リードナーチャリングとは?手法・シナリオ設計・ツールと成功事例を解説
最終更新日:2026/08/03
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『デジタル化の窓口』は、この国のデジタル課題「2025年の崖」に備えるため2022年にサービスをスタートしました。1,500以上のIT製品、4,000以上の導入事例を掲載し、特長・選び方を分かりやすく整理して解説することで、自社に最適な製品・サービスを見つけるお手伝いをする紹介サービスです。
目次
BtoB(=企業間取引)では、問い合わせをもらった時点ですぐ商談になるリードはごく一部です。残りの大半は「課題は認識しているが、いま予算がない」「情報収集をしているだけ」という状態で、放置すれば競合が接触した時点で検討から外れます。この差を埋める活動がリードナーチャリングです。
この記事では、リードナーチャリングの定義と関連工程との関係、メール・ウェビナー・インサイドセールスといった手法の整理、シナリオ設計の手順、実際に成果が出た企業の公開事例、ツールの機能と公開料金までを、公的統計と各社の公式情報だけを根拠に解説します。
なお、ナーチャリングの対象となるリードそのものを増やす手段として、比較・紹介メディアへの製品掲載も第7章で扱います。掲載側の条件を先に確認したい方は、以下からご相談いただけます。
1. リードナーチャリングとは?定義と目的を整理する
言葉としては広く使われている一方、社内で「メルマガを送ること」と同義に扱われている場合が少なくありません。まず定義と、隣接する工程との関係を固めます。
1-1. リードナーチャリングの定義
リードナーチャリングとは、すでに接点を持った見込み顧客に対して段階的に情報を提供し、検討度合いを引き上げて商談化できる状態まで育てる活動です。ナーチャリング(nurturing)は「育成」を意味する言葉で、新しい接点をつくる活動ではなく、手元にあるリードの状態を変える活動を指します。
目的は「連絡を取り続けること」ではありません。目的は、買い手が検討を再開したタイミングを自社が最初に把握し、そのときに適切な情報を渡せる状態をつくることです。したがって成果は配信数ではなく、商談化した件数と、商談化までに要した期間で測ります。
1-2. リードジェネレーション・リードクオリフィケーションとの関係
3つの工程は、時間軸に沿って並べると役割が明確になります。
| 工程 | やること | 成果として見る指標 |
|---|---|---|
| リードジェネレーション | 新しい見込み顧客の接点をつくり、連絡先を取得する | 獲得件数、獲得単価 |
| リードナーチャリング | 取得済みのリードに情報提供を重ね、検討度合いを引き上げる | 商談化率、商談化までの期間 |
| リードクオリフィケーション | 検討度合いの高いリードを選別し、営業に引き渡す | 引き渡し後の商談成立率 |
この3工程は独立して回すものではありません。獲得したリードの質が低ければナーチャリングの負荷が上がり、選別基準が曖昧なら育てたリードが営業に渡らずに滞留します。各システムがどの工程を担うかについてはMA・SFA・CRMの違いを解説した記事で整理しています。
1-3. メールマガジン配信との違い
メールマガジンの定期配信は、ナーチャリングの手段の1つではありますが同じものではありません。違いは、受け手の状態に応じて内容と頻度を変えるかどうかにあります。
| メールマガジンの一斉配信 | ナーチャリングとしての配信 | |
|---|---|---|
| 配信対象 | リスト全員に同じ内容 | 検討段階・行動履歴で分けた対象 |
| 内容の決め方 | 送り手の発信したい情報 | 受け手が次に知りたい情報 |
| 効果の見方 | 開封率・クリック率 | 開封後の行動と、その後の商談化 |
一斉配信そのものを否定する必要はありません。リストの規模が小さい段階では一斉配信で十分機能します。問題は、リードが数千件規模になっても全員に同じ内容を送り続け、反応した人を追わない状態です。
2. BtoBでリードナーチャリングが必要になった背景
「昔は営業が訪問すれば決まった」という感覚が残る組織では、ナーチャリングへの投資が後回しになりがちです。社内で優先度を上げるために使える公的データを挙げます。
2-1. 取引そのもののオンライン化が進んでいる
経済産業省が2025年8月26日に公表した「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」では、企業間(BtoB)の電子商取引市場規模は514.4兆円(前年465.2兆円、前年比10.6%増)、EC化率は43.1%(前年から3.1ポイント上昇)と報告されています。
出典:令和6年度 電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました(経済産業省)
取引の4割超がすでにオンラインで完結しているということは、買い手が営業担当者に会う前に情報収集と比較を済ませている比率が高いということです。会ってから説明する前提の営業設計では、検討の土俵に乗る前に候補から外れます。
2-2. 業務システムのクラウド利用が標準になった
総務省の令和7年版 情報通信白書では、2024年に企業の80.6%がクラウドサービスを利用していると報告されています(全社での利用と、一部の事業所・部門での利用の合計。通信利用動向調査に基づく)。
クラウドサービスの利用が前提になったことで、買い手は「導入するかどうか」ではなく「どの製品にするか」から検討を始めます。比較対象が増えた分、1回の接触で選ばれる確率は下がり、複数回の接触を前提とした設計が必要になります。
2-3. BtoBは意思決定者が複数で、検討期間が長い
BtoBの購買では、実務担当者が情報を集め、部門責任者が予算を判断し、情報システム部門や法務がセキュリティと契約を確認する、といった複数の関与者が存在します。関与者ごとに知りたい情報が異なるため、同じ資料を送り続けても検討は進みません。
| 関与者 | 知りたいこと | 渡すべき情報 |
|---|---|---|
| 実務担当者 | いまの業務がどう変わるか | 操作画面、運用手順、他社の運用例 |
| 部門責任者 | 投資に見合う効果があるか | 費用対効果の試算、導入効果の事例 |
| 情報システム部門 | 既存環境と接続できるか、安全か | 連携仕様、セキュリティ体制の資料 |
| 決裁者 | 他社と比べて妥当か | 比較表、契約条件、サポート範囲 |
検討期間が数か月に及ぶ以上、最初の問い合わせから一定期間が空くのは正常な状態です。ナーチャリングは、その空白期間を埋めて検討再開のタイミングを逃さないための仕組みだと捉えてください。
検討期間が長いということは、買い手が情報を集めている期間も長いということです。製品を提供する側にとっては、その期間のあいだ比較検討の場で見つかる状態を保てるかどうかが、接点の数を左右します。
3. リードナーチャリングの手法を5つに整理する

手法は多岐にわたりますが、接触の形式で分けると自社に足りないものが見えます。工数と、届けられる情報量の違いに注目してください。
3-1. メール配信
最も工数あたりの到達数が多く、ほとんどの企業が起点にする手法です。一斉配信・セグメント配信・ステップメール(あらかじめ決めた順序で自動配信するメール)の3つの型があり、リード数と体制に応じて使い分けます。詳しくは第5章で扱います。
3-2. ウェビナー・セミナー
1回で多くのリードに深い情報を届けられる手法です。申込・参加・視聴時間・質疑の有無といった行動が段階ごとに記録できるため、検討度合いの判定材料としても機能します。企画と集客の工数が大きい点が制約です。
3-3. 記事・資料の追加提供
初回接触時に渡した資料の次に読むべき情報を用意し、検討段階を1段進める手法です。入門的な解説から、比較表、導入手順書、料金の考え方へと段階的に内容を変えます。制作した資料は資産として残り、他の手法でも再利用できます。
3-4. インサイドセールスによる個別接触
電話やオンライン会議で直接状況を確認する手法です。自動化された配信では取れない「予算の時期」「社内の関与者」「他社との比較状況」といった情報が取得できます。1件あたりの工数が大きいため、対象を絞ったうえで実施します。
3-5. リターゲティング広告・SNS
メールを開封しない層にも接触できる手法です。メールアドレスを保有していても反応がないリードに対し、広告面で情報を提示して再訪を促します。単独では検討度合いを測れないため、自社サイトへの再訪後の行動と合わせて評価します。
| 手法 | 1件あたりの工数 | 届けられる情報量 | 向いている段階 |
|---|---|---|---|
| メール配信 | 小 | 中 | 全段階(配信内容で調整) |
| ウェビナー | 中 | 大 | 課題認識〜比較検討 |
| 記事・資料の追加提供 | 小(制作時のみ大) | 中 | 課題認識〜比較検討 |
| インサイドセールス | 大 | 大(双方向) | 比較検討〜意思決定 |
| リターゲティング広告 | 小(費用は継続) | 小 | 反応が止まった層の再接触 |
5つの手法はいずれも、育てる対象のリードがすでにあることが前提です。母数そのものを増やす手段としては、検討層が集まる比較・紹介メディアへの製品掲載もあります。
4. リードナーチャリングのシナリオ設計手順

シナリオとは、どの条件を満たしたリードに、どの情報を、どの順序で届けるかを定めた設計図です。ツールを導入しても、この設計がなければ自動化する対象が存在しません。
4-1. ゴールと出口を先に決める
シナリオの終着点は「商談化」ではなく、そこに至る手前の具体的な行動で定義します。たとえば次のような行動です。
- 料金ページを閲覧した
- 導入相談フォームを送信した
- 個別相談に申し込んだ
ゴールを行動で定義しておくと、達成・未達成が自動で判定でき、営業への引き渡し条件としても使えます。
4-2. リードを検討段階で分ける
全リードを1つのシナリオで扱うと、内容が誰にも合わなくなります。最低限、次の3段階に分けてください。段階の判定は、資料の種類・閲覧ページ・問い合わせ内容から行います。
| 段階 | リードの状態 | この段階で渡す情報 |
|---|---|---|
| 課題認識 | 課題は感じているが解決手段を知らない | 課題の整理、解決手段の全体像 |
| 比較検討 | 手段は絞れたが製品を選べていない | 選定基準、比較表、導入事例 |
| 意思決定 | 製品は決まりかけているが社内承認が残る | 費用対効果の試算、契約条件、稟議用の資料 |
4-3. 段階ごとに渡す情報を決める
各段階に対して、既存の資産(記事・資料・事例・ウェビナー録画)を割り当てます。ここで空いているマスが、制作すべきコンテンツです。シナリオ設計の実務は、配信設定ではなく「段階ごとに渡す情報の在庫を棚卸しする作業」が本体です。
4-4. 分岐条件を行動データで定義する
条件は「開封したか」だけでは足りません。実際のMAツールでどのような行動を条件にできるかは、公式の機能仕様で確認できます。たとえば「Kairos3 Marketing」のシナリオ機能は、特定Webページへのアクセス、特定フォームからの登録、メール開封、メール内リンクのクリック、特定リンクのクリックを条件として、あらかじめ設定したシナリオメールを自動配信できると説明されています。
条件を設計するときは、「その行動をとった人が次に知りたいことは何か」から逆算します。料金ページを見た人には導入時の総額の考え方を、事例ページを見た人には自社と近い規模の事例を渡す、という対応づけです。
4-5. スコアリングと引き渡し基準
スコアリングは、行動に点数を付けて検討度合いを数値化する仕組みです。点数そのものより重要なのは、何点を超えたら誰が何をするのかという運用ルールを、点数設計と同時に決めておくことです。基準がないと、スコアが高いリードが画面上に並ぶだけで営業活動につながりません。シナリオ設計の詳しい手順はMAのシナリオ設計を解説した記事も参考になります。
シナリオの入口になるリードは、自社サイトだけで集める必要はありません。デジタル化の窓口では、業務システムやSaaSの製品掲載を受け付けています。
5. メールを使ったナーチャリングの実務

手法のなかで最も使用頻度が高いメールについて、運用上の判断ポイントを整理します。
5-1. 3つの配信型の使い分け
| 配信の型 | 内容 | 適した状況 |
|---|---|---|
| 一斉配信 | リスト全員に同じ内容を送る | リードが数百件以下、または全社的な告知 |
| セグメント配信 | 業種・規模・検討段階などで分けて送る | リードの属性が分かれており、内容を変える価値があるとき |
| ステップメール | 起点となる行動から、決めた順序で自動配信する | 資料請求後や問い合わせ後など、起点が明確なとき |
ステップメールとスコアリングは、多くのMAツールで標準機能として提供されています。たとえば「SATORI」の機能一覧には、ステップメール、スコアリング、セグメントが掲載されています(出典:機能一覧(SATORI 公式サイト))。メール配信専用ツールとの機能差についてはMAツールとメール配信システムの違いを解説した記事で扱っています。
5-2. 頻度と本数の決め方
配信頻度は「送れるだけ送る」ではなく、渡す情報の在庫から逆算します。月2回配信するなら、年間24本の意味のある情報が必要です。在庫が尽きた状態で頻度だけ維持すると、内容が薄くなり配信停止が増えます。頻度は在庫が尽きない水準に設定し、余力ができたら上げるという順序が安全です。
5-3. 評価指標は開封率で止めない
開封率とクリック率は配信内容の良し悪しを測る指標であって、ナーチャリングの成果ではありません。成果は、配信をきっかけに自社サイトに再訪した件数、個別相談に申し込んだ件数、その後に商談化した件数で判断します。
| 指標 | 何が分かるか | 限界 |
|---|---|---|
| 開封率 | 件名と送信者名の適切さ | 本文の質は分からない |
| クリック率 | 本文と提供情報の適合度 | 検討度合いまでは分からない |
| 配信後のサイト再訪 | 関心の再燃 | 目的のページを見たかは別途確認が必要 |
| 商談化件数 | ナーチャリング全体の成果 | 結果が出るまで時間がかかる |
5-4. 休眠リードの掘り起こし
過去に接点があり、その後反応が止まっているリードは、獲得コストがすでに支払い済みの資産です。担当者の異動、予算時期の到来、体制変更などで状況が変わっている可能性があるため、新規獲得より低コストで商談化することがあります。年度替わりや組織改編の時期に合わせて、案内内容を変えて再接触する運用が有効です。配信基盤の候補はメールマーケティングツールを比較した記事にまとめています。
配信の巧拙より先に効くのが、そもそも誰に送るかです。名簿の質を上げる入口として、比較検討の段階にいる読者から問い合わせが届く経路を持っておく方法があります。
6. リードナーチャリングの成功事例
各社が公式に公開している導入事例から、実施した施策と成果が具体的に記載されているものを紹介します。数値はいずれも各社の公式ページの記載に基づきます。
6-1. 市場調査会社の例:シナリオ機能で営業への通知を自動化
市場調査やHR Techサービスなどを手がける株式会社アスマークは、MAツールの導入と同時にナーチャリング体制を整備しました。公開されている実施施策は次の3点です。
- シナリオ機能を使い、条件を満たしたリードを検出した時点で営業部門へ通知する
- ウェビナーの内容に基づいて顧客をタグ付けし、フェーズを管理する
- 業務システムと連携する
成果として、以前は100件に電話して1件のアポイントを獲得する状態だったところ、数件のアプローチで1件のアポイントが獲得できるようになったと報告されています。
出典:株式会社アスマークの導入事例(SATORI 公式サイト)
6-2. 印刷・Web事業会社の例:月1通のメルマガから商談を創出
印刷事業・Webシステム事業・学会サポート事業を展開する株式会社コームラは、訪問営業ができなくなったこと、メール送信のタイミングと内容が統一できず営業部全体の成果が把握できなかったこと、顧客の興味度が分からないまま電話をかけていたことを課題として挙げています。
実施した施策は、月1通ペースで3回のメールマガジンを配信し、そのうえで興味度の高い顧客を選んで電話するという運用への転換です。成果として、メールマガジン経由で8件が商談化しうち4件を受注したこと、電話をかけたときのアポイント獲得率が約30倍になったことが公開されています。
出典:株式会社コームラの導入事例(カイロスマーケティング株式会社)
6-3. 2つの事例に共通する条件
いずれの事例も、配信数を増やしたことが成果の要因ではありません。共通しているのは、反応した人を判別し、そこに人の接触を集中させる運用に切り替えた点です。前者は営業部門への自動通知、後者は興味度の高い顧客に絞った架電で、どちらも「全員に均等に接触する」やり方をやめています。
もう1点、月1通・3回といった小さな規模から始めている点も共通します。大規模なシナリオを最初から設計するより、起点が明確な1本のシナリオを回して判断材料を得るほうが、早く運用に乗ります。他社の運用例はマーケティングオートメーションの事例をまとめた記事でも確認できます。
7. リードナーチャリングツールの選び方と料金
ツールは設計を代行してくれるものではなく、決めた設計を反復実行するための仕組みです。役割の違いと、公式に公開されている料金を整理します。
7-1. ツールの3分類
| 種類 | ナーチャリングでの役割 | 導入を検討する時期 |
|---|---|---|
| MA(マーケティングオートメーション) | 行動履歴の記録、スコアリング、シナリオに沿った自動配信 | リードが蓄積し、手作業での出し分けが限界に達したとき |
| メール配信システム | 一斉配信・セグメント配信の実行と到達管理 | まず配信の仕組みだけを整えたいとき |
| SFA・CRM | 引き渡し後の商談進捗と顧客情報の管理 | 商談数が増え、案件の状況が見えなくなったとき |
製品単位の比較はMAツールの比較ページ、SFAの比較ページ、CRMの比較ページをご覧ください。まず費用をかけずに試したい場合は無料で使えるMAツールを紹介した記事が参考になります。
7-2. 主要MAツールの公開料金
各社が公式サイトで公開している料金は次のとおりです。
| 製品 | 初期費用 | 月額費用 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 「SATORI」 | 300,000円(税別) | 148,000円(税別・年間契約) | 利用状況により従量課金が発生する場合あり |
| 「Kairos3 Marketing」 | 公式サイトに記載なし | 20,000円(税別)〜(スタンダードプラン) | 最短利用期間12か月 |
| 「List Finder」 | ライト 100,000円 | フリー 0円/ライト 45,000円/スタンダード 69,000円/プレミアム 92,000円 | 無料で使えるフリープランあり |
| 「HubSpot Marketing Hub」 | Professional以上は導入支援が必須(別途) | 無料 0円/Starter 840円〜/Professional 96,000円〜/Enterprise 432,000円 | プランごとに対象コンタクト数・シート数の条件あり。年払い割引あり |
出典:料金プラン(SATORI 公式サイト)/Kairos3 Marketingの料金(カイロスマーケティング株式会社)/料金プラン(List Finder 公式サイト)/Marketing Hubの料金(HubSpot 公式サイト)
7-3. 選定時に確認する項目
| 確認項目 | 確認する理由 |
|---|---|
| シナリオの分岐条件に使える行動の種類 | 設計したシナリオが、そのツールで実現できるとは限らない |
| 最短利用期間と契約単位 | 年間契約の製品は途中解約ができず、試行のつもりで導入すると固定費になる |
| 従量課金の条件 | リード数やメール配信数の増加で月額が変動する製品がある |
| SFA・CRMとの連携 | 連携できないと営業に情報が渡らず、二重入力が発生する |
| 運用にかかる工数 | シナリオ設計とコンテンツ制作の担当者がいないと機能を使い切れない |
7-4. ナーチャリングの前提になる「対象の母数」
ツールを導入しても、育てる対象となるリードが少なければ効果は限定されます。ナーチャリングの設計と並行して、検討段階に入った買い手との接点を増やす手段も確保してください。比較・紹介メディアへの製品掲載は、すでに製品を探している層に情報を届けられるため、獲得したリードの検討度合いが比較的高いという特徴があります。
デジタル化の窓口では、業務システムやSaaS(=インターネット経由で利用するソフトウェア)の製品掲載を受け付けています。掲載条件と問い合わせの流れは以下からご確認いただけます。
自社で業務システムやSaaSを提供している場合は、以下からデジタル化の窓口への掲載についてご相談いただけます。
製品を提供している企業のご担当者は、こちらから「デジタル化の窓口」への掲載についてご相談いただけます。
「必須」は必須フィールドを示します
8.【まとめ】小さなシナリオを1本回すことから始める
リードナーチャリングは、ツール導入から入ると「設定はできたが送る内容がない」状態で止まります。この記事で整理した順序を再掲します。
| 順序 | やること |
|---|---|
| 1 | ナーチャリングの成果指標を、配信数ではなく商談化件数と期間に置く |
| 2 | リードを課題認識・比較検討・意思決定の3段階に分ける |
| 3 | 段階ごとに渡せる情報の在庫を棚卸しし、空いているマスを制作する |
| 4 | 起点が明確な1本のシナリオから運用を始める |
| 5 | スコアの基準と、営業への引き渡し後の動き方を同時に決める |
| 6 | 反応した人に人の接触を集中させ、全員均等の接触をやめる |
第6章の2つの事例は、いずれも月1通・3回といった小さな規模から始めています。大規模な設計を完成させてから動かすのではなく、1本のシナリオを回して反応データを取り、そこから設計を広げるほうが早く成果に到達します。
あわせて、育てる対象となるリードの母数を確保する手段も検討してください。デジタル化の窓口は、業務システムやSaaSを比較検討する担当者が訪れるメディアです。自社製品の掲載を検討される場合は、以下からご相談ください。
よくある質問
リードナーチャリングとは何ですか?
すでに接点を持った見込み顧客に段階的に情報を提供し、検討度合いを引き上げて商談化できる状態まで育てる活動です。新しい接点をつくる活動ではなく、手元にあるリードの状態を変える活動を指します。成果は配信数ではなく、商談化した件数と商談化までに要した期間で測ります。
リードナーチャリングとメールマガジン配信は何が違いますか?
メールマガジンの一斉配信はナーチャリングの手段の1つですが、同じものではありません。違いは受け手の状態に応じて内容と頻度を変えるかどうかです。一斉配信はリスト全員に同じ内容を送り開封率・クリック率で評価しますが、ナーチャリングは検討段階や行動履歴で対象を分け、開封後の行動とその後の商談化で評価します。
リードジェネレーションやリードクオリフィケーションとの関係を教えてください。
リードジェネレーションは新しい接点をつくり連絡先を取得する工程、リードナーチャリングは取得済みのリードの検討度合いを引き上げる工程、リードクオリフィケーションは検討度合いの高いリードを選別して営業に引き渡す工程です。獲得したリードの質が低ければナーチャリングの負荷が上がり、選別基準が曖昧なら育てたリードが営業に渡らず滞留します。
なぜBtoBでリードナーチャリングが必要なのですか?
経済産業省の令和6年度 電子商取引に関する市場調査では、企業間(BtoB)の電子商取引市場規模は514.4兆円、EC化率は43.1%と報告されています。取引の4割超がオンラインで完結するということは、買い手が営業担当者に会う前に情報収集と比較を済ませている比率が高いということです。また、BtoBは意思決定者が複数おり検討期間が長いため、複数回の接触を前提とした設計が必要になります。
リードナーチャリングにはどのような手法がありますか?
接触の形式で分けると、メール配信、ウェビナー・セミナー、記事や資料の追加提供、インサイドセールスによる個別接触、リターゲティング広告・SNSの5つに整理できます。メール配信は工数あたりの到達数が多く全段階で使え、インサイドセールスは工数が大きい分だけ双方向の情報が取れるため比較検討から意思決定の段階に向いています。
シナリオ設計はどこから始めればよいですか?
先にゴールを決めます。ゴールは「商談化」ではなく「料金ページを閲覧した」「個別相談に申し込んだ」のように具体的な行動で定義すると、達成・未達成が自動で判定でき営業への引き渡し条件としても使えます。次にリードを課題認識・比較検討・意思決定の3段階に分け、段階ごとに渡せる情報の在庫を棚卸しします。空いているマスが制作すべきコンテンツです。
シナリオの分岐条件には何を使えますか?
ツールによりますが、たとえばKairos3 Marketingのシナリオ機能では、特定Webページへのアクセス、特定フォームからの登録、メール開封、メール内リンクのクリック、特定リンクのクリックを条件として、あらかじめ設定したシナリオメールを自動配信できると公式サイトで説明されています。開封したかどうかだけでは条件として不足するため、閲覧ページなどの行動データを組み合わせます。
リードナーチャリングの成果はどの指標で見ればよいですか?
開封率とクリック率は配信内容の良し悪しを測る指標であって、ナーチャリングの成果ではありません。成果は、配信をきっかけに自社サイトへ再訪した件数、個別相談に申し込んだ件数、その後に商談化した件数で判断します。開封率は件名と送信者名の適切さしか分からず、クリック率も検討度合いまでは分かりません。
実際に成果が出た事例はありますか?
株式会社アスマークは、シナリオ機能で条件を満たしたリードを検出した時点で営業部門へ通知する運用に変え、以前は100件に電話して1件だったアポイント獲得が、数件のアプローチで1件獲得できるようになったと公開しています。株式会社コームラは、月1通ペースで3回メールマガジンを配信し興味度の高い顧客に絞って架電した結果、8件が商談化しうち4件を受注、電話時のアポイント獲得率が約30倍になったと公開しています。
リードナーチャリングツールの料金はどのくらいですか?
各社の公開料金では、SATORIが初期費用300,000円・月額148,000円(いずれも税別、年間契約)、Kairos3 Marketingが月額20,000円(税別)からで最短利用期間12か月、List Finderがフリー0円・ライト月額45,000円(初期100,000円)・スタンダード月額69,000円・プレミアム月額92,000円、HubSpot Marketing Hubが無料0円・Starter840円から・Professional96,000円から・Enterprise432,000円です。選定時は最短利用期間、従量課金の条件、SFAやCRMとの連携可否を確認してください。
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