製品を導入することになった背景

およそ100年の歴史を持つ公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院様は、岡山県西部の地域医療を担う中核病院として、基本理念である「患者本位の医療」「全人医療」「高度先進医療」を柱に、救命救急医療や高度急性期医療を実践し、地域住民の健康を支え続けてきました。しかし、近年の少子高齢化や人口減少、医療財政環境の厳しさなどから、医療の現場に変革が求められています。特に「医師の2024年問題」として知られる過重労働の常態化問題を解決するための働き方改革が注目されています。

導入前に企業が抱えていた課題

倉敷中央病院様は、医療現場の長時間労働を是正するための働き方改革を進める意向でした。医療システム間の連携が難しく、煩雑な転記作業が日常的に必要となっていました。また、業務の属人化が進行しており、特定の担当者が休むと業務が滞るという問題も存在していました。これらの課題を解決するために、業務の効率化や標準化が求められていました。

導入前の課題に対する解決策

倉敷中央病院様は、RPAの活用を「タスクシフトの最終手段」として位置付け、まず業務の「棚卸し」と「標準化」を先行させました。業務の中には形骸化した作業や病棟・診療科ごとの異なるプロセスが存在していたため、これらを洗い出し、標準化を進めることで、業務の効率化を図りました。この標準化を基に、NEC Software Robot Solutionを導入し、業務を自動化することで、人はより価値のある業務に注力する方針を採用しました。

製品の導入により改善した業務

RPAの導入により、倉敷中央病院様は煩雑な転記作業を自動化し、年間で約960時間の業務時間を削減する成果を上げました。例えば、文書管理システムで作成した術前評価表を手術部門システムに転記する作業は、ロボットによる自動化で1日約4時間の人的作業が不要となりました。また、病院全体での働き方改革を進める中で、RPAの活用により、業務の効率化や標準化が進み、患者本位の医療の提供がさらに充実しています。