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タレントマネジメント、名簿で終わらせない|可視化を配置・育成につなぐ

目次

会議が近づくと、人事担当者は散らばった人材情報を開き直します。評価の記録、異動の履歴、面談で聞いた希望。画面には必要な情報が並んでいるのに、次の配置案へ進もうとすると、どこまでを根拠にしてよいのか手が止まります。

育成候補を挙げる場面でも同じです。本人の強みは見える一方で、誰がいつ、どんな観点でその判断をしたのかをたどろうとすると、担当者の記憶や個別のメモに頼ることになる。引き継ぎを意識した途端、情報を集めたことと、判断を残せたことは違うのだと実感します。

人材データを集めて見える状態と、配置・育成・後継判断を継続して行い、担当者が交代した後も説明できる状態は別です。タレントマネジメントシステムを比較検討するとき、本当に問うべきなのは後者ではないでしょうか。

この記事では、電子化の先に残る「判断の引き継ぎ」を、選定前に自社で点検できるようにします。

人材不足が変えた人事データの役割

採用の進捗表は埋まっているのに、次の配置で誰を育て、どこを採用で補うかを説明できない。人材データに求められる役割は、記録を残すことから、判断の前提を更新し続けることへ移っています。

採用計画の会議で、必要な人材像を言葉にできない

年度計画を前に、人事担当者が採用計画と組織図を並べても、「どの職務に、どの水準の経験やスキルが必要か」が定まらなければ、人数だけでは優先順位を決められません。経済産業省の調査では、中長期的に必要な人材の質と量を把握できていないことを課題に挙げた企業は59.0%でした。調査結果 人材ポートフォリオ(必要な人材と現在の人材を比較する考え方)は、採用数を数える表ではなく、採用・育成・配置の選択をつなぐためのものです。編集部としては、項目を増やす前に「将来必要な職務とスキルは誰が定義し、いつ見直すのか」を確かめる方が先だと考えます。比較時には、必要人材の定義と現有社員の経験・スキル・配置記録を、同じ単位で照合できるかを確認したいところです。

採用稟議と異動候補者の記録が、別々に置かれている

欠員が出たとき、採用稟議には求める経験が書かれ、異動候補者の一覧には所属だけが載る。これでは、社内で育成・再配置するのか、外部から採用するのかを比べにくくなります。DXに取り組む日本企業では、DX推進人材の量が不足しているとの回答が85.1%でした。DX動向 同資料は、必要なスキルと水準を定義し、評価、育成、実践、振り返りを結ぶ環境の重要性も示しています。もっとも、データ整備だけで不足が解消するわけではありません。人材不足の自己評価を、導入効果の証明と読み替えない留保は必要です。自社では、採用要件を起点に、候補者のスキル、学習履歴、職務経験、異動可能性まで追えるかを点検すると、記録と判断の切れ目が見えてきます。

開示原稿の数字を、担当交代後にも説明できるか

有価証券報告書の原稿を作る時期に、担当者が複数の集計表を開き直し、「この離職率は誰を含むのか」と確認する場面があります。人的資本の開示では、人材育成方針や社内環境整備方針と、指標・目標・実績の対応関係を示す枠組みが設けられ、金融庁も指標の定義、算定方法、対象範囲を補足することが望ましいとしています。レビュー結果 開示は外向きの作業に見えて、社内の配置や育成の判断で使うデータを、後から説明できるかを問う作業でもあります。編集部としては、表示できる指標より、定義を変えた時の履歴と確認者が残るかに差が出ると感じます。ここは各社の運用によりますが、比較では「数値の根拠を担当交代後にもたどれるか」を質問に加えたいところです。

次に考えるべきは、こうした更新と説明を、日々の配置・育成・後継判断の業務にどう組み込み、担当者が替わっても判断の経緯を残せるようにするかです。

見える化だけでは配置は決められない

人材情報が一覧で見えることと、その一覧を根拠に配置や育成を説明できることは同じではありません。比較の場面では、項目の多さよりも、判断がどの記録につながるかを確かめる必要があります。

異動会議でスキル欄を開いても、任せる仕事が決まっていない

半期の異動会議で候補者のスキル欄を見比べても、「この役割で何を任せるのか」が記録されていなければ、配置理由は説明しにくくなります。経済産業省は、スキルベース組織を、スキルの関係を整理した体系を参照し、ロールベースの異動や本人希望を反映して配置転換する考え方として示しています。一方、ジョブ型との併用・移行の途上とも整理されています。IPAのiCDも、業務とスキルを別の辞書として扱い、業務は3階層と評価項目で構成します。機能で解ける話に見えて、先に役割の成果やタスクを決めていないことの方が根深い、と編集部は考えます。比較時には、各ロールに必要な業務、証拠となる実績、評価者、確認日、未経験の仕事まで並べられるかを確認したいところです。経済産業省の整理

後継候補の名簿はあっても、次の経験が割り当てられない

人事が評価記録を前に後継候補を検討する場面では、候補者名や順位だけでは次の判断に進めません。必要な経験をすでに積んだのか、次にどの任務を経験するのか、本人意向や異動可能性を誰がいつ確認するのかが残っていなければ、担当者が替わった後に育成の進み具合を追えないためです。能力開発・人材育成に問題がある事業所は79.9%とされ、計画的なOJTの実施状況にも雇用形態による差があります。研修受講だけで就任可能性を判断しない視点が要ります。後継ポジションの必要経験を分析し、配属・育成・進捗確認を結び付ける事例も紹介されていますが、これは一律の義務ではありません。各社の職務や育成方針による部分を残しつつ、候補者を「順位表」ではなく、次の経験とレビュー予定日を持つ進行表として管理できるかを確かめるのが現実的です。能力開発基本調査実践事例集

配置画面の便利さが、閲覧してはいけない情報まで広げる

異動候補を検討する会議で、就業上の配慮を確認したいからといって、健康情報の詳細まで同じ画面で開ける設計は慎重に扱う必要があります。個人情報保護委員会のガイドラインは、担当者と扱う個人情報データベースの範囲を限定するアクセス制御、アクセス者の識別・認証、取扱状況の把握と見直しを求めています。健康情報は機微性を踏まえた取扱いが望ましく、配置判断では原則として業務上必要な配慮の可否・条件を扱い、診断名や検査結果を広く置かない整理が考えられます。ここは単に閲覧権限を細かくする話ではありません。本人の制度利用や意向は能力・意欲・評価そのものではなく、不利益な扱いへ自動的につなげない統制が必要です。比較時には、項目ごとの利用目的、閲覧者、更新者、利用ログ、定期レビューを役割別に定義できるかを確認しましょう。個人情報保護法ガイドライン健康情報の取扱い

次に考えるべきは、こうした判断表と権限設計を、採用・育成・配置の記録とどこまで連動させ、更新の責任を誰に置くかです。

タレントマネジメントシステム、自社に向けた3つの問い

比較表を開く前に、自社で何を判断し、その判断を誰が引き継げる状態にしたいのかを言葉にしたいところです。機能の多さより、日々の記録と判断がつながるかが問われます。

その情報で、誰がいつ配置・育成の判断を変えるのか

部門長が次の配置を相談する場で、一覧にスキル名はあっても、どの職務に備えて何を学ぶのかが分からなければ、記録は判断材料になりません。能力開発に問題があるとする事業所は79.9%で、計画的OJTの実施率も正社員と正社員以外で開きがあります。能力開発基本調査は、育成を同じ対象・同じ方法で扱えない現実を示します。機能で解ける話に見えて、実は「誰に、どの職務へ、いつ」という問いが決まっていない方が根は深い、と編集部は考えます。比較時には、配置・育成・後継・定着のどの判断を、誰がどの頻度で行うかを先に書き出し、その判断に必要な項目だけを確認します。

一人のプロフィールで、事実と見立てと本人の希望を混ぜていないか

異動候補を検討する会議で、研修修了の記録と上司の評価、本人が希望した勤務地が同じ欄に並ぶと、何を根拠にした判断かを後から説明しにくくなります。公的なデジタルスキル標準は、全員に求める基礎的な内容と、役割ごとに必要なスキルを分けて示しており、改訂時には生成AIに関する学習項目も追加・変更されました。デジタルスキル標準からは、スキル体系自体にも更新責任が要ると読み取れます。評価や将来の見立てを不要とする話ではありません。ただ、検証できる事実、評価・見立て、本人の希望は、記入者・根拠・更新期限を分けた方が、訂正や引継ぎに耐えます。誰が各項目を更新し、希望を本人が直せるかまで確認したいところです。

担当者が替わった後も、判断の経緯を説明できるか

人事担当者の異動後、前任者が残した評価コメントを誰が見られ、誰が修正し、配置案の根拠をどこで確かめるのか。ここが決まらないままでは、導入時の閲覧権限表だけでは足りません。個人情報保護委員会は、アクセス制御やアクセス者の識別・認証、従業者への監督・研修を安全管理措置の例として示しています。個人情報保護法ガイドラインと、人事労務サービスに関する注意喚起は、委託先の監督も含めて検討する必要を示します。すべてが一律の法定義務とは限らず、ここは各社の利用目的と運用によります。それでも、閲覧・更新・変更の履歴、異動時の権限移管、漏えい時の連絡と監査協力を選定条件に置けば、「見える化」を説明できる状態へ近づけます。

この3問への答えがそろったら、次は必要なデータ項目、連携範囲、権限と定着支援を、実際の運用手順に照らして比較する段階です。

自社の運用に合う選択肢を見比べる際は、タレントマネジメントシステムを比較するための比較表もご活用ください。

「タレントマネジメントシステム」の製品比較表

※税込と表記されている場合を除き、全て税抜価格を記載しています

  • 製品名
  • 注目ポイント
  • 料金プラン
  • プラン名金額
  • 無料トライアル
  • 最低利用期間
  • 基本的な機能
    • 人事異動シミュレーション
    • ポイント付与
    • 適正社員ピックアップ
    • 各種適正度表示
    • 業界別テンプレート
    • 各種指数表示
    • 給与明細発行
    • ワークフロー管理
    • 健康管理
    • スキル管理
    • 甘辛分析
    • 昇格率表示
    • 離職ワード分析
    • 適性検査
    • 1on1サポート
    • レポート自由作成
    • モバイルアプリ対応
    • 評価制度構築
    • googleカレンダー表示
    • 給与シミュレーション
    • 作業比較データ表示
  • サービス資料
  • 無料ダウンロード
  • ソフト種別
  • サポート
人事データを一元化
初期費用 要相談
利用料金 要相談
備考
費用は、登録される社員数に応じて変動します。
制限なし
タレントパレット(人事評価・タレントマネジメント)の資料サムネイル
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
コスパ最強システム
初期費用 110,000円(税込)
2機能プラン 月額5,500円(税込)~
備考
・目標評価
・行動評価 or 職務評価
3機能プラン 月額8,250円(税込)~
備考
・目標評価
・行動評価
・職務評価
6か月間
人事評価ナビゲーターの資料サムネイル
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
戦略人事を加速させる
初期費用 要相談
備考
問合わせ後にヒアリング
利用料金 要相談
備考
問合わせ後にヒアリング
制限なし
カオナビの資料サムネイル
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
欲しい機能を選べる
従量課金プラン 550円/人/月(税込)
備考
初回登録料110,000円(税込)が別途必要。
10名以下定額プラン 5,500円/月(税込)
備考
従業員10名まで一律。登録料は共通。
なし(1 か月単位で解約可能)
オフィスステーションの資料サムネイル
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
ユーザー数600,000人以上
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト パッケージ型ソフト 
電話 / メール / チャット /
HRTechサービスと連携
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
労務・人事戦略も網羅
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
データに基く戦略人事
初期費用 150,000円
50名プラン 30,000円/月額
備考
システム内登録が50名までの従業員数のプランです。
200名プラン 80,000円/月額
備考
システム内登録が51名~200名までの従業員数のプランです。
500名プラン 150,000円/月額
備考
システム内登録が201名~500名までの従業員数のプランです。
1年
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
給与・就業管理と連携
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用0円
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
スタートプラン 10,000円~/月額
備考
採用管理機能と人材DB機能で人事情報をスムーズに管理。人事情報を一元管理したい方向けプランです。
スタンダードプラン 60,000円~/月額
備考
採用管理機能と人材DB機能に加え、人材情報の分析機能を追加したプラン。人材情報を可視化します
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
製造・IT業界を支援
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
プラン 40,000円~/月額
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
定型業務のその先へ
料金プラン 220円~/1ヶ月
備考
※1名あたりの金額です。
※料金は目安となります。
※従業員規模100名程度〜
2年
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
生の声をもとに開発
初期費用 30万円~
利用料金 4.5万円~
なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
人事×AI
初期費用 要相談
備考
問合わせ後にヒアリング
利用料金 要相談
備考
※月額料金制
※利用人数に合わせて金額が変動
制限なし
HRBrainの資料サムネイル
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
人材データをひとまとめ
初期設定費用 要相談
月額費用 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
ビズリーチのタレマネ
初期費用 要相談
備考
問合わせ後にヒアリング
利用料金 要相談
なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
人事・労務を丸ごと
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
感覚人事からの脱却を
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません
スモールプラン 要相談
スタンダートプラン 要相談
コンサルティングプラン 要相談
1年
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
モバイル端末対応
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
なし 
電話 / メール / チャット /
個人+組織でサポート
初期費用 0円
利用料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /

価格や製品機能など、見やすい一覧表から、気になる製品をまとめてチェック!

意外な結論:問うべきは、データの量ではなく判断の引き継ぎ方です

意外なのは、タレントマネジメントシステムの価値が、人材を見えるようにすることだけでは測れない点です。配置や育成、後継者の判断は、その時点で情報を持つ担当者だけが説明できればよいものではありません。人材不足のなかでは、判断の根拠と更新の責任まで残り、担当者が替わってもたどれることが、運用の強さになります。

比較検討では、機能一覧より先に「版、期限、権限、周辺記録の4点を、誰がどの記録で確認するか」を各社に質問してみてください。その答えに、自社で判断を続けられる仕組みかどうかが表れます。

デジタル化の窓口 編集部

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