オンライン秘書比較30選｜料金・業務範囲・サービスの選び方を紹介【監修・2025年最新】

この記事では、おすすめのオンライン秘書サービス、AIや自動化ツールと連携できるサービスも紹介し、実際の導入ステップや活用シーンを具体的に解説します。初めて導入を検討する企業や、既存の秘書業務を効率化したい企業にとって実践的な情報源となる内容です。

1. オンライン秘書とは？

オンライン秘書とは、オンラインアシスタントとも呼ばれ、従来オフィスに常駐していた秘書業務をインターネット経由で外部の専門スタッフに委託するサービスです。秘書業務だけでなく、総務・人事・経理、SNS運用、ブログなどのライティングにも対応しています。近年では、個人事業主から中小企業、大手企業、官公庁、税理士事務所など幅広い業界で利用されています。

特にスタートアップや小規模事業者では、ノンコア業務をオンライン秘書に外注し、限られたリソースを営業や企画などのコア業務に集中させています。

オンライン秘書市場の動向

総務省の『2023年ICT市場動向調査』 によれば、バックオフィス業務の外部委託比率は年々増加しており、特に中小企業においてリモートでのアウトソーシング需要が高まっていることが示されています。これにより、オンライン秘書サービス市場は2025年時点で前年比約15%の成長を続けていると報告されています。

大きな背景としては、人材不足と人件費の高騰が挙げられます。正社員を新規に雇用する場合、採用コストや社会保険料などの固定費が発生します。そこに割けるリソースが少ない企業には、契約期間や稼働時間を柔軟に調整できるオンライン秘書が最適です。
参照：総務省｜令和6年版 情報通信白書｜ICT市場規模

2. クラウドソーシング・自社雇用・人材派遣との違いとは？

オンライン秘書を検討する際には、クラウドソーシングや自社雇用、人材派遣といった他の選択肢との違いを理解することが重要です。

それぞれの違いを表にまとめました。以下で詳しく解説します。

このように比較すると、オンライン秘書は「コスト」「品質」「柔軟性」のバランスが取れていることが分かります。特に中小企業やスタートアップにとっては、限られたリソースで幅広い業務をカバーできる有力な選択肢といえます。

クラウドソーシングとの違い

クラウドソーシングは、特定のタスクを案件単位で依頼する仕組みです。コストを抑えやすく、多様なスキルを持つ人材を選べる一方で、品質や継続性は不安定です。依頼するごとに新しい人材を探す必要があり、ノウハウの蓄積がしにくい点が課題です。

それに対し、オンライン秘書は専門のディレクターや営業担当、専門のプランナーが業務内容に合ったアシスタントを手配してくれます。納品物やスタッフの質を担保したい場合は、登録時に厳しい審査がある大手のオンライン秘書サービスを利用することをお勧めします。

自社雇用との違い

自社で秘書や事務スタッフを雇用すれば、指示系統が明確でコミュニケーションも円滑です。しかし採用や教育の手間がかかり、固定費が発生します。また、スタッフのマネジメントに工数が割かれたり、退職のリスクを抱える可能性が生じます。

一方で、オンライン秘書は、必要なときに必要なだけ依頼することができるので、コストカットに繋がります。また、オンライン秘書は業務マニュアルを作成しているので、特定の人に頼らず業務を遂行できます。また、退職しても新しいアシスタントがすぐに手配されるため、業務に穴が開くことがありません。

人材派遣との違い

人材派遣は短期的に人手を補う方法として有効です。即戦力を確保しやすい反面、派遣法による契約期間の制限やコストの高さが課題です。また、派遣社員は原則的に自社オフィスに常駐するため、リモート前提の柔軟性には欠けます。

派遣や自社で社員を雇用する場合だと、基本的には出社勤務のため場所を確保する必要があり、パソコンなどの機器を用意する必要があります。しかし、オンライン秘書なら、作業スペースや備品の提供は不要です。派遣の場合、自社で社員を雇用した場合よりも安価で済みますが、オンライン秘書よりも契約期間の縛りが長いことが多いです。オンライン秘書は契約期間の縛りがないサービスや、単発で依頼ができるサービスもありますので、派遣よりも短期間の契約が可能です。

株式会社トロピコ/代表取締役久保田 友里恵

オンライン秘書は、クラウドソーシングとも人材派遣とも自社雇用とも外注とも異なる、新たな人材手配の選択肢です。採用や業者探しに時間を使うことなく、スムーズに人材を見つけることができる点で大きなメリットがあります。人手不足の時代だからこそ、うまく活用すれば事業拡大にも役立つ可能性が高いです。

3. どんな人がオンライン秘書として働いている？

結婚や出産で休職中あるいは退職した20代～50代の女性が中心です。現役で社員として働きながら副業で秘書をしている方や、大手企業での職歴を持つアシスタント、秘書歴10年以上のアシスタントも在籍しています。ハイスキルで高経験値な人材が欲しい企業では、登録の際に厳しい筆記試験と面接が課されているサービスを選びましょう。(例：i-STAFF、CASTER BIZ、HELP YOUなど)

一方、「限られた予算内で業務を手伝ってほしい」「一緒に成長し、事業を育ててくれるパートナー的な存在がほしい」と考えている比較的小規模な企業には、「人柄」「素直さ」「柔軟性」に重きを置いているサービスが適しています。(例：nene biz、Hanaco、ChatWorkアシスタントなど)

オンライン秘書になるためにはどのような資格やスキルが必要なのか、実際に面接ではどのようなことが聞かれるのかなど、「オンライン秘書になるには」という疑問を解消できる記事はこちらです。

オンライン秘書になるには？未経験から働くためのステップ完全ガイド

株式会社トロピコ/代表取締役久保田 友里恵

大手のオンライン秘書サービス会社では厳しい審査を設けているところが多い印象ですが、実際はサービス会社による部分が大きいです。求める人材のスキルや経験値に合わせて、最適なサービス会社を選んでいただくと安心でしょう。

4. 対応可能な業務7選

オンライン秘書サービスは、「スケジュール調整や電話対応などの秘書業務しか任せられない」という認識は間違いです。オンライン秘書企業トロピコを運営する久保田友里恵氏によると、実際に、新型コロナの影響で業務範囲が広がったようです。利用者が「どこまで任せられるのか」を明確に把握することで、導入効果を最大化できます。

参考：経営者からのニーズが高まる「オンライン秘書」の実像 | 経済界ウェブ

一般的に対応可能な業務は、次のように分類されます。

1. 秘書・総務業務
2. 営業事務
3. 会計業務
4. 人事・労務・採用業務
5. マーケティング・広報業務
6. ECサイト運用
7. 翻訳業務

1. 秘書・総務業務

一般的に秘書と聞いてイメージする業務を任せることができます。オンラインで会議に参加し議事録を作成したり、役員や役職者の会食の日程調整などを任せたりしできます。

• 問い合わせ対応
• 出張などの予約手配（航空券・ホテルなど）
• 議事録作成
• スケジュール管理
• 会食時のレストランリサーチ
• 会議やイベントの予約・運営など

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2. 営業事務

営業業務では、営業として他社に出向くことはないです。営業の方が商談を成功させるためのサポートをします。具体的には、必要な顧客情報を収集し、見やすくてわかりやすいプレゼン資料を作成します。さらに契約内容を確認したり、営業データ管理を任せることができます。

• 営業データの管理
• 営業先リストの作成
• 見積書・契約書・請求書作成
• プレゼン資料作成・レポート作成
• 顧客リサーチ、分析
• 契約確認など

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3. 会計業務

請求書の作成から管理、仕訳作業などの経理・会計全般を任せることができます。また、多くの方が税理士への資料の提出や質問への返信など、そういった細かい業務を後回しにしがちです。そこでオンライン秘書が代わりに税理士とコミュニケーションを取り、会計業務をスムーズに進行します。ただし、確定申告などの税務をオンライン秘書が代行することはなく、あくまで企業と税理士との橋渡し役を担います。

• 経理
• 記帳・会計ソフトへの入力
• 見積書・注文書・納品書の作成と管理
• 伝票処理
• 売掛金・買掛金の管理
• 給与計算など
• 顧問税理士とのコミュニケーション

4. 人事・労務・採用業務

人事や労務は非常に業務の幅が広く、負担も大きいです。オンライン秘書に書類審査のサポートや、面接日程の調整などを任せることができます。さらに、勤怠管理や、入社・退社の手続きなども任せることができます。

• 求人サイトの更新、求人票の作成、求人媒体の原稿作成
• 応募者対応
• 面接日程の調整
• 書類審査のサポート
• 必要書類の作成（面接時の質問票など）
• 入社・退職の手続き
• 勤怠管理
• 社員データの入力・管理など

5. マーケティング・広報業務

SNS運用は非常に時間がかかる上に、長期的な運用でやっと効果が出るものです。したがって、その作業はオンライン秘書に任せて、よりクリエイティブな作業に集中できるようにしましょう。

• SNS運用（Facebook、X、Instagramなど）
• ライティング（SEO、インタビュー記事など）
• 画像・動画の制作と編集
• 競合・市場・メディアリサーチ
• 広報ネタリサーチ
• オンラインセミナー（告知文作成、資料作成、応募者対応など

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6. ECサイト運用

ECサイトを運営している企業や組織は非常に増えています。したがって、ECサイト内の商品や売り上げの管理、サイト全体の運営などが求められます。さらにカスタマーサポートは非常に細かい作業で、負担が大きいため、オンライン秘書に任せると効果が大きいです。

• サイト管理（商品登録、在庫更新）
• 商品管理（マスター管理、在庫管理、仕入管理）
• 売上管理（入金管理、販売管理）
• ニュースリリースの追加
• カスタマーサポート

7. 翻訳業務

50言語に対応したオンライン秘書サービスがあり、外国とのコミュニケーションが必要な企業には必要不可欠です。また海外の論文などから情報収集が必要な企業にも、このサービスは必須です。

• 外国語問い合わせ対応・リサーチ
• 外国語文書翻訳（英語のほか、中国語や韓国語など50言語に対応）
• 出張手配
• 会議やセミナー、商談のリアルタイム通訳

それぞれの業務に対応しているサービスの例を以下で紹介します。

このように、オンライン秘書は 「事務全般」から「会計・人事・広報」「EC・翻訳」まで多岐にわたる業務 に対応可能です。幅広いバックオフィスに強いサービスは「HELP YOU」「CASTER BIZ assistant」です。

株式会社トロピコ/代表取締役久保田 友里恵

オンライン秘書は現役キャリアを退いた子育て中の主婦が働いているイメージが強いですが、多様な働き方が広まっている今、実際は副業人材や男性のオンライン秘書など、ざまざまなバックグラウンドを持った人材が在籍しています。一般的な秘書業務に限らず、より具体的な業務を相談することによって、自社と相性が良い人材と出会える可能性も高いです。

5. 料金体系と費用相場

オンライン秘書サービスの料金は、提供企業や契約プランによって大きく異なります。料金体系を理解することで、自社の予算や業務量に合ったサービスを選びやすくなります。

主な料金体系

1. 月額固定制
   決まった時間数や業務範囲を月額料金で契約する形式です。予算が立てやすく、継続的に依頼する企業に向いています。
2. 従量課金制（時間単位課金）
   実際に依頼した業務時間に応じて料金が発生する仕組みです。繁忙期だけ利用したい企業や、利用頻度が不定期な企業に適しています。
3. タスク単位契約
   特定の業務（例：資料作成、リスト作成）を1案件ごとに依頼する方式です。スポット的な利用に便利ですが、継続性は低めです。

相場感

一般的な相場は以下のとおりです。

• 月額固定制：¥30,000〜¥100,000程度（稼働時間による）
• 従量課金制：1時間あたり¥2,000〜¥4,000程度
• タスク単位：内容により¥5,000〜¥50,000程度

低価格帯のサービスは「一部業務に特化」しているケースが多く、幅広い対応や柔軟性を求める場合は中〜高価格帯が中心となります。

次の表では、代表的なサービスの料金イメージを整理しました。

6. 【重要】オンライン秘書を選ぶ時のポイント5つ

オンライン秘書サービスは多種多様で、料金や強みも異なります。自社に合ったサービスを選ぶためには、いくつかの基準を整理して検討することが重要です。ここでは代表的な選定ポイントを解説します。

1. 対応している業務内容
2. 料金・契約内容
3. 実績
4. コミュニケーションツール
5. セキュリティ

1.対応している業務内容

一般的な秘書業務（スケジュール管理やメール対応）に加え、経理や人事サポート、マーケティング業務まで対応できる企業もあります。依頼したい業務に対応しているサービスを過不足がないように選びましょう。また、ホームページに書いていない業務内容や、些細な業務にも対応している場合があるので、気軽に相談してみると良いでしょう。

2.料金・契約内容

月額制、従量課金制、タスク単位契約といった料金体系の違いを理解しましょう。

• 継続的に依頼する場合 → 月額固定制が安心
• 繁忙期だけ利用したい場合 → 従量課金制が効率的
• 特定タスクのみ任せたい場合 → タスク単位契約が適切

最低契約期間が設けられているか、契約期間の繰り越しに対応しているか、納品までにかかる時間などにも注意して選びましょう。また、安価なサービスだと対応業務が少ない場合があるので、業務内容もしっかりと確認しましょう。無料トライアルや、通常料金よりも安価で業務のお試しが可能なサービスもあります。

3.実績

サービスによっては、導入事例や、取引先企業が公開されています。自社と似た業種の企業の実績がある場合は、その分野に詳しかったり、特に優秀なスタッフが在籍していたりする可能性があります。導入社数や契約の継続率などが掲載されている場合は、そちらもチェックしましょう。

4.コミュニケーションツール

オンラインで業務のやり取りを行うので、自社で既に使用している、または導入しやすいツールを利用しているサービスを選びましょう。当サイトで紹介しているオンライン秘書サービスでは、主にChatwork、Slack、Microsoft Teams、LINEなどでやり取りできます。これらのツールを使用していない企業でも、普段利用しているコミュニケーションツールをそのまま利用できるサービスもあります。また、電話やメール、Zoom、Google Meetなどで打ち合わせができたりするサービスもあります。

5.セキュリティ

外部に顧客情報や社内資料を見せる形になるため、セキュリティ対策が充実しているサービスを選びましょう。また、オンライン秘書の多くは在宅ワークです。情報漏洩防止のためにどんな対策を取っているか重点的に確認しましょう。