MITライセンスとは?役割や使い方、使用時の注意点を解説
最終更新日:2024/04/19
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目次
「MITライセンスって具体的にどんな内容?」「自作のソフトウェアにMITライセンスを適用してもいい?」そんな疑問や不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。
オープンソースソフトウェアを利用する際、ライセンスへの理解は非常に重要です。中でもMITライセンスは広く利用されていますが、その内容をきちんと把握していないと、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。
本記事では、MITライセンスの内容と特徴、利用時の注意点などをわかりやすく解説します。
MITライセンスとは?
MITライセンスは、オープンソースソフトウェアを開発・配布する際に利用される代表的なライセンスの一つです。MITライセンスはかなり自由度が高く、制限の少ないライセンスです。ただし、再配布の際には著作権者への帰属を明示し、ライセンス条文を添付する簡単な条件があります。
使いやすさと自由度の高さから、MITライセンスはオープンソースプロジェクトで幅広く活用されています。他のライセンスに比べて互換性も高いため、さまざまな用途で利用できるのが魅力です。
使用目的
MITライセンスは、「オープンソフトウェアの開発・公開」「商用利用の許可」「他のライセンスとの組み合わせ」「再配布」の目的で使用されます。本章ではそれぞれの目的ごとに解説します。
- オープンソースソフトウェアの開発・公開
- 商用利用の許可
- 他のライセンスとの組み合わせ
- 再配布
オープンソースソフトウェアの開発・公開
MITライセンスは、ソフトウェアのソースコードを公開し、誰もが自由に使用・改変・再配布できるようにするためのライセンスです。オープンソース理念に基づくプロジェクトで幅広く利用されています。
商用利用の許可
MITライセンスの下では、ソフトウェアを商用で利用することが可能です。改変後のソースコードの公開を求められないため、企業が内部で利用したり、商用製品に組み込んだりするケースがあります。
他のライセンスとの組み合わせ
制限が比較的少ないため、MITライセンスは他のライセンスと組み合わせて利用しやすいと言えるでしょう。異なるライセンスのソフトウェアを統合する際に、MITライセンスを選択するメリットがあります。
再配布
著作権表示とライセンス条文の添付を行えば、MITライセンスソフトウェアは自由に再配布できます。この条件さえ守れば、制約が少ないため再配布がしやすいのが特徴です。
このように、オープンソース公開からビジネス利用、他ライセンスとの連携まで、幅広い用途で活用できる点がMITライセンスの強みだと言えます。
使用条件
利用時の条件も、著作権表示とライセンス条文の記載の2点と非常にシンプルです。代わりに、MITライセンスの全文が記載されたWebページのURLを示すことでも対応可能。このユーザーフレンドリーな点も、MITライセンスの人気の理由でしょう。
また、MITライセンスの制限が比較的少ないため、他のオープンソースライセンスとの互換性が高いのも大きな利点です。GPLライセンスのようにソースコード公開を義務付けるような厳しい制限はありませんが、一定の自由度とオープン性のバランスが取れているため、開発者にとって使いやすいライセンスとなっています。
条件がシンプルでわかりやすく、他のライセンスとの互換性も高く、自由度とオープン性の適切なバランスが取れていることが、MITライセンスの最大の魅力なのです。利用者にとってフレンドリーで、開発の自由度も十分に確保できるため、幅広い分野で活用されているのがMITライセンスの特徴と言えるでしょう。
オープンソースソフトウェア(OSS)とは?
オープンソースソフトウェアとは、その名の通り、ソースコードが公開されているソフトウェアのことを指します。利用者は、目的を問わず自由にそのソースコードを使用・調査・改変・再配布できるのが大きな特徴です。英語ではOpen Source Softwareと呼ばれ、OSSと略されることが多くあります。
オープンソースの正確な定義は、Open Source Initiativeというオープンソースの促進を目指す団体が定めるOpen Source Definitionという形です。OSIとOSDとしてそれぞれ略称で知られ、現在ではこのOSDがオープンソースの事実上の標準定義となっています。
OSSライセンス
OSSライセンスとは、オープンソースソフトウェア(OSS)の利用条件を定めたものです。OSSを利用する際には、そのライセンスに従う必要があります。ライセンスにはさまざまな種類があり、それぞれ異なる条件が設定されています。
主なOSSライセンスと、その特徴を見ていきましょう。
まずGPLライセンスは、もっともよく知られているOSSライセンスの一つです。GPLライセンスのもとで配布されたOSSを改変した場合、改変後のソースコードも同じくGPLライセンスの下で公開しなければなりません。この「コピーレフト」の原則により、OSSの自由が維持される一方で、独自の改変を加えた上で別のライセンスを適用することはできません。
次にMITライセンスです。MITライセンスは、GPLライセンスに比べるとかなり自由度が高いライセンスです。OSSを自由に改変し、商用利用することも可能。改変後のソースコードを公開する義務もありません。ただし、再配布時に著作権表示とライセンス条文を含める必要があります。
他にも、ApacheライセンスやBSDライセンスなど、さまざまなOSSライセンスが存在します。Apacheライセンスは特許に関する条項を含み、BSDライセンスは著作権表示さえあれば制限が極めて少ないのが特徴です。
このように、OSSライセンスによって利用条件は大きく異なります。自身のニーズに合ったライセンスを選択することが重要です。例えば改変を加えた上で商用利用を検討する場合は、MITライセンスのように制限の少ないものがよいでしょう。
一方、OSSの自由を最大限に尊重したい場合は、コピーレフトを定めたGPLがふさわしいかもしれません。ライセンスはOSSの根幹をなすものですので、利用の際にはきちんと内容を確認し、条件を遵守することが求められます。そのためにも、さまざまなOSSライセンスの特徴を理解しておくことが大切なのです。
MITライセンスの表示方法
MITライセンスを実際に表示する場合、「著作権の表示」と「ライセンス全文の表示」が必要です。本章でそれぞれの方法を解説します。
著作権の表示
MITライセンスにおける著作権表示の方法は以下の通りです。MITライセンスでは、再配布時に著作権表示を含める必要があります。具体的には以下のように記載します。
Copyright (c) 年号 著作権者名
例えば、2022年にABC株式会社がソフトウェアを作成した場合は「Copyright (c) 2022 ABC株式会社」と記載。会社名だけでなく個人名でも構いません。複数の著作権者がいる場合は、それぞれ記載します。
Copyright (c) 2022 ABC株式会社
Copyright (c) 2021 John Doe
この著作権表示は、ソースコードの先頭部分や、同梱のREADMEファイル、実行時に表示される画面などに、わかりやすい形で含める必要があります。
また、別のファイルにMITライセンスの全文を記載する場合は、そのファイル内でも同様に著作権表示を行います。
Copyright (c) 2022 ABC株式会社
Permission is hereby…(MITライセンスの本文)
このように、明確に著作権者名と作成年を記載することで、MITライセンスの著作権表示条件を満たすことが可能です。再配布時にはこの表示を保持する必要がありますので、注意しましょう。
ライセンス全文の表示
MITライセンスの全文の表示方法は、ソースコード内への直接の記載に限らず、柔軟な対応が認められています。一般的には、著作権表示と同様に、ソースコード内に全文を記載することが多いようです。しかし、その代替手段として、MITライセンスの全文が掲載されているWebページのURLを記載するだけでも構いません。
実際に有名なオープンソースプロジェクトの中にも、そうした例が見受けられます。jQueryのソースコードでは、ライセンス関連のURLのみが記載されており、そのURLが紐付くWebページ内にMITライセンス全文へのリンクが用意されています。
一方、BulmaのCSSファイルには”MIT License”の文言とGitHubリポジトリのURLが記されています。このリポジトリ内の”LICENSE”ファイルを開けば、MITライセンスの全文を確認できる仕組みになっているのです。
このように表示方法は多様で、最終的にライセンス全文にアクセスできさえすれば問題ありません。ソースコード内に全文や直リンクを載せる必要はなく、WebページのURLさえ明記されていれば、MITライセンスの条件を満たしていると見なされます。
開発者は自身のプロジェクトに合わせて、適切な表示方法を選択することができます。重要なのは、ユーザーがライセンス全文を確認できる環境を整えることです。この点さえ守られていれば、MITライセンスを利用する上で十分な配慮がなされていると言えるでしょう。
MITライセンスを使う際の注意点
MITライセンスを使う際にはいくつかの注意点を守らなければいけません。注意を怠ると、うまく表示できなかったり責任問題に発展したりする恐れもあります。
本章では3つの注意点「使用時は著作権とライセンス全文を表示する」「コード内の情報を消さないように注意する」「修正する場合はコードを解釈して記述する」を見ていきましょう。
- 使用時は著作権とライセンス全文を表示する
- コード内の情報を消さないように注意する
- 修正する場合はコードを解釈して記述する
使用時は著作権とライセンス全文を表示する
MITライセンスを利用する際の重要な注意点として、「使用時は著作権とライセンス全文を表示する」ことが求められます。具体的には以下のような表示が必要です。
ソースコードの場合は、ソースコード冒頭部分などわかりやすい箇所に、著作権表示である”Copyright (c) 20XX 著作権者名”を記載します。さらにその後に”このソフトウェアはMITライセンスの下で公開されています。MITライセンスのコピーは同梱のLICENSEファイルか、https://opensource.org/licenses/MITで確認できます。”という一文を追加。そしてLICENSEファイルまたはREADME.mdファイルなどに、MITライセンスの全文を掲載します。
実行ファイルやバイナリの場合は、プログラムの起動時やインストーラーなどで著作権表示を出力するよう実装します。加えて、同梱のドキュメントなどに、MITライセンスの全文が含まれていること、そしてその全文自体を記載することが必要です。
このように著作権者への帰属を明示し、MITライセンス全文を参照可能にすることが求められます。著作権表示さえ保持されていれば、ライセンス全文の代わりにURLを記載するだけで構いません。
これらの表示を怠ると、MITライセンスに違反し、法的問題が生じる可能性があります。ソフトウェアの利用者には著作権を尊重し、ライセンスを遵守する責務があるためです。再配布時には必ず適切に著作権とライセンス全文を表示しましょう。
コード内の情報を消さないように注意する
MITライセンスを利用する際の注意点として、「コード内の情報を消さないように注意する」ことが挙げられます。
具体的には、ソースコードの中に記載されている著作権表示やライセンス条文、そして作者によるコメントなどの情報を、改変や再配布の際に削除したり改ざんしたりしてはいけません。これらの情報はソフトウェアの由来を示す重要なものであり、MITライセンスではその保持が義務付けられています。
/*
Copyright (c) 2022 ABC Company
このソフトウェアはMITライセンスの下で公開されています。
ライセンスの全文は同梱のLICENSEファイルをご覧ください。
プログラム説明:
・・・(説明)・・・
*/
このような著作権表示、ライセンス条文の記述、作者によるプログラム説明を削除したり改ざんしたりすることは許されません。これらはそのままの状態で保持されなければなりません。
また、個々のソースファイルの中にも作者によるコメントが残されている可能性があります。こうした情報も、プログラムの履歴や作者の意図を示すものですので、できる限り残すべきでしょう。
コード内の情報を残すことで、適切にライセンスを遵守していることが示され、プログラムの由来や作者への敬意を払うことにもつながります。MITライセンスを利用する上で、このような情報の保持には十分に気をつける必要があるのです。
修正する場合はコードを解釈して記述する
MITライセンスを利用してソフトウェアを修正する際の注意点として、「修正する場合はコードを解釈して記述する」ことが重要になります。
MITライセンスでは、ソフトウェアの改変や再配布が自由に認められています。しかし、改変を行う場合は、単に既存のコードを複製したり一部を書き換えるだけでは不十分です。必ず、そのコードの役割や機能を正しく理解した上で、自分自身の解釈で再記述することが求められます。
つまり、既存のコードをそのまま流用するのではなく、コードの意味を把握し、自分なりの表現で新たに書き直す作業が必要になるのです。このプロセスを経ることで、適切にライセンスを遵守していると見なされます。
例えば、ある機能を実現するコードがあった場合、そのコードの動作原理や処理の流れを確実に把握した上で、自分なりの書き方で同じ機能を実装し直す、といった具合です。単に既存のコードを少し書き換えただけでは不十分で、完全に自分の解釈に基づいて新たに記述することが求められます。
このように、MITライセンスの下でソフトウェアを修正する際は、既存コードの丸写しは避け、必ずコードの意味を理解して自分なりの表現で再記述することが大切。これは、単なる技術的な要求事項ではなく、ライセンスを正しく遵守するためのきちんとした手続きなのです。
まとめ
MITライセンスは、オープンソースソフトウェア(OSS)を開発・配布する際に広く利用されているライセンスです。この記事では、MITライセンスの概要、利用条件、注意点などを詳しく解説してきました。
MITライセンスは自由度が高いため人気がありますが、他のライセンスも用途に応じて活用されています。開発者は目的に沿ってOSSライセンスを使い分け、効果的な開発が可能になることを覚えておきましょう。
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