観察し、観察中に起こったミスや成功ポイントなどは日常業務内でフィードバックを行いましょう。

フィードバックの内容や後日判明した情報などを項目に沿ってExcelに記録します。フィードバックが済んだものはチェックしておくことも重要です。

1on1で日常業務のフィードバックが済んでいない項目に重点を置き指導すれば、スムーズにミーティングを進められるでしょう。

1on1の内容を記録する

1on1の際に部下からヒアリングした進捗状況や課題をExcelに記入し、ログを残します。ミーティング内容を記録すれば、前回の1on1の内容をすぐに思い出せるほか、それぞれの部下の目標や計画を簡単に把握できます。

部下が自分の目標や計画を書き込めるよう、事前に「プロセス管理シート」として目標設定や行動計画を記入したExcelを共有しておくことも重要です。

プロセス管理シートに沿ってミーティングを進め、現状確認や必要なアドバイスを行い、次の行動目標を立てます。

ミーティング内容を記録する際は、記載漏れのないよう注意が必要です。部下や職場の課題を見つけるためにも、部下の一つひとつの発言に耳を傾け記録し、分析を行いましょう。

1on1の内容を振り返る

上司は人事評価の際に1on1のExcelデータを振り返り、部下の成長や課題を客観的に把握できます。自分のフィードバックを振り返りつつ、部下への接し方や指導方法の見直しも行います。

また、1on1実施時だけでなく、上司の異動時にExcel表を次の管理者に渡せば、個々の業務内容や成長を容易に引き継げるでしょう。

一方で、Excelでのミーティングや目標管理には課題もあります。データの上書きミスや、複数の部下のファイルを個別に管理する煩雑さなど、上司の負担が増大する可能性が考えられます。

そのため、より効率的かつ正確に1on1の記録を活用するためにも1on1ツールの導入がおすすめです。1on1の質が向上し、組織全体のパフォーマンスアップにつながります。

まとめ

本記事では、1on1ツールの概要や課題、ツールの選び方などを解説しました。

1on1は上司と部下がマンツーマンで行うミーティングのため、内容の濃い指導が可能です。しかし、上司によってコミュニケーション力や指導力、評価ポイントなどが異なる場合、部下は平準的な指導を受けられない恐れがあります。

部下が適切な指導やアプローチを受けられない場合、モチベーションやパフォーマンスの低下につながりかねません。

1on1ツールを用いれば、1on1で話す内容やテンプレートが用意されており、ミーティングの平準化が可能です。部下の成長度を把握しやすいうえ、分析機能で職場の課題を発見できるメリットもあります。

自社に必要な機能が備わった1on1ツールを用いて、部下の成長や職場環境の改善を目指しましょう。

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