製品を導入することになった背景

石井工業株式会社は、千葉・茨城を拠点とする老舗の総合建設会社として、より効率的で分かりやすい施工管理と顧客対応の手法を模索していた。2015年に若手社員である北田望美氏の入社を契機に、BIMソフト「Archicad」の導入を開始。当初は前職での経験を活かしながら小規模に活用していたが、施工現場や営業活動において大きな効果が見られたことから、社内全体での本格的な活用に踏み切ることとなった。

導入前に企業が抱えていた課題

施工管理の現場では、2D図面だけでは伝わりづらい構造や工程が多く、協力業者との認識のズレによって作業の手戻りや調整コストが発生していた。また、営業現場では施主との意思疎通に時間がかかり、資料作成にも多くの工数を要していた。加えて、属人的な業務や育児・介護と仕事の両立が困難な働き方も、企業全体の課題として浮上していた。

導入前の課題に対する解決策

これらの課題に対し、Archicadの3Dモデリング機能を活用することで、現場作業の可視化と協力会社との具体的な打ち合わせを実現。足場や天井裏の施工など複雑な工事も事前に視覚的に共有できるようになった。営業部門では、3Dプレゼン資料を通じて施主の理解を深め、仕様変更もスムーズに対応。さらに、在宅勤務でも業務を遂行できる環境を整えることで、柔軟な働き方を支援した。

製品の導入により改善した業務

施工現場では、3Dモデルを使った打ち合わせによって工程の誤認識が減り、作業効率が最大で60%向上した。営業部では提案資料の作成時間が従来の2週間から4日間に短縮され、提案数・受注数の向上に貢献。また、キャリア教育や出張授業では、子どもたちにもわかりやすく建設業の魅力を伝えることができ、人材育成の一環としても好影響をもたらしている。結果的に、業務の可視化、標準化、属人化の解消、テレワークの実現といった多方面での改善が見られた。