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電子カルテの操作・コツを徹底解説【2025年最新版】

「電子カルテ」の製品比較表

※税込と表記されている場合を除き、全て税抜価格を記載しています

  • 製品名
  • 注目ポイント
  • 料金プラン
  • プラン名金額
  • 無料トライアル
  • 最低利用期間
  • 基本的な機能
    • 電子カルテ
    • ケアプラン作成
    • プロブレム記録
    • 検査結果ビューアー
    • 実施歴参照機能
    • 処方監査
    • 手書き入力
    • 処置行為自動学習
    • ToDoリスト
    • マルチデバイス対応
    • レセプト対応
    • カルテ編集
    • 院内連絡
    • 診療システム切替
    • 予約機能
    • 訪問スケジュール管理
    • 適応・禁忌チェック
    • 診療・投薬履歴管理
    • 院内検査項目管理
    • 文書管理
    • データ連携
  • サービス資料
  • 無料ダウンロード
  • ソフト種別
  • サポート
在宅医開発のカルテ
導入費用 homis導入200,000円 ・ORCA導入100,000円
基本利用料 20,000円
備考
クリニック・月
ORCAサポート料 15,000円
備考
クリニック・月
従量課金 管理患者1名につき
備考
患者・月
制限なし
homis(在宅医療用電子カルテ)の資料サムネイル
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
医事一体型電子カルテ
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
Basic プラン 24,800円 (税込:27,280円)
備考
・導入時のWebによる操作指導(90分)1回
・チャットによるアフターサポート(回数無制限)
・FAQ、動画マニュアルの閲覧
Premium プラン 要相談
備考
導入作業の立会、運用コンサルティングなど、より充実したサポートをご用意しております。専門のスタッフがご希望に合ったプランをご提案いたします。
詳細についてはお気軽にお問い合わせください。
制限なし
Medicom クラウドカルテの資料サムネイル
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
充実の機能と操作性
初期費用 要相談
利用料金 要相談
要相談
Medicom-HRf Hybrid Cloudの資料サムネイル
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
自由診療特化DXツール
初期費用 0円
基本プラン 35,000円~
制限なし
B4A(ビーフォーエー)の資料サムネイル
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
継続率99%の安心感
初期費用 要問い合わせ
備考
資料ダウンロードで詳しい料金をチェックできます。
保守費用 要問い合わせ
備考
資料ダウンロードで詳しい料金をチェックできます。
制限なし
クラウド型ソフト オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
メディカルフォースの資料サムネイル
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用/更新費用 0円
月額費用 お問い合わせ
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
利用期間の制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
要相談 要相談
制限なし
オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 30,000円
備考
coming-soonへの登録に初期費用が掛かります。(複数店一括契約の割引あり)
KARTEフリー 0円 / 月
備考
coming-soonへの登録が必須で別途月額が掛かります。「ライト」13,000円/月、「スタンダート」21,000円/月
KARTEプラス 3,000円 / 月
備考
coming-soonへの登録が必須で別途月額が掛かります。「ライト」13,000円/月、「スタンダート」21,000円/月
KARTEエンタープライズ 10,000円 / 月
備考
coming-soonへの登録が必須で別途月額が掛かります。「ライト」13,000円/月、「スタンダート」21,000円/月
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 3,300円(税込)/月額
備考
標準サービスのみ
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
月額料金 3万円~
制限なし
SMARTCRM(スマートCRM)の資料サムネイル
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 500,000円
利用料金 40,000 円/月額
1年
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 400,000円~
利用料金 22,000円~/月額
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
最低利用期間制限なし
オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
パッケージ型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
1接続 20,000円/月額
備考
追加1接続当たり
5,000円/月額
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
ORCA連動型プラン 11,800円~/月額
レセコン一体型プラン 24,800円~/月額
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 200,000円 〜
基本プラン 12,000円 / 月額
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
要相談 要相談
制限なし
なし 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
要相談 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
要相談 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
要相談 要相談
制限なし
オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 200,000円(税別)
月額費用 50,000円/月額(税別)
備考
基本5ユーザー
アカウント追加 2,000円/月額(税別)
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
なし 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
要相談 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /

価格や製品機能など、見やすい一覧表から、気になる製品をまとめてチェック!

目次

「電子カルテの使い方は難しい」と感じる医療従事者に向け、ログインから会計送信までの基本操作を4ステップで体系的に解説します。記事内では、入力時間を大幅に短縮できる「Do入力」や「セット登録」などの具体的ノウハウを公開。また、多くのシステムトラブルを解決できる初動対応や、医師・看護師・事務それぞれの職種別活用術も網羅しています。さらに、おすすめ電子カルテ3製品の特徴も紹介し、導入後の運用をサポートします。

\価格や製品機能など、見やすい一覧表をチェック!/
価格や製品機能など、見やすい一覧表から、気になる製品をまとめてチェック!

1. 電子カルテの操作は難しくない!基本構造を理解しよう

医療DXの推進に伴い、多くの医療機関で電子カルテの導入が進んでいますが、「機能が多くて使いこなせるか不安」「パソコン操作が苦手で診療に支障が出ないか心配」といった声も少なくありません。しかし、電子カルテはあくまで医師やスタッフの業務を支援するためのツールであり、基本的な構造さえ理解してしまえば、決して恐れる必要はありません。どのメーカーの製品であっても、根底にある「操作の型」は共通しています。まずは、なぜ難しく感じてしまうのかその原因を紐解き、電子カルテがもたらす本来のメリットと基本的な仕組みについて解説します。

なぜ「操作が難しい」と感じてしまうのか

多くの医療従事者が電子カルテの操作に苦手意識を持つ背景には、主に3つの要因が挙げられます。これらは個人のスキル不足というよりは、システム特有の性質や環境の変化によるものです。

  • 機能の多さと画面の複雑さ:
    電子カルテには、診療記録だけでなく、処方・検査オーダー、予約管理、医事会計連携など、膨大な機能が搭載されています。そのため、画面上にボタンやメニューが多く並び、「どこを押せば何ができるのか」が直感的に分かりにくい場合があります。
  • キーボード入力への心理的負担:
    手書きの紙カルテに慣れ親しんできた方にとって、キーボードでのタイピングは大きなハードルです。患者さんと向き合いながらスムーズに入力することにプレッシャーを感じるケースが多く見られます。
  • カスタマイズ性の高さゆえの混乱:
    多くの電子カルテは、診療科や個人の使いやすさに合わせて画面配置を自由に変更できます。しかし、導入初期はこの柔軟性が仇となり、標準的な使い方が分からず混乱する原因になることがあります。

これらの課題は、適切な初期設定や「よく使う機能」へのアクセスを整理することで、驚くほど解消されます。操作が難しいのは「慣れていないから」であり、決してシステム自体が難解なわけではありません。

紙カルテとの違いと電子化のメリット

操作を覚えるまでの学習コストは発生しますが、それを補って余りあるメリットが電子カルテにはあります。紙カルテと比較した際の決定的な違いを理解することで、習得へのモチベーションを高めましょう。

最大の利点は「情報の検索性」と「同時アクセス性」です。紙カルテでは、「あの患者さんの3年前の検査結果が見たい」と思った時、書庫まで探しに行き、手書きの記録をページをめくって探す必要がありました。一方、電子カルテなら数クリックで瞬時に過去のデータを呼び出せます。

比較項目 紙カルテ 電子カルテ
情報の検索性 手作業で探す必要があり、時間がかかる キーワードや日付で瞬時に検索可能
同時アクセス 原本が1つしかなく、1人しか見られない 医師、看護師、事務が同時に閲覧・編集可能
視認性(読みやすさ) 手書きの癖や劣化により判読困難な場合がある 活字で統一され、誰でも正確に読める
保管スペース 物理的な棚が必要で、年々場所を圧迫する サーバーやクラウド上に保存され、物理スペース不要
情報共有 物理的な受け渡しが必要 リアルタイムでチーム全体に共有される

このように、電子カルテは単なる「記録媒体の変化」ではなく、医療情報の活用方法そのものを変革するツールです。厚生労働省も「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」の中で、情報の適切な管理と活用を推奨しており、電子化は医療安全の向上にも寄与します。

メーカーが違っても共通する「操作の型」

市場には数多くの電子カルテ製品が存在し、画面のデザインやボタンの配置はそれぞれ異なります。しかし、診療の流れに沿って設計されているため、基本的な「操作の型(フロー)」は共通しています。この型さえ頭に入れておけば、メーカーが変わっても応用が効きます。

  1. 患者検索・呼び出し(受付)
    まずは対象となる患者さんを特定します。ID番号や氏名、生年月日などで検索し、カルテ画面を開きます。受付リストから選択するケースが一般的です。
  2. カルテ展開(過去カルテ参照)
    患者さんのカルテが開くと、左側に過去の履歴、右側に当日の入力画面が表示される構成(2号紙形式など)が多く採用されています。ここで前回の処方や検査結果を確認します。
  3. 所見入力とオーダー発行
    「SOAP」形式などで診察内容を入力し、必要に応じて投薬や検査のオーダー(指示)を選択します。ここが最も操作頻度の高い部分です。
  4. 保存と送信(会計連携)
    入力内容に間違いがないか確認し、「保存」または「診療完了」ボタンを押します。これによりデータが確定され、自動的に医事会計システムへ情報が送信されます。

どの電子カルテも、基本的にはこの「検索→参照→入力→保存」のサイクルで動いています。まずはこの一連の流れをスムーズに行えるようになることが、操作習得の第一歩です。

電子カルテのシェア率はどのくらい?市場動向や具体的な事例を解説

2. 【実践】毎日の診療で必ず使う基本操作の4ステップ

電子カルテの機能は多岐にわたりますが、日常の診療業務で頻繁に使用する操作は限られています。ここでは、診療開始から終了までの一連の流れを4つのステップに分解し、最低限マスターすべき基本操作を具体的に解説します。この基本ルートさえ押さえておけば、診療業務を滞りなく進めることが可能です。

ステップ1:ログインと患者情報の検索・呼び出し

まずはシステムへ安全にログインし、診察対象となる患者のカルテを正確に呼び出すことから始まります。近年はセキュリティ強化のため、IDとパスワードだけでなく、指紋認証やICカードを用いた二要素認証を採用するケースも増えています。

ログイン後、最初に行うのが患者情報の検索です。多くの電子カルテでは、トップ画面に「本日の受付リスト」が表示されており、そこから患者名を選択するだけでカルテを開くことができます。検索機能を使用する場合は、以下の情報を入力して呼び出します。

  • 患者ID(診察券番号)
  • 氏名(漢字またはカナ)
  • 生年月日

ここで最も注意すべき点は、同姓同名の患者取り違えです。公益財団法人日本医療機能評価機構の「医療事故情報収集等事業」の報告でも、患者取り違えは主要な事故原因の一つとして挙げられています。検索結果には氏名と共に生年月日や年齢が併記されるため、必ず複数の識別情報で本人確認を行う癖をつけましょう。

ステップ2:診療記録(SOAP)の入力

カルテが開いたら、問診内容や診察結果をテキストで入力します。多くの医療機関では、記録の標準化を図るために「SOAP(ソープ)」形式が採用されています。

SOAPとは、情報を4つの項目に分類して記録する方法です。各項目に何を入力すべきかを整理しておくことで、後から見返した際や他のスタッフに引き継ぐ際に、情報の意図が伝わりやすくなります。

次の表では、SOAPの各要素と具体的な入力例、および入力時のポイントを比較しています。

項目 意味 具体的な入力例 入力時のポイント
S (Subjective)

主観的データ
患者の訴え、問診内容

「昨晩から喉が痛い」
「38度の熱がある」
患者の言葉をそのまま引用し、事実と区別する
O (Objective)

客観的データ
診察所見、検査値

咽頭発赤あり、扁桃肥大なし
体温: 38.2℃、SpO2: 98%

数値や観察事実のみを記載し、解釈を交えない
A (Assessment)

評価
診断、見立て

急性上気道炎の疑い
細菌感染の可能性は低い

SとOに基づいた医師の判断や考えを記載する
P (Plan)

計画
治療方針、処方、指導

対症療法として解熱剤を処方
3日後再診

具体的な指示や次回のアクションを明確にする

入力の際は、手入力だけでなく、クリックで選択できる「入力テンプレート」を活用すると効率的です。所見の記載漏れを防ぐとともに、入力時間の短縮につながります。

ステップ3:処方・検査オーダーの発行

診断(A)と計画(P)に基づき、薬剤の処方や検査の指示(オーダー)をシステム上で発行します。紙カルテでは伝票を手書きしていましたが、電子カルテでは画面上のリストから選択する形式が一般的です。

オーダー画面では、以下の手順で入力を行います。

  1. 区分の選択: 「投薬」「検査」「処置」「画像診断」などのタブから目的のカテゴリを選びます。

  2. 項目の検索: 薬剤名や検査項目名を入力して検索します。頻用する項目は「セット登録」しておくと便利です。

  3. 詳細設定: 薬剤であれば用量・用法(1日3回 毎食後など)、検査であれば部位などを指定します。

このステップで特筆すべき電子カルテのメリットは、安全管理機能です。例えば、薬剤を選択した際に、患者の過去の副作用歴や併用禁忌薬(飲み合わせの悪い薬)が登録されていると、システムが自動的にアラートを表示して警告してくれます。これにより、うっかりミスによる医療事故を未然に防ぐことができます。

ステップ4:情報の保存と会計への送信

全ての入力とオーダーが完了したら、最後にデータを確定させます。これは単なる「保存」にとどまらず、医事会計システム(レセコン)へのデータ送信を兼ねているケースがほとんどです。

一般的には画面上の「診療完了」や「保存」ボタンをクリックします。この操作を行うと、入力された診療行為や処方内容が自動的に点数計算(レセプト作成)のために会計部門へ送られます。紙カルテのようにクラークがカルテを読み解いて入力し直す必要がないため、会計待ち時間の短縮に大きく貢献します。

保存前には必ず以下の点を確認しましょう。

  • 入力漏れはないか: 必須項目が空欄になっていないか。
  • オーダーの整合性: 病名に対して適切な検査・処方が行われているか(病名漏れによるレセプト返戻を防ぐため)。

近年普及している「ORCA(オルカ)」などの日医標準レセプトソフトと連携している電子カルテであれば、診療内容と請求情報の不整合をチェックする機能がついている場合もあります。これらの機能を活用し、正確なデータ送信を心がけてください。

comparison-table-meo

電子カルテの比較表を表示する

3. 入力時間を劇的に減らす!3つの時短テクニック

電子カルテの導入において現場が最も懸念するのは、「紙カルテよりも入力に時間がかかり、診療効率が落ちるのではないか」という点です。しかし、電子カルテには入力負荷を大幅に軽減するための機能が標準で備わっています。これらを活用することで、入力時間は紙カルテと同等、あるいはそれ以上に短縮することが可能です。ここでは、明日からすぐに実践できる3つの主要な時短テクニックを解説します。

毎回同じ入力をしない!「セット登録」の活用

診療業務において、特定の疾患に対する処方や検査の組み合わせは、ある程度パターン化されています。これらをあらかじめ「セット(オーダーセット)」として登録しておくことで、都度検索して入力する手間を省き、ワンクリックでオーダーを完了させることができます。

例えば「風邪(急性上気道炎)」の患者さんに対し、毎回「解熱鎮痛剤」「去痰薬」「抗生物質」を一つずつ検索して入力するのは非効率です。これらを「風邪セット」として登録しておけば、選択するだけで全てのオーダーが反映されます。これは入力時間を短縮するだけでなく、入力漏れや選択ミスを防ぐ効果もあります。

次の表は、一般的な内科クリニックにおけるセット登録の活用例です。

セット名 登録内容の例(薬剤・検査・処置) 活用のメリット
初診時検査セット 血液一般検査、生化学検査、尿検査、心電図 必須検査のオーダー漏れを防止し、看護師への指示を迅速化
高血圧定期処方 降圧剤(30日分)、胃薬(30日分) 慢性疾患患者の定期受診時の入力時間を数秒に短縮
インフルエンザ疑い インフルエンザ迅速検査、解熱剤(頓服)、抗インフルエンザ薬 流行期など繁忙時の診療スピードを維持できる
外傷処置セット 創傷処置(100cm2未満)、消毒、ガーゼ交換、抗生剤軟膏 処置料の算定漏れを防ぎ、医事会計の正確性を向上

実際に、多くの医療機関でセット登録の活用による業務効率化が報告されています。システム導入時には、自院の診療科で頻度の高い疾患トップ10をリストアップし、優先的にセットを作成することをお勧めします。

入力の手間を省く「テンプレート」と「定型文」

オーダーだけでなく、カルテの記述部分(SOAPのSやO)も効率化の対象です。一から文章をタイピングするのではなく、「テンプレート」や「定型文(定型語句)」機能を駆使して、入力を「書く」作業から「選ぶ」作業へと変えましょう。

  • テンプレート機能
    問診票のように、あらかじめ設定された項目や選択肢をクリックしていくだけで文章を作成する機能です。例えば「初診問診テンプレート」を作成し、「主訴」「発症時期」「既往歴」などの項目を用意しておけば、聞き漏らしを防ぎつつ、構造化されたデータを記録できます。
  • 型文(単語登録)機能
    「所見なし」「経過順調」「次回血液検査予定」など、頻繁に使用するフレーズを短いキーワードやショートカットキーで呼び出せるようにします。例えば「soken」と入力して変換するだけで「特記すべき理学的所見なし」と表示されるよう設定します。

近年では、「エムスリーデジカル」のようにAI学習機能を搭載し、ユーザーの入力傾向から次の入力を予測・提案してくれる製品も登場しています。テクノロジーを活用し、キーボード入力の負担を最小限に抑えることが重要です。

過去のカルテを活かす「Do入力(引用機能)」

再診患者の多くは、前回と同じ治療を継続するケース(慢性疾患の管理など)が占めます。このような場合に役立つのが「Do入力(ドゥー入力)」と呼ばれる機能です。これは「前回と同じ(Ditto)」という意味で、過去のカルテ内容やオーダーをそのまま現在の日付にコピー&ペーストする機能を指します。

操作は非常にシンプルで、多くのシステムでは「Do」ボタンや「前回引用」ボタンを押すだけで完了します。

一方で、Do入力の多用にはリスクも伴います。厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に関する議論でも指摘されるように、漫然と過去のデータをコピーし続けることで、患者の新たな変化を見落としたり、本来変更すべき用量をそのまま処方してしまったりする恐れがあります。

Do入力はあくまで「入力支援」であり、コピーした後には必ず内容を確認し、「現在の患者の状態」に合わせて修正を加えるプロセスを忘れないようにしてください。便利さと安全性のバランスを保つことが、電子カルテ活用の鍵となります。

「電子カルテ」の製品比較表

※税込と表記されている場合を除き、全て税抜価格を記載しています

  • 製品名
  • 注目ポイント
  • 料金プラン
  • プラン名金額
  • 無料トライアル
  • 最低利用期間
  • 基本的な機能
    • 電子カルテ
    • ケアプラン作成
    • プロブレム記録
    • 検査結果ビューアー
    • 実施歴参照機能
    • 処方監査
    • 手書き入力
    • 処置行為自動学習
    • ToDoリスト
    • マルチデバイス対応
    • レセプト対応
    • カルテ編集
    • 院内連絡
    • 診療システム切替
    • 予約機能
    • 訪問スケジュール管理
    • 適応・禁忌チェック
    • 診療・投薬履歴管理
    • 院内検査項目管理
    • 文書管理
    • データ連携
  • サービス資料
  • 無料ダウンロード
  • ソフト種別
  • サポート
在宅医開発のカルテ
導入費用 homis導入200,000円 ・ORCA導入100,000円
基本利用料 20,000円
備考
クリニック・月
ORCAサポート料 15,000円
備考
クリニック・月
従量課金 管理患者1名につき
備考
患者・月
制限なし
homis(在宅医療用電子カルテ)の資料サムネイル
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
医事一体型電子カルテ
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
Basic プラン 24,800円 (税込:27,280円)
備考
・導入時のWebによる操作指導(90分)1回
・チャットによるアフターサポート(回数無制限)
・FAQ、動画マニュアルの閲覧
Premium プラン 要相談
備考
導入作業の立会、運用コンサルティングなど、より充実したサポートをご用意しております。専門のスタッフがご希望に合ったプランをご提案いたします。
詳細についてはお気軽にお問い合わせください。
制限なし
Medicom クラウドカルテの資料サムネイル
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
充実の機能と操作性
初期費用 要相談
利用料金 要相談
要相談
Medicom-HRf Hybrid Cloudの資料サムネイル
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
自由診療特化DXツール
初期費用 0円
基本プラン 35,000円~
制限なし
B4A(ビーフォーエー)の資料サムネイル
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
継続率99%の安心感
初期費用 要問い合わせ
備考
資料ダウンロードで詳しい料金をチェックできます。
保守費用 要問い合わせ
備考
資料ダウンロードで詳しい料金をチェックできます。
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クラウド型ソフト オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
メディカルフォースの資料サムネイル
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用/更新費用 0円
月額費用 お問い合わせ
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
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クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
利用期間の制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
要相談 要相談
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オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 30,000円
備考
coming-soonへの登録に初期費用が掛かります。(複数店一括契約の割引あり)
KARTEフリー 0円 / 月
備考
coming-soonへの登録が必須で別途月額が掛かります。「ライト」13,000円/月、「スタンダート」21,000円/月
KARTEプラス 3,000円 / 月
備考
coming-soonへの登録が必須で別途月額が掛かります。「ライト」13,000円/月、「スタンダート」21,000円/月
KARTEエンタープライズ 10,000円 / 月
備考
coming-soonへの登録が必須で別途月額が掛かります。「ライト」13,000円/月、「スタンダート」21,000円/月
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 3,300円(税込)/月額
備考
標準サービスのみ
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クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
月額料金 3万円~
制限なし
SMARTCRM(スマートCRM)の資料サムネイル
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 500,000円
利用料金 40,000 円/月額
1年
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 400,000円~
利用料金 22,000円~/月額
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
最低利用期間制限なし
オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
パッケージ型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
1接続 20,000円/月額
備考
追加1接続当たり
5,000円/月額
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
ORCA連動型プラン 11,800円~/月額
レセコン一体型プラン 24,800円~/月額
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 200,000円 〜
基本プラン 12,000円 / 月額
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
要相談 要相談
制限なし
なし 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
要相談 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
要相談 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
要相談 要相談
制限なし
オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 200,000円(税別)
月額費用 50,000円/月額(税別)
備考
基本5ユーザー
アカウント追加 2,000円/月額(税別)
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
なし 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
要相談 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /

価格や製品機能など、見やすい一覧表から、気になる製品をまとめてチェック!

4. 医師・看護師・事務…職種別に見る便利な活用術

電子カルテは医師だけでなく、看護師や医療事務スタッフなど、医療チーム全体で共有・活用する情報基盤です。しかし、職種によって業務フローや抱える課題は異なるため、それぞれに適した使い方を実践することが、組織全体の生産性向上につながります。ここでは、職種ごとの具体的な活用テクニックと連携のポイントを解説します。

【医師】音声入力やクラーク活用で診療に集中

医師にとって最大の課題は、電子カルテの入力作業に時間を取られ、患者と向き合う時間や診療そのものの時間が圧迫されることです。特にタイピングが苦手な場合、このストレスは甚大です。そこで推奨されるのが、「医療用音声認識システム」と「医療クラーク」の活用です。

近年、AI技術の進化により音声認識の精度は飛躍的に向上しています。例えば、アドバンスト・メディア社の「AmiVoice(アミボイス)」などの医療専用ソフトは、医学用語や薬品名を正確に認識し、話すスピードでテキスト化することが可能です。キーボード入力と比較して数倍の速度で入力できるため、カルテ記載の時間を大幅に短縮できます。

また、医師事務作業補助者(医療クラーク)に入力業務を委託するのも有効な手段です。医師は診察に集中し、クラークが横でカルテを代行入力、最後に医師が内容を確認して承認するというフローを構築します。厚生労働省も「医師の働き方改革」においてタスク・シフト/シェアを推進しており、クラークとの連携機能が充実した電子カルテを選ぶことも重要です。

【看護師】タブレット連携でベッドサイド入力

看護業務は病室への移動が多く、ナースステーションにあるデスクトップPCだけでは効率が悪くなりがちです。「バイタル測定の結果をメモし、後でまとめてPCに入力する」という二度手間は、転記ミスの原因にもなります。

この課題を解決するのが、タブレット端末やスマートフォンと連携したモバイル運用です。ベッドサイドで測定したバイタル値や観察記録をその場で入力できれば、情報はリアルタイムに共有され、残業時間の削減にも寄与します。また、カメラ機能を使って患部の写真を撮影し、そのままカルテに保存することも可能です。

次の表では、従来の据え置き型PCのみの運用と、タブレット連携を行った場合の看護業務の変化を比較しています。

業務フロー 据え置き型PCのみ(従来) タブレット連携あり(改善後)
バイタル入力 メモに記録し、ステーションに戻って転記 ベッドサイドで直接入力し完了
情報収集 印刷したワークシートを持ち歩く 端末で最新のオーダー・経過を確認
画像記録 デジカメで撮影し、SDカード経由で取り込み タブレットで撮影し、即座にアップロード
3点認証 目視確認のみの場合が多い バーコード読取で患者・薬剤・実施者を照合

このように、場所を選ばない入力環境を整えることは、業務効率化だけでなく、医療安全の確保(誤認防止)にも大きな効果を発揮します。

【事務】ショートカットキーで会計処理を高速化

医療事務にとって、電子カルテ(医事会計システム)の操作スピードは、患者の待ち時間に直結する重要な要素です。特に会計入力やレセプト点検業務では、マウスを行き来させる操作がタイムロスの原因となります。

熟練したスタッフは、マウスを使わずキーボードの「ショートカットキー」を駆使して操作を行います。多くのシステムでは、以下のようなキー割り当てが設定されています(製品により異なります)。

  • F1~F12キー: 「登録」「検索」「クリア」「画面切り替え」などの主要アクション
  • Tabキー / Enterキー: 入力カーソルの移動
  • Ctrl + S: 一時保存

導入初期の段階で、事務スタッフ向けに「ショートカットキー一覧表」を作成し、モニターの横に掲示しておくことをおすすめします。マウスから手を離さずに操作を完結できるようになれば、1人あたりの会計処理時間を数十秒単位で短縮でき、繁忙期の窓口混雑緩和に役立ちます。

電子カルテの導入事例7選|導入前の課題や導入後の効果を紹介【__current_year__年最新版】

5. 慌てないために知っておくトラブル対応とセキュリティ

電子カルテは診療の要となるシステムであるため、ひとたびトラブルが発生すると現場は大きな混乱に陥ります。しかし、事前に「何が起こりうるか」を想定し、具体的な対処手順を定めておくことで、被害を最小限に抑えることができます。ここでは、頻発するシステムトラブルへの初動対応と、患者情報を守るためのセキュリティ対策について解説します。

動作が重い・フリーズした時の対処法

日々の診療で最も多く遭遇するトラブルが、「画面が固まって動かない」「クリックしても反応が遅い」といった動作の不具合です。システム業者に問い合わせる前に、現場で以下の手順を試みることで、多くのケースは現場レベルで解消できることが少なくありません。

まず、特定の端末だけで起きているのか、院内全体で起きているのかを確認してください。特定の端末のみであれば、PC自体のメモリ不足やブラウザの一時的な不調が原因の可能性が高いです。

次の表では、症状別の一次対応手順をまとめています。

症状 想定される原因 現場で試すべき初動対応
画面が固まる(フリーズ) 一時的な処理落ち、メモリ不足

1. 開いている不要なタブやアプリを閉じる
2. ブラウザの「更新」ボタンを押す
3. PCを再起動する

動作が極端に遅い ブラウザのキャッシュ蓄積 ブラウザの「閲覧履歴データの削除(キャッシュクリア)」を実行する
文字入力ができない 入力モードの不具合 キーボードの接続確認、または日本語入力システム(IME)の再起動
ログインできない CapsLockの誤作動、サーバーメンテ CapsLockがオンになっていないか確認し、公式の障害情報をスマホで確認

特にクラウド型電子カルテの場合、Google Chromeなどのブラウザを利用するため、長期間ブラウザを開きっぱなしにしていると動作が重くなる傾向があります。業務終了時には必ずブラウザを閉じ、定期的にキャッシュをクリアする運用ルールを徹底しましょう。

ネットワーク障害と「紙カルテ」への切り替え

クラウド型電子カルテの普及に伴い、インターネット回線の障害は診療停止に直結する最大のリスク要因となりました。光回線の断線やプロバイダの通信障害に備え、二重三重のバックアップ体制を敷くことが不可欠です。

まず、メイン回線がダウンした際の予備回線(バックアップ回線)を確保してください。コストを抑える方法として、業務用のモバイルWi-Fiルーターを常備するか、医師やスタッフのスマートフォンによる「テザリング機能」を活用する準備をしておくと良いでしょう。総務省の「テレワークセキュリティガイドライン」でも、通信環境の確保と安全な接続方式について言及されています。

しかし、停電や大規模災害などで通信復旧の目処が立たない場合は、「紙カルテ運用」への切り替えを決断しなければなりません。

  • 準備しておくもの
    紙のカルテ用紙(1号紙・2号紙)、問診票、処方箋用紙、検査依頼伝票
  • 切り替えの基準
    「通信断から15分経過しても復旧しない場合は紙運用へ移行する」など、明確なタイムリミットを設定しておく

災害時でも診療を継続するための計画(BCP)を策定し、年に一度はスタッフ全員で「紙カルテ切り替え訓練」を実施することが推奨されます。

情報漏洩を防ぐ日常のセキュリティ対策

医療機関を狙ったサイバー攻撃は年々増加していますが、実は情報漏洩の原因の多くは、USBメモリの紛失や画面の覗き見といった「人的ミス(ヒューマンエラー)」によるものです。IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の「情報セキュリティ10大脅威 2024」でも、内部不正や不注意による情報漏洩が上位にランクインしています。

高度な技術的対策も重要ですが、まずは現場の運用ルールを徹底することがセキュリティ強化の第一歩です。以下の基本ルールを院内で共有し、習慣化させましょう。

  1. 離席時の画面ロック(クリアスクリーン)診察室や受付を離れる際は、必ずWindowsキー+Lなどで画面をロックし、患者情報を第三者の目に触れさせないようにします。
  2. USBメモリの使用制限私物のUSBメモリの使用を禁止し、データの持ち出しを物理的に制限します。どうしても必要な場合は、暗号化機能付きの院内指定USBのみを使用します。
  3. ID・パスワードの管理「パスワードを書いた付箋をモニターに貼る」行為は厳禁です。また、複数人で一つのIDを使い回すと、誰が操作・閲覧したかのログ(証跡)が追えなくなるため、必ず個人ごとのIDを発行してください。

厚生労働省が定める「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」においても、これらの物理的・人的対策の重要性が強調されています。システム任せにせず、スタッフ一人ひとりが「個人情報を扱っている」という意識を持つことが、最強のセキュリティ対策となります。

comparison-table-meo

電子カルテの比較表を表示する

6. 診療スタイルに合わせて選ぶ!操作性に優れた電子カルテ3選

電子カルテの導入において、機能の豊富さと同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのが「操作性(使いやすさ)」です。どんなに高機能なシステムでも、現場のスタッフが使いこなせなければ宝の持ち腐れとなり、かえって業務効率を下げてしまいかねません。ここでは、特定の診療スタイルに特化したUI設計で「直感的な操作」を実現しているメーカーを厳選して紹介します。

失敗しない選び方:UIの見やすさとサポート体制

初めて電子カルテを導入する際、カタログスペックだけで判断するのは危険です。必ず実際のデモ画面を触り、以下のポイントを確認してください。特に、IT機器の操作に不安があるスタッフがいる場合は、サポート体制の充実度が製品選定の決定打となります。

次の表は、操作性重視で選ぶ際にチェックすべき項目をまとめたものです。

比較項目 チェックポイント なぜ重要か
ユーザーインターフェース (UI) マニュアルを読まなくても「次に何をすればいいか」が分かるか 直感的に操作できれば、新人スタッフの教育コストも削減できるため
入力支援機能 セット登録の呼び出しやすさ、AIによる学習機能の有無 入力工数を減らし、医師が患者と向き合う時間を確保するため
サポート体制 電話がつながりやすいか、チャットで気軽に質問できるか 診療中にトラブルが起きた際、即座に解決できないと診療が止まるため
マルチデバイス対応 iPadやスマートフォンで見やすく表示されるか 訪問診療や院内回診など、場所を選ばず操作できる柔軟性が必要なため

これらを踏まえ、初心者でも安心して使えるおすすめの製品を紹介します。

B4A(ビーフォーエー):予約から決済まで1画面で完結する操作性

株式会社B4A Technologiesが提供する「B4A」は、美容クリニックなどの自由診療に特化したクラウド型電子カルテです。最大の特徴は、予約管理・電子カルテ・会計・CRM(顧客管理)が完全に一体化しており、画面を行き来することなく業務が完結する点にあります。

「直感的に操作できる」をコンセプトに設計されており、予約カレンダーからドラッグ&ドロップで予約枠を調整したり、カルテ画面からワンクリックで会計へ進んだりと、マウス操作だけでスムーズに業務を進められます。新人スタッフでも短時間の研修で使いこなせるようになるため、教育コストの削減にも貢献します。

B4Aの料金、予約~決済まで業務効率化する手順を解説|自由診療向け電子カルテで導入院数 No.1【__current_year__年最新版】

homis(ホーミス):訪問診療の複雑な業務を可視化

メディカルインフォマティクス株式会社が提供する「homis」は、在宅医療・訪問診療に特化した電子カルテです。訪問診療特有の「複雑な訪問スケジュールの管理」や「多職種との情報連携」を、見やすいUIで強力にサポートします。

地図機能と連携したスケジュール作成画面は非常に操作性が高く、効率的なルート作成を支援します。また、移動中の車内や患者宅でもiPadなどでストレスなく入力できるよう最適化されており、オフライン環境でも閲覧・入力が可能です。事務作業の時間を大幅に短縮し、医療者が患者ケアに集中できる環境を作ります。

medicalforce(メディカルフォース):オールインワンで迷わないデザイン

株式会社メディカルフォースが提供する「medicalforce」は、美容クリニック・自由診療向けのオールインワン電子カルテです。予約・カルテ・会計に加え、LINE連携や経営分析機能まで一つのシステムに統合されています。

「誰でも使える、洗練されたデザイン」が特徴で、マニュアルを見なくても直感的に操作できるUI/UXが高く評価されています。複数のツールを使い分ける必要がないため、ログインやデータ連携の手間がなく、スタッフの操作ミスを減らすことができます。サポート体制も充実しており、導入後の定着まで伴走してくれる点も安心です。

メディカルフォースの料金・導入事例|自由診療の経営DXを加速【__current_year__年最新版】

7. 【まとめ】セット登録を見直し今すぐ快適な診療を実現しよう

電子カルテの導入直後は、慣れない操作や設定項目の多さに圧倒され、「紙カルテの方が早かった」と感じてしまう場面があるかもしれません。しかし、その「使いにくさ」の正体は、多くの場合、システムそのものの欠陥ではなく、自院の運用に合わせた「設定(カスタマイズ)」が不足していることにあります。

本記事で解説したように、電子カルテは導入して終わりではなく、使いながら「育てていく」ツールです。特に「セット登録(オーダーセット)」や「テンプレート」の整備は、診療効率を左右する最も重要な要素です。これらを活用し、入力を「文字を打つ作業」から「クリックして選ぶ作業」へとシフトさせることで、診療スピードは劇的に向上します。また、ショートカットキーの活用や、医師・看護師・事務スタッフ間の連携(タスク・シェア)も、チーム医療を円滑にする鍵となります。

まずは、今日診察した患者さんの中で最も多かった疾患を一つ選び、その処方セットを登録することから始めてみてください。その小さな設定の積み重ねが、将来的に何百時間もの業務時間を削減し、本来注力すべき「患者さんと向き合う時間」を創出してくれるはずです。操作に迷った際は、遠慮なくメーカーのサポートを頼り、プロの知恵を借りながら、自院にとって最高の診療環境を構築していきましょう。

経営管理システム14選

「電子カルテ」の製品比較表

※税込と表記されている場合を除き、全て税抜価格を記載しています

  • 製品名
  • 注目ポイント
  • 料金プラン
  • プラン名金額
  • 無料トライアル
  • 最低利用期間
  • 基本的な機能
    • 電子カルテ
    • ケアプラン作成
    • プロブレム記録
    • 検査結果ビューアー
    • 実施歴参照機能
    • 処方監査
    • 手書き入力
    • 処置行為自動学習
    • ToDoリスト
    • マルチデバイス対応
    • レセプト対応
    • カルテ編集
    • 院内連絡
    • 診療システム切替
    • 予約機能
    • 訪問スケジュール管理
    • 適応・禁忌チェック
    • 診療・投薬履歴管理
    • 院内検査項目管理
    • 文書管理
    • データ連携
  • サービス資料
  • 無料ダウンロード
  • ソフト種別
  • サポート
在宅医開発のカルテ
導入費用 homis導入200,000円 ・ORCA導入100,000円
基本利用料 20,000円
備考
クリニック・月
ORCAサポート料 15,000円
備考
クリニック・月
従量課金 管理患者1名につき
備考
患者・月
制限なし
homis(在宅医療用電子カルテ)の資料サムネイル
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
医事一体型電子カルテ
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
Basic プラン 24,800円 (税込:27,280円)
備考
・導入時のWebによる操作指導(90分)1回
・チャットによるアフターサポート(回数無制限)
・FAQ、動画マニュアルの閲覧
Premium プラン 要相談
備考
導入作業の立会、運用コンサルティングなど、より充実したサポートをご用意しております。専門のスタッフがご希望に合ったプランをご提案いたします。
詳細についてはお気軽にお問い合わせください。
制限なし
Medicom クラウドカルテの資料サムネイル
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
充実の機能と操作性
初期費用 要相談
利用料金 要相談
要相談
Medicom-HRf Hybrid Cloudの資料サムネイル
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
自由診療特化DXツール
初期費用 0円
基本プラン 35,000円~
制限なし
B4A(ビーフォーエー)の資料サムネイル
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
継続率99%の安心感
初期費用 要問い合わせ
備考
資料ダウンロードで詳しい料金をチェックできます。
保守費用 要問い合わせ
備考
資料ダウンロードで詳しい料金をチェックできます。
制限なし
クラウド型ソフト オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
メディカルフォースの資料サムネイル
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用/更新費用 0円
月額費用 お問い合わせ
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
利用期間の制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
要相談 要相談
制限なし
オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 30,000円
備考
coming-soonへの登録に初期費用が掛かります。(複数店一括契約の割引あり)
KARTEフリー 0円 / 月
備考
coming-soonへの登録が必須で別途月額が掛かります。「ライト」13,000円/月、「スタンダート」21,000円/月
KARTEプラス 3,000円 / 月
備考
coming-soonへの登録が必須で別途月額が掛かります。「ライト」13,000円/月、「スタンダート」21,000円/月
KARTEエンタープライズ 10,000円 / 月
備考
coming-soonへの登録が必須で別途月額が掛かります。「ライト」13,000円/月、「スタンダート」21,000円/月
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 3,300円(税込)/月額
備考
標準サービスのみ
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
月額料金 3万円~
制限なし
SMARTCRM(スマートCRM)の資料サムネイル
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 500,000円
利用料金 40,000 円/月額
1年
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 400,000円~
利用料金 22,000円~/月額
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
最低利用期間制限なし
オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
パッケージ型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
1接続 20,000円/月額
備考
追加1接続当たり
5,000円/月額
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
ORCA連動型プラン 11,800円~/月額
レセコン一体型プラン 24,800円~/月額
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 200,000円 〜
基本プラン 12,000円 / 月額
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
要相談 要相談
制限なし
なし 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
要相談 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
要相談 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
要相談 要相談
制限なし
オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 200,000円(税別)
月額費用 50,000円/月額(税別)
備考
基本5ユーザー
アカウント追加 2,000円/月額(税別)
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
なし 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
要相談 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /

価格や製品機能など、見やすい一覧表から、気になる製品をまとめてチェック!

よくある質問

電子カルテ操作を速くするコツはありますか?

ショートカットキー(コピー・貼り付け・元に戻す等)を使いこなし、定型文・テンプレートを組んでおくと操作時間を大幅に短縮できます。

よく使うカルテ内容を簡単に呼び出す方法は?

セット登録(処置+所見+薬剤)を自院仕様で作っておくと、ワンクリックで呼び出せて入力手間がぐっと減ります。

誤入力を防ぐための操作の工夫は?

入力前の確認モードや二重チェック、選択肢ドロップダウン、必須項目制御を活用することで誤入力リスクを下げられます。

過去カルテの情報を効率よく再利用するコツは?

過去のカルテを “DO(コピー)入力” で引き継ぎ、必要箇所だけ更新する方法を活用すれば、重複入力を避けられます。

電子カルテで便利な補助機能にはどんなものがありますか?

テンプレート機能、選択式入力、検索機能、音声入力・手書き入力対応などが補助機能として備わっており、操作を支援します。

タブレットやスマホで使うときの操作のコツは?

操作領域を広く取り、入力ボタンをタッチしやすくレイアウトを調整し、テンプレートを活用してタップで呼び出せる配置にするのがポイントです.

操作ミスでデータを消してしまった時の対処法は?

多くの電子カルテでは修正履歴(ログ)や削除復元機能があり、一定期間内なら元に戻せる仕様となっていることが多いです。

スタッフ全員が操作に慣れるためのコツは?

導入前研修、マニュアル整備、模擬入力、定期勉強会を繰り返すことで、全員が着実に使いこなせるようになります。

操作性が重く感じる時の改善方法は?

テンプレート整理、無関係な機能の非表示化、画面遷移の最適化、キャッシュ活用などを見直すと軽くなりやすいです。

音声入力機能を使うコツはありますか?

話すスピードを一定に保ち、専門用語を録音後修正する前提で使うと、認識誤りを減らしつつ効率化できます。

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