購買とは｜手順や悩みの解決策も解説

「購買」とは、企業活動に必要な資材や物品を、会社に買い入れることを意味します。「購買」の是非は、企業経営の是非に直結し得る、極めて重要な要素です。従って、「購買」業務の担当者は、適切な数量や品質、適切なタイミングを見極め、適切な価格で購入する必要があります。ここでは、「購買」の言葉の意味や業務内容、手順などを詳しく説明します。「購買」について正しい知識を身に着けることは、安定した企業経営に繋がります。

購買とは

はじめに、言葉の意味や概要について説明します。正しい基礎知識を身につけておきましょう。

言葉の意味

「購買」とは、企業活動に必要な資材や物品を、会社に買い入れることを意味します。製造業では、仕入れた資材が無ければ、製品を生産することができませんし、サービス業では、必要な物品が無ければ、サービスを提供することができません。このように「購買」は、企業経営の是非を決定し得る重要な意味を持ちます。従って、購買業務の担当者は、適切な数量や品質、適切なタイミングを見極め、適切な価格で購入する責任を負っていると言えます。

調達との違い

「購買」と良く似た用語に「調達」があります。どちらも、企業活動に必要な資材や物品を取り寄せることに変わりはありませんが、両者には取り寄せる方法に大きな違いがあります。

「購買」は、文字通り「購入」や「買い上げ」によって資材や物品を仕入れる場合に当てはまります。一方「調達」は、リースやレンタルを含む、全ての方法で資材や物品を仕入れる場合に当てはまります。また、資材や物品だけでなく、企業活動に必要な人材など、生産能力に関連するものの用意全般を「調達」と呼ぶことがあります。以上から、「購買」は「調達」の一つであり、「調達」の方がより広範囲を意味する言葉と言えます。

購買管理の５原則

「購買」には、基本ルールをとりまとめた「購買管理の5原則」があります。取引先・品質・数量・納期・価格の５つの項目があり、適正化を図ることで、無駄を削減したり、円滑な調達業務を可能にします。購買管理の5つの原則は以下の通りです。

1.適切な取引先の選定

「適切な取引先の選定」では、物品を発注する取引先の企業や団体の選定を行います。ここでの「適切」とは、物品の品質や契約内容の履行などに信頼をおけることです。

・取引先の経営財務状況を調査する
・取引先とのコミュニケーションが円滑にできるか確認する
・取引先の調達経路を調査する

2.適切な品質確保

「適切な品質確保」では、調達される物品の品質や管理体制を確認します。

・自社の要求を満たす品質を調達可能であるか確認する
・品質管理体制を確認する
・品質に対する価格が適正か確認する

3.適切な数量の決定

「適切な数量の決定・確保」では、自社の要件にあった物品の調達数量を決定します。物品の不足は、生産性の低下や業務の停滞を招く原因になりますが、反対に余剰在庫や過度な設備は、調達、維持、管理の全ての過程で無駄なコストを浪費する要因になります。必要数の調達を心がけましょう。

・正確な需要予測する
・在庫管理の徹底

4.適切な納期の確認

「適切な納期の確保」では、物品の発注からにかかる時間を確認します。通常、物品の調達や生産に時間が必要であり、発注直後に自社に到着とはいきません。物品調達には、こうしたリードタイムがあることを念頭に、余裕あるスケジュールを組みましょう。

・余裕あるリードタイムを見積もる
・調達状況を把握する仕組みを構築する
・調達が遅れたときや非常事態の対処法を取り決める

5.適切な価格の確認

最後の「適切な価格の確認」では、物品の調達コストが自社の経営を逼迫しないか、あるいは回収可能な金額であるかを確認します。また、取引先・品質・数量・納期の上記「4つの適切」を満たした範囲内でコスト節減ができないか検討します。この過程により物品調達の効果を高め、自社の利益拡大に繋がります。

以上の「購買管理の５原則」を意識することで、「購買」業務の成功に繋がります。「購買管理の５原則」について、詳しくは以下のサイトで説明しています。

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購買の手順

「購買」には「購買依頼書の作成・申請」「購入先の選定・見積り」「発注」「納品・品質確認」「請求書の精算」の５つの段階があります。

1.購買依頼書の作成・申請

必要な物品やサービスの要件や数量、規格、タイミングなどを取りまとめます。これにより購買する物品やサービスを認知し、「購買」業務が始まります。

2.購入先の選定・見積り

複数の候補から、自社と取引するサプライヤー企業や団体を選定します。取り扱う資材や原料の種類、販売価格、仕入ルート、生産能力、口コミ、業績など、検討すべき要素は多岐に渡ります。サプライヤーが供給する物品やサービスが、必要な要件を満たしていることは勿論、企業活動を継続する上で問題が発生しないよう、信用のある企業や団体を選出することも重要です。

さらに、サプライヤと取引する前に、取引にかかる経費や資材・原料などの販売価格がどれくらいになるのか、見積もりを依頼します。また、本当に自社が求める品質や数量を提供できるこど、基準をクリアしているかなども、見積もりを通じて確認します。

3.発注

購入する商品の種類・価格・数量などを決定し、取引契約を締結し、発注します。発注前には、倉庫スペースなど、受け入れる自社側の体制が整っていることも確認しましょう。

4.納品・品質確認

到着した物品やサービスが自社の要件を満たしているか、発注内容に準じているかを確認します。不良品や不具合を発見した場合や不明な点があった場合は、サプライヤーに問い合わせ、必要な対応をとってもらいます。

5.請求書の精算

物品やサービスの到着後、サプライヤーから請求書が届きます。請求内容を確認し期日までに入金しましょう。

以上の5つのステップを購買がある度に繰り返していきます。特に、製造業で製品に使う部品などの物品や資材は、購買後も不足しないよう在庫管理を徹底し、不足する前に再発注が必要です。また、導入した物品が消耗する場合は、必要に応じて部品の交換などの保守管理も大切なので、請求書を精算したら終わりではなく、在庫管理部門や物品を使用する現場としっかり連携をとりましょう。

購買のポイント

持続可能な「購買」を実現するためには、「属人化の解消」「サプライヤーとの癒着防止」の2ポイントを意識することが有効です。

1.属人化の解消

「購買」業務が属人化していた場合、欠勤・休暇・退職などにより、担当者が不在となった途端に、「購買」業務停止のリスクがあります。また、特定の誰かに依存した「購買」は、不正やミスの抑止力が低下します。

2.サプライヤーとの癒着・不正防止

お金の流れや企業経営に近い立場の「購買」で、サプライヤーとの癒着や不正が行われると、自社の利益の減少や信用の失墜といった多大な損害に直結するリスクがあります。そのため、購買業務を管理する上では、担当者とサプライヤとの癒着の発生に注意しなければなりません。具体的には、サプライヤーからの便宜や賄賂の受け取り、不正やミスの隠ぺい、経費の私的利用などが挙げられます。

承認システムの確立・複数人チェックを心がけよう

これらポイントを実現するためには、「購買」の承認に至る過程を明確化し、毎回、第三者を交えるなど、複数人でチェックする体制の構築が有効です。「できる限り複数人でチェックすること」「機械的にチェックすること」が、安定した「購買」に繋がります。

「購買」業務の悩みを解決する方法

ここまで説明してきたように、「購買」は業務内容が多岐に渡り、複雑です。そのため、誰がどこまで作業を進めたのか把握しずらい問題があります。この問題は、属人化の要因となってきました。こうした「購買」の悩みを解決する手段として「購買管理システム」があります。「購買管理システム」は。以下のサイトで詳しく解説しています。

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まとめ

以上から「購買」を徹底して行うことの重要性が分かりました。「購買」は、製品やサービスを提供する上で必要な物品やサービスを仕入れる取り組みであることから、まさに「縁の下の力持ち」とも言える、極めて重要な仕事内容です。手順やポイントをしっかり理解し、最適な「購買」を実現し、円滑な業務の推進や利益の拡大に繋げていきましょう。