近年、働き方改革の推進に伴い、テレワークを導入する企業が増加しました。リモートアクセスツールは、テレワーク環境において安全かつスムーズに業務を遂行するために役立つツールの一つです。
しかし、リモートアクセスツールの導入にあたって、「どれほどの効果が期待できるのか」と疑問を持っている方も多いでしょう。
本記事では、自社に合ったリモートアクセスツールを探している方に向けて、導入事例を紹介します。導入前の課題から導入後の効果まで具体的に解説するので、最適なツール選定や効果的な運用のための参考にしてください。
関連してリモートアクセスツールのメリット5選、デメリット3選も解説しています。
リモートアクセスツールとは


リモートアクセスツールとは、オフィス外から社内ネットワークやパソコンに安全にアクセスし、業務を遂行するためのツールです。ここでは、リモートアクセスツールの主な機能や種類について解説します。
リモートアクセスツールの主な機能
リモートアクセスツールの主な機能は、以下の通りです。
| 機能 | 内容 |
| 遠隔操作機能 |
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| ファイル転送機能 |
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| ユーザー管理機能 |
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| セキュリティ機能 |
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リモートアクセスツールの各種機能は、安全かつ効率的なテレワーク環境の構築に役立ちます。
リモートアクセスツールの種類と特徴
リモートアクセスツールには、以下のような種類があります。
| 種類 | 特徴 |
| VPN(Virtual Private Network) |
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| リモートデスクトップ |
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| セキュアブラウザ |
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| API接続 |
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それぞれの種類で特徴やセキュリティレベルが異なるため、自社の利用目的や要件に合わせた適切なツール選択が必要です。
導入事例1.金融機関・保険業(製品:マジックコネクト)

金融機関・保険業において、セキュリティ強化と業務効率化を目的にリモートアクセスツール「マジックコネクト」を導入し、外出先から安全なアクセスを実現させた事例です。
導入前の課題
生命保険会社のA社は、アナリストが外出先で得た情報を速やかに社内システムへ反映させたいと考えていました。しかし、以前は情報漏洩やデータ紛失のリスクから、パソコンの持ち出しが厳しく制限されていました。そのため、外出先からの情報共有に時間がかかり、業務効率の低下を招いていたのです。
また、災害時や緊急時における事業継続体制の強化やテレワーク環境の整備といった課題もありました。
改善の施策
同社は安全なアクセス環境を整備するためにUSB型のマジックコネクトを導入しました。導入の決め手になったポイントは、ファイル転送禁止機能や多要素認証によるセキュリティレベルの高さと、既存のパソコンにUSBを挿入するだけで利用できる手軽さです。
導入後の効果
同社はマジックコネクトを導入後、アナリストが外出先から社内システムにアクセスできるようになり、情報共有のスピードが向上しました。テレワーク環境が整備されて柔軟な働き方を実現するとともに、資料を持ち出す必要がなくなり、情報漏洩のリスク低減につながっています。
また、テレワーク環境の整備により従業員の移動にかかる時間やコストを削減できたほか、災害時や緊急時でも事業を継続できる体制を構築できました。
導入事例2.製造業(製品:SWANStor)
製造業において、社外からの安全なアクセス環境構築と業務効率化のために既存のリモートアクセスツールから「SWANStor」に切り替えた事例です。
導入前の課題
電気機器製造会社のB社は、社内のグループウェアやファイルサーバーへの社外アクセスが制限されていました。導入前の課題として、既存のリモートアクセスツールの使い勝手が悪く、セキュリティも不十分だったため、モバイル環境を有効活用できていなかった点が挙げられます。
実際に、情報システム担当者が外部からのリモートアクセスに対し、セキュリティ上の不安を抱えていたため、安全かつ使いやすいアクセス環境の構築が急務となっていました。
改善の施策
同社は社外から安全性の高いアクセスを可能にするSWANStorを導入しました。充実したテクニカルサポートのほか、スマートフォンにあらかじめインストールされているブラウザでツールを利用できる利便性の高さも導入の決め手の一つだったとのことです。
導入前には試用期間を設け、操作性やセキュリティを十分に確認したうえで、既存ツールとの切り替えを決めました。
導入後の効果
SWANStorの導入後、同社では社外から社内システムへ安全にアクセスできるようになり、業務スピードが向上しました。また、モバイル環境でもスムーズにツールを利用でき、外出先での利便性を高められています。
セキュリティレベルを維持しつつ、使い勝手の良いリモートアクセス環境を構築することで、情報システム担当者の不安も解消されました。また、テクニカルサポートにより、課題解決もスムーズに進み、業務効率化につながりました。
導入事例3.小売業(製品:Unifier Cast・Passage)
小売業において、Windows Updateの帯域不足解消とテレワーク環境構築のためにリモートアクセスツール「Unifer Cast」と「Passage」を導入した事例です。
導入前の課題
小売業のC社は、Windows 10導入後に発生したネットワーク帯域不足の問題に直面し、業務中の大型アップデートが社員の業務に影響を及ぼしていました。同時に、この状況を改善するためには、業務効率を向上させつつ、テレワーク環境を整備する必要がありました。
改善の施策
同社はそれぞれの課題に対して、2つの製品を導入しています。Windows Updateの帯域不足対策としてUnifier Cast、テレワーク環境の構築のためにデータレスPCが実現できるPassageを導入しました。アップデート状況を管理者がダッシュボードで確認し、それぞれの製品を組み合わせて、課題解決を図っています。
導入後の効果
Windows Update実行時のネットワーク帯域不足が解消され、業務をスムーズに進められるようになりました。また、ユーザーの意思によってアップデートを実行できるようになり、業務への影響も軽減されています。
同時に、データレスPCによって社外でも安全に業務に取り組めるようになり、テレワークや出張先での柔軟な働き方が実現しました。作業環境の整備は、従業員の満足度向上にもつながっています。
導入事例4.建設業(製品:Soliton SecureBrowser・Gateway)
建築業において、BYOD(個人所有の端末使用)のセキュリティ強化と利便性向上を目指してセキュアブラウザ「Soliton SecureBrowser」と認証ゲートウェイ「Soliton SecureGateway」を導入した事例です。
導入前の課題
建設会社のD社は、従来のインターネットVPN環境では、BYODにおけるセキュリティ確保が大きな課題であると考えていました。個人所有の端末内にデータが残ってしまうと、情報漏洩のリスクが高まるためです。
BYODではMDM(モバイルデバイス管理)ツールによる端末管理が難しいうえに、リモートアクセス環境の申請手続きも複雑で、利用が進んでいない状況です。そのため、同社はBYODを推進しつつ、セキュリティを確保できるリモートアクセス環境の構築を課題としていました。
改善の施策
同社は、セキュアブラウザ「Soliton SecureBrowser」と認証ゲートウェイ「Soliton SecureGateway」を導入しました。Webアプリケーションの利用に限定し個人所有の端末内にデータを残さないようにして、情報漏洩のリスクの低減を図ったとのことです。
また、BYODにおけるアクセス制限を緩和し、より多くの従業員がリモートアクセスを利用できるようにしました。
導入後の効果
Soliton SecureBrowserとSoliton SecureGatewayの導入後は、BYODにおいても安全に社内システムやクラウドサービスを利用できる環境が整いました。また、セキュアブラウザによる情報漏洩のリスクの低減やリモートアクセス利用者の増加によって、業務効率が向上しています。
ニーズに合ったツール選びによって、BYODのメリットを最大限に活かしながら、セキュリティを確保したリモートアクセス環境を実現できました。
導入事例5.医療業界(製品:AnyDesk)
医療業界において、信頼性の高いリモートサポートソリューション構築のために「AnyDesk」を導入し、医療分野特有の高いセキュリティ要件を達成できた事例です。
導入前の課題
医療業界のE社は、社内ネットワーク内において、安全かつ使いやすいリモートサポートソリューションが求められていました。医療分野という特性上、高い信頼性とデータセキュリティが求められるため、フェイルセーフ装置の搭載および社内ネットワーク全体での連携が必要だったのです。
改善の施策
同社は、統合型かつ安全なリモートソリューションを構築できる、AnyDeskを導入しました。フェイルセーフ装置を搭載したリモートサポート環境を実現し、万が一の障害発生時にも迅速に対応できる体制を構築しています。
また、社内ネットワーク完結型とし、インターネットを介してデータにアクセスされないようにセキュリティの強化を図りました。
導入後の効果
同社は、AnyDeskの導入によって、社内ネットワーク内の全システムを効率的に管理する体制を構築できました。シンプルで安全性の高いリモートアクセスツールを活用して、医療診断分野における高いセキュリティレベルを確保しながら、業務効率の向上に大きく貢献しています。
導入事例6.教育機関(製品:TELET)
教育機関において、安全なアクセス環境の構築とコスト最適化のために「TELET」を導入し、利用者の負担が少ないテレワーク環境を実現した事例です。
導入前の課題
国立大学Fは、安全なリモートアクセス環境が求められるなかで、既存環境での利用や設定の容易さに課題がありました。外部への情報資産の持ち出しを防ぐ必要があり、セキュリティの強化が求められています。実際に、従来のVPN接続などは設定が煩雑で利用者への負担が大きく、情報漏洩のリスクも懸念されていました。
改善の施策
当大学はネットワークブート型のシンクライアントPCに対応したTELETを導入しました。多要素認証を採用し、セキュリティの強化を図る目的があります。
具体的には、大学の情報資産を外部へ転送できないように設定し、情報漏洩のリスクを低減しました。また、通信経路のデータを暗号化し、セキュリティをより強固なものとしています。
導入後の効果
TELETの導入後には、リモートアクセス環境における設定にかかる負担を軽減できました。また、TELETの導入には機器調達やシステム開発が不要なため、短期間でスムーズに移行できました。
1ヶ月単位で契約できるため、コストの最適化も可能です。教育機関においても安全なリモートアクセス環境を構築し、多様な働き方を実現できることを証明しています。
導入事例7.自治体(製品:LGWANリモートアクセス)
自治体において、業務効率化と職員の働き方改革を推進するために、「LGWANリモートアクセス」を導入した事例です。
導入前の課題
市役所Gでは、庁舎外からLGWAN(総合行政ネットワーク)へアクセスする難しさを抱えていました。市役所では紙ベースの業務が多く、リモートワークに適したシステムやツールが十分に活用されていない状況があります。
BYODはセキュリティリスクや職員の負担が大きいと判断し、安心してリモートワークできる環境の構築が求められました。
改善の施策
当自治体は、庁舎外からのLGWAN接続を可能にする、LGWANリモートアクセスを導入しました。リモートワーク用端末としてChrome bookを追加で導入し、セキュリティと利便性を両立しています。リモートアクセスツールの導入にあたって、セキュリティを最優先にし、実績のある有料ツールを選びました。
また、モバイルワーク機能の強化やフリーアドレスの導入で、働く場所にとらわれない柔軟な働き方を推進しています。
導入後の効果
当自治体では、LGWANリモートアクセスの導入によって、市庁舎外での公務における利便性が大幅に向上しました。Chrome bookを活用して、職員がリモートでも効率良く作業できるようになり、業務効率も改善されています。
また、管理職がリモートワークしている職員の業務状況を把握できるようになり、マネジメントの質も向上しました。今では災害援助活動など、在宅業務以外にも導入効果が広がっています。
リモートアクセスツールを導入するメリット

リモートアクセスツールの導入は、企業にとって大きなメリットがあります。ここでは、業務効率化や生産性向上、コスト削減といったメリットについて解説するので、ぜひ参考にしてください。
業務の効率化と生産性の向上
リモートアクセスツールの導入によって、従業員はオフィスにいなくても効率的に業務を進められるようになります。また、テレワーク環境の整備は、通勤時間の削減や移動中のスキマ時間の活用などにつながるため、結果として生産性の向上も期待できます。
例えば、リモートアクセスツールを利用して営業担当者が外出先から顧客情報にアクセスできるようになると、場所を問わずに迅速な意思決定や契約の締結が可能です。また、技術者は自宅から社内のシステム障害に対処できるようになります。
テレワーク環境では、従業員が個々のペースで業務を進められるため、集中力を高めやすい利点があります。従業員の集中力が高まることで、より画期的な発想が生まれるようになると、企業の生産性向上に寄与するでしょう。
コストの削減
リモートアクセスツールを導入するメリットとして、コストの削減が挙げられます。リモートアクセスツールによってオフィススペースの縮小や分散オフィスへの移行が可能になると、賃料をはじめとする固定費を削減できるためです。また、テレワーク環境を整えてオンラインでの会議や打ち合わせが増えると、出張費や交通費といった変動費の削減にもつながります。
リモートアクセスツールの導入によって残業時間の削減や人件費の最適化を実現できると、企業にとって大きなコストメリットになるでしょう。
リモートアクセスツールを導入する際の注意点

リモートアクセスツールは利便性が高い反面、さまざまなセキュリティリスクを伴います。ここでは、リモートアクセスツールを導入する際の注意点を解説するので、ぜひ参考にしてください。
セキュリティ対策が充実しているか
リモートアクセスツールの導入にあたって、セキュリティ対策は最重要課題の一つです。一般的に、リモートアクセスでは不正アクセスや情報漏洩、サイバー攻撃からのマルウェア感染などのリスクが高まります。
安全なテレワーク環境を構築するためには、強力な暗号化技術や多要素認証(MFA)などによって不正アクセスやデータ漏洩のリスクを低減することが大切です。また、従業員ごとに必要な情報のみにアクセスできるよう権限を設定しておくと、内部からの情報漏洩を防げます。
通信環境の整備は十分か
リモートアクセスツールを導入する際は、通信環境の整備も不可欠です。回線速度が遅く、不安定な環境では、リモートアクセスツールのパフォーマンスが低下して業務効率が悪化する可能性があります。リモートアクセスツールの利用にあたっては、外出先のWi-Fi環境などを事前に確認し、安定した通信環境の確保に努めましょう。
また、VPNを使ってセキュリティを強化する場合は、回線速度が低下する可能性もあります。通信環境を整備するためには、従業員にモバイルルーターを貸与するといった改善策も有効です。なお、通信環境の不備は、従業員のストレスにもつながるため注意してください。
リモートアクセスツールを効果的に運用するコツ

単にリモートアクセスツールを導入するだけでは、十分な効果を得られない場合があります。ここでは、リモートアクセスツールを効果的に運用するコツを解説するので、ぜひ参考にしてください。
従業員のセキュリティ意識を高める
リモートアクセス環境では、従業員が自宅や外出先から社内システムにアクセスするため、セキュリティリスクが高まります。フィッシング詐欺やマルウェア感染のリスク、パスワード管理の重要性などを含め、従業員が具体的な危険性を理解し、適切に対処できるように働きかけましょう。
定期的にセキュリティ研修を実施したり、注意喚起のメールを配信したりすると、従業員のセキュリティ意識を高められます。また、セキュリティポリシーを明確にしたうえで、従業員が遵守すべきルールの周知徹底も大切です。
監視やトラブル対策の体制を整える
リモートワークツールを導入する際は、システムの監視体制を強化する必要があります。具体的には、定期的なアクセスログを確認することで、異常なアクセスを早期に検知して迅速な対応が可能になります。
また、トラブル発生時の相談窓口を設け、従業員がすぐにサポートを受けられる環境を整えることも大切です。ほかにも、FAQやマニュアルを整備したり、リモートサポート体制を構築したりすると、ツールの効果的な運用に役立ちます。
リモートアクセスツールのおすすめ14選
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まとめ
リモートアクセスツールは、テレワーク環境における業務効率化やコスト削減の実現に役立つツールです。
導入事例からもわかるように、さまざまな業種・規模の企業がリモートワークツールの導入効果を実感しています。ただし、リモートワークツールの導入にあたっては、セキュリティ対策や通信環境の整備、従業員の意識向上など、注意すべき点も多く存在します。
本記事で紹介した導入メリットや注意点、運用のコツを踏まえ、自社に最適なリモートアクセスツールを選定し、より安全で快適なテレワーク環境を実現しましょう。

