請求書作成ソフト導入事例6選｜工数×コスト削減のポイント【2025年最新版】

主要な請求書作成ソフト6製品を導入した企業の導入事例をもとに、導入前の課題と導入後の効果を詳しく解説します。工数削減や郵送コスト削減、売掛金回収のスピード改善など、具体的な成果をデータとともに紹介します。事例を通じて、自社の規模や業務フローに合った最適な製品選びのポイントが理解できます。

1. 請求書作成ソフトを導入する企業が増えている理由

請求業務のデジタル化は、制度対応とコスト・人手の課題解決を同時に進めたい企業で広がっています。「インボイス制度」や「電子帳簿保存法」などの法対応が必須となり、さらに「郵便料金改定」による紙コスト増も導入を後押ししています。加えて、中小企業の人材不足が続く中で、省力化と自動化が求められていることも背景にあります。

導入の主な背景

• 手作業の負担とエラーリスク：Excelや紙中心の運用では記載ミスや工数増加につながる。
  
• 郵送コストと時間：2024年10月の料金改定で郵送単価が上昇し、紙・封入・発送の負担も大きい。
  
• 法改正対応：インボイス制度や電子帳簿保存法の要件に合わせるには、電子発行・保存が効率的。
  

参考：2024年10月1日から郵便料金が変わりました。

このように、法制度・コスト・人手不足という3つの要因が重なり、請求書作成ソフト導入の必要性が高まっています。

2. 導入事例から見る！請求書作成ソフトの効果

請求書作成ソフトの導入効果は、工数削減、紙・郵送コスト削減、制度対応の確実性向上に集約されます。次の表では、主要サービスの導入効果を公表事例から比較しています。

これらの項目を比較することで、工数・コスト・締め処理スピードなど、どのKPIに効くかが分かります。

工数削減（請求発行〜入金消込まで自動化）のポイント

工数削減を最大化するポイントは次のとおりです。

• 定期請求・自動発行・一括送信・テンプレート管理の活用
• 会計・債務支払・銀行との連携（全銀ファイル、API連携）
• 受領の電子化と承認フロー可視化（ステータス追跡・エスカレーション）

ペーパーレス化によるコスト削減のポイント

コストは単価だけでなく、人的作業時間も含めた総所有コスト（TCO）で評価することが重要です。

• 郵送費・印紙代・保管料の削減
• 再発行・差戻しの削減による再工数の低減
• 電子帳簿保存法に適合した検索性の確保で監査対応の効率化

請求書作成ソフト導入時の留意点

クラウド型の請求書作成ソフトは初期コストが低く拡張が容易な一方、カスタマイズ性に制約があり、レガシーな社内フローや他システムとの特殊連携が多い場合は要件整理が必要です。受領側も含めた社内規程・承認権限の見直し、電子帳簿保存法に沿った証憑管理ルール（真実性・可視性）の整備も不可欠です。

製品選定時には製品の導入傾向を参考に、自社のKPI（締め日短縮、回収日短縮、郵送費削減率、残業時間削減など）に対する定量効果を確認してください。

3. マネーフォワード クラウド請求書の導入事例

「マネーフォワード クラウド請求書」は、行政書士法人やIT企業など幅広い分野で導入されています。ここでは、公式サイトで紹介されている「行政書士法人GOAL」の事例を取り上げ、導入前の課題から効果までを紹介します。

導入前の課題

行政書士法人GOALは、スタートアップ支援を中心に事業を展開しており、顧客数が増えるにつれて請求書の発行件数も増加していました。従来はExcelで請求書を作成し、印刷・郵送を行っていましたが、請求業務に多大な時間がかかり、記載ミスや送付漏れが発生するリスクがありました。さらに、紙中心の運用では電子帳簿保存法やインボイス制度への対応に不安が残っていました。

導入の経緯

業務効率化と制度対応を両立するため、クラウド型で会計ソフトと連携できる「マネーフォワード クラウド請求書」を選択しました。導入前に無料トライアルで操作性の確認と、顧客マスタを整理し、定期請求が多い顧客向けに自動発行設定を行いました。

導入後の効果

導入後は、定期請求の自動発行により、毎月の請求書作成作業が大幅に削減できました。会計ソフトとの連携で仕訳が自動化され、月次決算のスピードも向上しました。さらに、クラウドで請求書を送付できるようになったことで、郵送コストが削減され、経理担当者の残業も解消できました。結果として、顧客対応や付加価値業務に時間を振り向けられる体制が整いました。

「マネーフォワードクラウド請求書」の特徴とメリット

• 自動化：定期請求を自動発行し、人的ミスを防止
• 連携：会計ソフトとの自動連携で仕訳・入金消込を効率化
• 効率化：郵送コスト削減と残業時間の削減で少人数でも回せる

このように、行政書士法人GOALの事例は、請求書作成ソフトの導入が業務効率化と制度対応の両立に有効であることを示しています。特に中小規模の専門サービス業にとって、短期間で成果を実感しやすい導入事例といえるでしょう。

▽その他の導入事例はこちら！
請求書作成ソフトの導入事例 | マネーフォワード クラウド

4. 請求QUICKの導入事例

「請求QUICK」は、中小企業を中心に導入企業が6,000社を突破し、クレジットカード決済の連携や継続課金が評価されています。無料から始められる料金体系も、小規模事業者の導入を後押ししています。ここでは、公式に掲載のある銀行業の事例として「筑波銀行」を取り上げ、導入前の課題、導入の経緯、導入後の効果を整理します。

導入前の課題

筑波銀行では、紙と手作業に依存する紙ベースの請求フローがボトルネックでした。発行から封入・送付・保管までの各工程で人手が必要となり、ミス検知や差戻しにも時間を要していました。さらに、インボイス対応や電子保存要件への実務的な適合も課題でした。

導入の経緯

制度対応と省力化を同時に進めるため、オンラインでの発行・配信・管理に対応し、クレジットカード決済や自動発行予約、会計ソフト連携など、段階的に機能拡張できる「請求QUICK」を選定しました。まずは発行・配信の電子化から着手し、運用になじんだ段階で継続課金や入金消込、仕訳出力といった周辺機能の活用を広げました。

導入後の効果

紙中心の非効率なフローをデジタル化し、発行〜送付〜入金確認までの進捗が可視化されました。再送・差戻しの対応が容易になり、承認や督促のタイムラグも短縮しました。継続課金の活用により、同一内容の定期請求に伴う繰り返し作業を削減できました。会計連携と仕訳出力の組み合わせで、締め処理の前倒しと属人化の抑制につながりました。

「請求QUICK」の特徴とメリット

• 回収力：請求とカード決済の一体化で入金前倒し
• 省力化：自動発行・入金消込・仕訳出力で工数削減
• 導入容易：無料から始めて必要機能を追加可能

上記のとおり、請求書作成ソフト 導入事例としての筑波銀行の流れは、紙中心の業務から電子化への移行→定期請求・回収の自動化→会計側の省力化という、段階的な効果創出の好例です。定期業務の自動化と回収手段の拡張、会計側の省力化が一連の改善として効くことが分かります。

▽その他の導入事例はこちら！
導入事例｜請求書作成クラウドソフト『請求QUICK』

5. 楽楽明細の導入事例

「楽楽明細」は、請求書の電子配信や郵送代行により、印刷・郵送コストを大幅に削減できる請求書作成ソフトです。大手から中小企業まで幅広く導入されており、固定費削減や業務効率化を実現しています。ここでは、公式サイトに掲載されている「新生ビルメンテナンス株式会社」の事例を取り上げ、導入前の課題、導入の経緯、導入後の効果を整理します。

導入前の課題

新生ビルメンテナンスでは、毎月約80件の請求書発行に丸2日を要していました。紙・封筒・切手などの郵送コストが積み重なり、再発行対応など追加業務も発生していました。固定費の高さと人的負担が大きな課題でした。

導入の経緯

直感的に操作できる画面設計と導入サポートの手厚さが評価され、「楽楽明細」を選定しました。従来の紙中心フローを見直し、Web配信と郵送代行を併用する形で運用を開始しました。

導入後の効果

導入後は、請求発行にかかる工数が半減し、2日かかっていた作業が1日で完了。郵送コストは67%削減され、請求発行から即時で受領確認できるようになったことで、顧客対応スピードも向上しました。Web受領切替率が40%に到達した点も成果として挙げられます。

「楽楽明細」の特徴とメリット

• コスト削減：郵送・印刷コストを最大67%削減
• 効率化：発行工数を2日→1日に短縮
• ペーパーレス：Web配信で受領即時化、再発行リスクを軽減

▽その他の導入事例はこちら！
「楽楽明細」導入事例｜WEB請求書・電子請求書発行システム

6. PCAクラウド商魂の導入事例

「PCAクラウド商魂」は、販売から請求データまでをクラウドで一元管理し、多拠点企業のリアルタイム経営を支援するソフトです。ここでは、公式サイトに掲載されている「有限会社ラミネックスセンター」の事例を取り上げ、導入前の課題、導入の経緯、導入後の効果を整理します。

導入前の課題

ラミネックスセンターでは3店舗ごとに売上を集計し、本社で月末にまとめて確認する仕組みでした。結果として、月次決算が終わるまで全社の売上を把握できず、営業会議の意思決定が遅れるという課題がありました。

導入の経緯

即時に売上データを確認できる環境を整えることを目的に「PCA商魂 クラウド」を選定しました。多拠点からアクセス可能なクラウド基盤と、スマートデバイスでの活用性が導入の決め手となりました。

導入後の効果

導入後は、本社・店舗のどこからでも当日売上をリアルタイムで把握可能になりました。会議前に最新データを共有できるようになり、意思決定の迅速化につながりました。また、スマートデバイスオプションにより外出先でも確認でき、二重拠点バックアップによる災害対策（BCP）強化も実現しました。

「PCAクラウド商魂」特徴とメリット

• リアルタイムで本社・拠点間の売上共有
• iPadなどのスマートデバイスで現場可視化
• 得意先・商品別の明細照会や複雑な売上形態に対応
• 会計・在庫システムとデータ連携し、入金消込や帳票整備も可

上記のとおり、ラミネックスセンターの事例は「月末にしか全社売上を把握できない」という典型課題を解消した好例です。請求書作成ソフト 導入事例のなかでも、多拠点経営や営業所を持つ企業に特に有効なモデルケースといえます。

▽その他の導入事例はこちら！
導入事例 | ピー・シー・エー株式会社

7. Bill Oneの導入事例

「Bill One」は請求書受領業務をクラウドで一元化し、受領から支払までを効率化するサービスです。ここでは、公式サイトで紹介されている「ディオニー株式会社」の事例を取り上げ、導入前の課題、選定理由、導入後の効果を整理します。請求書作成ソフト 導入事例として、受領フローを整備したい企業に参考になります。

導入前の課題

各部署に紙で届く請求書を経理部が回収・手入力しており、内容照合に時間を要していました。月末には20時間超の残業が常態化し、業務効率や従業員の負担が深刻な課題となっていました。

導入の経緯

2023年のインボイス制度開始を控え、紙ベースのフローを続けると業務負荷がさらに増大すると予測されました。人員増強よりも長期的にコスト効率が良いと判断し、受領から支払処理までを一気通貫で効率化できる「Bill One」を選定しました。

※補足：発行側・入金消込の強化（バーチャル口座連携等）により、売上確定→請求発行→入金確認→消込まで統合運用が可能になった旨が公表されています。一方で、発行業務が複雑な場合は導入設計の検討が必要となる点に留意が必要です。

導入後の効果

請求書処理業務を約70%削減し、月末残業はほぼゼロになりました。全銀データ出力を利用してネットバンキングに自動取込することで、支払業務の自動化も実現しました。結果として、業務効率化と働き方改革の両立につながっています。

「Bill One」の特徴とメリット

• 受領一元化：紙・PDF・メールなど形式を問わず請求書をクラウドで一括管理
• ワークフロー完結：申請・承認・仕訳までをサービス上で処理
• 法令対応と拡張性：インボイス・電子帳簿保存法に準拠し、発行・入金消込・経費精算機能へ拡張可能

この事例は、「受領業務を起点に全体最適化を進める」モデルケースであり、同様の課題を抱える企業に有益な示唆を与えます。

▽その他の導入事例はこちら！
Bill One請求書受領 導入事例集 | Bill Oneクラウド請求書受領サービス

8. BtoBプラットフォーム請求書の導入事例

「BtoBプラットフォーム請求書」は、国内シェアNo.1とされる電子請求書サービスで、受領・発行の両面を電子化し、取引先とのデータ連携を支援します。ここでは、公式サイトで紹介されている「大鏡建設株式会社」の事例を取り上げ、導入前の課題、選定理由、導入後の効果を整理します。取引先を巻き込んだデジタル化を進めたい企業にとって参考になる事例です。

導入前の課題

大鏡建設では、月700件近い紙請求書を処理するのに半月を要し、現場から本社への紙移送で手間が発生していました。入力作業も属人的で、誤入力や紙の保管コストも大きな問題でした。

導入の経緯

既存の会計ソフトやネットバンキングとのデータ連携が可能である点、取引先が無料で利用でき協力を得やすい点、さらに長年の実績と信頼性を重視して「BtoBプラットフォーム請求書」を選定しました。

導入後の効果

導入後はDtoD（Data to Data）で請求書データを直接授受でき、手入力作業が不要になりました。金額確定までの期間を1週間短縮し、年間約360時間の作業時間と¥1,500,000のコスト削減を実現しました。さらに、受領の約80%を電子化し、電子帳簿保存法に対応することで紙保管も不要になりました。

※注意点：DtoDの最大効果を得るには取引先の参加が前提となります。段階的にはAI-OCRや郵送代行を活用し、徐々に電子化率を高める運用が推奨されます。

「BtoBプラットフォーム」の特徴とメリット

• 受領・発行両対応：DtoDでデータ授受を行い、会計ソフトやネットバンキングと連携
• 国内シェアNo.1：公式に明記される採用実績と信頼性
• 拡張性：AI-OCR、郵送代行、入金消込、督促、債権回収代行など多様な機能を利用可能

この事例は、請求書作成ソフト 導入事例として「発行・受領を巻き込んだ全社的電子化」を進めたい企業にとって、具体的なコスト削減と業務効率化の実証例といえます。

▽その他の導入事例はこちら！
発行だけでなく受取もWebでラクラク！ | BtoBプラットフォーム請求書

9. 請求書作成ソフトの選定ポイントと導入ステップ

導入事例を横断して見ると、成功企業は自社の業務課題に最短で効く機能を起点に選定しています。まず件数・体制・制度対応の現在地を棚卸しし、次に必要機能と費用対効果を定義すると判断が早まります。

請求書作成ソフト選定の軸

結論： 3つの軸（規模・機能・運用コスト）で比較し、事例で効果が実証済みの機能から優先導入すると失敗しにくくなります。

• 自社の業務規模と請求件数
  請求件数/月、定期請求の割合、発行・受領のどちらがボトルネックかを定量化する。多拠点なら受領一元化やリアルタイム共有の効果が大きい。
  （例：受領集約に強いのは「Bill One」）
  
• 必要な機能（自動化／決済連携／Peppol/電帳法対応）
  定期自動発行、入金消込、クレジット決済、インボイス/電子帳簿保存法（電帳法）への適合など、KPI直結の機能を優先。発行側の電子配信と郵送代行で紙コストを削減できる。
  （例：発行・配信に強いのは「楽楽明細」）
  
• コストとサポート体制
  月額だけでなく郵送費・人件費・締め遅延の機会損失まで含めたTCOで比較。無料プラン/トライアルの有無や初期展開支援も評価。
  （例：無料から始められるのは、「請求QUICK」）
  

次の表では、主要要件と公表事例で確認できる“効きどころ”を対応付けています。

この表の各行を比較することで、自社KPI（例：請求発行に費やす時間、回収までの日数、郵送費）に対してどの機能が効くかを素早く見極められます。

おすすめの導入手順

請求書作成ソフトの導入は、一度に全機能を入れるよりも、段階的にスモールスタートする方が成功率が高まります。結論としては、「短期で効く最小構成」→「会計・決済連携の拡張」→「全社標準化」の3段階で設計するのが最適です。

1. 短期で効く最小構成

まずは現場の負担が大きい部分に絞って導入します。

• 請求書の発行・送付の電子化（メール送信やWeb配信）
• PDF保存やインボイス対応といった最低限の法対応
• 郵送代行やテンプレート機能を活用し、即効性のあるコスト削減

ここで効果を実感することで、社内の理解と協力を得やすくなります。

2. 会計・決済連携の拡張

次の段階では、バックオフィス全体の効率化を狙います。

• 会計ソフトやERPとの連携で、仕訳入力や入金消込を自動化
• クレジットカード決済や口座振替といった回収手段を拡張
• 継続課金や定期請求の自動化で、営業部門や契約管理とも連携

このステップにより、請求から入金確認までをシームレスにつなげることができます。

3. 全社標準化

最後に、請求書業務を全社的に統一し、業務標準として定着させます。

• 多拠点やグループ企業全体で統一フォーマット・運用ルールを整備
• 電子帳簿保存法やBCP（事業継続計画）を踏まえた運用基盤を構築
• 債権管理や分析レポート機能を活用し、経営判断に活かす

この段階で、単なる「請求書作成ツール」から「経営インフラ」へと進化させることが可能です。

 【まとめ】自社に合う請求書ソフトを事例から選ぼう

請求書作成ソフトの導入事例から見えてくるのは、課題と効果の具体像です。ある企業は紙中心の処理をクラウド一元管理に移行し残業をゼロにしましたし、別の企業はクレジット決済連携を導入して売掛金回収を大幅に短縮しました。導入前の悩みと導入後の改善点を知ることで、自社にとっての優先課題が明確になります。

自社の状況に近い業種・規模の事例を参考にしながら、次のステップを踏むと効果的です。

• まずは無料プランやトライアルで操作感や基本機能を確認する
  
• KPI（処理時間、郵送コスト、回収日数など）に直結する機能を優先する
  
• 将来の業務拡大を見据え、連携や拡張性もチェックする
  

最初から完璧なシステムを求めるより、小さく検証して効果を確認しながら段階的に拡張するのが最適な一歩です。事例はその指針となり、自社に合う請求書ソフトを選ぶための強力な判断材料になります。