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KNIMEの料金・活用事例・導入手順を徹底解説【2025年最新版】

「テキストマイニングツール」の製品比較表

※税込と表記されている場合を除き、全て税抜価格を記載しています

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1hでインサイト発見
初期費用 要相談
月額費用/利用料金 要相談
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利用規模や機能に応じて個別見積もりです。
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クラウド型ソフト パッケージ型ソフト 
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利用料 0円
なし
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初期費用 要相談
利用料 要相談
オプション 要相談
なし
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初期費用 要相談
利用料金 要相談
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要相談 要相談
制限なし
なし 
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高機能テキストマイニング ACサービス(Analytical Components) (CPU:4core / MEM:16GB)初期費用 250,000円
高機能テキストマイニング ACサービス(Analytical Components) (CPU:4core / MEM:16GB) 100,000円/月額
高機能テキストマイニング ACサービス(Analytical Components)with VOC 初期費用 250,000円
高機能テキストマイニング ACサービス(Analytical Components)with VOC 150,000円/月額
機械学習対応テキストマイニング oneWEXサービス 初期費用 300,000円
機械学習対応テキストマイニング oneWEXサービス 184,000円/月額
機械学習対応テキストマイニング oneWEXサービス with VOC 初期費用 300,000円
機械学習対応テキストマイニング oneWEXサービス with VOC 234,000円/月額
統合型検索エンジン FCサービス(Foundational Components)初期費用 300,000円
統合型検索エンジン FCサービス(Foundational Components) 230,000円/月額
制限なし
クラウド型ソフト 
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初期費用 0円
月額利用料金 250,000円~/月額
備考
問合わせ後にヒアリング
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
初回2ヶ月トライアル 150,000円/月額
備考
データ上限2GB
ユーザー2アカウント
年間契約プラン 300,000円/月額
備考
データ上限4GB
ユーザー10アカウント
音声テキスト化:+10万円/月
市場分析レポート:+50万円~/回
1年
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
スタンダードコース 要相談
備考
ユーザー数:3~
標準機能のみ
エンタープライズコース 要相談
備考
ユーザー数:5~
オプション追加可能
6か月
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
備考
問合わせ後にヒアリング
制限なし
オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
備考
問い合わせの後ヒアリング
制限なし
クラウド型ソフト オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 200,000円
基本プラン(1名利用) 100,000円
基本プラン(2~5名利用) 120,000円
基本プラン(6名以上) 130,000円
備考
6名以上での利用は+10,000円/1名
6か月
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クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
見える化エンジン基本プラン 要相談
見える化エンジン+コンサルティング 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /

価格や製品機能など、見やすい一覧表から、気になる製品をまとめてチェック!

目次

毎月のレポート作成やデータ集計といった繰り返し作業に、貴重な時間を費やしていませんか?「KNIME(ナイム)」は、プログラミングの知識がなくても、マウス操作だけでこれらの定型業務を自動化できる無料のデータ分析プラットフォームです。これまでExcelの関数やマクロで対応していた複雑な処理も、KNIMEなら直感的な操作で実現可能。この記事を読めば、あなたの手作業をなくし、より付加価値の高い業務へシフトするための第一歩が分かります。

1.  無料ツール「KNIME」で始める業務自動化

毎月のレポート作成、複数ファイルからのデータ集計、手作業でのデータ整形…。そんな繰り返し作業に多くの時間を奪われていませんか?もしプログラミング知識がなくても、無料でその業務を自動化できるツールがあるとしたら、知りたくないでしょうか。この記事では、そんなあなたの悩みを解決する「KNIME(ナイム)」について、何ができるのか、どうやって始めるのかを分かりやすく解説します。

1-1. 繰り返されるデータ集計・加工作業の限界

Excelは便利なツールですが、データ量や処理が複雑になると限界が見えてきます。特に手作業でのデータ集計や加工は、大きなリスクをはらんでいます。

主な課題は以下の3点です。

  • パフォーマンスの低下
    データ量が数万行を超え、VLOOKUP関数などを多用すると、動作が極端に遅くなったりPCがフリーズしたりし、業務効率が著しく低下します。
  • ヒューマンエラー
    手作業のコピー&ペーストやフィルター操作にはミスがつきもので、それがレポート数値の誤差となり、経営判断を誤らせるリスクがあります。
  • 業務の属人化
    特定の担当者だけが分かる複雑なマクロ(VBA)や関数は「秘伝のタレ」となりがちです。これらがブラックボックス化すると、担当者の異動や退職によって業務が止まってしまう深刻なリスクを生みます。

次の表では、Excelによる手作業が抱える主な課題とそのビジネスへの影響をまとめています。

課題の種類 具体的な事象例 ビジネスへの影響
パフォーマンス VLOOKUP関数の多用による動作遅延、ファイルの破損 生産性の低下、担当者の作業ストレス増大
品質・信頼性 コピー&ペーストのミス、計算式の誤設定、更新漏れ レポート数値の信頼性低下、誤った意思決定
属人化・継続性 特定の担当者しか改修できない複雑なマクロや関数 業務停滞リスク、引き継ぎコストの増大

これらの課題を放置することは、企業のデータ活用推進において大きな足かせとなります。

1-2. 解決策はノーコードツール「KNIME」

前述したようなExcel業務の限界を突破する解決策として、今注目されているのが「KNIME」(ナイム)のようなノーコード・ローコードツールです。KNIMEは、プログラミングの知識がなくても、マウス操作だけでデータ処理のプロセスを自動化できるデータ分析プラットフォームです。

これまでマクロ(VBA)を書かなければ実現できなかったような複雑な処理も、KNIMEを使えば、機能を持ったブロック(ノード)を線でつないでいくだけで構築できます。この直感的な操作性は、エンジニアではないビジネス部門の担当者が自ら業務改善を進める「市民開発」を力強く後押しします。

この記事では、KNIMEがどのようなツールなのかという基本的な知識から、具体的な活用法、そして実際に使い始めるための導入手順まで、一つひとつ丁寧に解説していきます。読み終える頃には、あなたの定型業務を自動化するための具体的な第一歩が見えているはずです。

以下の表は、Excelが抱える課題に対してKNIMEがどのように貢献できるかを比較したものです。

Excelでの課題 KNIMEによる解決策
手作業によるデータ集計・加工 データ処理のプロセス(ワークフロー)を構築し、完全自動化を実現
データ量の増加に伴うパフォーマンス低下 大容量のデータでも安定して高速に処理できる設計
処理プロセスのブラックボックス化・属人化 処理の流れが視覚的に可視化され、誰でも内容を理解・修正可能

KNIMEを導入することで、これまで単純作業に費やしていた時間を削減し、より付加価値の高い分析や考察といった本来注力すべき業務に時間を使うことが可能になります。

2. KNIMEとは?無料で使えるデータ分析・自動化プラットフォーム

KNIMEの全体像を理解いただくために、まず押さえるべきは「ノーコード」「無料」「オープンソース」という3つの大きな特徴です。これらの特徴が、プログラミング経験のないビジネスパーソンからデータサイエンティストまで、幅広い層にKNIMEが選ばれている理由を解き明かす鍵となります。

2-1. マウス操作で処理を構築する「ビジュアルプログラミング」

KNIMEの最大の特徴は、プログラミングコードを一切書くことなく、マウス操作だけでデータ処理の流れを構築できる「ビジュアルプログラミング」というアプローチを採用している点です。

具体的には、「ノード(Node)」と呼ばれる一つひとつの機能(例:「Excelファイルを読む」「データを結合する」「グラフを作成する」など)を持つブロックを、画面上にドラッグ&ドロップで配置します。そして、それらのノードを線でつなぐことで、一連のデータ処理の流れである「ワークフロー(Workflow)」を作成します。

この方法の大きなメリットは、処理の全体像が視覚的に分かりやすいことです。誰が作成したワークフローであっても、データの流れと処理内容が一目瞭然であるため、業務の引き継ぎや複数人での共同作業がスムーズに行えます。複雑なコードを読み解く必要がなく、業務のブラックボックス化や属人化を防ぐ効果が期待できます。

knime-infocom.jp
引用 – KNIME|データの連携・統合・分析を自動化するオープンソースプラットフォーム

以下の表で、KNIMEのワークフローを構成する基本的な要素を解説します。

要素の名称 役割と特徴 ユーザーにとってのメリット
ワークフロー データ処理全体の設計図。ノードをつなぎ合わせて作成する 処理の全体像を視覚的に把握できる、再利用や共有が容易
ノード 個々の機能を持つ部品。数千種類が用意されている 豊富な機能から必要なものを選択するだけで高度な処理を実現できる
コネクタ ノード間をつなぐ線。データの流れる方向を示す データの流れが明確になり、処理の論理的な関係を理解しやすい

このように、まるで料理のレシピを組み立てるかのように直感的にデータ処理を設計できる点が、KNIMEの大きな魅力です。

2-2. なぜ無料?機能制限なしの「オープンソース」

「これだけの機能がなぜ無料で使えるのか?」と疑問に思われるかもしれません。その理由は、KNIMEが「オープンソースソフトウェア(OSS)」として開発・提供されているためです。OSSはプログラムの設計図(ソースコード)が公開されており、誰でも無償で利用、改良、再配布が許可されています。このライセンス形態により、基本となるデスクトップ版「KNIME Analytics Platform」は、個人・商用を問わず、全機能が期間無制限で無料で利用可能です。

そのため、企業は初期投資ゼロでデータ分析や自動化をスモールスタートできます。一方で、チームでの共同作業や高度な管理、セキュリティが求められる場合には、有償のエンタープライズ向け製品「KNIME Business Hub」も用意されています。
次の表で両者の主な違いを比較します。

比較項目 KNIME Analytics Platform(無料版) KNIME Business Hub(有償版)
対象ユーザー 個人、小規模チーム 企業、大規模な分析チーム
主な目的 個人のPC上でのデータ分析・ワークフロー作成 チームでの共同作業、ワークフローの共有・管理、本番運用
価格 無料 有料(サブスクリプション)
共同作業機能 限定的(ファイルの共有など) ワークフローのバージョン管理、アクセス権設定など高度な機能
自動実行 個人のPC上でのみ可能 サーバー上でのスケジュール実行、API経由での実行が可能

無料版で個人の業務効率化から始め、組織的なデータ活用へとステップアップしていく際に、有償版へのスムーズな移行パスが用意されている点もKNIMEの強みです。

2-3. 世界中の企業とユーザーが支える信頼性

無料のオープンソースと聞くと、「ビジネスで利用しても本当に大丈夫だろうか?」という懸念を持つ方もいらっしゃるかもしれません。しかし、KNIMEは世界中の多くの企業で導入されており、その信頼性は高く評価されています。

その信頼性は第三者機関からも高く評価されています。例えば、IT分野の調査・コンサルティング会社であるガートナー社は、「2023 Gartner® Magic Quadrant™ for Data Science and Machine Learning Platforms」において、KNIMEを「リーダー」の一角として位置付けており、そのビジョンと実行能力を高く評価しています。

また、活発なユーザーコミュニティの存在もKNIMEの信頼性を支える大きな要素です。

  • KNIME Forum: 世界中のユーザーが質問や情報交換を行う公式フォーラム
  • KNIME Hub: ユーザーが作成したワークフローやコンポーネントを共有・再利用できるプラットフォーム

これらのコミュニティを通じて、ユーザーは互いに問題を解決し、ベストプラクティスを学ぶことができます。

以下の表は、KNIMEの信頼性を支える3つの柱をまとめたものです。

信頼性を支える要素 具体的な内容 ユーザーにとっての価値
豊富な導入実績 世界中の大手企業から国内企業まで、幅広い導入事例 自社と同様の課題を持つ企業の成功事例を参考にできる安心感
第三者機関からの評価 ガートナー社などの大手調査会社による客観的な高評価 中立的な立場からの評価により、製品の能力を客観的に判断できる
活発なコミュニティ フォーラムでのQ&A、Hubでのワークフロー共有 不明点を質問・解決しやすく、他のユーザーの知見を活用できる

このように、豊富な導入実績、客観的な評価、そしてユーザー同士の支え合いが、無料でありながらエンタープライズレベルの要求にも応えるKNIMEの信頼性を確固たるものにしています。

3. 【こんな業務が自動化できる】KNIMEの具体的な活用事例3選

KNIMEが持つポテンシャルをより具体的にご理解いただくため、多くの企業で共通して見られる業務課題をKNIMEがどのように解決するのか、3つの代表的な活用シーンに沿って解説します。特に、多くのビジネスパーソンが多くの時間を費やしている定型的なレポート作成業務から、より高度なデータ分析まで、導入後の姿を鮮明にイメージしてみてください。

事例①:月次レポート作成の自動化

「毎月、複数のシステムからデータを抽出し、Excelで集計して報告書を作成する」――これは、多くの部署で見られる光景ではないでしょうか。このプロセスは時間がかかるだけでなく、手作業によるミスも発生しやすいため、多くの担当者を悩ませています。

例えば、販売管理システムからの売上実績、Web解析ツールからのアクセスデータ、経理システムからの経費データなど、別々のCSVやExcelファイルを手作業で結合し、ピボットテーブルを駆使して集計する作業を想像してみてください。KNIMEを使えば、この一連の流れを一度ワークフローとして構築するだけで、翌月からはボタン一つで完了させることが可能です。

実際に、全日本空輸(ANA)グループのITを担う「ANAシステムズ株式会社」では、従来人手で数日かけていた運航実績データの集計・加工作業にKNIMEを導入しました。その結果、作業時間をほぼゼロにまで削減することに成功し、創出された時間をデータ分析や改善施策の検討といった、より付加価値の高い業務に充てられるようになったと報告されています。

次の表は、手作業によるレポート作成とKNIMEによる自動化のプロセスを比較したものです。

プロセス 手作業(Excel)での典型的な流れ KNIMEによる自動化ワークフロー
データ収集 各システムから手動でファイルをダウンロード Excel ReaderCSV Readerノードでファイルを自動読み込み
データ結合 VLOOKUP関数やコピー&ペーストで複数シートを結合 Joinerノードでキー項目を基にデータを自動で結合
データ集計 ピボットテーブルやSUMIF関数で項目別に集計 GroupByノードで必要な項目を瞬時に集計
レポート出力 集計結果を整形し、グラフを作成して報告書に貼り付け Excel Writerノードで定型のフォーマットに結果を自動出力

この比較から、KNIMEが手作業のプロセスをそのまま自動化し、担当者を毎月の繰り返し作業から解放する強力なツールであることがお分かりいただけるでしょう。

事例②:手作業によるデータ整形の撲滅

データ分析を行う際、その前処理として多くの時間を要するのが「データクレンジング」です。データクレンジングとは、表記のゆれ、不要な文字、データ形式の不統一などを整え、データの品質を高める作業を指します。この地道な作業が、分析結果の精度を大きく左右します。

例えば、顧客リストに「(株)〇〇」と「株式会社〇〇」が混在していたり、住所データに不要なスペースが含まれていたり、日付が「2025/10/17」と「2025-10-17」の形式で入り混じっていたりするケースは頻繁に起こります。これらをExcelの関数や置換機能で一つひとつ手作業で修正するのは、非常に骨の折れる作業です。

KNIMEには、こうしたデータクレンジングを効率化するためのノードが豊富に用意されています。文字列を操作するString Manipulationノードや、条件に応じて値を変換するRule Engineノード、欠損値を処理するMissing Valueノードなどを組み合わせることで、一度ルールを定義すれば、大量のデータも一瞬で整形することが可能です。

以下の表に、代表的なデータクレンジングの作業と、それに対応するKNIMEのノードの例を挙げます。

クレンジング作業 「汚れた」データの例 対応するKNIMEノード(一例) ノードの役割
表記の統一 「(株)」「株式会社」の混在 String Manipulation, Rule Engine 文字列の置換や、条件に基づく値の書き換え
不要な文字の削除 ” ABC “(前後の半角スペース) String Manipulation 文字列から空白や特定の文字を削除
データ形式の変換 “2025年10月17日”(文字列) String to Date&Time 文字列形式の日付を、計算可能な日付形式に変換
欠損値の処理 空白のセル Missing Value 空白セルをゼロや平均値などで補完

これらの処理をワークフローとして保存しておけば、いつでも同じ品質基準でデータを整形でき、分析業務の効率と精度を大幅に向上させることができます。

事例③:データに基づいた予測モデルの構築

KNIMEの活用範囲は、業務の自動化やデータ整形だけにとどまりません。専門家でなくても、機械学習(ML)を活用した予測モデルの構築に挑戦できることも大きな魅力です。

例えば、「過去の購買データから、次に特定の商品を購入してくれる可能性が高い顧客を予測する」「過去の気象データと売上実績から、将来の売上を予測する」といったことが、プログラミングの知識なしに実現できます。これは、データに基づいた科学的な意思決定、いわゆるデータドリブン経営への大きな一歩となります。

KNIMEには、機械学習モデルを構築するための一連のプロセス(データの準備、モデルの学習、性能評価)に対応したノードが標準で備わっています。

  • データを学習用と検証用に分割する Partitioning ノード
  • データから学習を行う Decision Tree Learner(決定木)などの学習ノード
  • 学習済みモデルで予測を行う Predictor ノード
  • モデルの精度を評価する Scorer ノード

これらのノードを順番につなぐことで、専門家が行うのと同じ手順で予測モデルを構築し、その精度を客観的に評価することが可能です。実際に製造業の現場では、製品の品質データから不良品が発生する条件を予測し、歩留まりを改善するといった活用が進んでいます。

次の表は、KNIMEで予測モデルを構築する際の基本的なステップをまとめたものです。

ステップ 主な内容 使用するKNIMEノード(一例) 目的
1. データ準備 分析に必要なデータを読み込み、クレンジングを行う File Reader, Missing Value, Normalizer モデルの学習に適した、品質の高いデータを用意する
2. モデル学習 データを学習用と検証用に分割し、学習用データでモデルを訓練する Partitioning, Decision Tree Learner データの中にあるパターンや法則性をモデルに学習させる
3. 予測の実行 学習させたモデルを使い、検証用データで予測を行う Decision Tree Predictor 未知のデータに対して、モデルが正しく結果を予測できるか試す
4. モデル評価 予測結果と実際の値を比較し、モデルの精度を評価する Scorer 作成したモデルがビジネスで実用的な精度を持つか客観的に判断する

このように、KNIMEはデータ活用の入り口である業務自動化から、その先にある高度なデータ分析までを、ワンストップで支援するプラットフォームなのです。

「テキストマイニングツール」の製品比較表

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高機能テキストマイニング ACサービス(Analytical Components) (CPU:4core / MEM:16GB) 100,000円/月額
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4. Excelや他ツールとの違いは?KNIMEのメリット・デメリット

KNIMEが強力なツールであることは間違いありませんが、導入を検討する上では、現在利用しているツールとの違いを正しく理解し、メリットとデメリットの両方を把握しておくことが重要です。ここでは特に、多くのビジネスパーソンにとって最も身近なExcel(VBAマクロを含む)と比較しながら、KNIMEの独自の強みと、導入前に知っておくべき注意点を客観的に解説します。

メリット①:処理がブラックボックス化せず、属人化を防止

ExcelのVBAマクロで構築された複雑な業務プロセスは、作成した担当者以外には解読が困難な「ブラックボックス」となり、業務の属人化を招く大きな原因となります。担当者の異動や退職によって業務が完全に停止してしまうリスクは、多くの企業が抱える課題です。

KNIMEの最大のメリットの一つは、この属人化を根本的に解消できる点にあります。KNIMEのビジュアルワークフローは、データの入力から加工、出力までの一連の流れが、処理のアイコンである「ノード」とそれをつなぐ線によって視覚的に表現されます。これは、いわば「処理の設計図」そのものであり、プログラミングコードのように専門知識がなくても、ワークフローを見れば誰でも「何をしているか」を直感的に理解できます。

この「プロセスの可視化」により、業務の引き継ぎが極めてスムーズになるほか、複数人での改善やメンテナンスも容易になります。

次の表は、処理プロセスのメンテナンス性について、ExcelのVBAマクロとKNIMEを比較したものです。

比較項目 Excel(VBAマクロ) KNIME(ワークフロー)
可読性 コードの知識が必要で、作成者以外には解読が困難な場合が多い 処理の流れが可視化されており、専門知識がなくても直感的に理解可能
修正の容易さ コードの特定箇所を修正する必要があり、影響範囲の特定が難しい 修正したい箇所のノードを入れ替えるだけでよく、影響範囲が明確
業務引き継ぎ 詳細なドキュメントがない限り、引き継ぎは非常に困難 ワークフロー自体がドキュメントの役割を果たし、引き継ぎが容易
必要な専門知識 VBAのプログラミングスキル データ処理の基本的なロジック(プログラミングは不要)

このように、KNIMEは組織全体の業務プロセスの標準化と、継続的な改善を力強くサポートします。

メリット②:PCが固まらない!大容量データも高速処理

Excelで数十万行を超えるデータを扱おうとした際に、ファイルの起動が遅くなったり、VLOOKUP関数を実行しただけでPCがフリーズしてしまったりした経験はありませんか。Excelは表計算ソフトとしては非常に優れていますが、本来、大量のデータを処理するために設計されたツールではありません。

これに対し、KNIMEは大容量データの処理を前提として設計されたデータ分析プラットフォームです。KNIMEは、データを効率的にメモリ上で管理する仕組みを持っているため、一般的なスペックのPCでも数百万行、数千万行といったデータを安定して高速に処理することが可能です。

例えば、これまでExcelでは分割しなければ扱えなかったサイズのデータも、KNIMEであれば一つのファイルとして読み込み、結合や集計、加工といった処理をストレスなく実行できます。これにより、分析対象のデータが大きくなるほど、Excelに対するKNIMEのパフォーマンス上の優位性は揺るぎないものになります。

以下の表で、データ処理能力に関するExcelとKNIMEの違いをまとめました。

項目 Microsoft Excel KNIME Analytics Platform
処理可能なデータ量 数万行を超えると動作が不安定になりやすい(PCのメモリ依存) 数百万行以上の大容量データも安定して処理可能
動作安定性 複雑な処理やデータ量の増加でフリーズするリスクが高い メモリ効率が良く、長時間のバッチ処理でも安定して動作
処理速度 関数やマクロの実行に時間がかかる場合がある データ処理に最適化されており、多くの処理を高速に実行

データ量の増加に悩まされている方にとって、この処理性能の高さはKNIMEを導入する大きな動機となるでしょう。

メリット③:4,000以上のノードと豊富な拡張機能

KNIMEが持つ強みは、そのスケーラビリティ(拡張性)の高さにもあります。基本的なデータ入出力や加工を行うノードだけでも数百種類が用意されていますが、さらに高度な機能を持つ「拡張機能(Extension)」を追加インストールすることで、その能力を飛躍的に高めることができます。

2025年現在、公式・非公式のものを合わせると4,000種類を超えるノードが利用可能であり、その範囲は多岐にわたります。

  • クラウド連携: Amazon S3, Google Cloud Storage, Microsoft Azureなど主要なクラウドストレージとのデータ連携
  • データベース接続: Oracle, SQL Server, PostgreSQLなど様々なデータベースへの接続と操作
  • テキスト分析: 文章から単語を抽出し、感情分析やトピック分類を行うテキストマイニング
  • AI・機械学習: PythonやRとの連携による高度な機械学習モデルの実装

「KNIME Hub」では、世界中のユーザーが作成した便利なワークフローやノードを探すことができ、これらを自身の分析に組み込むことも可能です。最初はExcelの自動化からスタートし、将来的にはクラウド上のデータと連携したAI予測モデルを構築するといった、組織のデータ活用レベルの成長に合わせてツールを拡張していける点は、他のツールにはない大きな魅力です。

次の表は、KNIMEの拡張機能で実現できることの一例です。

機能カテゴリ 主な拡張機能の例 具体的な活用シーン
クラウド連携 KNIME Amazon S3 Connection クラウドストレージ上のCSVファイルを直接読み込み、分析する
テキスト分析 KNIME Textprocessing 顧客アンケートの自由記述欄を分析し、製品改善のヒントを得る
BIツール連携 KNIME Tableau Integration KNIMEで前処理したデータをTableauのデータソースとして直接出力する
高度な分析 KNIME Python Integration Pythonの最新ライブラリを活用した機械学習モデルをワークフローに組み込む

このように、KNIMEはデータ活用のあらゆるニーズに応えることができる、非常に懐の深いプラットフォームです。

4-4. デメリット:日本語の情報と学習コスト

多くのメリットを持つKNIMEですが、導入前に考慮すべきデメリットも存在します。特に、日本のユーザーにとっては以下の2点がハードルとなる可能性があります。

第一に、日本語による情報の少なさです。KNIMEはドイツで開発されたソフトウェアであり、公式サイトのドキュメントや、世界中のユーザーが集う公式フォーラムでの議論は、そのほとんどが英語で行われています。ソフトウェアのUI(ユーザーインターフェース)は日本語化されていますが、エラーメッセージの解決策を探したり、特定のノードの高度な使い方を調べたりする際には、英語の情報を参照する必要が出てくる場面も少なくありません。

第二に、独自の操作感に慣れるための学習コストです。KNIMEは「ノーコード」ツールですが、「ノーラーニング(学習不要)」というわけではありません。Excelのようなセル単位の操作とは異なり、ワークフローという概念や、各ノードの役割と設定方法を理解するには、一定の学習時間が必要です。これまでのExcelの常識が通用しない部分もあるため、最初のうちは少し戸惑うかもしれません。

これらのデメリットへの対策を、以下の表にまとめます。

デメリット(課題) 具体的な内容 推奨される対策
日本語情報の少なさ 公式ドキュメントやフォーラムが英語中心である 国内代理店のWebサイトや技術ブログ、有償トレーニングを活用する
独自の操作感と学習コスト ワークフローの概念やノードの機能・設定を覚える必要がある 公式のサンプルワークフローを試したり、簡単な業務の自動化から着手したりして、少しずつ慣れていく

幸いなことに、これらのデメリットは克服することが可能です。次のセクションでは、これらの課題を乗り越え、KNIMEをスムーズに学び始めるための具体的な方法やリソースについて詳しく紹介していきます。

5. たった5分で完了!KNIMEのダウンロードとインストール手順

ここまでの解説でKNIMEに興味を持たれた方が、すぐにその機能を試せるよう、ダウンロードとインストールの手順を3つのステップに分けて具体的に解説します。専門的な知識は一切不要で、画面の指示に従うだけで5分程度で完了します。もちろん、料金は一切かかりません。

Step1:公式サイトへアクセスし、インストーラーをダウンロード

まずは、KNIME Analytics Platformのインストーラー(インストール用のプログラム)をご自身のPCにダウンロードします。

最初に、「KNIME公式サイトのダウンロードページ」へアクセスしてください。ページを開くと、多くの場合、お使いのPCのOS(オペレーティングシステム:WindowsやMacなど)が自動的に判別され、最適なインストーラーが表示されます。

表示されたOSが正しいことを確認し、最新の安定バージョンをダウンロードしましょう。ダウンロードボタンをクリックすると、ユーザー登録(氏名やメールアドレスの入力)を推奨する画面が表示されることがありますが、登録は任意であり、登録しなくてもダウンロードは可能です。アップデート情報などを受け取りたい方は登録をおすすめします。

次の表は、OSごとのインストーラーの選択基準をまとめたものです。ご自身の環境に合わせてご確認ください。

オペレーティングシステム 推奨されるインストーラー 注意点
Windows (64-bit) Windows (Microsoft) installer 現在、ほとんどのWindows PCは64-bit版です
macOS (Apple Silicon) macOS installer for Apple Silicon (arm64) M1, M2, M3チップなどを搭載したMacが対象です
macOS (Intel) macOS installer for Intel (x86_64) 上記以外のIntel製CPUを搭載したMacが対象です
Linux Linux installer ご利用のディストリビューションに合わせて選択してください

ダウンロードが完了したら、次のステップに進みます。

Step2:ダウンロードしたファイルでインストールを開始

インストーラーのダウンロードが完了したら、そのファイルを実行してPCにKNIMEをインストールします。一般的なソフトウェアのインストールと何ら変わらない、簡単なプロセスです。

まず、ダウンロードしたファイル(Windowsであれば.exe、macOSであれば.dmgという拡張子のファイル)を見つけ、ダブルクリックして起動してください。すると、インストールウィザードが開始されます。

ウィザードでは、以下のような画面が順番に表示されます。

  • Welcome: インストール開始の案内です。「Next」をクリックします。
  • License Agreement: 使用許諾契約が表示されます。内容を確認し、同意(I Agree)します。
  • Choose Install Location: インストール先のフォルダを指定します。特に理由がなければ、初期設定のまま変更する必要はありません。
  • Ready to Install: 最終確認画面です。「Install」をクリックすると、インストールが開始されます。

インストールには数分かかりますので、完了するまでしばらく待ちます。「Completed」や「Finish」といった表示が出れば、インストールは無事完了です。

以下の表は、インストールウィザードの主要な画面と推奨される操作をまとめたものです。基本的には初期設定のままで問題ありません。

ウィザードの画面 主な内容 推奨される操作
使用許諾契約 ソフトウェアの利用に関する規約の確認 内容を確認し「I Agree(同意する)」を選択
インストール先の選択 KNIMEをPCのどこにインストールするかの指定 変更せず、初期設定のまま「Next」をクリック
コンポーネントの選択 インストールする機能の選択(表示されない場合もある) すべて選択された状態のまま「Next」をクリック
インストール完了 インストールが正常に終了したことの通知 「Finish」をクリックしてウィザードを閉じる

Step3:初回起動とワークスペースの設定

インストールが完了したら、いよいよKNIMEを初めて起動します。初回起動時には、「ワークスペース」の設定という簡単な初期設定を行います。

まず、WindowsのスタートメニューやMacのアプリケーションフォルダからKNIME Analytics Platformのアイコンを探し、クリックして起動してください。

起動すると、「KNIME Analytics Platform Launcher」という小さなウィンドウが表示されます。ここで設定を求められるのが「ワークスペース(Workspace)」です。ワークスペースとは、今後あなたが作成するワークフローや、分析に使うデータファイルなどを保存しておくための、PC上の「専用フォルダ」のことです。プロジェクトごとにファイルを整理・管理するための重要な場所となります。

基本的には、初期設定で提案される場所(通常はユーザーフォルダ内)をそのまま利用して問題ありません。もし変更したい場合は、「Browse」ボタンから任意の場所に変更できます。場所を指定したら、「Launch」ボタンをクリックしてください。これでKNIMEのメイン画面が起動し、いつでも使える状態になります。

ワークスペースの設定に関する推奨事項を、以下の表にまとめました。

設定項目 推奨される設定 その理由
ワークスペースの場所 初期設定のまま、または自分で管理しやすい場所(例: C:\Users\YourName\knime-workspace 複数のプロジェクトを管理する際に、場所が明確だと整理しやすいため
デフォルトとして使用 「Use this as the default and do not ask again」にチェックを入れる 次回以降、このウィンドウを表示させずにスムーズに起動できるため
フォルダの命名規則 半角英数字で、スペースを含まない名前を推奨 他のツールとの連携や予期せぬエラーを避けるため、シンプルな名前が望ましい

これで、KNIMEを使い始めるためのすべての準備が整いました。

6. 独学でも安心!国内のサポート体制とおすすめ学習リソース

先のセクションでデメリットとして挙げた「日本語の情報不足」や「学習コスト」について、不安に感じられた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ご安心ください。KNIMEは日本国内でも利用者が増え続けており、独学でもスムーズに学習を進めるための環境が整いつつあります。ここでは、企業向けの公式サポートから無料で利用できる学習コンテンツまで、具体的な解決策を3つ紹介します。

6-1. 導入支援のプロフェッショナル「インフォコム株式会社」

企業として本格的にKNIMEの導入を検討する場合、最も心強い味方となるのが、KNIMEの国内正規代理店である「インフォコム株式会社」です。同社は、日本市場におけるKNIMEの普及を長年手掛けており、企業ユーザー向けの充実したサポート体制を構築しています。

特に、企業がKNIMEを導入・活用する上で直面しがちな課題に対して、以下のようなサービスを提供しています。

  • 日本語による有償トレーニング: KNIMEの基礎から応用までを体系的に学べる定期トレーニングコースを開催しています。集合研修やオンライン形式など、ニーズに合わせた受講が可能です。
  • 技術サポートサービス: 導入後の「困った」に対応する日本語でのテクニカルサポートを提供しています。専門スタッフに直接質問できるため、問題解決の時間を大幅に短縮できます。
  • 導入コンサルティング: これからデータ活用を始める企業や、特定の課題を解決したい企業に対し、要件定義からワークフローの構築支援まで、専門家が伴走してサポートします。

自社内でのスキル習得に時間をかけられない場合や、ミッションクリティカルな業務で利用する際には、こうしたプロフェッショナルによる支援を活用することが成功への近道となります。

以下の表は、インフォコム株式会社が提供する主な法人向けサービスをまとめたものです。

サービス種別 主な対象者 サービス内容
定期トレーニング KNIMEをこれから学ぶ個人・部門 KNIMEの基本操作から応用までを体系的に学べる研修プログラム
技術サポートサービス KNIMEを業務で利用している企業・部門 ワークフローのエラーや技術的な質問に関する日本語での問い合わせ対応
導入コンサルティング 全社的にKNIMEの導入を検討している企業 導入計画の策定、環境構築、PoC(概念実証)の支援、ワークフロー開発

6-2. まずはここから!無料で試せるサンプルワークフロー

KNIMEをインストールして、まず最初に取り組むべき最も効果的な学習法は、ソフトウェアに標準で搭載されている「サンプルワークフロー」を実際に動かしてみることです。

KNIMEをインストールすると、「EXAMPLES」という名前のサーバーが初期設定で接続されており、その中にはデータアクセス、データ加工(ETL)、分析、可視化といった様々なカテゴリ別に、数百ものサンプルワークフローが格納されています。。

サンプルワークフローを活用するメリットは数多くあります。

  • 特定の処理を実現するためのノードの組み合わせ方(ベストプラクティス)を学べる
  • 複雑なワークフローを分解することで、実践的なテクニックを盗める
  • サンプルの一部をコピー&ペーストして、自身のワークフロー作成に活かせる

まずは自身の業務に近いテーマのサンプルを見つけ、一つひとつのノードの設定を確認しながら実行してみることで、ワークフロー構築の感覚を効率的に掴むことができます。

初心者が最初に見るべき、おすすめのサンプルカテゴリを以下の表に示します。

おすすめのサンプルカテゴリ 学習できること こんな方におすすめ
01_Data_Access ExcelやCSVファイル、データベースなど様々なデータソースの読み込み方 まずは手持ちのデータをKNIMEに取り込みたい方
02_ETL_Data_Manipulation データの結合、集計、フィルタリング、並べ替えといった基本的なデータ加工 Excelでの手作業を自動化したいと考えている方
04_Analytics クラスタリングや回帰分析といった、基本的なデータ分析手法の実装方法 データの前処理だけでなく、分析まで挑戦してみたい方

6-3. 動画で学ぶなら「Udemy」の日本語講座

自分のペースで、より体系的に知識を習得したいと考える方には、オンライン学習プラットフォームを活用する方法もおすすめです。特に「Udemy」などのプラットフォームでは、有志の専門家が作成したKNIMEに関する日本語の講座が複数公開されています。

動画講座のメリットは、講師が実際にKNIMEを操作している画面を見ながら学習を進められる点です。書籍やWebサイトだけでは分かりにくい細かな操作のニュアンスや、ワークフローを構築していく際の思考プロセスを学ぶことができます。

多くは有償の講座ですが、セール期間中などを利用すれば比較的安価に購入できる場合も多く、書籍を1冊購入する程度のコストで、専門家から手ほどきを受けられると考えれば、非常にコストパフォーマンスの高い学習投資と言えるでしょう。

以下の表で、ここまで紹介した独学向けのリソースを比較します。ご自身の学習スタイルや目的に合わせて、最適な方法を組み合わせてみてください。

Schoo for Businessを徹底解説|料金・選ばれる理由・導入事例【__current_year__年最新】

学習リソース 費用の目安 特徴 メリット
公式サンプルワークフロー 無料 KNIMEに標準搭載されている豊富な実例集 すぐに始められる、プロの作り方を直接学べる
国内代理店のブログ/Webサイト 無料 日本語による最新情報や技術的なTIPSが豊富 日本のユーザーに特化した実践的な情報を得られる
Udemyなどの動画講座 有料(数千円~) 体系的に構成されたビデオコンテンツ 自分のペースで視覚的に学べる、実践的な演習課題が多い

7.【まとめ】まずは公式サイトから無料ダウンロードしよう

この記事では、プログラミング不要でデータ業務を自動化できる無料ツール「KNIME」について解説しました。KNIMEを使えば、これまで多くの時間を費やしてきた手作業のデータ集計や加工作業を自動化し、より創造的で付加価値の高い業務に時間を使うことができます。導入のハードルは非常に低いので、まずは公式サイトからダウンロードし、その可能性を体感してみてください。あなたのデータ業務が、今日から変わるかもしれません。

最後に、KNIMEがあなたのビジネスにもたらす価値と、今日から始めるべきアクションを改めて確認しましょう。

あなたが抱える課題 KNIMEによる解決策 まず踏み出すべき「第一歩」
時間のかかる手作業 ワークフローによる定型業務の完全自動化 毎月のレポート作成など、身近な業務の自動化に挑戦する
業務の属人化・ブラックボックス化 処理プロセスの可視化による業務の標準化と共有 豊富なサンプルワークフローを参考に、簡単な処理を組み立ててみる
高価なツール導入のコスト 全機能が無料で利用できるオープンソース 公式サイトから今すぐ無料ダウンロードして試してみる

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テキストマイニングツールの比較表を表示する

「テキストマイニングツール」の製品比較表

※税込と表記されている場合を除き、全て税抜価格を記載しています

  • 製品名
  • 注目ポイント
  • 料金プラン
  • プラン名金額
  • 無料トライアル
  • 最低利用期間
  • 基本的な機能
    • チャット対応
    • Excel出力
    • SNS対応
    • サマライズ
    • アンケート対応
    • 急騰ワード分析
    • AI搭載
    • ギャップ分析
    • 時系列表示
    • 購入理由マップ
    • サーモグラフ
    • 深堀分析
    • 辞書機能搭載
    • 感情マップ
    • ワードクラウド
    • 音声のテキスト化
    • ブログ・掲示板対応
    • モニタ調査対応
    • クロス集計
    • メール対応
    • セグメント
  • サービス資料
  • 無料ダウンロード
  • ソフト種別
  • サポート
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月額費用/利用料金 要相談
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利用規模や機能に応じて個別見積もりです。
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クラウド型ソフト パッケージ型ソフト 
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オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
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要相談 要相談
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なし 
電話 / メール / チャット /
高機能テキストマイニング ACサービス(Analytical Components) (CPU:4core / MEM:16GB)初期費用 250,000円
高機能テキストマイニング ACサービス(Analytical Components) (CPU:4core / MEM:16GB) 100,000円/月額
高機能テキストマイニング ACサービス(Analytical Components)with VOC 初期費用 250,000円
高機能テキストマイニング ACサービス(Analytical Components)with VOC 150,000円/月額
機械学習対応テキストマイニング oneWEXサービス 初期費用 300,000円
機械学習対応テキストマイニング oneWEXサービス 184,000円/月額
機械学習対応テキストマイニング oneWEXサービス with VOC 初期費用 300,000円
機械学習対応テキストマイニング oneWEXサービス with VOC 234,000円/月額
統合型検索エンジン FCサービス(Foundational Components)初期費用 300,000円
統合型検索エンジン FCサービス(Foundational Components) 230,000円/月額
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
月額利用料金 250,000円~/月額
備考
問合わせ後にヒアリング
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
初回2ヶ月トライアル 150,000円/月額
備考
データ上限2GB
ユーザー2アカウント
年間契約プラン 300,000円/月額
備考
データ上限4GB
ユーザー10アカウント
音声テキスト化:+10万円/月
市場分析レポート:+50万円~/回
1年
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
スタンダードコース 要相談
備考
ユーザー数:3~
標準機能のみ
エンタープライズコース 要相談
備考
ユーザー数:5~
オプション追加可能
6か月
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
備考
問合わせ後にヒアリング
制限なし
オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
クラウド型ソフト オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
備考
問い合わせの後ヒアリング
制限なし
クラウド型ソフト オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 200,000円
基本プラン(1名利用) 100,000円
基本プラン(2~5名利用) 120,000円
基本プラン(6名以上) 130,000円
備考
6名以上での利用は+10,000円/1名
6か月
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電話 / メール / チャット /
見える化エンジン基本プラン 要相談
見える化エンジン+コンサルティング 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /

価格や製品機能など、見やすい一覧表から、気になる製品をまとめてチェック!

よくある質問

KNIMEは完全に無料ですか?料金はかからないのでしょうか?

はい、基本となるデスクトップアプリケーション「KNIME Analytics Platform」は完全に無料です。オープンソースソフトウェアとして提供されており、個人利用・商用利用を問わず、機能制限やデータ量の制限、利用期間の制限なくすべての機能をご利用いただけます。初期費用やライセンス費用は一切かかりません。

プログラミングの知識が全くなくても使えますか?

はい、問題なくお使いいただけます。KNIMEはプログラミングコードを書く必要のない「ノーコード」ツールです。「ノード」と呼ばれる機能のブロックを線でつないで処理の流れ(ワークフロー)を構築するため、プログラミング経験がない方でも直感的にデータ処理を自動化できます。

KNIMEの学習は難しいですか?日本語の情報はありますか?

独自の操作方法に慣れるための学習は必要ですが、独学でも十分に習得可能です。ソフトウェア自体は日本語に対応しています。

Windowsだけでなく、Macでも利用できますか?

はい、ご利用いただけます。KNIMEはWindows、macOS(Intel版、Apple Silicon版)、Linuxに対応しており、公式サイトから各OS向けのインストーラーを無料でダウンロードできます。お使いのPC環境を問わず、同じ機能を利用することが可能です。

KNIMEはどのような企業が導入しているのでしょうか?

世界中の幅広い業種で導入されています。公式サイトではシーメンス社やファイザー社といったグローバル企業が紹介されています。日本国内でも、ANAシステムズ株式会社が運航実績データの集計作業を自動化したり、ヤマハ発動機株式会社がDX人材育成に活用したりするなど、多くの導入事例があります。

無料版と有料版では、具体的に何が違うのですか?

無料版は個人のPC上でデータ分析や自動化を行うためのすべての機能を備えています。有料版は無料版の機能に加え、チーム間でのワークフローの共有、バージョン管理、サーバー上での定期的な自動実行、アクセス権管理といった、組織的なデータ活用とガバナンスを強化するための機能が提供されます。

KNIMEは普段使っているExcelと比べて、何が優れているのですか?

Excelでは動作が遅くなるような数十万行以上のデータも、KNIMEなら安定して高速に処理できます。

KNIMEを導入することで具体的にどのような業務を自動化できますか?

代表的な例として複数のExcelやCSVファイルを自動で結合・集計し、定型のレポートを出力する。「(株)」「株式会社」の表記ゆれ統一や、不要なスペースの削除といったデータ整形作業。各システムからダウンロードしたデータを、BIツールが読み込める形式に自動で加工するなどです。

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