カオナビ導入事例7選｜評価業務の効率化や人材抜擢の成功実例を徹底解説【2025年最新】

2.【戦略人事・人材抜擢】データを活用し組織力を強化した導入事例2選

社員数が増加するにつれて、「誰がどこにいて、どのようなスキルを持っているか」が見えなくなる課題は多くの組織で発生します。ここでは、「カオナビ」を導入することで人材データベースを一元化し、客観的なデータに基づく抜擢人事や適材適所を実現した企業の取り組みを2選ご紹介します。

まずは、これら2つの事例における導入前の課題と導入後の成果を表で確認しましょう。

2.1. メルコパワーデバイス株式会社｜導入1年でスキル可視化と抜擢人事を実現

三菱電機グループの「メルコパワーデバイス株式会社」では、製造拠点における人材情報の管理と活用に課題を抱えていました。

導入前の課題

社員情報は紙やExcelで個別に管理されており、各拠点や部門ごとにデータが散在していました。そのため、全社横断的に「誰がどのような資格を持ち、どんな技術に長けているか」を把握することが極めて困難でした。結果として、人材配置が管理者の記憶や勘に依存してしまい、埋もれてしまっている優秀な人材や特殊スキルを持つ社員を見つけ出せないことが組織的な課題となっていました。

選定理由

PC操作に不慣れな現場の社員でも直感的に操作できる、「顔写真」中心のわかりやすいユーザーインターフェースである点が評価されました。また、サーバー構築などが不要なクラウド型であり、スモールスタートで手軽に導入できる点も採用の後押しとなりました。

導入後の効果

導入からわずか1年という短期間で、全社員の人材データベース構築を完了しました。社員の保有スキルや資格情報を「見える化」したことで、以前のような経験や勘のみに頼る人事から脱却し、客観的なデータに基づいた戦略的な人材配置が可能になりました。具体的には、若手社員の抜擢や、新規プロジェクトへの最適なメンバー選定がスムーズに行えるようになり、組織全体のパフォーマンス向上と活性化に大きく寄与しています。

2.2. 武田病院グループ｜グループ3,600名の情報を一元化し組織横断的な配置へ

京都府を中心に多数の医療施設を展開する「武田病院グループ」では、約3,600名の職員情報を管理する体制に限界を感じていました。

導入前の課題

グループ内に多数の病院・施設が点在しており、人事情報は各施設で個別に管理される「縦割り」の状態でした。そのため、グループ全体での人員構成や資格保有状況を横断的に把握するのに膨大な時間がかかり、組織の壁を越えた異動や配置転換を検討する際の大きな障壁となっていました。情報の分断が、グループシナジーの発揮を妨げていたのです。

選定理由

3,600名という大規模な組織であってもスムーズに動作し、データ連携ができるシステムの安定性が評価されました。また、医療職特有の多種多様な資格情報や、職種ごとに異なる細かな評価項目に対しても、柔軟にデータベースを設定できるカスタマイズ性の高さが決め手となりました。

導入後の効果

グループ全職員の情報を「カオナビ」に集約したことで、組織全体の「人材の見える化」が実現しました。必要な人材情報を瞬時に検索・参照できるようになったため、欠員補充や新規事業立ち上げ時のメンバー選定が迅速化し、経営スピードが向上しました。また、評価業務においても紙からの転記作業などのムダが排除され、人事がより戦略的な人事施策や職員のケアに時間を割ける体制が整いました。

「カオナビ」を導入することで、単なる「記録」から「活用」へと人事データの価値が高まり、経営戦略に直結する組織づくりが可能になります。

まずは、これら2つの事例における導入前の課題と導入後の成果を表で確認しましょう。

3.1. 九州旅客鉄道株式会社（JR九州）｜現場の「違和感」をなくし納得感ある評価へ

「九州旅客鉄道株式会社（JR九州）」は、駅係員や乗務員、保線作業員など、多くの社員が現場の最前線で勤務しています。

導入前の課題

広範なエリアに多数の現場社員が点在しており、管理者であっても部下全員の「顔と名前」を完璧に一致させるのが困難でした。そのため、評価会議の場においても「今、誰のことを話しているのか」という認識が曖昧になりやすく、結果として評価結果に対する現場の納得感を醸成しにくいという、コミュニケーション上の「違和感」が長年の課題となっていました。

選定理由

難しい操作マニュアルを読み込む必要がなく、パッと見てその社員が誰か分かる「顔写真」中心のユーザーインターフェースが採用の決め手です。現場の管理者にとって最も親しみやすく、日常的に使い続けられるツールであると判断されました。

導入後の効果

顔写真を見ながら評価シートや過去のコメントを確認できるようになったことで、「あの時、あの現場で頑張っていた社員だ」と日々の小さなエピソードが思い出されやすくなりました。これにより、数字だけでは測れない定性的な貢献も評価にしっかりと反映されるようになり、評価する側・される側双方の納得感が大きく向上しました。「顔が見える」ことでコミュニケーションの質が変わり、組織の一体感醸成にも寄与しています。

3.2. JR九州駅ビルホールディングス｜迷わず使えるUIで労務業務の心理的負担を軽減

「JR九州駅ビルホールディングス株式会社」は、駅ビルなどの商業施設運営を担っており、テナント対応や施設管理など現場業務が多岐にわたります。

導入前の課題

従来使用していた人事システムや労務手続きのフローは操作が複雑で、PC操作に不慣れな現場スタッフにとっては大きなストレス源となっていました。「操作を間違えて大切なデータを壊してしまうのではないか」という心理的な不安・負担があり、結果として入力作業が後回しにされがちで、業務効率化の足かせとなっていました。

選定理由

スマートフォンやタブレットからでも迷わず操作できる、シンプルで直感的な画面設計（UI）が最大の決め手となりました。ITリテラシーの高低に関わらず、現場の誰もが抵抗感なく使えるデザインであることが重視されました。

導入後の効果

「触っても壊れない」「どこを押せばいいか直感的に分かる」という安心感が現場に広まり、労務関連の申請や目標入力のスピードが格段に上がりました。現場スタッフが抱いていたITツールへのアレルギー反応を払拭したことで、人事部門への「使い方が分からない」といった問い合わせ件数も減少し、現場と管理部門双方での全社的な業務効率化につながっています。

「カオナビ」は「ITツールへの習熟」を現場に強いるのではなく、ツール側が「現場の使いやすさ」に寄り添うことで、デジタル化の障壁を取り除いています。