AI-OCRの導入事例10選｜導入前の課題や導入後の効果を紹介

本記事では、企業がAI-OCRを導入することで、どのような効果を得られたのかについて紹介します。導入した企業の業種と規模を確認し、導入前の課題から改善の施策、導入後の効果を知ることでAI-OCRを導入する際の参考にしましょう。

導入事例1：日本化学産業（導入製品：SmartRead）

FAX受注の登録業務にAI OCRを活用。登録ミスの大幅削減や業務の平準化だけでなくテレワークにも対応可能に

※出典：FAX受注の登録業務にAI OCRを活用。登録ミスの大幅削減や業務の平準化だけでなくテレワークにも対応可能に｜SmartRead

業種	企業規模
製造	301名-1000名

導入前の課題

日本化学産業では、受注登録業務においてFAX受注が主であり、注文書の手入力による工数や属人化の課題が存在していました。以前にOCRの導入を検討しましたが、認識精度の問題から見送られました。

改善の施策

SmartReadの導入により、注文書のデータ化業務を自動化し、工数や業務負担の軽減を図りました。FAX機の選定やデータ化方法の見直し、マニュアルの作成により業務の平準化を実施しました。

導入後の効果

SmartReadの導入により、受注登録のエラー件数の削減、業務の標準化、他業務のワークフローのスピードアップ、テレワークの実現に成功しました。手作業によるデータエントリーや目視確認の必要性が減り、受注登録のミスを大幅に減少させました。さらに、電子データによる伝達や在宅勤務の実現も可能となりました。

導入した製品：SmartRead

SmartReadの製品情報はこちら→ https://digi-mado.jp/products/17235/

SmartReadの事例一覧はこちら→https://digi-mado.jp/case/?prd_id[]=17235

導入事例2：鈴廣蒲鉾本店（導入製品：SmartRead）

AI OCRを活用し、「店舗宅配システム」を開発。商品の受注から宅配までの業務の効率化に成功

※出典：AI OCRを活用し、「店舗宅配システム」を開発。商品の受注から宅配までの業務の効率化に成功｜SmartRead

業種	企業規模
旅行・宿泊・飲食	301名-1000名

導入前の課題

業務改善の必要性により、商品の受注から宅配までの業務負担が課題となっていました。ピーク時には1日1000件の注文を受け、手作業で宅配伝票の照合や仕分けを行う必要がありました。また、手書きの申込書のデータ化も課題でした。

改善の施策

業務改善に向けて、タブレットの導入やAI OCR製品の検討が行われました。タブレットの導入では手書きの申込書をデータ化する試みがありましたが、多くのお客様が手書きで記入しました。そこでAI OCR製品の導入を検討し、識字率の検証や申込用紙の改善などを行いました。

導入後の効果

SmartReadの導入により、従業員からは業務の負担軽減と接客への集中が評価されました。具体的な効果として、お客様情報のデータ化やリアルタイムな受注・出荷情報の管理が可能となりました。申込書のデジタル化により、DMやメルマガの発信が行えるようになり、出荷業務の削減とお客様への接客に集中できる環境が整いました。

導入した製品：SmartRead

SmartReadの製品情報はこちら→ https://digi-mado.jp/products/17235/

SmartReadの事例一覧はこちら→https://digi-mado.jp/case/?prd_id[]=17235

導入事例3：株式会社三喜（導入製品：FormOCR v.8.0）

伝票処理にかかる時間が半分近くに大幅軽減

※出典：導入事例 | FormOCR | 株式会社三喜様

業種	企業規模
小売・流通	1,001名以上

導入前の課題

当社は、老朽化したOCR専用機の代替が必要となりました。以前使用していた機器は20年以上も経過し、保守も切れ、部品も入手困難な状態でした。手作業での入力対応もありましたが、1日あたり200～300枚の伝票では負担が大きく、効率的ではありませんでした。

改善の施策

当社では、主に納品伝票のデータ化にOCRを利用しています。以前は多くの伝票が集まり、OCRと手入力作業に追われていましたが、EDI伝票の導入により紙伝票を大幅に削減しました。ただし、EDIへの対応が難しいお取引先や新規のお取引先からは、まだまだ紙伝票が送られてきます。そのため、1カ月あたり6,000～7,000枚、1日あたり200～300枚の伝票に対しては、引き続きOCRが必要です。

導入後の効果

FormOCRの導入により、以下の効果がありました。

作業時間の半減：以前に比べてOCRによる伝票処理にかかる時間が半分近くまで短縮されました。
作業負担の軽減：画面と伝票を見比べる必要がなくなり、パソコン画面だけで作業できるため、作業負担が大幅に軽減されました。さらに、FormOCRのデータチェック機能により、数値の検算が可能となり、伝票の確認作業のストレスも減少しました。

導入した製品：FormOCR v.8.0

FormOCR v.8.0の製品情報はこちら→https://digi-mado.jp/products/53446/

FormOCR v.8.0の事例一覧はこちら→https://digi-mado.jp/case/?prd_id[]=53446

導入事例4：キヤノンシステムアンドサポート株式会社
（導入製品：AI帳票OCR）

受注伝票の確認作業を70％削減した成功の秘訣とは？～お客様への確実なサービス提供に貢献する「帳票OCR」～

※出典：キヤノンシステムアンドサポート株式会社様 | 導入事例 | AI-OCR対応ソフト「AI帳票OCR Ver.9（WisOCR）」」 | Panasonic

業種	企業規模
IT・情報通信	1,001名以上

導入前の課題

キヤノンシステムアンドサポート株式会社の管理本部には東西の業務センターがあり、受発注業務を担当しています。しかし、膨大な作業量による処理ミスや確認作業の負荷が問題となっていました。営業拠点から送られてくる伝票の個別ナンバーの把握が困難であり、人手による目視チェックが必要でした。これにより時間と精度の面での課題が生じていました。

改善の施策

この課題を解決するために基幹システムにソフトウェアを組み合わせることが必要でした。そこでパナソニックの帳票OCRソフトウェア「帳票OCR」を検討し、無料お試し期間を利用して検証作業を開始しました。営業拠点から送られる伝票の番号を「帳票OCR」でテキスト化し、基幹システムからの処理済みデータと照合することで確認作業を効率化しました。

導入後の効果

「帳票OCR」の導入により、処理ミスがゼロになり、確認作業の時間も約70％削減されました。個別ナンバーのテキスト化により、作業品質が向上し、業務効率化が実現されました。この効果が評価され、同社の業務効率化プロジェクトとして「事業部長賞」を受賞しました。

導入した製品：AI帳票OCR

AI帳票OCRの製品情報はこちら→ https://digi-mado.jp/products/18105/

AI帳票OCRの事例一覧はこちら→ https://digi-mado.jp/case/?prd_id[]=18105

導入事例5：株式会社アルム（導入製品：AIスキャンロボ）

AIスキャンロボ導入の決め手「スピーディーなレスポンスとコストパフォーマンス」

※出典：ネスレ日本株式会社｜お客様の声｜AI-OCR｜ネットスマイル AIスキャンロボ

業種	企業規模
旅行・宿泊・飲食	1001名以上

導入前の課題

ネスレは、FAXによる発注書の処理方法に改善の必要性を感じていました。2019年3月にネスレ標準のツールを導入しましたが、そのツールにはいくつかの課題が存在しました。まず、日本語や漢字の読み取り精度が不十分であり、また、日本の商習慣による例外に対応できないという問題がありました。例えば、同じ出荷先でも製品によって帳合先が異なるケースがありました。これらの例外は自社で開発したスクリプトで対応しましたが、改善が求められていました。

改善の施策

ネスレは、他のツールを探す中でネットスマイルにたどり着きました。ネスレ標準のツールでは解決できなかった課題に対応できる可能性があったため、ネットスマイルのサービスを検討しました。ネスレは、インターネットで検索し、複数の類似サービスに問い合わせをしましたが、ネットスマイルの担当者からのレスポンスが迅速であったため、最終的にネットスマイルを選択しました。

導入後の効果

「AIスキャンロボ®」の導入により、ネスレはいくつかの課題を解決することができました。手入力の必要性がなくなったため、処理時間を半減させることができました。さらに、日本の商習慣による例外の処理もシステムによって行われるようになり、発注内容の誤入力がなくなり、入力の正確性が向上しました。現在、2つの部署で「AIスキャンロボ®」を使用しており、1つの部署ではトライアル中です。ネスレは、他の部署でもニーズがある場合には広範に導入する予定です。

導入した製品：AIスキャンロボ

AIスキャンロボの製品情報はこちら→ https://digi-mado.jp/products/17198/

AIスキャンロボの事例一覧はこちら→https://digi-mado.jp/case/?prd_id[]=17198

導入事例6：埼玉大学（導入製品：e.Typist）

ユーザー導入事例：埼玉大学島村徹也教授様

※出典：ユーザー導入事例：埼玉大学島村徹也教授 | メディアドライブ

業種	企業規模
公共機関・非営利団体	21名-50名

導入前の課題

私の研究室は、長い歴史を持つものの、研究成果や参考文献は紙の形で保存されていました。このため、必要な情報を探す作業は手間がかかり、労力を要するものでした。

改善の施策

そこで、私はオーバーヘッドタイプスキャナ「ScanSnap SV600」と活字OCRソフトウェア「e.Typist v.15.0」を導入しました。SV600は裁断不要で本や資料をスキャンできる優れた機器であり、e.Typistは高品質なOCR処理を提供しています。

導入後の効果

これらの導入により、研究室の資料は効率的に電子化されるようになりました。SV600の利用により、重い本をページごとに裁断する手間が省け、作業効率が向上しました。また、SV600のソフトウェアによるページ補正機能により、歪んだ文字も補正され、視認性が向上しました。

さらに、e.TypistによるOCR処理により、電子化された資料は検索可能な透明テキスト付PDFとして保存されます。これにより、必要な文献を瞬時に検索し参照することが可能となり、資料の探し手間が大幅に削減されました。

これらの改善策により、学生たちも研究活動において大いに助けられています。電子化された資料は文献調査や論文作成などの作業において効率的に活用され、作業の効率が大幅に改善されました。

導入した製品：e.Typist

e.Typistの製品情報はこちら→https://digi-mado.jp/products/17547/

e.Typistの事例一覧はこちら→https://digi-mado.jp/case/?prd_id[]=17547

導入事例7：株式会社住友倉庫（導入製品：FlexiCapture）

インボイスの処理時間が10分の1まで短縮企業のデジタルトランスフォーメーションを支える ABBYY FlexiCapture®

※出典：インボイスの処理時間が10分の1まで短縮企業のデジタルトランスフォーメーションを支えるABBYY FlexiCapture® – ABBYY 事例紹介

業種	企業規模
小売・流通	1,001名以上

導入前の課題

通関業務においては、インボイスの不規則なフォーマットや多くのチェック工数が課題となっていました。作業は時間と精度の両面で要求され、人手に頼る限界もありました。ミスや遅延は物流スケジュールに悪影響を及ぼし、余分なコストや迷惑を引き起こす可能性がありました。

改善の施策

AI-OCR技術を導入することで、通関業務の効率化を図ることが提案されました。最新のテクノロジーを活用し、インボイスごとに対応するAI-OCRを採用することで、フォーマットの異なるインボイスの特徴を正確に読み取り、データ入力に変換することが可能となりました。そのため、時間と工数を大幅に削減し、スピードと正確性を両立させることができました。

導入後の効果

導入後、ABBYY FlexiCaptureを活用したインボイスの処理時間が大幅に短縮されました。以前は40分以上かかっていた業務が、わずか4分程度にまで短縮され、月間では約100時間の削減効果を実現しました。これにより、作業中のスタッフは他の業務に集中できるようになり、生産性が向上しました。また、FlexiCaptureの導入により、業務の標準化も促進され、引継ぎや修正作業が容易となりました。

導入した製品：FlexiCapture

FlexiCaptureの製品情報はこちら→https://digi-mado.jp/products/17539/

FlexiCaptureの事例一覧はこちら→https://digi-mado.jp/case/?prd_id[]=17539

導入事例8：MS&AD事務サービス株式会社（導入製品：DX suite）

MS&AD事務サービス株式会社

※出典：MS&AD事務サービス株式会社｜ DX Suite ｜最高のAI-OCRを。

業種	企業規模
金融	1001名以上

導入前の課題

以前は紙での処理が主であり、業務の切り分けや同時進行が困難でした。業務の手順に順守が必要であり、処理時間と教育コストが増加していました。また、読み取りにくい文字による相談やストレスも発生していました。保険業界全体のデジタル化が進んでおらず、手書き文字の帳票がまだ使用されていました。

改善の施策

DX Suiteの導入により、業務フローをオンライン上のPDFへ置き換えることで改善を図りました。AI-OCRを活用し、データ補正業務を在宅勤務でも行えるようにしました。業務の細分化と平行処理の実現により、業務の効率化を図りました。データ補正業務の在宅作業が可能となり、業務の同時進行が実現しました。さらに、DX Suiteの高い読取精度により、読み取りにくい文字による相談やストレスが減少しました。

導入後の効果

導入により年間で40,000時間の業務時間を削減しました。11名のコスト削減と経験豊かな即戦力の異動により、新規採用の必要性がなくなりました。業務処理時間も大幅に短縮され、自賠責の申請業務の時間は約90,000時間から50,000時間へと削減されました。さらに、パートナー社員のストレスも減少しました。

保険業界のデジタル化は必要不可欠であり、手書き文字の帳票をデータ化するAI-OCR技術の活用を積極的に推進しています。今回の取り組みで事務処理のデジタル基盤を構築し、そのノウハウをさまざまな業務に展開することを目標としています。保険会社の生産性向上と生存のためにデジタル化は避けられない道と考えています。