freee人事労務 料金ガイド｜5名基本料金の罠と損しないプラン選びの全手法

労務DXを検討する際、「freee人事労務」特有の「5名分基本料金」という課金体系に悩む担当者は少なくありません。本記事では、2025年12月時点の最新データに基づき、人数別の実質コストを徹底シミュレーション。国内企業のDX取組率が73.7%に達した現状も踏まえ、自社に最適なプランと将来のコスト推移を解説します。

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1. freee人事労務の料金体系｜「5名基本料金＋従量課金」の仕組み

「freee人事労務」の料金体系は、基本料金に従業員数に応じた従量課金を組み合わせた構造になっています。導入を検討する際、まず理解すべきは「最低利用人数」と「支払い方法による割引」の2点です。

1-1. 全プラン共通「最低5名分」から利用可能

freee人事労務では、実際の従業員数が1名から4名の場合であっても、一律で5名分の基本料金が発生します。これはシステムを維持するための固定費としての性質を持っており、小規模事業所であっても5名分の枠を契約する形となります。

1-2. 6名以降は1名ずつの「従量課金」が発生

従業員数が6名を超える場合には、5名を超えた人数に対して1名単位で従量課金が加算されます。月ごとに計算対象となる人数が変動する場合、その月の実数に合わせてコストが最適化される仕組みです。

1-3. 月払いより最大30%お得な「年払い」のメリット

支払い方法には「年払い」と「月払い」の2種類がありますが、コストパフォーマンスを重視するなら年払いが推奨されます。プランによって異なりますが、年払いを選択することで月換算の基本料金が約23%から30%ほど割引されます。

1-4. 初期費用0円と無料トライアルの活用

多くのレガシーな人事システムとは異なり、導入時の初期費用は原則として0円です。また、1ヶ月間の無料トライアル期間が設けられているため、自社の運用フローに適しているかを事前に検証することが可能です。

次の表は、基本料金の構造と支払い方法による違いをまとめたものです。

この料金体系により、従業員の増減に柔軟に対応しつつ、長期利用によるコスト抑制が可能となっています。

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2. 【給与計算あり】プラン別の料金一覧と機能比較

給与計算機能を含むプランは、バックオフィス業務をどこまで自動化したいかに応じて4つの選択肢が用意されています。2025年12月16日現在の公式情報を基に、各プランの月額単価（税抜）と特徴を整理しました。

2-1. ミニマム：コストを抑えて給与計算を効率化

給与明細の作成や年末調整など、最低限の機能を備えたエントリープランです。年払い時の月換算基本料金は¥2,000となっており、コストを最小限に抑えたいスタートアップ企業に適しています。

2-2. スターター：年末調整のペーパーレス化を実現

ミニマムプランの機能に加え、年末調整のオンライン回収や法定調書の作成がよりスムーズになります。基本料金は年払い月換算で¥3,000、追加単価は¥600/名です。

2-3. スタンダード：一番人気！勤怠・入社手続きも集約

入社手続きのペーパーレス化や、より高度な勤怠管理機能が含まれる主力プランです。年払い月換算の基本料金は¥4,000、追加単価は¥800/名となっており、中規模以上の企業で最も多く選ばれています。

2-4. アドバンス：電話サポートと複雑な権限設定に対応

専任の担当者による電話サポートや、組織変更に対応した権限管理が必要な成長企業向けです。基本料金は年払い月換算で¥5,500、追加単価は¥1,100/名に設定されています。

次の表では、給与計算ありプランの料金（年払い時の月換算・税抜）を比較しています。

各プランを比較することで、自社の従業員数と必要な業務範囲に合わせた最適なコストを算出できます。

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3. 【給与計算なし】勤怠・労務管理に特化した料金プラン

給与計算機能を必要としない場合、勤怠管理や労務管理に特化した安価なプランを選択することも可能です。既存の給与計算ソフトやアウトソーシングと併用したい場合に有効な選択肢となります。

3-1. 勤怠管理プラン：打刻から休暇管理まで自動化

PCやスマートフォンでの打刻、残業時間の集計、休暇申請などに特化したプランです。基本料金は¥1,500、追加単価は¥300/名となっており、純粋な勤怠DXのみを目的とする場合に最適です。

3-2. 労務管理プラン：入退社手続きと書類管理を効率化

入社時の情報回収や雇用契約書の締結、社会保険手続きをデジタル化するプランです。基本料金は¥3,250、追加単価は¥650/名で、ペーパーレスな労務管理を実現します。

3-3. 勤怠・労務管理プラン：バックオフィス業務を幅広くカバー

勤怠管理と労務管理の両方を統合したプランです。基本料金は¥4,750、追加単価は¥950/名となり、給与計算以外の周辺業務をすべてfreee上で完結させることができます。

次の表は、給与計算なしプランの料金構成（税抜）をまとめたものです。

これらのプランを組み合わせることで、自社の業務フローの隙間を埋める効率的な導入が可能になります。

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4. 自社ならいくら？人数別・プラン別の料金シミュレーション

「freee人事労務」の月額費用（税抜）は、「基本料金 + (従業員数 – 5) × 追加単価」という計算式で算出できます。実際にどの程度のコスト変動があるのか、主要な人数規模で具体例を見ていきましょう。

4-1. 従業員10名：スタンダードプラン（年払い）の場合

10名規模でスタンダードプラン（年払い月換算）を利用した場合、基本料金¥4,000に加えて5名分の追加料金¥4,000（¥800 × 5名）が発生し、月額¥8,000となります。

4-2. 従業員20名：労務管理プランの場合

労務管理に特化した20名規模の運用では、基本料金¥3,250と追加15名分の料金¥9,750（¥650 × 15名）を合計し、月額¥13,000が目安です。

4-3. 従業員50名：アドバンスプランで運用する場合

組織化が進んだ50名規模でアドバンスプラン（年払い）を導入すると、基本料金¥5,500に加えて45名分の追加料金¥49,500（¥1,100 × 45名）となり、月額¥55,000となります。

4-4. 課金対象となる「従業員数」の正確な数え方と注意点

料金計算の基準となる人数は、単なる在籍者数ではありません。freeeヘルプセンターの「freee人事労務の料金体系について」によれば、その月に給与明細が作成され、支給額が0円を超えている従業員が課金対象となります。

次の表では、人数規模別の月額コスト（年払い・税抜）を比較しています。

このように人数に応じたコストが明確であるため、事業拡大に合わせた予算計画が立てやすくなっています。

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5. 他社製品との比較｜freee人事労務を選ぶべき企業とは

人事労務SaaS市場には複数の有力なサービスが存在しますが、「freee人事労務」は特に「会計連携」と「中小企業の自動化」において強みを持っています。他社製品との立ち位置の違いを明確にしましょう。

5-1. SmartHRとの料金・ターゲット層の違い

「SmartHR」は労務管理手続きに特化したUXが非常に高く、従業員数が多い中堅・大手企業でのシェアが高い傾向にあります。一方でfreeeは給与計算まで含めたバックオフィス全体の統合を得意としており、より少人数の企業から手軽に導入できるのが特徴です。

5-2. マネーフォワードクラウドとの連携性の比較

「マネーフォワード クラウド人事労務」は、同社の会計ソフトとの親和性が高い点が共通しています。しかし、freeeは「1つのマスタデータ」で勤怠・給与・会計まで繋がる一気通貫の設計が評価されており、データの二重管理を防ぐ点で優位性があります。

5-3. 追加費用が発生するケース（有償サポート・オプション）

基本料金以外にコストがかかるケースとしては、アドバンスプラン以外での「電話サポート」追加や、社労士などの専門家による導入コンサルティングを受ける場合が挙げられます。これらは任意ですが、スムーズな移行を希望する企業は検討すべき項目です。

5-4. 自社に合うプランがすぐわかる「タイプ別診断」

自社がどのツールやプランを選ぶべきかは、優先順位によって決まります。次の表で、freee人事労務が適している企業の条件をまとめました。

他社と比較検討する際は、単なる「単価」だけでなく、管理業務全体がどれだけ削減されるかという「実質的な工数」を考慮することが重要です。

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6. 最新トレンド：労務DXへの投資が急務となっている背景

現在、多くの企業が人事労務ソフトの導入を急いでいる背景には、深刻な人手不足と法改正への対応、そして政府が推進するデジタル化の流れがあります。

6-1. HRTech市場の急成長：2024年は前年比28.5%増の予測

デロイトトーマツ ミック経済研究所の「HRTechクラウド市場の実態と展望」によると、HRTech市場は2023年に1,077億円、2024年には1,385億円に達すると見込まれています。この成長は、企業がデジタル投資をコストではなく「競争力の源泉」と捉え始めている証拠です。

6-2. 日本企業のDX取組率は73.7%へ（IPA調査データ）

最新の「DX動向2025」によれば、日本国内で何らかの形でDXに取り組んでいる企業の割合は77.8%に達しました 。これは2022年度調査時の69.3%から着実な進展を見せており、DXが日本企業に広く浸透しつつあることを示しています 。

6-3. 人的資本経営の開示義務化と人事データの活用

金融庁の「有価証券報告書等におけるサステナビリティ開示」に関する規制変更により、上場企業を中心に「人的資本」に関する情報の開示が求められています。これに対応するためには、人事データを常にデジタルで蓄積し、分析可能な状態にしておく必要があります。

6-4. e-Gov電子申請の拡大（厚労省関連2,524件が対応）

「e-Gov電子申請」でオンライン手続き可能な件数は、2025年11月時点で合計3,940件に上ります。中でも厚生労働省関連は2,524件と多くを占め、社会保険手続きのオンライン化はもはや必須の業務インフラとなっています。

次の表は、労務DXを取り巻く定量的なトレンドをまとめたものです。

これらのトレンドは一過性のものではなく、今後もデジタル化を基盤とした経営が標準となっていくことを示唆しています。

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7. 【まとめ】自社の人数で試算し無料トライアルを開始しよう

「freee人事労務」は、5名分の基本料金という独特な設定はあるものの、年払いや従量課金を活用することで、従業員の成長に合わせた柔軟な運用が可能です。まずは自社の現在の人数と、今後1年間の採用計画に基づいた正確なコストを試算してみてください。実際の使用感を確認するために、「無料トライアル」を通じて、給与明細の発行や勤怠管理のUIが自社のスタッフにとって使いやすいかを検証することが、失敗しないDX導入の核心アクションです。