Menu
Close

IT資産管理、台帳から脆弱性対応の基盤へ|SaaS・OSSまで把握できるか

目次

「このサービスは、どの部門が契約していましたか」。脆弱性情報を受け取った担当者が、画面の前で手を止める場面があります。

端末やサーバーなら台帳にあっても、部門導入のSaaSや開発に使われるOSS、更新時期の近いライセンスまで追えるとは限りません。

この春、資産情報の登録と責任者の明確化を求めるガイドが示され、外部からの診断では対象となった全社で何らかの脆弱性が見つかりました。台帳は、保管するための一覧ではなく、対応の優先順位を決めるための基盤になりつつあります。

問われるのは、SaaSやOSSまで広がる資産情報を、誰がどの基準で更新し、脆弱性対応の判断と担当交代まで止めずに回せる状態へ変えられるかです。

この記事では、資産台帳が脆弱性対応の起点となる理由、更新されない情報が対応を止める仕組み、そして自社に合うIT資産管理ツールを考えるための三つの問いを解説します。

資産台帳が脆弱性対応の起点になる

脆弱性情報を受け取ったとき、「自社に関係するのか」「誰が判断するのか」をすぐ確かめられなければ、台帳は実務の起点になりません。求められ始めているのは、保有物を数える記録ではなく、外部から見える状態と導入済みの部品、責任者を結び付ける情報基盤です。

更新通知を前に、担当者が判断先を探す

あるソフトウェアの更新情報を見た担当者が、利用部署、版、公開の有無を別々の表やメールで探す場面があります。実務ガイドは、外部ソフトウェアやSaaSでは購入したライセンス・利用サービスを漏れなく台帳に登録し、管理責任者を割り当てることを示しています。委託や自社構築でも、ミドルウェアとOSSライブラリが対象です。資産名だけでなく、版、公開状況、責任者を同じ記録で確認できれば、情報を受けた瞬間に「対象か、誰が判断するか」へ進めます。欄を増やすこと自体が目的ではありません。判断を止めないために、更新時に誰が何を確かめるかまで記録に置けているかが重要です。

外から見つかった資産を、台帳の現実照合にする

外部公開の状況を調べた結果、停止したはずの環境や見覚えのないサブドメインが見つかったとき、担当者はまず「残すべきものか」を社内に確認することになります。診断報告書では、クラウド移行時に停止し忘れたデータベース、未使用サブドメイン、公開された管理パネルなど、把握されていなかった資産・設定が多数発見されたと報じられています。公開情報から不正侵入経路になり得る点を把握するASM(攻撃者から見える資産を調べる手法)では、対象となった126社の全社で何らかの脆弱性が検知されました。これは一般の企業全体の割合ではありませんが、台帳と外部公開状態の差分を点検する必要性を示す材料にはなります。もっとも、発見された資産が管理外なのか、意図した公開なのか、実害の可能性までをASMだけで確定することはできません。発見結果を台帳の修正候補として責任者に照会する運用が必要です。

SaaSとOSSを、所有物ではなく対応対象として記録する

端末やサーバーの棚卸しは済んでいても、契約中のSaaS、利用中のライセンス、委託先の構成に含まれるOSSまで、同じように追えているとは限りません。製品利用者向けガイドは、脆弱性対処の第一歩を管理対象の正確な把握と位置付け、更新や設定変更の際の速やかな台帳更新、定期的なネットワークスキャンと棚卸しを示しています。現場では「回答はしているが、自社の基準や方針を持たないまま個別対応している」という声もあると報告されています。SaaSやOSSを台帳に含める意味は、すべてを情報システム部門だけで管理することではありません。契約・利用・変更の各場面で、誰に確認し、どの記録を更新し、脆弱性情報を誰の判断へ渡すかを決めることです。

台帳が対応判断の起点になった後は、検知した問題をどの基準で優先し、修正や代替策を誰が決めるかが次の論点になります。

更新されない情報が対応を止める

脆弱性情報を受け取れても、影響を判断し、対応を引き継げなければ対策は進みません。台帳の鮮度は、棚卸しの完成度ではなく、検知後の判断を止めないための運用基盤として問われます。

脆弱性情報が届いた朝、対象と担当者をたどれない

朝に脆弱性情報が届き、担当者が「自社のどこで使っているか」を確認しようとしても、端末、利用中のSaaS、OSSライブラリ、委託先のどこを見ればよいか分からない場面があります。ASM実施報告書には、対象範囲を特定できないこと、責任体制が不明確なこと、修正プログラムの適用管理に手間がかかることが課題として挙げられています。検知機能を増やしても、資産名、利用状況、責任者が結べなければ、照合は人手に戻ります。編集部としては、ここで必要なのは「検知したか」より、対象ごとに誰が判断を始めるかを確認できる記録だと考えます。脆弱性情報を受けた際、資産、利用部門、責任者を同じ手順でたどれるか確認したいところです。

異動や端末交換は、脆弱性対応力を保つ更新イベントです

担当者の異動後、以前の担当が作った一覧だけが残り、例外対応の理由や期限が分からなくなることがあります。製品利用者向けガイドは、ソフトウェアだけでなく、ライセンス、SaaS、ミドルウェア、OSSライブラリを台帳に登録し、管理責任者を割り当てるよう求めています。また、変更時の速やかな更新と、定期的な確認も示しています。中小企業向けガイドラインでも、異動・退職に伴う権限変更や削除漏れ、権限の集中がリスクとして扱われます。担当交代がどれほど対応を遅らせるかの代表値は確認できませんが、責任者、資産の状態、例外の期限、対応履歴が残らなければ、判断を再現しにくいことは運用上の合理的な推論です。入退社、交換、返却、廃棄を、台帳更新の契機として手続きに組み込めるかを確かめる必要があります。

分散した記録を、判断に必要な項目でつなぐ

購買部門には契約情報があり、利用部門には日々の使い方があり、情報システム部門には設定や対応履歴があるのに、いざ影響を確認すると記録がつながらないことがあります。通常の導入手順を経ないSaaS導入、いわゆるシャドーITは、こうした欠落を生みやすいとSaaSサプライチェーン調査でも問題視されています。現場からは「対象範囲の特定ができない」「フォーマットがバラバラで負担」といった声も整理されています。連携に関する報告は、資産の導入状況と脆弱性の紐付けが多くの場合で人手だと指摘します。すべてを一つの仕組みに集めることが目的ではありません。共通の資産ID、責任者、状態、例外期限、対応履歴を相互に参照できるようにし、判断に必要な記録を探し直さない状態を目指すことが重要です。

更新責任と記録のつながりを整えた次は、限られた時間で何を先に直すのかという優先順位の基準を設ける論点に進みます。

IT資産管理ツール、自社に向けた3つの問い

台帳に登録する対象が増えるほど、問題は「何を見つけるか」だけでは済みません。機能を比べる前に、資産の範囲、更新の責任、検知後の流れを自社の言葉で定めることが、脆弱性対応を止めない基盤になります。

端末台帳の外にある資産を、誰の責任で見つけるか

利用部門が契約したクラウドサービスや、開発チームが組み込んだライブラリが、端末台帳には載っていない場面があります。製品利用者向けガイドは、ライセンス、SaaS、ミドルウェア、OSSを漏れなく台帳に登録し、管理責任者を割り当てる考え方を示しています。製品利用者向けガイドは民間企業へ直ちに法的義務を課すものではありませんが、管理対象を端末だけで区切ると脆弱性対処から漏れる、という実務上の基準として重く受け止めるべきです。公開資産の診断では、調査対象の全社で何らかの脆弱性が検知されたと報じられています。ASM診断の報告を踏まえ、台帳の対象外にしたSaaS、OSS、外部公開機器は何か、各資産の利用部門と責任者を答えられるかを確認します。

調達後の変更を、いつ誰が記録し直すか

契約更新で利用者が変わったのに責任者欄は前任者のまま、設定変更をしたのに台帳の構成は古いまま、というずれは起こりがちです。同ガイドは、更新や設定変更、利用停止・廃棄の際に速やかに情報を更新し、定期的なスキャンや棚卸しで廃棄済み資産も確かめるよう示しています。ガイドの資産把握の考え方は、一度の棚卸しを完成とみなさない点に重要さがあります。自動収集の有無だけでは、変更の背景や承認者まで補えません。調達、設定変更、契約更新、廃棄、委託先変更のそれぞれで、更新者、承認者、記録の置き場を決められるかを問い直します。管理部門が不明な機器や申請不要のクラウド接続が見つかった事例もあり、役割分担に関する事例は、責任者欄を部門横断の依頼・承認フローへ結ぶ必要を示しています。

検知した後の判断と担当交代を、記録でつなげるか

診断結果に脆弱性が並んでも、その資産を誰が使い、停止や更新を誰が決裁するのかが分からなければ、対応は進みません。調査では「専門人材不在」「責任体制不明確」「対象範囲の特定ができない」といった困りごとが挙げられています。ASM診断の実施報告書は、検知機能だけで運用負荷が解消するわけではないことを示します。検知件数だけで優先順位を決めず、公開範囲、重要業務との関係、悪用可能性、修正可能性を既存の変更管理へつなぐ判断が必要です。委託運用のOSSで問題が見つかった匿名事例では、利用者から他人の情報が閲覧できるとの連絡があったと伝えられています。委託ITサービスの事例を踏まえ、担当割当、期限、例外承認、対応履歴、委託先との連絡を一連の記録として扱えるかを確認します。

この3つの問いに答えられれば、必要なのが棚卸し中心の機能なのか、責任者管理とワークフローまで支える仕組みなのかを比較できます。次は、その運用要件を製品の比較条件へどう落とし込むかを整理します。

自社の運用に合う選択肢を見比べる際は、IT資産管理ツールを比較するための比較表もご活用ください。

「IT資産管理ツール」の製品比較表

※税込と表記されている場合を除き、全て税抜価格を記載しています

  • 製品名
  • 注目ポイント
  • 料金プラン
  • プラン名金額
  • 無料トライアル
  • 最低利用期間
  • 基本的な機能
    • PC管理
    • リモート管理
    • 不正機器検知
    • リンク管理
    • 履歴管理
    • ネットワーク検知
    • ファイル配布
    • ソフトウェア管理
    • ログ収集
    • 国産ソフト
    • データ削除
    • 操作利用制限
    • 台帳作成
    • リアルタイム収集
    • スマホ管理
    • 一元管理
    • ライセンス管理
    • テレワーク支援
  • サービス資料
  • 無料ダウンロード
  • ソフト種別
  • サポート
導入企業1,900社突破
初期費用 0円
備考
初期費用は発生しません。
利用料金 25,000円/月
備考
50ライセンス契約の場合です。1ライセンスでは500円/月となります。
制限なし
Eye“247” Work Smart Cloud(IT資産管理ツール)の資料サムネイル
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
低コストでしっかり管理
基本料金 6,000円~
機能利用料 利用機能数 × 台数 ×50円~100円
制限なし
Watchy(ウォッチ―)の資料サムネイル
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
情報漏洩を未然に防ぐ
本体 900円/1ライセンス
備考
※100ライセンスの場合
※最小5ライセンスから
※初期費用0円
BizMobile Go! オプション(MDM) 300円/1ライセンス
備考
※最小5ライセンスから
※初期費用0円
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
10期連続受賞の信頼
初期費用 要相談
備考
※最低契約数50台
要相談 要相談
備考
※最低契約数50台
制限なし
クラウド型ソフト オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
サーバ不要ですぐ導入
初期費用 要相談
利用料金 要相談
制限なし
オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
運用負担を70%削減
ライトA 3,600円/台(年間利用料)
備考
iOS・Android
ライトB 4,800円/台(年間利用料)
備考
Windows・macOS
ベーシック 6,000円/台(年間利用料)
備考
Windows・macOS
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
低コストで強いガバナンス
初期費用 要相談
利用料金 要相談
備考
※基本サービスは最低20ライセンスから
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
JALグループを支えて28年
初期費用 要相談
備考
問い合わせ後にヒアリング
利用料金 要相談
備考
問い合わせ後にヒアリング
制限なし
クラウド型ソフト オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
RFID活用で資産管理楽々
初期費用 要相談
Light 40,000円 ~ 60,000円/月額
備考
管理対象資産数:1,000まで
Standard 60,000円 ~ 280,000円/月額
備考
管理対象資産数:1,000~50,000
Enterprise 要相談
備考
管理対象資産数:無制限
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
ライセンス管理を最適化
初期費用 要相談
料金 要相談
制限なし
なし 
電話 / メール / チャット /
大企業が信頼する管理力
初期費用 要相談
備考
問い合わせ後にヒアリング
利用料金 要相談
備考
問い合わせ後にヒアリング
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
7万人が使う信頼設計
初期費用 要相談
備考
問い合わせ後にヒアリング
利用料金 要相談
備考
問い合わせ後にヒアリング
制限なし
クラウド型ソフト オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
初期費用ゼロで導入可能
スライス課金プラン 登録資産数に応じて変動(初期費用ゼロ)
備考
小規模から大規模まで段階的に拡張可能
記載なし
クラウド型ソフト オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
パッチ精度98%の安心
初期費用 要相談
備考
問い合わせ後にヒアリング
利用料金 要相談
備考
問い合わせ後にヒアリング
制限なし
クラウド型ソフト オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
総合満足度1位の信頼
初期費用 要相談
備考
問い合わせ後にヒアリング
利用料金 要相談
備考
問い合わせ後にヒアリング
制限なし
クラウド型ソフト オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
7年連続シェアNo.1
初期費用 要相談
備考
問い合わせ後にヒアリング
利用料金 要相談
備考
問い合わせ後にヒアリング
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
更新忘れをゼロにする
基本プラン 無料
備考
すべての基本機能を制限なく利用可能。
オプションプラン 個別見積もり
備考
BPOサービス活用や追加機能を希望する場合に提供。
なし(基本機能は無料のため)
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
資産も在庫も見える化
初期費用 要相談
備考
問い合わせ後にヒアリング
利用料金 要相談
備考
問い合わせ後にヒアリング
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
国内外PCを一括管理
初期費用 要相談
備考
問い合わせ後にヒアリング
利用料金 要相談
備考
問い合わせ後にヒアリング
制限なし
オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
配布も設定も自動で完結
ITデバイス&SaaS管理プラン 要相談
備考
対象ID数の利用料のみ
アウトソーシングプラン 要相談
備考
問い合わせ後にヒアリング
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /
AWSでも安心運用
本体 10,000円
備考
※100ライセンスの場合
※1ライセンスあたり
※対応OS:Windows・macOS
BizMobile Go! オプション(MDM) 3,600円
備考
※1ライセンスあたり
※対応OS:iOS・iPadOS・Android
制限なし
オンプレミス型ソフト 
電話 / メール / チャット /
オンプレでもIT管理
初期費用 要相談
備考
問い合わせ後にヒアリング
利用料金 要相談 
備考
問い合わせ後にヒアリング
制限なし
クラウド型ソフト 
電話 / メール / チャット /

価格や製品機能など、見やすい一覧表から、気になる製品をまとめてチェック!

資産管理の本体は、情報を集めることではなく判断を引き継ぐことにある

資産情報が古くなる問題は、台帳の精度だけの問題ではありません。脆弱性が見つかったとき、どの資産に関係し、誰が、いつまでに、どの基準で対応するかを判断できなければ、情報はあっても対応は進みません。SaaSやOSSまで対象が広がるほど、資産管理は棚卸しではなく、判断を止めないための運用設計になります。

比較検討では各社に「担当者が異動した翌日でも、未対応の脆弱性と例外の理由を、資産ごとに追えるか」と聞いてみてください。その答えで、必要なのが記録の器か、対応を回し続ける基盤かを見分けられます。

デジタル化の窓口 編集部

目次

おすすめ比較一覧から、
最適な製品をみつける

カテゴリーから、IT製品の比較検索ができます。
2179件の製品から、ソフトウェア・ビジネスツール・クラウドサービス・SaaSなどをご紹介します。

すべてみる