製品を導入することになった背景

フジテック株式会社は、昇降機の専業メーカーとして、世界の都市機能の高度化に貢献しています。2019年に発足したデジタルイノベーション本部は、テクノロジーを活用して業務品質を向上させるための取り組みを開始しました。各部門の業務プロセスの調査を行った結果、多くのルーティン業務が基幹システムだけではカバーできていないことが明らかになりました。このような背景から、業務の自動化を進めるためのRPA導入の検討を2019年6月に開始しました。

導入前に企業が抱えていた課題

フジテック株式会社の多様な部門、開発、設計、生産、据付、保守などで、基幹システムだけでは対応しきれていない集計などのルーティン業務が存在していました。これらの業務は、業務効率の低下や人的リソースの浪費を引き起こしていました。また、業務プロセスの調査では、場所や時間、人に縛られた業務が多く存在していたことも大きな課題でした。

導入前の課題に対する解決策

RPAの選定に際して、フジテック株式会社は5つの製品を比較検討しました。ユーザー主体で開発が可能で、集中管理ができる製品を求めていました。Automation Anywhereは、特別なプログラムの知識を必要とせず、豊富なコマンドやレコーディング機能が利用できる点で評価されました。また、AWSでの管理やControl Roomという一括管理機能、リスト型のUIなど、集中管理に適している点も高く評価されました。

製品の導入により改善した業務

RPAの導入により、フジテック株式会社は年間7,280時間の業務削減を実現しました。23部門で68のBotが稼働し、その中で59のBotはユーザー部門が独自に開発しました。また、月次で行われていた集計業務が週次や日次で行われるようになり、問題の早期発見や対策の早期化、マネジメントサイクルの高速化が実現されました。RPAの効果は、業務時間の削減だけでなく、業務の効率化やテクノロジーの民主化にも繋がっています。