Menu
Close

AI翻訳・自動翻訳17選|LLM対応&無料で試せるビジネス向け解説【専門家監修】

この記事で解説すること

この記事では、ビジネス向けのAI翻訳、自動翻訳ツール17製品を徹底比較します。無料ツールの利用規約に潜む「データ学習リスク」と、法人向けプラン(DeepL Pro, Google Cloud, Azure等)の安全なセキュリティポリシー(データ非学習、No-Trace)の違いを解説。さらに、従来のNMTと最新のAI/LLM翻訳の技術的な使い分け、T-4OOの「2,000分野DB」のような専門分野対応、会議通訳(ポケトーク ライブ通訳)、オフライン利用(AI本格翻訳)まで、5つの用途別に最適な選び方と導入時の監査チェックリストを紹介します。

「自動翻訳」の製品比較表

※税込と表記されている場合を除き、全て税抜価格を記載しています

  • 製品名
  • 注目ポイント
  • 料金プラン
  • プラン名金額
  • 無料トライアル
  • 最低利用期間
  • 基本的な機能
    • インポート
    • ユーザー辞書
    • AI自動学習
    • 翻訳ページ内検索
    • 表現統一
    • 翻訳者校閲サービス
    • 多言語対応
    • PDF翻訳
    • 類似語表示
    • 装飾引継ぎ
    • エクスポート
    • グループ管理
    • 専門文書対応
    • 進捗追跡
    • 用語管理機能
    • オフライン稼働
    • リアルタイム更新
    • 個別編集
    • ドキュメント共有
  • サービス資料
  • 無料ダウンロード
  • ソフト種別
  • サポート
AI本格翻訳 ダウンロード版 19,800円(税込)
備考
PC1台用/ダウンロード版
AI本格翻訳 ライセンス版 15,147円(税込)
備考
PC10-49台用/ライセンス版
1つのシリアルキーで利用・管理できる
AI本格翻訳 ライセンス版 14,305円(税込)
備考
PC50-99台用/ライセンス版
1つのシリアルキーで利用・管理できる
AI本格翻訳 ライセンス版 13,464円(税込)
備考
PC100-499台用/ライセンス版
1つのシリアルキーで利用・管理できる
制限なし
AI本格翻訳の資料サムネイル
パッケージ型ソフト 
電話 / メール / チャット /
お試しプラン 月額: 0円
備考
利用時間: 30分/月
個人プラン 月額:3,300円 (年額: 33,000円)
備考
利用時間: 無制限
法人プラン 42,900円(税込)1年買い切り/カード版
備考
利用時間: 無制限
1年
ポケトーク ライブ通訳の資料サムネイル
なし 
電話 / メール / チャット /
ポケトーク S2 スタンダード 36,300円(税込)
ポケトーク S2 ビジネス 55,000円(税込)
ポケトーク S2 Plus スタンダード 39,930円(税込)
ポケトーク S2 Plus ビジネス 60,500円(税込)
不明
ポケトークの資料サムネイル
なし 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
ランニングコスト 要相談
制限なし
パッケージ型ソフト 
電話 / メール / チャット /
無料 無料
制限なし
なし 
電話 / メール / チャット /
初期費用 100,000円
スターター 3プラン 9,000円/月
備考
3ユーザーまで利用可能です。
スターター 5プラン 12,000円/月
備考
5ユーザーまで利用可能です。
スモールプラン 24,000円/月
備考
15ユーザーまで利用可能です。
ミディアムプラン 40,000円/月
備考
30ユーザーまで利用可能です。
ラージプラン 80,000円/月
備考
100ユーザーまで利用可能です。
エクストラ・ラージプラン 150,000円/月
備考
300ユーザーまで利用可能です。
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 100,000円
スタータープラン 12,000/月
備考
ユーザー数x5まで追加可能です。
スモールプラン 24,000/月
備考
ユーザー数x15まで追加可能です。
ミディアムプラン 40,000/月
備考
ユーザー数x30まで追加可能です。
ラージプラン 80,000/月
備考
ユーザー数x100まで追加可能です。
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
基本4言語プラン 年間360,000円〜
欧州5言語プラン 要相談
その他23言語プラン 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
3ヶ月
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
無料会員プラン 0円
プレミアム会員プラン 330円/月額
最低利用期間の制限なし
なし 
電話 / メール / チャット /
初期費用 100,000円
スターター3プラン 9,000円/月額
備考
3名まで利用可能です。
スターター5プラン 12,000円/月額
備考
5名まで利用可能です。
スモールプラン 24,000円/月額
備考
15名まで利用可能です。
ミディアムプラン 40,000円/月額
備考
30名まで利用可能です。
ラージプラン 80,000円/月額
備考
100名まで利用可能です。
エクストラ・ラージプラン 150,000円/月額
備考
300名まで利用可能です。
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
最低利用期間の制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
チームスタートプラン $29/月
備考
フリーランサー向けのプランです。
チームプラン $210/月
備考
ワークフローと自動翻訳機能搭載プランです。
アルティメットプラン $369/月
備考
API連携と翻訳ワークフローが搭載されているプランです。
エンタープライズプラン 要相談
備考
機能をカスタマイズできるプランです。
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
最低利用期間の制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
スモールプラン 約3,000円/月額
備考
10ユーザまで利用可能です。
ミディアムプラン 約10,000円/月額
備考
30ユーザまで利用可能です。
ラージプラン 約21,000円/月額
備考
66ユーザまで利用可能です。
エンタープライズプラン 要相談
備考
67ユーザ以上利用可能です。
最低利用期間の制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /

価格や製品機能など、見やすい一覧表から、気になる製品をまとめてチェック!

目次

ビジネスにおける自動翻訳は、AI、特にLLM(大規模言語モデル)の登場で新たな段階に入りました。しかし、手軽な無料ツールを業務で使うと、入力した機密情報がAIの学習に利用され、情報漏えいに直結する重大なリスクがあります。

本記事では、安全なビジネス利用を前提に、法人向け自動翻訳ツール17製品を徹底比較。「DeepL Pro」や「Google Cloud」など定番クラウドサービスのセキュリティポリシー(データ非学習)から、「AI本格翻訳」のようなオフライン製品、「ポケトーク ライブ通訳」といった会議用同時通訳まで、5つの用途別に最適な選び方を解説します。NMTとLLMの違い、コスト比較、導入時の監査ポイントも網羅し、最適なツール選定を支援します。

\一括で自動翻訳を比較し、導入を検討したい方はこちら!30秒で比較表をご提供できます。/
価格や製品機能など、見やすい一覧表から、気になる製品をまとめてチェック!

1. 自動翻訳の最新比較|AI/LLM対応&無料の選び方

自動翻訳は、AI、特にLLM(大規模言語モデル)の登場によって一段と進化しています。ビジネスでの翻訳業務において、従来の「文書翻訳」はNMT(ニューラル機械翻訳)とLLMの使い分け、「会議通訳」はWeb同時通訳、「現場対応」は専用デバイス、「機密情報」はオフラインや国産高セキュリティ製品が有力な選択肢となりました。

しかし、無料ツールを業務で使うことには注意が必要です。入力した機密情報がAIの学習データとして利用されるリスクがあり、これは企業のコンプライアンス違反に直結しかねません。DeepL」の無料サービスでは、利用規約において機密情報や個人データの入力を明確に制限しています。

本記事では、安全な業務利用を前提に、注目製品である「AI本格翻訳」(オフライン)、「ポケトーク ライブ通訳」(Web同時通訳)、「ポケトーク」(専用機)の強みを深掘りします。あわせて、ビジネスの定番である「DeepL Pro」、「Google Cloud Translation」、「Azure AI Translator」、「Amazon Translate」のセキュリティポリシーも確認します。さらに、国産高セキュリティの「みらい翻訳」や「T-4OO」、オンプレミス対応のSYSTRAN、翻訳管理に強い「ヤラク翻訳」まで、無料での試し方、セキュリティ、費用を徹底比較します。

\一括で自動翻訳を比較し、導入を検討したい方はこちら!30秒で比較表をご提供できます。/
価格や製品機能など、見やすい一覧表から、気になる製品をまとめてチェック!

【結論】用途別・最有力候補(2025年版)

まずは結論から、2025年時点でのビジネス用途別・最有力候補の製品群を一覧表で示します。自社のどの課題を解決したいかに基づいて、比較検討の軸としてください。

用途 主な特徴(セキュリティ・形態)
文書・ファイル翻訳(クラウド) DeepL Pro」:高精度とセキュア運用(データ非学習・即時削除)
Google Cloud Translation」:NMT/LLMの使い分けと豊富な無料枠(月50万文字)
みらい翻訳」:ISO認証取得、国産・高セキュリティの筆頭
専門分野・機密(国産・オンプレ) T-4OO」:2,000分野の専門DBと国内サーバ(分野特化)
SYSTRAN」:データを外部に出さないオンプレミス対応(閉域網)
みらい翻訳」:ISO認証と国内サーバ(高セキュリティ)
会議・同時通訳(Web) ポケトーク ライブ通訳」:
ブラウザで完結
。無料枠(30分/月)から月額3,300円で導入可能
URL/QRコード共有で最大500名に字幕配信
現場・接客(専用機) ポケトーク(S2シリーズ)」:
専用デバイス
の高い操作性・安定性
ISO27017準拠など法人向けセキュリティ対応
オフライン(PC常駐) AI本格翻訳」:
インターネット接続不要
の買い切り型ソフト
ネット接続不可の機密環境や持ち出しPCに最適
前田 慎一
株式会社サン・フレア/取締役CIO前田 慎一
外国語の文書を素早く読むという用途には、自動翻訳が役に立ちます。ただし、思わぬ誤りや抜けなどがある場合がありますので、要注意です。

「自動翻訳」の製品比較表

※税込と表記されている場合を除き、全て税抜価格を記載しています

  • 製品名
  • 注目ポイント
  • 料金プラン
  • プラン名金額
  • 無料トライアル
  • 最低利用期間
  • 基本的な機能
    • インポート
    • ユーザー辞書
    • AI自動学習
    • 翻訳ページ内検索
    • 表現統一
    • 翻訳者校閲サービス
    • 多言語対応
    • PDF翻訳
    • 類似語表示
    • 装飾引継ぎ
    • エクスポート
    • グループ管理
    • 専門文書対応
    • 進捗追跡
    • 用語管理機能
    • オフライン稼働
    • リアルタイム更新
    • 個別編集
    • ドキュメント共有
  • サービス資料
  • 無料ダウンロード
  • ソフト種別
  • サポート
AI本格翻訳 ダウンロード版 19,800円(税込)
備考
PC1台用/ダウンロード版
AI本格翻訳 ライセンス版 15,147円(税込)
備考
PC10-49台用/ライセンス版
1つのシリアルキーで利用・管理できる
AI本格翻訳 ライセンス版 14,305円(税込)
備考
PC50-99台用/ライセンス版
1つのシリアルキーで利用・管理できる
AI本格翻訳 ライセンス版 13,464円(税込)
備考
PC100-499台用/ライセンス版
1つのシリアルキーで利用・管理できる
制限なし
AI本格翻訳の資料サムネイル
パッケージ型ソフト 
電話 / メール / チャット /
お試しプラン 月額: 0円
備考
利用時間: 30分/月
個人プラン 月額:3,300円 (年額: 33,000円)
備考
利用時間: 無制限
法人プラン 42,900円(税込)1年買い切り/カード版
備考
利用時間: 無制限
1年
ポケトーク ライブ通訳の資料サムネイル
なし 
電話 / メール / チャット /
ポケトーク S2 スタンダード 36,300円(税込)
ポケトーク S2 ビジネス 55,000円(税込)
ポケトーク S2 Plus スタンダード 39,930円(税込)
ポケトーク S2 Plus ビジネス 60,500円(税込)
不明
ポケトークの資料サムネイル
なし 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
ランニングコスト 要相談
制限なし
パッケージ型ソフト 
電話 / メール / チャット /
無料 無料
制限なし
なし 
電話 / メール / チャット /
初期費用 100,000円
スターター 3プラン 9,000円/月
備考
3ユーザーまで利用可能です。
スターター 5プラン 12,000円/月
備考
5ユーザーまで利用可能です。
スモールプラン 24,000円/月
備考
15ユーザーまで利用可能です。
ミディアムプラン 40,000円/月
備考
30ユーザーまで利用可能です。
ラージプラン 80,000円/月
備考
100ユーザーまで利用可能です。
エクストラ・ラージプラン 150,000円/月
備考
300ユーザーまで利用可能です。
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 100,000円
スタータープラン 12,000/月
備考
ユーザー数x5まで追加可能です。
スモールプラン 24,000/月
備考
ユーザー数x15まで追加可能です。
ミディアムプラン 40,000/月
備考
ユーザー数x30まで追加可能です。
ラージプラン 80,000/月
備考
ユーザー数x100まで追加可能です。
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
基本4言語プラン 年間360,000円〜
欧州5言語プラン 要相談
その他23言語プラン 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
3ヶ月
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
無料会員プラン 0円
プレミアム会員プラン 330円/月額
最低利用期間の制限なし
なし 
電話 / メール / チャット /
初期費用 100,000円
スターター3プラン 9,000円/月額
備考
3名まで利用可能です。
スターター5プラン 12,000円/月額
備考
5名まで利用可能です。
スモールプラン 24,000円/月額
備考
15名まで利用可能です。
ミディアムプラン 40,000円/月額
備考
30名まで利用可能です。
ラージプラン 80,000円/月額
備考
100名まで利用可能です。
エクストラ・ラージプラン 150,000円/月額
備考
300名まで利用可能です。
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
最低利用期間の制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
チームスタートプラン $29/月
備考
フリーランサー向けのプランです。
チームプラン $210/月
備考
ワークフローと自動翻訳機能搭載プランです。
アルティメットプラン $369/月
備考
API連携と翻訳ワークフローが搭載されているプランです。
エンタープライズプラン 要相談
備考
機能をカスタマイズできるプランです。
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
最低利用期間の制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
スモールプラン 約3,000円/月額
備考
10ユーザまで利用可能です。
ミディアムプラン 約10,000円/月額
備考
30ユーザまで利用可能です。
ラージプラン 約21,000円/月額
備考
66ユーザまで利用可能です。
エンタープライズプラン 要相談
備考
67ユーザ以上利用可能です。
最低利用期間の制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /

価格や製品機能など、見やすい一覧表から、気になる製品をまとめてチェック!

2. 無料で試す前に知るべき「セキュリティの落とし穴」

無料の自動翻訳ツールは非常に手軽ですが、ビジネスで利用するには「データの取り扱い」に関する重大なリスクが伴います。機密情報を入力する前に、まずは自社のセキュリティポリシーと各サービスの利用規約を照らし合わせる必要があります。

2-1. 無料ツールの「データ学習リスク」とは?

なぜ無料ツールの業務利用が危険視されるのでしょうか。それは、入力したデータがAIの品質向上のための「学習データ」として利用される可能性があるためです。

deepl-ja-pro-data-security
引用 – グローバル企業向けの安全な言語AIソリューション|DeepL

例えば、「Google翻訳」や「DeepL」の無料版、あるいは「ChatGPT」のような一般消費者向け生成AIサービスでは、利用規約に「サービス改善のために送信されたデータを利用する場合がある」という趣旨の記載が含まれていることが一般的です。

特にDeepLの無料サービスに関する利用規約では、機密情報や個人データを含むテキストの翻訳を控えるよう明記されています。つまり、社外秘の契約書、個人情報を含むリスト、開発中の製品仕様書などを無料版に入力する行為は、情報漏えいに直結する重大なコンプライアンス違反となる危険性があるのです。

企業のIT担当者としては、従業員が利便性からこれらの無料ツールを非公式に(いわゆるシャドーITとして)利用していないか、実態を把握し、適切なルールを策定することが急務と言えます。

前田 慎一
株式会社サン・フレア/取締役CIO前田 慎一
ビジネスで利用する場合、もっとも心配なのが情報漏えいです。無料版はその点が保証されていないので、機密情報の翻訳に使用するのは避け、利用規約等に入力したデータの2次利用をしないことを明記されている有料版を使用すべきです。

2-2. 法人プランの安全なデータ取扱い(Google/Azure/DeepL/AWS)

引用 – Cloud Translation | Google Cloud

一方で、ビジネス向けの有料プラン(法人契約)は、無料版とは根本的にセキュリティ設計が異なります。主要なクラウドベンダーは、企業が安心して機密情報を扱えるよう、データの取り扱いについて明確なポリシーを公開しています。

  • Google Cloud Translation
    公式のFAQやドキュメント」において、送信されたデータは翻訳サービス提供の目的でのみ一時的に使用され、AIの学習には利用されないことを明記しています。
  • Azure AI Translator
    「No-Trace」(痕跡なし)ポリシー」を公式ドキュメントで公開しています。テキスト翻訳は一切保存されず、ドキュメント翻訳(ファイル翻訳)も処理中のみ一時保存され、処理完了後に速やかにハードデリート(物理的削除)されると説明しています。
  • DeepL Pro
    有料のProプラン」では、翻訳データは処理後すぐに削除され、AIの学習には一切使用されない高水準のデータ保護が提供されます。無料版との最大の違いがこの点です。
  • Amazon Translate
    AWSのサービスの一部として提供されるため、IAM(IDおよびアクセス管理)による厳格なアクセス制御、KMS(キー管理サービス)によるデータの暗号化、データ処理地域の指定など、AWSが標準で備える高度なセキュリティ基盤の上で組織的に管理・運用することが可能です。

次の表は、主要な法人向けクラウド翻訳サービスのセキュリティに関する公式声明と、無料枠の扱いを比較したものです(2025年11月時点)。

サービス名 データ保護の主な公式声明(2025年11月時点) 無料枠の有無・条件
Azure AI Translator No-Trace (保存しない)。
テキストは保存せず、ドキュメントは処理中のみ一時保存し削除(「公式ドキュメント」)
F0プラン:「月200万文字まで無料
Google Cloud Translation データを学習に利用しない。
一時的処理・提供目的に限定(「公式FAQ」)
NMT (標準):月50万文字まで無料
DeepL Pro 有料プランはデータを即時削除。
高水準のデータ保護を提供(「公式ページ」)
無料版:機密・個人データ投入不可(「利用規約」)
Amazon Translate IAMによるアクセス制御、暗号化、データ処理地域の指定など、AWS標準のセキュリティ基盤で管理 Free Tier:12ヶ月間、月200万文字まで無料

このように、法人向けプランは「データを学習に使わせない」ことを前提に設計されており、これが無料版との決定的な違いです。

2-3. 国産・高セキュリティの選択肢(みらい翻訳・T-4OO)

主要な外資系クラウドサービスのセキュリティポリシーは強固ですが、それでもなお「データセンターの場所(国外)が懸念される」「より厳格な国内基準や業界標準をクリアしたい」といったニーズを持つ企業(特に金融、医療、公共機関)も少なくありません。

そうした場合には、国産の高セキュリティな自動翻訳サービスが有力な選択肢となります。

  • みらい翻訳
    みらい翻訳」は、セキュリティを最重要視する企業向けの国産サービスです。情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格「ISO/IEC 27001」および、クラウドセキュリティの国際規格「ISO/IEC 27017」を同時取得しています。さらに、翻訳処理はすべて国内のサーバで完結し、翻訳後のデータは自動的に削除される仕組みを公表しており、厳格なセキュリティ要件に対応可能です。
  • T-4OO(ロゼッタ)
    T-4OO」も国内ベンダーであるロゼッタが提供するサービスです。データは厳格に管理された国内データセンターで運用されます。T-4OOの強みは、2,000もの専門分野データベースとAIを融合させている点にあり、セキュリティと専門分野(法務、医薬、金融など)の翻訳精度を両立させたい場合に適しています。

\一括で自動翻訳を比較し、導入を検討したい方はこちら!30秒で比較表をご提供できます。/
価格や製品機能など、見やすい一覧表から、気になる製品をまとめてチェック!

3. AI翻訳の進化|「NMT」と「LLM翻訳」の違いと選び方

自動翻訳の精度はAIの進化と共に飛躍的に向上しました。現在は主流の「NMT」に加え、より文脈理解に優れた「LLM翻訳」が登場し、用途に応じた使い分けが始まっています。

3-1. NMT(ニューラル機械翻訳):専門特化と速度

slator-new-study-challenges-llm-dominance-with-specialized-medical-translation-models
引用 – New Study Challenges LLM Dominance with Specialized Medical Translation Models – Slator

NMT(ニューラル機械翻訳)は、現在主流の自動翻訳エンジンの多くが採用している方式です。人間の脳の神経回路網を模したニューラルネットワーク(AI)を用い、文全体を解析して自然な翻訳を行います。

NMTの最大の強みは、特定の分野(ドメイン)に特化させられる点にあります。例えば、法務、医薬、技術マニュアルなど、専門用語が多用される分野の大量データをAIに学習させることで、その分野に最適化された高精度な翻訳(カスタムNMT)が可能です。

実際に、翻訳業界のニュースを扱う「Slator」の2024年のレポートでは、医療などの狭く専門的な領域においては、特化させたNMTが汎用的なLLMの翻訳精度を上回ったという研究結果も紹介されています。

NMTの主な特徴を以下の表にまとめます。

特徴 NMT(ニューラル機械翻訳)
得意分野 専門分野(法務、医薬、技術等)、定型文
強み 専門コーパスによる最適化(カスタムNMT)
翻訳速度
コスト効率(LLM比)
弱み 長文の文脈理解(LLM比)
ニュアンスやトーンの調整
主な用途 大量のマニュアル翻訳、社内規定、API経由の高速処理

このように、特定のドメインが決まっている業務利用や、大量の文書を高速かつコスト効率よく処理する用途において、NMTは依然として非常に強力な選択肢です。

3-2. LLM(大規模言語モデル)翻訳:文脈理解と自然さ

LLM(大規模言語モデル)翻訳は、ChatGPT(GPT-4)などに代表される、非常に大規模なAIモデルを用いた新しい翻訳アプローチです。

learn-microsoft--globalization-localization-ai-ai-and-llms-for-translation
参考 – Use AI and large language models for translation – Globalization | Microsoft Learn

NMTが文単位での最適化を得意とするのに対し、LLMははるかに長い前後の文脈(パラグラフ全体やドキュメント全体)を理解し、ニュアンスや行間を汲み取った、より自然で流暢な翻訳を生成するのが得意です。単にA言語をB言語に置き換えるだけでなく、「です・ます調」から「である調」へのトーン調整、要約、言い換え(リライト)といった、高度なタスクを翻訳と同時に実行できる柔軟性も持っています。

言語サービス大手の「RWS」はブログの中で、LLMが翻訳後の修正作業(ポストエディット)を自動化するワークフロー(APE:自動後編集)や、用語・トーンのチェックといった多段階の処理において優位性を持つと分析しています。

NMTとLLM翻訳の主な違いを比較します。

比較項目 NMT(ニューラル機械翻訳) LLM(大規模言語モデル)翻訳
精度(専門分野) (特化学習により非常に高い) (汎用的だが専門性はNMTに劣る場合あり)
精度(自然さ・文脈) (長い文脈やニュアンスに強い)
柔軟性 △ (主に翻訳に特化) (翻訳+要約、トーン調整、言い換えが可能)
コスト ○ (比較的安価) △ (処理が複雑なため高コスト傾向)

LLM翻訳は、マーケティングコピーや対外的な発表資料など、機械翻訳特有の硬さを排除し、より人間に近い自然な文章が求められる場合に特に有効です。

3-3. 2025~6年現在の使い分け:コストと精度のバランス

「では、結局NMTとLLMのどちらを選べば良いのか?」というのが、導入担当者様の悩みどころかと思います。現在、最も現実的な答えは「用途に応じたハイブリッド運用」です。

なぜなら、LLM翻訳はNMTに比べて高コストになる傾向があるためです。

例えば、「Google Cloud」の法人向けサービスでは、従来のNMTが翻訳した文字数(出力)のみの課金であるのに対し、LLM翻訳モデルは「入力した文字数」と「出力された文字数」の両方で課金されます(2025年11月時点)。長文を翻訳させると、コストがNMTの2倍以上になる可能性も考慮しなくてはなりません。業界の分析(「Imminent – Translated’s Research Center」など)でも、コストと精度のバランスを取るアプローチが主流となっています。

具体的な使い分けの例を以下に示します。

【NMT/カスタムNMTが適した用途】

  • 大量の技術マニュアル、仕様書
  • 社内規定、法務・財務文書(用語集の厳密な適用が必要)
  • API経由での大量・高速なテキスト処理

【LLM翻訳が適した用途】

  • マーケティングのキャッチコピー、プレスリリース
  • 顧客向けの自然なメール文面
  • 長文のレポートや記事の翻訳(および要約)
  • 翻訳と同時にトーン(文体)を統一したい場合

まずは自社が翻訳したい文書の「専門性」「量」「求められる自然さ」そして「予算」を整理し、両方のメリットを活かせる導入計画を立てることが重要です。

前田 慎一
株式会社サン・フレア/取締役CIO前田 慎一
正確性が求められる、対外的に発信する文書や官公庁向けの書類(例:特許明細書や薬事申請のドキュメント)には、品質保証がされる翻訳サービスを利用することをオススメします。

「自動翻訳」の製品比較表

※税込と表記されている場合を除き、全て税抜価格を記載しています

  • 製品名
  • 注目ポイント
  • 料金プラン
  • プラン名金額
  • 無料トライアル
  • 最低利用期間
  • 基本的な機能
    • インポート
    • ユーザー辞書
    • AI自動学習
    • 翻訳ページ内検索
    • 表現統一
    • 翻訳者校閲サービス
    • 多言語対応
    • PDF翻訳
    • 類似語表示
    • 装飾引継ぎ
    • エクスポート
    • グループ管理
    • 専門文書対応
    • 進捗追跡
    • 用語管理機能
    • オフライン稼働
    • リアルタイム更新
    • 個別編集
    • ドキュメント共有
  • サービス資料
  • 無料ダウンロード
  • ソフト種別
  • サポート
AI本格翻訳 ダウンロード版 19,800円(税込)
備考
PC1台用/ダウンロード版
AI本格翻訳 ライセンス版 15,147円(税込)
備考
PC10-49台用/ライセンス版
1つのシリアルキーで利用・管理できる
AI本格翻訳 ライセンス版 14,305円(税込)
備考
PC50-99台用/ライセンス版
1つのシリアルキーで利用・管理できる
AI本格翻訳 ライセンス版 13,464円(税込)
備考
PC100-499台用/ライセンス版
1つのシリアルキーで利用・管理できる
制限なし
AI本格翻訳の資料サムネイル
パッケージ型ソフト 
電話 / メール / チャット /
お試しプラン 月額: 0円
備考
利用時間: 30分/月
個人プラン 月額:3,300円 (年額: 33,000円)
備考
利用時間: 無制限
法人プラン 42,900円(税込)1年買い切り/カード版
備考
利用時間: 無制限
1年
ポケトーク ライブ通訳の資料サムネイル
なし 
電話 / メール / チャット /
ポケトーク S2 スタンダード 36,300円(税込)
ポケトーク S2 ビジネス 55,000円(税込)
ポケトーク S2 Plus スタンダード 39,930円(税込)
ポケトーク S2 Plus ビジネス 60,500円(税込)
不明
ポケトークの資料サムネイル
なし 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
ランニングコスト 要相談
制限なし
パッケージ型ソフト 
電話 / メール / チャット /
無料 無料
制限なし
なし 
電話 / メール / チャット /
初期費用 100,000円
スターター 3プラン 9,000円/月
備考
3ユーザーまで利用可能です。
スターター 5プラン 12,000円/月
備考
5ユーザーまで利用可能です。
スモールプラン 24,000円/月
備考
15ユーザーまで利用可能です。
ミディアムプラン 40,000円/月
備考
30ユーザーまで利用可能です。
ラージプラン 80,000円/月
備考
100ユーザーまで利用可能です。
エクストラ・ラージプラン 150,000円/月
備考
300ユーザーまで利用可能です。
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 100,000円
スタータープラン 12,000/月
備考
ユーザー数x5まで追加可能です。
スモールプラン 24,000/月
備考
ユーザー数x15まで追加可能です。
ミディアムプラン 40,000/月
備考
ユーザー数x30まで追加可能です。
ラージプラン 80,000/月
備考
ユーザー数x100まで追加可能です。
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
基本4言語プラン 年間360,000円〜
欧州5言語プラン 要相談
その他23言語プラン 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
3ヶ月
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
無料会員プラン 0円
プレミアム会員プラン 330円/月額
最低利用期間の制限なし
なし 
電話 / メール / チャット /
初期費用 100,000円
スターター3プラン 9,000円/月額
備考
3名まで利用可能です。
スターター5プラン 12,000円/月額
備考
5名まで利用可能です。
スモールプラン 24,000円/月額
備考
15名まで利用可能です。
ミディアムプラン 40,000円/月額
備考
30名まで利用可能です。
ラージプラン 80,000円/月額
備考
100名まで利用可能です。
エクストラ・ラージプラン 150,000円/月額
備考
300名まで利用可能です。
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
最低利用期間の制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
チームスタートプラン $29/月
備考
フリーランサー向けのプランです。
チームプラン $210/月
備考
ワークフローと自動翻訳機能搭載プランです。
アルティメットプラン $369/月
備考
API連携と翻訳ワークフローが搭載されているプランです。
エンタープライズプラン 要相談
備考
機能をカスタマイズできるプランです。
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
最低利用期間の制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
スモールプラン 約3,000円/月額
備考
10ユーザまで利用可能です。
ミディアムプラン 約10,000円/月額
備考
30ユーザまで利用可能です。
ラージプラン 約21,000円/月額
備考
66ユーザまで利用可能です。
エンタープライズプラン 要相談
備考
67ユーザ以上利用可能です。
最低利用期間の制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /

価格や製品機能など、見やすい一覧表から、気になる製品をまとめてチェック!

4. 【用途別】自動翻訳のおすすめ①:文書・ファイル翻訳とAPI連携

日常業務で最も利用シーンが多い、Word、PDF、PowerPointといった文書ファイル(ドキュメント)の翻訳や、社内の業務システムとのAPI連携(機能連携)に適した、高セキュリティなクラウドサービスを紹介します。

4-1. Google Cloud Translation:NMT/LLMを選べる柔軟性と無料枠

引用 – Cloud Translation | Google Cloud

Googleの法人向けサービスが「Google Cloud Translation」です。従来のNMT(ニューラル翻訳)では月50万文字の無料枠が提供されており、超過分も安価な従量課金で利用できます。

前章で触れた最新のLLM翻訳モデル(入力・出力の両方で課金)や、「ドキュメント翻訳」(PDFやDOCXなどのレイアウトを保持したまま翻訳可能、ページ単位で課金)など、用途に応じて最適なエンジンと課金体系を選べる柔軟性が強みです。

公式FAQでデータの非学習を明記しており、セキュリティを担保しながらスモールスタート(無料枠)できる、ビジネス利用の筆頭候補です。

4-2. DeepL (Pro / API):圧倒的な翻訳品質とセキュアな運用

deepl-ja-pro-data-security
引用 – グローバル企業向けの安全な言語AIソリューション|DeepL

ヨーロッパ発のサービスで、特に欧州言語の翻訳品質において世界的に高い評価を得ているのが「DeepL Pro」です。

最大のポイントは、無料版とPro版(有料)のセキュリティポリシーが明確に異なる点です。Pro版では、「利用規約」で機密情報の投入が禁止されている無料サービスとは異なり、入力されたテキストデータは翻訳処理後すぐに削除され、AIの学習には一切利用されないことが保証されています。

また、翻訳精度の高さに加え、社内用語を統一できる「用語集」機能、WordやPowerPoint上で直接翻訳できるアドイン連携、システム組み込み用のAPIプランなど、実務で役立つ機能が充実している点も、多くの企業に選ばれる理由となっています。

4-3. Azure AI Translator:No-Traceポリシーと無料枠(F0)

azure-microsoft-ja-jp-products-ai-services-ai-translator
引用 – ai-translator(Azure AI 翻訳)

Microsoftが提供する法人向け翻訳サービスが「Azure AI Translator」です。

最大の強みは、公式ドキュメントで「No-Trace」(痕跡なし)ポリシーを明確に打ち出している点です。これは、テキスト翻訳は一切保存せず、ドキュメント翻訳(ファイル翻訳)も処理中のみ一時保存し、処理完了後にハードデリート(物理的削除)することを意味します。

Pricing – Azure AI Translator」(料金ページ、2025年11月時点)に記載されている通り、F0(無料)プランで月200万文字まで試用できる枠が用意されており、スモールスタートにも最適です。既にMicrosoft 365や他のAzureサービスを導入している企業にとっては、既存の環境とシームレスに連携できる親和性の高さも大きなメリットとなります。

4-4. Amazon Translate:明快な従量課金とFree Tier

aws-amazon-jp-translate
引用 – 機械翻訳サービス – Amazon Translate – Amazon Web Services

Amazon Web Services (AWS) が提供する「Amazon Translate」は、特に開発者や大規模なワークロードを持つ企業に適したサービスです。

料金体系が標準テキスト翻訳で100万文字あたり$15(2025年11月時点、「Cloud Translation」公式料金表に基づく)というシンプルな従量課金制が特徴です。

AWSの「Free Tier」(無料利用枠)も用意されており、スタートアップや開発者が自社アプリケーションに翻訳機能を組み込む際に広く採用されています。Active Custom Translation(独自の翻訳モデルを適応させる機能)や用語集機能も提供されています。

主要なクラウド翻訳サービス(API提供)のセキュリティポリシーと価格体系を比較表にまとめます。特に「無料枠」と「データの扱い」に注目してください。

サービス名 セキュリティ(データ学習・保持) 料金体系(標準テキスト) 無料枠(2025年11月時点)
Google Cloud Translation 学習に利用しない(「公式FAQ」) 従量課金(NMT/LLMで異なる) NMT:月50万文字
Azure AI Translator No-Trace (保存しない)(「公式Doc」) 従量課金 F0プラン:月200万文字
DeepL Pro 有料プランは即時削除(「公式ポリシー」) ID課金(Starter/Advanced/Ultimate) 無料版は機密利用不可
Amazon Translate AWSのセキュリティ基盤で管理 従量課金($15/100万文字) Free Tier:12ヶ月間 月200万文字

このように、各社とも法人向けプランではデータの安全な取り扱いを明言しています。一方で、無料枠の規模や課金単位(文字数、ID数、入出力)が異なるため、自社の利用量予測に基づいた試算が重要です。

4-5. ヤラク翻訳(旧ヤラクゼン):複数エンジンと翻訳管理基盤

yaraku-translate
引用 – ヤラク翻訳 -自動翻訳から編集まで- 生成AI搭載の「ヤラク翻訳」

ヤラク翻訳(旧ヤラクゼン)」は、特定の翻訳エンジンを自社開発するのではなく、複数のエンジンを「ハブ」として利用できるユニークな翻訳プラットフォームです。

利用シーンに応じて、Google、Microsoft、DeepL、ChatGPT、Claude、Geminiなど、最適なエンジンを切り替えて使用できます。

このツールの最大の強みは、翻訳そのものよりも「翻訳業務の管理」にあります。翻訳メモリ(TM:過去の翻訳文のデータベース)や用語集(TBX)をチームで共有・蓄積したり、翻訳の修正履歴(ポストエディット)を管理したりする機能が充実しています。

Boxなどのクラウドストレージ連携やAPIも提供しており、単に翻訳するだけでなく、社内の翻訳ワークフロー全体を効率化し、翻訳資産を蓄積したい企業に適しています。

\一括で自動翻訳を比較し、導入を検討したい方はこちら!30秒で比較表をご提供できます。/
価格や製品機能など、見やすい一覧表から、気になる製品をまとめてチェック!

5. 【用途別】自動翻訳のおすすめ②:高セキュリティ・専門分野(機密・法務・技術)

金融、医療、法務、公共機関など、特に厳しいセキュリティ要件が課される分野や、専門用語の正確性が業務品質に直結する分野では、汎用的なクラウド翻訳サービスでは対応しきれないケースがあります。

ここでは、情報セキュリティの国際規格(ISO認証)の取得、データを国内に留める(国内サーバ)運用、あるいは専門分野データベース(DB)との連携、さらにはインターネットから切り離されたオンプレミス(自社サーバ設置)対応など、高度な要件に応える国産ベンダーや専門ソリューションを紹介します。

5-1. みらい翻訳 (Mirai Translator):ISO認証取得の国産高セキュリティ

miraitranslate
引用 – みらい翻訳|AI自動翻訳サービス・機械翻訳

みらい翻訳」は、セキュリティガバナンスを重視する企業向けの国産高セキュリティサービスです。

最大の特徴は、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格である「ISO/IEC 27001」(ISMS)と、クラウドサービスに特化したセキュリティ規格である「ISO/IEC 27017」を同時取得している点です。これは、第三者機関によって厳格な情報管理体制が認証されていることを意味します。

さらに、翻訳処理はすべて国内のサーバで完結し、翻訳後のデータは自動的に削除されるポリシーを公式に掲げています。政府機関や大企業での導入実績も豊富で、「TOEIC960点レベル」と謳う翻訳精度(特に日本語⇔英語)と強固なセキュリティを両立させたい企業の第一候補となります。

5-2. ロゼッタ T-4OO:2,000分野の専門DBと国内サーバ

rozetta-jp-lp-t4oo
引用 – 約2,000の翻訳エンジンで専門分野を正確かつスピーディーに翻訳! | T-4OO

T-4OO」(ティーフォーオー)は、特に専門分野の翻訳精度を追求する企業向けのソリューションです。

このサービスの核となるのは、医薬、法務、金融、化学、ITといった2,000もの専門分野データベース(DB)です。AI翻訳エンジンとこれらの膨大な専門DBを融合させることで、一般的な自動翻訳では対応が難しい特殊な専門用語や業界特有の言い回しに対しても、高い翻訳精度(自社評価で最大95%)を実現すると謳っています。

セキュリティ面では、サーバを厳格に管理された国内データセンターで運用。PDFファイルもレイアウトを保持したまま翻訳できるなど、実務機能も充実しています。専門性が高く、かつ機密性も高い文書(研究論文、契約書、特許明細書など)の翻訳業務が頻繁に発生する部門に最適です。

5-3. SYSTRAN:オンプレミス対応で閉域網(クローズド)運用

systran-co-jp
引用 – シストラン – SYSTRAN | オンプレミスのAI翻訳

「そもそも機密データを社外のクラウドサービスに一切送信したくない」という、最も厳格なセキュリティ・ポリシーを持つ組織のニーズに応えるのが「オンプレミス(自社サーバ設置)」という選択肢です。

SYSTRAN」(シストラン)は、このオンプレミス型に対応可能な老舗の自動翻訳ベンダーです。企業向けの翻訳サーバ(Pure Neural Serverなど)を自社の閉域網(クローズドな社内ネットワーク)内に構築することで、翻訳データをインターネットに一切送信することなく、AI自動翻訳のメリットを享受できます。

この構成は、規制産業(金融、電力など)や官公庁、防衛関連など、データガバナンスが極めて厳しい業界・組織において、セキュリティ要件を満たすための事実上唯一の選択肢となるケースも少なくありません。

高セキュリティ・専門分野向けソリューションの比較表を以下にまとめます。導入形態とセキュリティの担保方法が主な比較ポイントです。

製品名 導入形態 セキュリティの強み 得意分野・用途
みらい翻訳 クラウド (SaaS) ISO 27001/27017認証取得
国内サーバ完結
翻訳後データ自動削除
金融、公共、監査法人など
高ガバナンスが求められる業務
T-4OO クラウド (SaaS) 国内データセンター運用
2,000分野の専門DB
医薬、法務、化学、ITなど
専門用語の正確性が最重要の文書
SYSTRAN オンプレミス

(またはクラウド)

データを外部に出さない
閉域網(クローズド)での運用
規制産業、官公庁、防衛など
最高水準の機密性が求められる環境

\一括で自動翻訳を比較し、導入を検討したい方はこちら!30秒で比較表をご提供できます。/
価格や製品機能など、見やすい一覧表から、気になる製品をまとめてチェック!

6. 【用途別】自動翻訳のおすすめ③:会議・イベント(自動通訳・同時通訳)

国際的なWeb会議や、リアル会場でのイベント、インバウンド教育現場などで求められる「自動通訳(同時通訳)」ニーズに特化したサービスです。手軽さが導入の鍵となります。

6-1. ポケトーク ライブ通訳 (Sentio):ブラウザで完結するAI同時通訳

pocketalk-sentio
引用 – Sentio(センティオ)について | AI同時通訳サービス

翻訳機「ポケトーク」で知られるポケトーク株式会社が、その技術を応用したPCブラウザで利用できるAI同時通訳サービスが「ポケトーク ライブ通訳(Sentio)」です。

このサービスの最大の特徴は、高価な同時通訳ブースや専用機材を一切必要とせず、ブラウザだけで完結する手軽さにあります。登壇者が話した内容(41言語対応)をAIがリアルタイムで翻訳し、参加者は発行された共有URLやQRコードにアクセスするだけで、各自のスマートフォンやPCで翻訳字幕(76言語対応)を受け取れます。

「SoftBank World」のような大規模な企業イベントでの活用実績も報告されており、導入の手軽さからWeb会議、セミナー、大学の授業まで幅広く利用されています。

料金体系が明快な点も導入のハードルを下げています。以下の表は、主なプラン(2025年11月時点、「Sentio(センティオ)ラインナップ・機能比較」に基づく)を比較したものです。

プラン名 料金(税込) 利用時間 最大視聴者数(※) 主な用途
無料プラン ¥0 毎月30分まで 500名 小規模なミーティング、機能検証
プレミアムプラン 月額 ¥3,300
(年額¥33,000)
無制限
(1セッション90分)
500名 本格的な会議、セミナー、授業

※最大視聴者数は公式ページ「Sentio(センティオ)ラインナップ・機能比較|POCKETALK(ポケトーク)」に基づき500名と記載。

まずは毎月30分の無料枠で自社の会議での実用性を検証し、利用時間や機能(URLの有効期間など)が本格導入の要件を満たすようであれば、低コストなプレミアムプランへ移行する、というスモールスタートが可能な点が大きな強みです。

7. 【用途別】自動翻訳のおすすめ④:現場・接客とオフライン利用

これまでのクラウド型サービスとは異なり、特定の「現場」ニーズに特化した自動翻訳ソリューションも存在します。店舗でのインバウンド接客や、インターネット接続が制限される工場・建設現場、あるいはセキュリティ上PCの持ち出しが厳格な出張先など、特殊な環境下で活躍する製品群です。

7-1. ポケトーク (S2シリーズ):現場・接客に強い専用翻訳機

pocketalk-pocketalk-lineup
引用 – ポケトークのラインナップ・機能比較|POCKETALK(ポケトーク)

ポケトーク」は、AI翻訳機市場をリードする専用デバイスです。スマートフォンアプリでの翻訳も可能ですが、ビジネスの現場、特に対面での接客においては専用機が持つ優位性が際立ちます。

なぜなら、ポケトークは翻訳専用に設計されているため、操作がシンプルで誰でも直感的に使えるからです。さらに、高性能なマイクとスピーカーを搭載しており、騒がしい店舗や駅、工場といった環境下でも正確に音声を認識し、クリアな音声で翻訳を再生できます。

対面でのインバウンド接客や海外出張時のコミュニケーションで絶大な信頼を得ており、法人向けにはセキュリティを強化したプランも用意されています。以下の表は、法人向けS2シリーズ(2025年11月時点)の主な特徴をまとめたものです。

項目 ポケトーク (S2シリーズ) の特徴
強み 専用機ならではの簡単な操作性 (UI)
高感度ノイズキャンセリングマイク
騒音環境下での安定した音声認識と大音量スピーカー
主な用途 店舗・施設でのインバウンド接客
海外出張、工場・現場での外国人スタッフとのコミュニケーション
法人向け訴求 クラウドセキュリティの国際規格「ISO/IEC 27017」に準拠
GDPR (EU一般データ保護規則) に対応
複数台の一元管理機能 (プランによる)
価格 (参考) S2シリーズ本体 (グローバル通信2年付き) など
※価格・通信年数・保証のバリエーションあり(「公式ラインナップ」参照)

迅速な対応が求められる接客現場では、スマホを取り出してアプリを起動する手間さえも障害になり得ます。その点、ボタン一つですぐに会話を始められる専用機は、業務用のツールとして非常に合理的と言えるでしょう。

7-2. AI本格翻訳 (ソースネクスト):オフライン×高精度のPCインストール型

sourcenext-product-ai-honyaku
引用 – AI本格翻訳|ソースネクスト

クラウドサービスの利用が前提となる自動翻訳において、全く逆のアプローチで企業の厳格なセキュリティニーズに応えるのが、ソースネクストの「AI本格翻訳」です。

最大の特徴は、インターネット接続が一切不要の「オフライン」で動作する点です。これは、PCにインストールして使用する買い切り型のソフトウェアであり、機密情報を外部のサーバに一切送信しません。

発売時には、「ASCII」などの報道で、その翻訳精度(BLEU 26.9)がオフラインでありながらGoogle翻訳(当時)に匹敵すると評価されました。さらに、2025年10月のアップデートでは35分野・51万語にのぼる専門用語辞書が追加され、専門分野への対応力も強化されています。

この製品が「決定打」となり得るユースケースは非常に明確です。

  • 機密情報を扱うPC
    開発中の図面や契約書など、社外秘データが入ったPCをインターネットに接続できない。
  • 閉域網(クローズド・ネットワーク)
    工場、研究所、官公庁など、セキュリティポリシーで外部接続が遮断されている環境。
  • 通信不安な環境
    海外出張先や建設現場など、安定したWi-Fi環境が期待できない場所でのPC作業。

以下の表に、AI本格翻訳の主な特徴をまとめます。

項目 AI本格翻訳 (ソースネクスト)
最大の特徴 完全オフラインでの動作 (インターネット接続不要)
導入形態 PCインストール型ソフトウェア
料金体系 買い切り型 (ダウンロード版 参考価格:¥19,800)
精度 (日英) 発売時にGoogle翻訳に匹敵と報道 (「ASCII」等)
強み (2025年時点) 2025年10月のアップデートで専門用語辞書 (35分野/51万語)を強化
最適環境 機密情報を扱うPC、閉域網、ネット接続不可の環境

クラウド全盛の時代だからこそ、データを一切外部に出さないという選択肢は、情報システム部門や法務部門にとって極めて強力なソリューションとなります。

\一括で自動翻訳を比較し、導入を検討したい方はこちら!30秒で比較表をご提供できます。/
価格や製品機能など、見やすい一覧表から、気になる製品をまとめてチェック!

8. 導入の進め方と情シス・法務向けチェックリスト

自動翻訳ツールの導入を成功させるには、利用する現場部門だけでなく、情報システム部門や法務部門の承認が不可欠です。ここでは、社内稟議をスムーズに進め、全部門が納得して導入するための選定プロセスと監査のポイントを解説します。

8-1. 要件整理と比較表作成:最初の50ページを稟議直結資料に

まずは、自社が自動翻訳に何を求めているのか、「要件」を明確に整理することがスタートラインとなります。

方式(NMT/LLM)、セキュリティ(ISO認証/No-Trace/国内サーバ)、導入形態(クラウド/オンプレ/オフライン)、そして価格体系(文字課金/ID課金/ページ課金/買い切り)など、稟議に必要な比較項目を一覧化することが重要です。

次の表は、本記事で紹介した主要な自動翻訳サービスの比較項目をまとめたものです。特に「料金体系」と「セキュリティ」の根本的な違いに着目してください。

製品名 導入形態 料金体系 (2025年11月時点) セキュリティの強み
Google Cloud Translation クラウド / API 従量課金 (NMT:月50万文字無料)
ページ課金 (ドキュメント翻訳)
入出力課金 (LLM翻訳)
学習に利用しない (「公式FAQ」)
Azure AI Translator クラウド / API 従量課金 (「F0プラン:月200万文字無料」) No-Trace (保存しない) (「公式Doc」)
DeepL Pro クラウド / API ID課金 (プラン別)
(無料版は機密利用不可)
有料プランは即時削除 (「公式ポリシー」)
みらい翻訳 クラウド (SaaS) 要見積 (ID課金など) ISO 27001/27017認証国内サーバ (「公式」)
T-4OO クラウド (SaaS) 要見積 (分野別など) 国内データセンター、2,000分野DB
SYSTRAN オンプレミス ライセンス課金 (要見積) 閉域網 (オフライン) 対応
ポケトーク ライブ通訳 ブラウザ (SaaS) 月額 (¥3,300/ID) / (無料枠:月30分) ISO 27017準拠 (「公式」)
AI本格翻訳 オフライン (PC常駐) 買い切り (参考:¥19,800) 完全オフライン (データ送信なし)
前田 慎一
株式会社サン・フレア/取締役CIO前田 慎一
対象の文書によって、自動翻訳のサービスに向き不向きがあります。試用を提供しているサービスも多いので、実際に試してから契約するといいでしょう。

8-2. 情シス・法務部向け監査チェックリスト:稟議「即承認」への橋渡し

情報システム部門や法務部門を説得するためには、導入するサービスが企業のセキュリティポリシーを確実に満たしていることを示す、客観的な根拠が不可欠です。

特に以下の項目は、監査で必ず確認されるポイントです。導入前にベンダーの公式ドキュメント(本記事の出典リンクなど)で一次情報を必ず確認してください。

  • データの学習不使用の明記
    Google Cloud Translation」, 「Azure AI Translator」, 「DeepL Pro」 などが公式に明言しているか
  • 保持/削除ポリシー
    Azureの「保存しない(No-Trace)」や、DeepL Proの「即時削除」のように、データが不要に保持されないか
  • SSO/SAML・監査ログ
    企業のID管理基盤(Azure ADなど)と連携できるか、利用ログ(誰がいつ何をしたか)を取得できるか
  • 国内サーバ/データ域
    みらい翻訳」や「T-4OO」のように、データを日本国内に留めておけるか
  • オフライン要件
    AI本格翻訳」のように、インターネットから完全に切り離して運用できるか

8-3. 費用対効果(TCO)試算:文字/ページ/IDで“勝つ”設計

導入の最終的な障壁となりがちなのがコストです。自動翻訳の料金体系は製品によって大きく異なるため、自社の利用実態に合わせた試算が重要です。

コスト体系は主に「文字課金」「ページ課金」「ID課金」「買い切り」の4種類に分類されます。

  • 文字課金 (Google NMT, Azure, AWS)
    使った分だけ支払う従量課金。Azureの「F0プラン」のように無料枠が大きく、スモールスタート(試験導入)から本格移行(S1プランなど)へのステップが設計しやすいのが特徴です。
  • ページ課金 (Google ドキュメント翻訳)
    PDFやDOCXのレイアウト保持機能を使う場合の料金体系です。文字数ではなくページ数でカウントされます。
  • 入出力課金 (Google LLM翻訳)
    LLM翻訳では、翻訳前の原文(入力)と翻訳後の訳文(出力)の両方の文字数が課金対象となるため、NMTに比べ高コストになりやすい点に注意が必要です(「Google Cloud Documentation」参照)。
  • ID課金 (DeepL Proなど)
    翻訳量に関わらず、利用するユーザー数(ID数)でコストが決まるプラン。全社的に利用を推奨し、用語集の共有などで全体の品質を底上げしたい場合に適しています。
  • 買い切り (AI本格翻訳)
    一度購入すれば追加コスト(通信費含む)がかからない定額制。オフラインで利用する持ち出し用PCなど、利用端末が限定的であれば総所有コスト(TCO)を大幅に削減できる可能性があります。

「特定部門が大量のファイルを翻訳する(ページ課金や文字課金が有利かも)」「全社員が日常的に少しずつ使う(ID課金が有利かも)」など、自社の利用シナリオを具体的に想定してシミュレーションすることが、費用対効果の試算において不可欠です。

8-4. 運用設計:用語集・ポストエディット・ハイブリッドワークフロー

ツールを導入して終わり、ではありません。自動翻訳の品質を本当に業務レベルに引き上げるためには、「導入後の運用」こそが鍵を握ります。

翻訳の品質は「エンジン × 用語集 × ポストエディット(修正)」の掛け算で決まります。

  • 用語集 (Glossary/TMX/TBX):
    まず、社内独自の専門用語、固有名詞、製品名などを「用語集」として登録します。DeepL Pro、Google Cloud、Azure、「ヤラク翻訳」などは、この用語集を一元管理し、部門横断で共有する機能を提供しています。これにより、「A部署とB部署で訳語が違う」といった事態を防ぎ、翻訳品質を標準化できます。
  • ポストエディット (Post-Edit):
    AIの翻訳結果が100%完璧であることは稀です。人間が翻訳結果を修正する作業を「ポストエディット」と呼びます。ヤラク翻訳のような翻訳管理プラットフォームは、この修正履歴を翻訳メモリ(TM)として蓄積し、次の翻訳時に再利用することで、使えば使うほど自社に最適化されていく仕組みを持っています。

最近のトレンド(「rws.com」などの業界レポート)では、LLMとNMTのハイブリッド運用も注目されています。例えば、まずLLMで文章全体のトーン(文体)を整えたり、分かりやすく要約(前処理)させたりしてから、専門分野に特化したNMTで高速に大量翻訳(量産)させるといった、多段階のワークフローを設計することも可能になっています。

\一括で自動翻訳を比較し、導入を検討したい方はこちら!30秒で比較表をご提供できます。/
価格や製品機能など、見やすい一覧表から、気になる製品をまとめてチェック!

前田 慎一
株式会社サン・フレア/取締役CIO前田 慎一
自動翻訳の質によって、ポストエディットに掛かる労力は大きく変わります。また、どの程度の正確さを求めるかによって、ポストエディットをするよりも、最初から人が翻訳する方が早い(つまり安い)場合もあります。ケースごとに適切な手段を選ぶことが重要です。逆翻訳については、アウトプットが原文に近くても、訳文は意味が違う場合もあります。あくまで逆翻訳は参考程度の扱いとしてとどめるのが無難です。

9.【まとめ】自社の用途とセキュリティ要件を明確にしよう

本記事では、ビジネス用途の自動翻訳ツールを、セキュリティ、料金体系、そして「文書翻訳」「会議通訳」「現場・オフライン」といった多様な導入形態の観点から比較解説しました。

AI翻訳、特にLLMの進化により、翻訳品質は飛躍的に向上しています。しかし、その手軽さの裏には、特に無料ツール利用時の「データ学習リスク」が潜んでいます。

“無料でまず試してみる”ことは可能ですが、本格的な業務利用へ移行する前に、導入担当者様(特に情報システム部門・法務部門)は以下の点を必ず各サービスの一次情報(本記事で引用した公式ドキュメントなど)で確認し、自社のセキュリティポリシーと照合してください。

  1. データの学習不使用が明文化されているか
  2. データの保持期間と削除ポリシー(例:「AzureのNo-Trace」、「DeepL Proの即時削除」)
  3. データセンターの所在地(例:「みらい翻訳」の国内サーバ)
  4. SSO/SAML連携や監査ログ取得が可能か
  5. 無料版と法人プランでの利用規約・契約主体の違い

最終的に、最適なツールは「どの部署で・何の情報を・どのような環境で」翻訳したいかによって決まります。

  • クラウドでの大量処理・API連携が主なら → Google / Azure / AWS
  • 高精度な翻訳品質と用語集の共有を重視するなら → DeepL Pro
  • 専門分野・機密情報国内サーバで扱いたいなら → みらい翻訳 / T-4OO
  • データを一切外部に出せない閉域網なら → SYSTRAN(オンプレミス)
  • Web会議の同時通訳を低コストで実現したいなら → 「ポケトーク ライブ通訳
  • 騒がしい現場での対面接客が主なら → 「ポケトーク(S2)
  • ネット接続不可のPCで安全に使いたいなら → 「AI本格翻訳」

ぜひ本記事で紹介した比較表や監査チェックリストを活用し、自社の用途とセキュリティ要件を明確に定義することから始めてください。

「自動翻訳」の製品比較表

※税込と表記されている場合を除き、全て税抜価格を記載しています

  • 製品名
  • 注目ポイント
  • 料金プラン
  • プラン名金額
  • 無料トライアル
  • 最低利用期間
  • 基本的な機能
    • インポート
    • ユーザー辞書
    • AI自動学習
    • 翻訳ページ内検索
    • 表現統一
    • 翻訳者校閲サービス
    • 多言語対応
    • PDF翻訳
    • 類似語表示
    • 装飾引継ぎ
    • エクスポート
    • グループ管理
    • 専門文書対応
    • 進捗追跡
    • 用語管理機能
    • オフライン稼働
    • リアルタイム更新
    • 個別編集
    • ドキュメント共有
  • サービス資料
  • 無料ダウンロード
  • ソフト種別
  • サポート
AI本格翻訳 ダウンロード版 19,800円(税込)
備考
PC1台用/ダウンロード版
AI本格翻訳 ライセンス版 15,147円(税込)
備考
PC10-49台用/ライセンス版
1つのシリアルキーで利用・管理できる
AI本格翻訳 ライセンス版 14,305円(税込)
備考
PC50-99台用/ライセンス版
1つのシリアルキーで利用・管理できる
AI本格翻訳 ライセンス版 13,464円(税込)
備考
PC100-499台用/ライセンス版
1つのシリアルキーで利用・管理できる
制限なし
AI本格翻訳の資料サムネイル
パッケージ型ソフト 
電話 / メール / チャット /
お試しプラン 月額: 0円
備考
利用時間: 30分/月
個人プラン 月額:3,300円 (年額: 33,000円)
備考
利用時間: 無制限
法人プラン 42,900円(税込)1年買い切り/カード版
備考
利用時間: 無制限
1年
ポケトーク ライブ通訳の資料サムネイル
なし 
電話 / メール / チャット /
ポケトーク S2 スタンダード 36,300円(税込)
ポケトーク S2 ビジネス 55,000円(税込)
ポケトーク S2 Plus スタンダード 39,930円(税込)
ポケトーク S2 Plus ビジネス 60,500円(税込)
不明
ポケトークの資料サムネイル
なし 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
ランニングコスト 要相談
制限なし
パッケージ型ソフト 
電話 / メール / チャット /
無料 無料
制限なし
なし 
電話 / メール / チャット /
初期費用 100,000円
スターター 3プラン 9,000円/月
備考
3ユーザーまで利用可能です。
スターター 5プラン 12,000円/月
備考
5ユーザーまで利用可能です。
スモールプラン 24,000円/月
備考
15ユーザーまで利用可能です。
ミディアムプラン 40,000円/月
備考
30ユーザーまで利用可能です。
ラージプラン 80,000円/月
備考
100ユーザーまで利用可能です。
エクストラ・ラージプラン 150,000円/月
備考
300ユーザーまで利用可能です。
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 100,000円
スタータープラン 12,000/月
備考
ユーザー数x5まで追加可能です。
スモールプラン 24,000/月
備考
ユーザー数x15まで追加可能です。
ミディアムプラン 40,000/月
備考
ユーザー数x30まで追加可能です。
ラージプラン 80,000/月
備考
ユーザー数x100まで追加可能です。
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
基本4言語プラン 年間360,000円〜
欧州5言語プラン 要相談
その他23言語プラン 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
3ヶ月
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
無料会員プラン 0円
プレミアム会員プラン 330円/月額
最低利用期間の制限なし
なし 
電話 / メール / チャット /
初期費用 100,000円
スターター3プラン 9,000円/月額
備考
3名まで利用可能です。
スターター5プラン 12,000円/月額
備考
5名まで利用可能です。
スモールプラン 24,000円/月額
備考
15名まで利用可能です。
ミディアムプラン 40,000円/月額
備考
30名まで利用可能です。
ラージプラン 80,000円/月額
備考
100名まで利用可能です。
エクストラ・ラージプラン 150,000円/月額
備考
300名まで利用可能です。
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
最低利用期間の制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
チームスタートプラン $29/月
備考
フリーランサー向けのプランです。
チームプラン $210/月
備考
ワークフローと自動翻訳機能搭載プランです。
アルティメットプラン $369/月
備考
API連携と翻訳ワークフローが搭載されているプランです。
エンタープライズプラン 要相談
備考
機能をカスタマイズできるプランです。
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
最低利用期間の制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
スモールプラン 約3,000円/月額
備考
10ユーザまで利用可能です。
ミディアムプラン 約10,000円/月額
備考
30ユーザまで利用可能です。
ラージプラン 約21,000円/月額
備考
66ユーザまで利用可能です。
エンタープライズプラン 要相談
備考
67ユーザ以上利用可能です。
最低利用期間の制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用 要相談
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /

価格や製品機能など、見やすい一覧表から、気になる製品をまとめてチェック!

トライアル 有り
サポート メール 

製品のおすすめポイント

  • Google翻訳に匹敵する翻訳精度
  • オフライン環境でも快適に利用可能
  • 低価格+買い切りで抜群のコスパ
トライアル 有り
サポート メール 

製品のおすすめポイント

  • ボタン操作不要で即時使用可能な利便性
  • 高精度な双方向通訳でスムーズなコミュニケーション
  • コスト効率と多言語対応でグローバル展開を支援
トライアル 無し
サポート 電話 メール 

製品のおすすめポイント

  • 一台で完結する多言語対応
  • ノイズキャンセル搭載で快適な会話
  • 翻訳精度が向上し続ける仕組み
トライアル 有り
サポート 電話 メール チャット 

製品のおすすめポイント

  • 専用機材不要、低コストで利用可能
  • 多言語対応で国際的なイベントをサポート
  • 簡単な準備で即時に利用開始が可能
トライアル 有り
サポート 電話 メール 

製品のおすすめポイント

  • ほぼリアルタイムで音声を翻訳できるので便利
  • いつでもどこでもモバイルを使用して使える
  • 会話だけでなく、写真や手書き、タイピングで入力可能
トライアル 有り
サポート メール 

製品のおすすめポイント

  • 自動翻訳と手動編集をAIが学習しより高精度に
  • 自動翻訳を元にプロ翻訳者への発注・編集が可能
  • シンプルな画面で操作も簡単、誰でもすぐ使える
トライアル 有り
サポート 電話 メール 

製品のおすすめポイント

  • 使うほど精度が上がる!AI自動翻訳と学習機能で翻訳業務の改善に
  • 一度に大量翻訳と同時アクセスでスピード処理が可能
  • 手厚いカスタマーサービスで導入前後も安心
トライアル 有り
サポート 電話 メール 

製品のおすすめポイント

  • Webサイト翻訳に特化!ページレビュー数を言語別に分析可能
  • 利用目的や環境に合わせてサービス内容を選べる
  • システム導入申し込みからサービス開始が早く簡単
トライアル 有り
サポート 電話 メール 

製品のおすすめポイント

  • 専門用語に強く、特許や金融、法律分野まで翻訳をカバーできる
  • 国産エンジンかつ国内限定運用で高品質!セキュリティも万全
  • 翻訳量に応じた月額の定額プランで無駄がないコスト!
トライアル 有り
サポート メール 

製品のおすすめポイント

  • ただの翻訳ツールではない!英語の学習ができる
  • 単語登録数や辞書登録が豊富で効率的に使える
  • 負担は月額費用のみ、無料期間キャンペーンもあり低コスト
トライアル 有り
サポート 電話 メール 

製品のおすすめポイント

  • AI翻訳と独自のデータベースで使うほど適切な翻訳に
  • しっかりとしたセキュリティ体制で安心安全
  • 段階ごとのユーザー課金でコストに無駄がない
トライアル 有り
サポート 電話 メール 

製品のおすすめポイント

  • 使いやすいインターフェースで誰でも簡単に翻訳できる
  • Officeファイルもそのまま翻訳!レイアウトを崩さない
  • プロによる翻訳編集が可能で本格利用にも
トライアル 有り
サポート 電話 メール 

製品のおすすめポイント

  • 自動翻訳とプロの翻訳で高品質な翻訳が可能
  • 翻訳状況を随時確認できる!ダッシュボード機能とアプリで素早い情報共有が可能
  • 搭載されている翻訳エンジンは30種類以上!最適な翻訳エンジンを選べる
トライアル 無し
サポート 電話 メール 

製品のおすすめポイント

  • どんなWebサイトにも対応可能!翻訳制度やセキュリティが強固
  • 多言語翻訳でもメンテナンスが簡単。運用コストの削減に
  • Webサイトだけでなくスマートフォンアプリにも対応可能
トライアル 有り
サポート 電話 メール 

製品のおすすめポイント

  • slackでの会話をリアルタイム翻訳!スムーズなコミュニケーションを促進
  • 対応言語は100以上。マイナー言語にも即時翻訳
  • 初期費用0円で無駄な費用がかからずコスパ最良
トライアル 有り
サポート 電話 メール 

製品のおすすめポイント

  • グローバル企業に通用する翻訳力!セキュリティも高く安心
  • 会話も翻訳可能。幅ひろいコミュニケーションツールにも対応
  • 国際規格ISO27001、27017を取得で政府機関での導入も可能
トライアル 有り
サポート 電話 メール チャット 

製品のおすすめポイント

  • 専門は2000分野までカバー!100言語以上の対応でどんな文書も翻訳可能
  • どんな資料でも丸ごと翻訳可能。翻訳結果も自由に編集可能で圧倒的使いやすさ
  • AI自動学習機能搭載で、オンリーワンの翻訳システムに

よくある質問

無料の自動翻訳ツール(Google翻訳やDeepL無料版)を業務で使っても問題ありませんか?

推奨されません。多くの無料ツールでは、利用規約により入力したデータがAIの品質向上のために「学習データ」として利用される可能性があります。社外秘の契約書や個人情報を入力すると、情報漏えいに直結するコンプライアンス違反のリスクがあります。

法人向け(有料)の自動翻訳は、何が安全なのですか?

法人向けプラン(DeepL Pro, Google Cloud Translation, Azure AI Translatorなど)は、「入力データをAIの学習に利用しない」「翻訳処理後にデータを即時削除する(または保存しない)」と公式に明言されています。これにより、機密情報を安全に取り扱うことが可能です。

AI翻訳の「NMT」と「LLM翻訳」はどう使い分ければよいですか?

NMT(ニューラル機械翻訳)は、専門分野に特化させた学習(カスタムNMT)が可能で、大量の定型文や専門文書をコスト効率よく処理するのに向いています。LLM(大規模言語モデル)翻訳は、長い文脈の理解や自然な言い回し、要約・トーン調整に優れていますが、NMTより高コストになる傾向があります(例:Google Cloudでは入力・出力の両方で課金)。

機密情報が多く、データを社外のクラウドに出したくありません。どうすればよいですか?

主に2つの選択肢があります。 ①オンプレミス型: SYSTRANのように、自社のサーバ内に翻訳エンジンを構築し、データを外部に送信しない方法。 ②オフライン型: ソースネクストの「AI本格翻訳」のように、PCにインストールし、インターネット接続なしで動作するソフトウェアを利用する方法。

Web会議で使えるリアルタイムの同時自動翻訳ツールはありますか?

「ポケトーク ライブ通訳(Sentio)」が適しています。PCのブラウザで動作し、特別な機材は不要です。登壇者の音声をリアルタイムで翻訳し、参加者は自分のスマホやPCで字幕を閲覧できます(最大500名まで共有可能)。月額3,300円のプランのほか、月30分の無料枠もあります。

自動翻訳の精度を上げるために、企業側でできることはありますか?

「用語集」機能の活用と「ポストエディット(翻訳後の修正)」の運用が重要です。DeepL ProやGoogle Cloudなどは、社内固有の製品名や専門用語を「用語集」に登録し、訳語を統一する機能があります。また、ヤラク翻訳のような管理ツールでは、人間の修正(ポストエディット)を履歴として蓄積し、翻訳資産として活用できます。

自動翻訳導入にあたり、コストはどのくらいかかりますか?

料金体系は主に4種類あります。「文字課金」(Google NMT, Azure)、「ID課金」(DeepL Pro)、「ページ課金」(Google ドキュメント翻訳)、「買い切り」(AI本格翻訳)です。少人数が大量に使うなら「文字課金」、全社的に広く浅く使うなら「ID課金」、ネット接続のないPC用なら「買い切り」など、利用実態に合わせた試算が必要です。

国産の自動翻訳ツールを選ぶメリットは何ですか?

セキュリティ要件への対応力です。「みらい翻訳」はISO 27001/27017認証を取得し、国内サーバでの完結を明言しています。「T-4OO」も国内データセンターで運用されます。外資系クラウドサービスに対するデータセンターの場所(国外)懸念や、国内の厳格な業界基準(金融、公共など)に対応しやすい点がメリットです。

このカテゴリーの導入事例

記事で紹介されたサービス

料金・機能を詳しく知る

目次

自動翻訳の比較表を表示する

おすすめ比較一覧から、
最適な製品をみつける

カテゴリーから、IT製品の比較検索ができます。
2018件の製品から、ソフトウェア・ビジネスツール・クラウドサービス・SaaSなどをご紹介します。

すべてみる