導入することになった背景

地方公務員法改正に伴い人事評価制度を導入したものの、その運用に大きな課題を抱えていました。約3,500名の職員がExcelで作成した評価シートを印刷・押印して提出し、人事担当課がその内容を再度手作業でExcelに入力するという、非常に煩雑で膨大な手間がかかっていました。その結果、集計したデータを分析したり、人材育成に活用したりする本来の業務にまで手が回らない状況でした。また、職員自身が最終的な評価結果を知ることができなかったため、制度に対する不信感や透明性の向上を求める声が高まっていました。

「カオナビ」を選んだ理由

選定にあたり、機能面を重視した公募型プロポーザル方式を採用しました。その中でカオナビが選ばれた理由は大きく3点あります。第一に、既存の評価制度を再現できるほど「自由度が高く、自前でカスタマイズ可能」な点です。専門知識がなくてもExcel感覚で設定でき、担当者が変わっても引き継ぎやすい操作性が魅力でした。第二に、他の地方公共団体での豊富な導入実績と、官公庁専門チームによる手厚いサポート体制があり、「安心して運用できる」と判断した点です。そして第三に、政府のセキュリティ評価制度(ISMAP)に登録されており、「セキュリティ面で信頼がおける」点も大きな決め手となりました。

製品の導入により改善した業務

導入後、人事評価に関わる一連の業務が劇的に改善されました。評価結果の収集や計算、未提出者への督促などが全てシステム上で自動化され、人事担当者は本来注力すべき分析や企画業務に時間を使えるようになりました。職員は過去の評価や目標をいつでも振り返ることが可能になり、自身の成長を実感しながら次のステップに進めるようになりました。また、上司が部下を指導した記録が個人に紐づけて蓄積されるため、異動があっても新しい上司が過去の経緯をふまえた上で一貫性のあるマネジメントを行えるようになりました。さらに、庁内公募制度の運用や、パソコンのない職員へのスマホアプリ提供など、評価以外の場面でも活用が進み、組織全体の成長を支援する情報基盤として機能しています。