IT資産管理ソフトの導入事例6選｜導入前の課題や導入後の効果を紹介【2025年最新】

本記事では、企業がIT資産管理ソフトを導入することで、どのような効果を得られたのかについて紹介します。導入した企業の業種と規模を確認し、導入前の課題から改善の施策、導入後の効果を知ることでIT資産管理ソフトを導入する際の参考にしましょう。

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IT資産管理ツール比較21選｜タイプ別に製品を徹底解説【2025年・監修/比較表付】

導入事例1：株式会社bbc（導入製品：Eye“247” Work Smart Cloud）

導入前の課題

コロナ禍でリモートワークを導入したものの、社員の働き方が見えにくくなり、業務状況の把握や労務管理に課題を感じていました。リモートワーク疲れ、サービス残業増加などが起こっていないか、自社の従業員の働き方を把握したいと思うように。機能面やメリットなど他社製品と比較検討したうえで、「Eye“247” Work Smart Cloud」の導入を決定しました。

また、IT資産をエクセルで管理しており、時間や人的コストがかかっていました。さらに、ISO（9001・27001）取得のため、セキュリティ対策の強化も求められていました。

改善の施策

業務の可視化、IT資産管理、セキュリティ対策を一元的に行えるツールとして、「Eye“247” Work Smart Cloud」を選定。特に、リモートワーク時の業務状況の把握や、USBデバイスの利用制御機能（ホワイトリストに登録したUSB以外は使用できない）が決め手でした。

導入後の効果

導入後、社員の業務量や業務プロセスの把握が可能となり、公平で透明性のある人事評価制度を確立されました。評価する際に「＋αのプロセス評価」を行ったり、フォローが必要な社員をいちはやく発見し、サポートすることができています。また、IT資産管理の効率化により、管理業務にかかる時間や人的コストを削減。さらに、セキュリティ対策の強化により、ISO取得にも役立ち、社員のセキュリティ意識向上にも寄与しています。

これらの取り組みにより、リモートワーク時の業務状況の可視化や、IT資産管理、セキュリティ対策の強化を実現し、業務効率化と組織力の向上に成功されています。

導入事例2：株式会社TBSサービス様（導入製品：MaLion7）

導入前の課題

株式会社TBSサービス（現・株式会社TBSグロウディア）様は、社内の情報漏洩対策強化を目的に、インターコム社のクライアントPC運用管理ツール「MaLion」を導入しました。導入の決め手は、他社と比較した際の価格面。以前使用していたPC操作監視ツールのバージョンアップ費用が高額であったため、コスト削減と機能強化を検討した結果、MaLionに乗り換えることに。「MaLion」は、標準機能が充実し、オプション追加やバージョンアップ時の追加費用が不要である点、営業・サポートスタッフが対応が丁寧な点、Mac端末に対応している点が評価され、導入を決定しました。

改善の施策

Windows 246台、Mac 4台の計250台のクライアントPCに「MaLion」を導入し、一元管理を実現。経営システム部のメイン管理者2名を筆頭に、5名体制で運用しています。特に、従来管理が難しかったMac端末の操作ログ収集も可能となり、全社的な情報管理体制を強化されました。

導入後の効果

「MaLion」を活用して、従業員のPC操作ログを収集し、社内に開示しており、不正行為の抑止効果を実感できています。また、ネットワーク監視機能により、無許可のPC接続を防止し、ウイルス感染リスクの低減にも成功。さらに、IT資産管理機能の本格的な活用に向けて保有ライセンスを登録するなどの準備を進めており、セキュリティ対策と資産管理の一本化を目指されています。

導入事例3：株式会社 京王百貨店（導入製品：AssetView）

導入前の課題

京王百貨店は、PCの管理が煩雑で、どこに何台PCがあるのか把握するために多くの社員を動員していました。また、使いにくい管理ツールの使用や低スペックなPCの制約もありました。

改善の施策

2002年、同社はIT資産管理の効率化を目指して、「AssetView」という専用のソフトウェアを導入しました。このソフトウェアは、PCの稼働状況やソフトウェアのインストール状況などを一元管理できる機能を備えており、少人数で効率的に管理できるようになりました。さらに、担当者間の情報共有やカスタマイズにより、ツールの活用を最大化しました。

導入後の効果

「AssetView」の導入により、京王百貨店では以下のような効果が得られました。まず、IT資産管理の機能を活用し、問い合わせや問題解決に迅速に対応できるようになりました。また、稼働していないPCの把握と回収、操作ログの管理によるウイルス対策の強化など、効率的なPCの運用が可能となりました。さらに、担当者間での共有とカスタマイズにより、データの整合性が高まり、業務の効率化が図られました。

導入事例4：株式会社みんなの銀行（導入製品：LANSCOPE）

導入前の課題

株式会社みんなの銀行およびゼロバンク・デザインファクトリー株式会社は、既存のEDR（Endpoint Detection and Response）製品を活用していましたが、検知された脅威の前後の操作ログを確認する手段がなく、詳細な調査・分析が困難でした。また、ソフトウェアの脆弱性が発見された際、該当ソフトをインストールしている端末の特定が難しいという課題も抱えていました。

顧客の口座情報や金融情報を取り扱うため、情報漏洩対策を強化したいというニーズもあり、「LANSCOPE 」の導入を検討していました。

改善の施策

複数のIT資産管理ツールを比較検討した結果、操作ログ管理や外部記録メディアの利用制御機能が充実しており、データ分析プラットフォーム「Splunk」との連携実績が豊富な「LANSCOPEオンプレミス版 」を選定しました。コストパフォーマンスの良さと豊富な実績数も魅力でした。

導入後の効果

導入後、端末の操作ログを詳細に取得・分析できるようになり、EDRと連携した脅威の検知・対応が強化されました。さまざまな切り口で詳細を分析でき、勤務実態や情報持ち出し状況などコンプライアンスリスクを可視化するレポートをすぐにアウトプットできます。

また、外部記録メディアの利用制御により、情報漏洩リスクの低減にも成功しています。さらに、ソフトウェアの脆弱性情報に基づき、該当ソフトをインストールしている端末を迅速に特定・対応できる体制が整いました。

これらの取り組みにより、金融サービスに求められる厳格なセキュリティ対策を実現し、リモート勤務時の勤怠管理にも活用するなど、業務効率化とセキュリティ強化の両立を達成しています。また、IT資産の棚卸や台数把握にも活用できています。端末管理がよりスピーディになり、省力化を実現しました。

導入事例5：株式会社第四銀行（導入製品：PalletControl）

導入前の課題

営業担当者と窓口の専用端末に窓口受付システムをインストールするには、1,000台もの端末を回収し個別にインストールする手間と時間がかかりました。また、従来の統合システム運用管理製品ではタブレット端末の要件を満たせず、課題となっていました。

改善の施策

「PalletControl」の導入が決定されました。PalletControlは、Windows 10への大型アップデートや業務アプリケーションのインストールと設定変更といった課題に対応し、専用プログラムのカスタマイズにより設定変更作業の簡易化とログオン/オフ時間の取得も可能となりました。柔軟なカスタマイズ性や将来の課題解決の手助けとなるイメージが評価されました。

導入後の効果

「PalletControl」の導入により、1,000台の端末更新をリモートで効率的に実施することができました。業務用アプリケーションのインストールや設定変更も自動化され、ユーザーからの問い合わせがなくスムーズに行われました。さらに、ユーザー自身がパスワード初期化を容易に行えるようになり、ヘルプデスクへの電話依頼が減少しました。また、窓口受付システムのインストールもリモートで行い、予定通りのリリースを実現しました。

 導入事例6：大手建設業C社（導入製品：MCore）

導入前の課題

従来の大手ゼネコンでは、I社製資産管理ツールを利用していたが、エンドポイントセキュリティが手付かずの状態であり、USBメモリなどの社給デバイスの利用制限ルールが存在していたものの、実際の利用状況を把握できず、大きな課題となっていました。

改善の施策

「MCore 」の採用が決定され、利用申請機能や削除可能な書き込み制限機能を備えたMCoreが、セキュリティ対策の強化ニーズにマッチしていると評価されました。また、C社のワークフローとの連携を実現し、操作ログの種類を拡張するためにログ管理サーバを増設しました。さらに、既存の資産管理ツールの巻き取りも検討されています。

導入後の効果

「MCore 」の導入により、以下の効果が生まれました。

1. エンドポイントセキュリティの強化と情報漏洩対策、内部不正への抑止力の向上が実現されました。
2. ビジネスベネフィットとして、大規模環境下のPCを少ないサーバで一元管理し、IT資産管理とセキュリティ対策を統合したシステムを実現しました。
3. グループ会社の統合管理と各社の個別ポリシー運用を実現しました。
4. 社内標準ワークフローシステムとの連携により、運用性が向上しました。
5. デバイス制御とBitLocker管理により、社外持ち出しPCのセキュリティが強化されました。
6. 大規模なPC操作ログの管理と高速検索により、スムーズな監査が実現されました。

まとめ

本記事で紹介した業界も規模も異なる6社の導入事例から、IT資産管理ツールが単なる「モノの管理」に留まらず、多様な経営課題を解決する強力なソリューションであることがお分かりいただけたでしょう。

各社が抱えていた課題は、「Excel管理の限界」「リモートワーク下の労務管理」「情報漏洩リスク」など様々でしたが、ツール導入によって「管理業務の大幅な効率化」「セキュリティとコンプライアンスの強化」「多様な働き方への対応」という共通の効果を得ています。

これらの事例が示すのは、IT資産管理ツールが守りのIT投資であると同時に、社員が安心して生産的に働ける環境を整備し、企業の成長を支える戦略的な一手であるという事実です。

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