【2024】車速センサーが壊れた時の対処法は？仕組みも詳しく解説

車速センサーは、自動車の安全性や快適な運転を支える重要な部品です。車両の速度を正確に測定し、エンジン制御ユニット（ECU）やトランスミッション、アンチロックブレーキシステム（ABS）など、車両の主要なシステムに情報を提供します。そのため、現代の車両が正しく作動する上で欠かせない存在となっています。もしこの部品が壊れてしまうと、車両に様々な悪影響を及ぼします。本記事では、車速センサーの仕組みや役割、故障時の対処法について詳しく解説します。車速センサーが故障した際の参考にしてください。また、車速センサーだけでなく車両のシステムについても詳しく解説するので、車両管理や安全運転指導に役立ててください。

車速センサーとは?車速センサーの役割6選

車速センサーは、車両が正しく動作するために様々な役割を担っています。この章では、車速センサーの主な役割を6つ紹介します。車速センサーの主な役割は以下の6つです

1. 速度の測定
2. エンジン制御
3. トランスミッションのシフト制御
4. ABS(アンチブレーキシステム)との連携
5. クルーズコントロールの補助
6. トラクションコントロール

順番に解説します。

速度の測定

車両の速度を測定し、速度計に表示します。これによって、ドライバーはリアルタイムで車両の速度を確認することができます。また、速度計には実際の速さよりも速く速度が表示されるため、速度超過も防ぐことができます。

エンジン制御

車速センサーは、車両の様々なシステムにデータを送信しています。そのうちの1つがエンジン制御ユニット(ECU)です。ECUは車速センサーから送られてきたデータをもとにエンジンの動作を最適化します。これにより、燃費の改善やCO2 排出量の削減ができます。ECUが車速センサーのデータを利用することで、効率的なエンジン動作が実現します。

トランスミッションのシフト制御

オートマチック車の場合、車速センサーのデータをもとにギアチェンジが行われます。適切なギアチェンジによって、加速や減速がスムーズになり、運転中の違和感が減ります。これによって、運転性が向上します。

ABS(アンチロックブレーキシステム)との連携

車速センサーはホイールの監視も行っています。ホイールの回転速度をリアルタイムで測定し、ABSシステムにデータを提供します。ABSシステムは車速センサーからのデータを活用することでブレーキの圧力を調整し、タイヤのロックを防ぎます。この機能によって、滑りやすい路面であってもタイヤがロックされてしまうのを防ぐことができます。

ABSとは？

クルーズコントロールの補助

クルーズコントロールは、車速センサーのデータを利用して、エンジン出力やブレーキを調整します。それによって、一定の速度を保ちます。このシステムによって、長距離走行時にドライバーの負担を軽減できます。

トラクションコントロール

トラクションコントロールシステムでは、車輪が滑っているかどうかを判断します。滑りが検出された場合、このシステムがエンジンの出力を弱めて滑りを抑え、安全な運転を支援します。車速センサーは、このシステムにもデータの提供をしています。

車速センサーの故障を疑うべきタイミングとは？

車速センサーは車の内部にある部品であるため、壊れているかを判断するのが難しいです。この章では、車速センサーが故障しているか判断する方法を紹介します。是非参考にしてください。

まず、車速センサーが故障した場合は、以下のような事が起こります。

1. 速度計が動かなくなる
2. 警告灯が点灯
3. シフトチェンジの不具合
4. クルーズコントロールの不作動
5. 燃費の悪化
6. ハンドルが重くなる

順番に解説していきます。

速度計が動かなくなる

車速センサーが壊れた時は、まず最初に速度計が動作しなくなります。車両の速度を正しく測定できなくなるため、速度メーターが0を示すか、誤った速度を表示するようになります。

警告灯が点灯

ECUが車速センサーからの情報を受信できなくなると、エンジン警告灯が点灯します。また、ABS警告灯が点灯することもあります。

シフトチェンジの不具合

車速センサーが故障すると、シフトチェンジがスムーズに行われなくなる事があります。ギアが適切に変化しなくなるため、様々な悪影響を及ぼします。特に、低速から高速に変速する際に異常が起こりやすくなり、非情に危険です。

クルーズコントロールの不作動

先ほど述べたように、車速センサーはクルーズコントロールの動作にも関わっています。クルーズコントロールにデータが送られなくなることで、車両が一定の速度を保てなくなります。そのため、高速道路での運転など長距離運転をする際に、ドライバーの負担が大きくなります。

燃費の悪化

ECUは、燃料や点火の制御を行う機関です。車速センサーが故障してしまうと、それらの制御を適切に行えなくなってしまいます。そのため、燃費が悪化したり、排出ガスの量が増加したりなどの問題が発生します。

ハンドルが重くなる

電動パワーステアリング(EPS)が、車速センサーのデータに基づいてステアリングのアシスト量を調節しています。このシステムが正しく稼働しなくなると、アシスト量が減少し、ハンドル操作をしづらくなります。

車速センサーが壊れた時の対処法

車速センサーが壊れたことによって、安全運転に様々な悪影響があることを分かって頂けたでしょうか。安全運転を実施するためにも、車速センサーが壊れた際は早急に対応することが大切です。そこで、車速センサーが壊れた時の対処法を紹介します。

スキャナーで故障コードを確認する

OBD-IIスキャナーでECUからエラーコードを取得します。この故障コードによって、車速センサーに異常があるかどうかを判断できます。

整備工場へ持っていく

車速センサーの修理は難しいです。そのため、専門の整備士に点検を依頼することをおすすめします。車速センサーはトランスミッションや車輪に近い部分に設置されているため、自力で修理することは非情に困難です。センサーを交換する必要があった場合は、数千円～数万円必要になります。

安全運転管理者や車両管理責任者は、故障が発生しないように定期点検を実施する事も忘れてはいけません。安全運転管理者、車両管理者の業務について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください

安全運転管理者制度とは？罰則、選任方法、届出についても解説

車両管理責任者とは？管理者にお勧めの車両管理システムも紹介！

車速センサーの重要性

車速センサーは、車両が正しく作動するために必要な部品です。車速センサーが正常に機能していることで、シフトチェンジ、燃料制御、ブレーキ操作が可能になり、安全運転が実現します。そのため、先ほども述べたように故障した場合運転に悪影響を及ぼします。日頃から点検を行い、故障を防ぎましょう。また、故障してしまった場合は早急に整備士に修理を依頼しましょう。