WebDAVとは？おすすめサービス4選と最適な利用シーン

「WebDAV（ウェブダブ）」という言葉を耳にしたことはありませんか？

「名前は知っているけど実際の仕組みはよくわからない」という方も多いのではないでしょうか。WebDAVは、インターネットを通じてオフィス以外の場所からもファイルを操作できる仕組みです。特に、セキュリティ性やカスタマイズ性を重視したい企業にとって、有力な代替手段として再評価されています。

📌この記事で解説すること

1. WebDAVとは？｜基本と仕組み
2. おすすめのWebdavサービス4選
3. Webdavへの接続方法と適切な利用シーン
4. WebDAVのセキュリティ対策

1. WebDAVとは？今さら聞けない基本をわかりやすく解説

「WebDAV（ウェブダブ）」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。しかし、「実際はよくわからない」という方も少なくありません。ここでは、WebDAVとは何か、その基本的な概要をわかりやすく解説します。

WebDAVは「Web上のフォルダ」を実現する技術

WebDAVは、「Web-based Distributed Authoring and Versioning」 の略です。これは、インターネット経由でファイルやフォルダの作成・編集・削除ができる技術のこと。簡単に言えば、Web上にあるフォルダを自分のパソコンと同じように操作できるようにする仕組みです。

例えば、オフィス外から社内のファイルサーバーにアクセスし、Wordファイルを開いて編集したり、新しい資料をアップロードしたりできるのがWebDAVの特徴です。

NASやファイル共有サービスと何が違うの？

Webdavは、一見NASやGoogle Drive、Dropboxのようなファイル共有サービスと似ていますが、次のような違いがあります。

ファイルサーバーとNASの違いは？自社に合った製品の選び方を解説

なぜ今、WebDAVが見直されているのか？

昨今、セキュリティ意識の高まりやクラウド移行の加速により、「自社で管理できるセキュアなファイル共有手段」としてWebDAVが再注目されています。

特に、クラウド導入が難しい業界（医療・法律・行政など）では、オンプレミスでも活用できるWebDAVが非常に有効です。

また、WindowsやMacに標準で搭載されている機能で接続できるため、特別なソフトを使わずに運用できる点も中小企業にとって魅力です。

💡WebDAVは「どこからでも、安全にアクセスできる」仕組み

WebDAVは、クラウドとオンプレミスの“中間”に位置するような、柔軟でセキュアなファイル共有手段です。導入のハードルはクラウドツールに比べて高いですが、かつ堅牢な運用が可能な点から、今後も需要が高まると考えられます。

2. WebDAVの仕組み

前のセクションでは、WebDAVの基本を紹介しました。ここでは、もう少し踏み込んで、WebDAVが「どんな仕組みで動いているのか」を詳しく解説します。

WebDAVは「HTTP通信」でファイルを操作する仕組み

WebDAVの技術的な特徴は、「HTTP/HTTPS（Webブラウザが使う通信方式）」を使ってファイルを操作できるという点です。

通常のWebサイトは、閲覧者がサーバーから情報（HTMLファイルなど）を受け取るだけですが、WebDAVではそれに加えて、次のような機能も搭載しています。

つまり、クラウドのようにファイルを扱えるのに、通信はHTTPベースで非常に軽量かつシンプル。企業の既存のWebサーバーを活用しやすいという利点もあります。

よくあるWebDAVの利用環境

WebDAVは、以下のような環境でよく利用されています。

• 社内ファイルサーバーの外部アクセス手段
  VPNを使わず、WebDAVで簡単にアクセスできる構成は、テレワークにも適しています。
• NAS（ネットワークHDD）との連携
  SynologyやQNAPなどのNAS製品では、WebDAVを有効にするだけで外部からアクセス可能になります。
• CMSやクラウドストレージとの連携
  WordPressやNextcloudのようなCMS/クラウドストレージでも、WebDAVに対応しているケースが増えています。

💡WebDAVは「軽くて柔軟」なファイル操作のインフラ

WebDAVは、HTTPベースというシンプルな仕組みを活かして、ファイル共有やリモート操作をスムーズに行える便利な技術です。特に、クラウド移行はハードルが高いけど、安全に外部アクセスしたいといった企業にとっては、有力な選択肢と言えるでしょう。

3. WebDAV対応のおすすめサービス4選

WebDAVは、自社のファイルサーバーやクラウド上のデータを外部から安全に操作できる優れた仕組みですが、実際に導入するには「信頼できるサービス」を選ぶことが重要です。ここでは、WebDAVに対応したおすすめのサービス・企業を、特長や用途ごとにわかりやすく紹介します。

比較表｜WebDAV対応おすすめサービス

1.法人向けに安心のセキュリティ｜NetAttest EPS（ソリトンシステムズ）

ソリトンシステムズの「NetAttest EPS」は、企業ネットワークのアクセス制御で定評がある認証アプライアンスです。WebDAV単体のストレージではなく、「セキュリティ＋ファイル共有」の組み合わせで、高度な認証と管理機能を提供します。

• WebDAV経由のアクセスに対し、端末認証やユーザー認証を強化
• 内部統制やログ管理が求められる企業に最適
• 社内システムとの連携性が高い

導入におすすめの企業：セキュリティに厳しい金融機関、製造業、大企業の情報システム部門

以下の公式ページを参考にしました👇
ネットワーク認証アプライアンス NetAttest EPS |  株式会社ソリトンシステムズ

2.コストと操作性のバランス重視｜カゴヤのWebDAVストレージ

カゴヤ・ジャパンが提供するWebDAVストレージは、使いやすさとコストパフォーマンスを両立した法人向けサービスです。専門知識がなくても簡単に導入できるのが魅力です。

導入におすすめの企業：中小企業、スタートアップ、外部とのファイル共有が多い業種（制作会社・広告業など）

以下の公式ページを参考にしました👇
Web共有フォルダー（WebDAV）の利用 – KAGOYA Internet Routing

3.ローカルに近い操作感｜ミライサーバー（ミライコミュニケーションネットワーク）

ミライサーバーのWebDAVプランは、低コストでシンプルに使えるストレージサービスです。自社開発・提供で、地方企業を中心に導入実績があり、操作性もわかりやすいと好評です。

• 容量やアカウント数の拡張が柔軟
• ローカルフォルダのような感覚で使える
• 電話・メールでの手厚いサポート体制

導入におすすめの企業：IT担当者が少ない中小企業や地方自治体、教育機関

以下の公式ページを参考にしました👇
ミライ・レンタルサーバ | ミライコミュニケーションネットワーク

4.WebDAV対応NASの代表格｜Synology NAS

オンプレミスのファイル管理を希望する企業には、SynologyのNAS（ネットワークHDD）が非常に人気です。簡単にWebDAVを有効化でき、社内外からのファイル共有を実現します。

• WebDAV機能を標準搭載
• 外部アクセスはSSL（HTTPS）で暗号化
• RAID対応で信頼性の高いストレージ構成

導入におすすめの企業：社内にサーバー設備があり、セキュアな自己完結型ファイル管理を求める企業

WebDAVでSynology NAS上のファイルにアクセスする方法👇
WebDAVでSynology NAS上のファイルにアクセスする方法 – Synology ナレッジセンター

4. WebDAVの使い方｜Windows・Macでの接続方法を解説

このセクションでは、WindowsとMacそれぞれの接続方法と実際にどうやってファイルにアクセスするのかを解説します。WebDAVの仕組みは共通でも、OSごとに操作手順や設定の場所が異なるため、初めての方でも迷わないように段階的に解説します。

WindowsでWebDAVに接続する方法

Windowsは標準機能としてWebDAVに対応しているため、エクスプローラーから簡単にアクセス可能です。

設定手順（Windows 10/11共通）

1. エクスプローラーを開く
2. 左側メニューの「PC」を右クリックし、「ネットワークの場所を追加」を選択
3. ウィザードの案内に従い、「カスタムのネットワークの場所」を選ぶ
4. WebDAVサーバーのURLを入力（例：https://example.com/webdav）
5. ユーザー名とパスワードを入力して接続

※URLは、契約しているサービスによって異なります。

注意点

• WindowsのWebDAVクライアントは大容量ファイル（50MB超）の転送時に不安定になる場合があります。
• SSL証明書（https）が適切に設定されていないと接続エラーになることがあります。

MacでWebDAVに接続する方法

MacもFinderから直接WebDAVに接続できます。こちらもシンプルな操作で完了します。

設定手順（macOS Ventura以降）

1. Finderを開く
2. メニューバーの「移動」→「サーバへ接続」を選択
3. 「サーバアドレス」にWebDAVのURLを入力（例：https://example.com/webdav）
4. 「接続」をクリック
5. ユーザー名とパスワードを入力してログイン

注意点

• Finderで接続したWebDAVは、一度マウントすればローカルドライブのように扱えますが、OS再起動後には再接続が必要です。
• アップロード・ダウンロード中に接続が切れる場合は、ファイアウォールやVPN設定を確認しましょう。

補足：接続エラーのよくある原因と対処法

💡一度つなげば簡単、でも初回は丁寧に

WindowsもMacも、WebDAVへの接続は一度設定してしまえば非常に便利に使えます。ただし初回接続時は、URLの形式や認証情報、SSLの有無など細かなポイントに注意が必要です。IT管理者や、システム担当者が初期設定をサポートすることで、社内の円滑な運用につながります。

5. WebDAVの強みと利用に適したシーン5選

ファイル共有サービスはたくさんありますが、その中でWebDAVが持つ特徴や強み・弱みを理解することは、導入判断において非常に重要です。ここでは、WebDAVの強みを活かせる具体的なシーンを紹介します。

強み｜なぜWebDAVが選ばれるのか

• 柔軟性の高さ：WebDAVは、既存のWebサーバーで動かせるため、クラウドでもオンプレミスでも利用可能。インターネット環境があればどこからでもアクセスできます。
• OS標準のサポート：WindowsやMacなど主要OSで標準対応しているため、特別なアプリをインストールせずに利用可能です。
• 低コストでの運用：無料または低価格のサーバーでも動かせるため、コストを抑えたい企業に向いています。

弱み｜気を付けるべきポイント

• ファイル容量の制限：大容量ファイルの扱いに制限があることが多く、動画ファイルや大きなCADデータを頻繁にやり取りするには不向きです。
• サーバー/アクセスの混乱：多数のユーザーが同時にアクセスする環境では、処理が遅くなることもあります。
• カスタマイズの知識が必要：セキュリティ設定やアクセス権の調整などに専門的な知識が求められ、ITに不慣れな環境では扱いづらい側面があります。

下記のような環境では、「ファイル共有サービス」の導入が適しています。

• 大容量ファイルを頻繁に扱う
• 大人数でファイルにアクセスする
• IT慣れしていない

WebDAVの利用に適したシーン5選

WebDAVは、多様な業務シーンで活用可能なファイル共有方法です。ここでは、実際の利用場面を想定しながら、どのようなケースで特に効果を発揮するのかをご紹介します。

1. 中小企業の社内ファイル共有

中小規模の企業では、コストを抑えつつ社内で効率的にファイル共有したいニーズがあります。WebDAVなら、既存のWebサーバーやNASを利用して低コストに構築可能です。

メリット

• OS標準対応で簡単アクセスできる
• WindowsとMacが混在していても利用できる

2. リモートワークでのファイルアクセス

在宅勤務やモバイルワークが増える中、自宅や外出先から社内のファイルに安全にアクセスする手段としてもWebDAVは有効です。

メリット

• メリットVPNと組み合わせて安全にファイルの閲覧・編集が可能
• 外出先からでも利用可能

3. Webサイトのコンテンツ管理

WebDAVはWebサーバーのファイル管理に最適で、CMSやWeb制作現場でよく利用されます。

メリット

• Webサーバー上のファイルを直接アップロード・編集できる
• ファイルの即時反映が可能

4. 企業間のファイル共有

複数の企業間でファイルをやり取りする場合、FTPより安全かつ使いやすいWebDAVが選ばれています。

メリット

• FTPよりセキュリティに強い
• ユーザー管理がしやすい

5. 専門分野のファイル共有

医療機関や教育機関など、機密情報を扱う分野でも、WebDAVのSSL対応を活用しつつ自社管理できる点が評価されています。

メリット

• SSL対応で安全に管理
• 自社管理で情報漏洩リスク低減

6. WebDAVでは対応しきれない大容量・大人数にはファイル共有サービス

ファイル共有サービスはリモートワークやチーム間の迅速な情報連携を支える一方で、避けて通れないのが「セキュリティ対策」です。本章では、セキュリティ機能が充実しており、法人利用にも安心して導入できるクラウド型ファイル共有サービスを5つ厳選してご紹介します。

7. WebDAVのセキュリティは大丈夫？対策ポイントをチェック

WebDAVは便利なファイル共有技術ですが、安全に運用するためにはセキュリティ面の理解と対策が欠かせません。ここでは、WebDAVのセキュリティリスクと具体的な対策ポイントをわかりやすく解説します。

WebDAV利用時に注意すべきセキュリティリスク

1. 通信の盗聴リスク
   WebDAVはHTTPを利用するため、暗号化されていない場合、通信内容が第三者に盗み見られる可能性があります。特に公共Wi-Fiやインターネット経由のアクセス時は危険です。
2. 認証情報の漏洩
   パスワードやユーザー名が適切に管理されていないと、不正アクセスを招く恐れがあります。弱いパスワードや使い回しはリスクを高めます。
3. ファイルの改ざんや不正削除
   アクセス権限の設定が甘いと、重要なファイルが誤って編集・削除されたり、悪意あるユーザーによって改ざんされる恐れがあります。

国もWebdavのセキュリティについて警告している

総務省や情報処理推進機構（IPA）などの政府系機関も、WebDAVなどのリモートファイル共有におけるセキュリティ対策を推奨していますので、セキュリティの強化が重要なポイントとなっています。

例えば、あるITサービス企業はVPN環境下でWebDAVを活用し、さらに多要素認証を導入することで安全性を高めています。

安全に使うための主な対策ポイント

• 通信の暗号化（HTTPS利用）
• アクセス権限の厳格管理
• 強力な認証方式の採用
• ログ管理と監査
• 定期的なソフトウェア更新

上記の対策の導入方法について詳しく解説した記事はこちら👇

ファイル共有のセキュリティ対策｜データの暗号化、SSL/TLS、多要素認証の利用

8. まとめ｜WebDAVを導入する前に知っておくべきこと

WebDAVは、リモート環境からでも手軽にファイル管理ができる便利な技術です。特に社内外での資料共有やチームでの共同作業に適しています。しかし、導入前には以下のポイントをしっかり押さえておきましょう。

WebDAV導入のポイントまとめ

• 基本機能の理解：ファイルのアップロード・ダウンロードだけでなく、フォルダ管理やファイルロック、アクセス権限設定など多彩な機能を活用できること。
• セキュリティ対策の徹底：通信の暗号化（HTTPS）、強固な認証管理、適切なアクセス権設定を行い、安全に運用する必要があること。
• 対応サービス・ツールの選定：利用環境に適したWebDAV対応のサービスやソフトウェアを選び、操作性やサポート体制も確認すること。
• 業務ニーズとの適合：共有したいファイルの種類や容量、チームの人数や利用シーンに応じて最適な環境を構築すること。

WebDAVは技術的に柔軟かつ拡張性が高い反面、適切な設定と運用がカギとなります。今回のポイントを踏まえ、安心・安全なファイル共有環境を実現してください。

大人数での共有や大容量ファイルを扱う場合にはファイル共有サービスが最適

Webdavは、大人数でのファイル共有や大容量ファイルのアップロードには向きません。これらが主な利用目的である場合には、ファイル共有サービスが最適です。以下の製品比較表で、ニーズに合ったファイル共有サービスを探すことができます。