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【2024最新】電子カルテで使える補助金とは|IT導入補助金など詳しく解説

目次

電子カルテの導入において、効果的な支援を受ける手段として注目されているのが、IT導入補助金です。従業員300人以下の医療法人や従業員20人以下の個人事業主が対象となり、補助金を活用することで、効率的で先進的な電子カルテの導入が可能となります。しかしながら、補助金の利用には様々な条件があり、ITツールに関しては特定の製品に限られる点も留意が必要です。

この記事では、電子カルテ導入におけるIT導入補助金の概要や条件について詳しく解説します。また、他の補助金との併用や、電子カルテ以外の関連補助金についても取り上げ、医療機関がより効果的に補助金を利用して電子カルテの導入を進めるための情報を提供します。これにより、補助金を活かし、効率化や患者サービス向上に貢献する電子カルテの導入に一歩近づきましょう。

また、以下の記事では電子カルテ製品の比較をしています。ぜひ電子カルテ導入を検討の際にお役立てください。

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そもそも補助金とは何か

補助金は、国や地方公共団体が事業者に対して返済不要な金銭の給付を行う仕組みです。これは、国の政策目的にマッチする事業者(法人・個人など)の活動を金銭的に支援し、政策目標を達成するための手段となっています。

補助金制度は、税金などの貴重な財源を使用するため、法令や予算での定めに基づき、公正かつ効率的に給付されます。補助金に関連する法律として、「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」や「地方自治法232条」などが存在します。政府が金銭を給付することは「交付する」と表現されます。

ただし、補助金は必ずしも受給できるわけではありません。補助金の手続きは必要であり、公益性や各補助金の支給目的に基づき、一定の申請条件や審査が設けられています。審査によって補助金を交付する事業者を選ぶことを「採択」と呼び、採択された事業者は「交付決定事業者」となります。

なお、補助金には給付金や助成金などが類似していますが、法律上の厳密な定義はなく、補助金という言葉で統一します。これらの仕組みは、国の政策目標を達成するために事業者をサポートする重要な手段です。

電子カルテ導入に有効なIT導入補助金

IT導入補助金とは

中小企業庁が展開する「サービス等生産性向上IT導入支援事業」、通称「IT導入補助金」は、中小企業・小規模事業者に加え、医療機関も手厚くサポートしています。この補助金は、生産性向上に向けた設備投資、IT導入、販路開拓を支援し、将来の成長を促進することを目的としています。

医療法人やクリニックにおいては、従業員数が300名以下であれば、IT導入補助金の対象となります。これにより、診療所も含めた医療機関が手軽に補助金を利用できる状況です。

IT導入補助金は、中小企業などのITツール導入を支援し、それによって労働生産性を向上させることを目的としています。政府は2023年度補正予算案で、ものづくり補助金を含む中小企業生産性革命推進事業に2000億円を計上し、これによって補助金が拡充されました。経済産業省は補助金の対象企業に、補助事業者全体の労働生産性が事業終了後3年で9%以上向上することを成果目標として提示しています。

医療法人やクリニックにおいては、資本金や出資額に関わらず、従業員数が300名以下であれば補助金の対象となります。この補助金を有効活用することで、電子カルテの導入など、ITを駆使した効率的な医療サービスの提供が可能となります。

2024年(令和6年度)最新のIT導入補助金の種類

2024年(令和6年度)のIT導入補助金には幅広い種類が存在し、これまでにない多彩な選択肢が提供されています。新たに追加された補助金の中には、通常枠や複数社連携IT導入枠といった従来のものに加え、注目を浴びるべき「インボイス枠」なども含まれています。

参考:IT導入補助金 – 中小企業庁

通常枠では、一般的なIT導入に対するサポートが行われています。これには、システムの更新や効率化に向けた投資、セキュリティの向上を目指すプロジェクトへの支援が含まれます。複数社連携IT導入枠では、複数の企業が連携して大規模なプロジェクトを推進する際に特に適した補助金が提供されています。連携による相乗効果を最大限に引き出し、産業全体の発展に寄与することが期待されています。

一方で、注目の的となるのが新しく追加された「インボイス枠」です。これは、電子請求書(インボイス)の導入を促進するための補助金であり、これまで以上に効率的なビジネスプロセスを構築する企業を支援します。紙ベースの請求書からの移行を奨励し、デジタルな取引環境の構築を進めることで、業務の合理化と環境負荷の軽減が期待されます。

この章では、各種補助金の詳細な解説を通じて、企業が最適な補助金を活用し、IT導入において効果的かつ持続可能な成果を上げる手助けを行います。

通常枠(A・B類型)

「電子カルテ補助金」の通常枠にはA類型とB類型があり、それぞれ異なる補助額や対象となる電子カルテの要件が適用されます。どちらの類型でも補助率は1/2以内となり、ソフトウェア購入費やクラウド利用料1年分、導入関連費が経費の対象となります。これにより、電子カルテの導入費用がほぼ半額に軽減されますが、注意が必要です。ハードウェアは対象外なため、導入に必要なPCやタブレットは別途自己負担が必要です。

A類型もB類型も、生産性向上に資するITツール(ソフトウェア、サービス)の導入費用を支援します。クラウド利用料は最大2年分まで補助され、保守運用等の導入関連費用もサポート対象となります。

導入するITツールの業務領域が1~3までの場合、補助額は5万円から150万円未満。業務領域が4以上の場合は、補助額が150万円から450万円以下となります。補助率はどちらの場合も1/2となり、効果的に導入費用の負担を軽減できます。これにより、電子カルテの導入がより手軽に実現可能です。

複数社連携IT導入枠

「複数社連携IT導入枠」では、中小・小規模事業者が協力してITツールおよびハードウェアの導入を行い、地域DXの実現や生産性向上をサポートしています。この補助金は、商工団体やまちづくり、商業活性化、観光振興などの分野で活動する中小企業者や団体、コンソーシアムが対象です。

10者以上の中小企業・小規模事業者が連携し、インボイス制度やキャッシュレス決済の導入などに取り組む事業を支援します。連携にかかる事務費や専門家費も補助の対象となります。

2023年のスケジュールでは、交付申請期間が3月28日に開始され、1次締切が5月31日、2次締切が7月31日に設定されました。2024年度のスケジュールでは第一次締め切りが4月15日(予定)となっています。

補助金の対象経費はインボイス対応類型と同様で、グループ構成員数に応じて50万円×構成員数が支給されます。補助上限額は最大3,000万円で、補助率は2/3となります。地域社会との協力を通じて、効果的なIT導入を実現しましょう。

インボイス枠

新たに導入された「IT導入補助金2024」の中で、以前の「デジタル化基盤導入枠」の後継として登場したのが「インボイス枠」です。この枠は、特にインボイスに焦点を当てており、インボイスに関連するソフトウェアの導入だけでなく、パソコンやタブレットなどのハードウェアも補助の対象となっています。

「インボイス枠」には、「インボイス対応類型」と「電子取引類型」の2つのコースがあります。

インボイス対応類型

「インボイス対応類型」は、インボイス制度への対応に特化し、会計・受発注・決済ソフトからPC・タブレット・レジ・券売機まで、広範なハードウェア導入費用をサポートしています。小規模事業者には最大4/5の補助率が適用され、ソフトウェア最大350万円、PC・タブレット最大10万円、レジ・券売機最大20万円までの補助が可能です。

具体的なサポート内容は、

  • 会計・受発注・決済ソフト(50万円以下): 中小企業は3/4の補助率、小規模事業者は4/5の補助率
  • 会計・受発注・決済ソフト(50万円超~350万円): 補助率2/3
  • PC・タブレット等: 最大10万円までのサポート
  • レジ・券売機: 最大20万円までのサポート

PC・タブレット等とレジ・券売機は1/2の補助率が適用されます。これにより、中小企業はインボイス発行の手間を効率化するために「会計ツール」を導入し、経理作業の自動化を実現。バックオフィスの効率向上と共に、インボイス制度へのスムーズな適応が可能となり、中小企業の経済的な負担が軽減されます。

電子取引類型

「電子取引類型」は、大企業が負担してインボイス対応済の受発注ソフトを導入し、それを中小企業などが無償で利用できるケースをサポートする補助金です。この取引形態により、中小企業・小規模事業者等の負担が軽減され、効率的な電子取引が促進されます。

補助額は最大350万円で、発注者(大企業を含む)がインボイス対応済のソフトを導入し、受注者である中小企業・小規模事業者がこれを無償で利用する仕組みを支援します。この取引類型により、ビジネスプロセスがスムーズに進み、中小企業の経済的な負担が軽減されることが期待されます。

セキュリティ対策推進枠

「セキュリティ対策推進枠」では、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が提供する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されているセキュリティサービスの利用料を支援します。

補助の対象は中小企業・小規模事業者等で、補助上限額は5万円から100万円まで、補助率は1/2以内となります。この支援を通じて、サイバー攻撃による事業継続の困難を回避し、供給制約や価格高騰、生産性向上を阻害するリスクを低減します。

具体的には、「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されたサービスのうち、IT導入支援事業者が提供し、かつ事前に事務局に登録されたサービスを導入する際、サービス利用料(最大2年分)が補助対象となります。

セキュリティの確保に関するサポートを受けつつ、中小企業・小規模事業者の事業継続を守りましょう。

IT補助金の申請方法

申請の流れ

電子カルテ補助金の申請は以下の6つのステップで進行します。

1.ITツール・IT導入支援事業者の選定

IT導入支援事業者・ITツール検索で希望するITツールと事業者を選定します。

2.申請マイページの開設(事業者→IT導入支援事業者)

IT導入支援事業者に連絡して、申請マイページを開設するための依頼を行います。

3.申請準備(補助事業者)

申請マイページにログインし、必要な項目の入力や書類の添付を行います。

4.申請支援(IT導入支援事業者)

補助事業者の準備が完了すると、IT導入支援事業者が内容の確認を行います。

5.申請準備(補助事業者)

補助事業者が残りの必要項目や宣誓事項のチェックなどを行います。

6.申請(補助事業者)

SMS認証を経て最終的に申請を提出します。修正は審査前に限り可能です。

申請後は、発表日に通知があり、補助金が採択または不採択されます。補助金の利用手順には、ITツールの確認、申請手続きの始め、gBizIDプライムの取得、情報セキュリティ対策の宣言などが含まれます。効果報告や事業実績報告も含まれるため、詳細なガイドを参照しながらスムーズに進めていくことが重要です。

東京都病院診療情報デジタル推進事業とは

東京都病院診療情報デジタル推進事業は、東京都福祉保健局が主導しているプロジェクトで、医療機関の効率向上と電子カルテの普及を促進するために実施されています。この事業は特に、200床未満の病院に焦点を当て、電子カルテシステムの導入費用の一部を補助することを目的としています。なお、事業に参加するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。具体的には、200床未満の病院を運営し、電子カルテシステムの導入や更新後に一定のネットワーク参加等が求められます。

申請手順は以下の通りです。

1.交付申請書等の必要書類を提出する

事業の計画や実績報告書等が含まれます。

2.審査を受けて交付が決定される

提出された書類に基づいて、事業の適格性や計画の妥当性を審査します。

3.変更申請を提出する

事業の進捗に変更があれば、変更申請が必要です。

4.実績報告書を提出し、額が確定し、請求・支払いが行われます。

事業が完了した際には、実績報告書を提出し、補助金の額が確定されます。

対象となる病院は、東京都内において200床未満の病院を開設している者であり、また東京都知事が認定する者が含まれます。

IT補助金活用時の注意点

IT補助金の利用に際して留意すべきポイントが複数あります。まず、他の補助金や助成金との併用が制限されていることが挙げられます。国や自治体から既に同様の補助を受けている場合、同じ事業や費目においてIT導入補助金を併用することが許可されていない場合があります。

さらに、補助金の特性として予算の制約があり、需要が高まると倍率が上昇することが挙げられます。通常の助成金と異なり、補助金は事前に予算が定められているため、競争が激しく、採択までの過程が複雑となることがあります。

最後に、補助金の審査期間が通常1年以上かかる場合があるため、計画の際には時間的な余裕を考慮する必要があります。これらの留意点を把握し、賢明な活用計画を策定することが、IT補助金を有効に利用する鍵となります。

補助金を導入して、電子カルテをお得に使おう

電子カルテの導入には、従業員300人以下の医療法人や従業員20人以下の個人事業主が対象となるIT導入補助金が利用できます。ただし、補助金の利用にはいくつかの条件があります。例えば、補助金を受けられるITツールはIT導入支援事業者の製品に限り、同じ事業・費目については他の国の助成金や補助金と併用できません。これらの条件に注意し、事前に確認することが重要です。

また、電子カルテに関連する補助金はIT導入補助金以外にも存在します。例えば、2023年4月からオンライン資格確認の導入義務化に伴い、オンライン資格確認の導入に対する補助金が交付されています。さらに、電子処方箋関連についても2025年3月31日までに導入完了し、2025年9月30日までに申請することにより補助金を利用できます。

政府はこれらの補助金を通じて電子カルテの導入を後押ししており、電子カルテの標準化にも期待が寄せられています。医療情報化支援基金の交付など、IT導入補助金以外の補助金も常にチェックし、自院に適したITツールの選定や要件のクリアに向けた努力を怠らないようにしましょう。電子カルテや関連するITツールの導入は、医療法人の効率化を考える上で不可欠なサポートとなるでしょう。

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