導入することになった背景

鉄の総合商社として、約2千数百社の取引先に対し、月間2万通を超える請求書や納品書を紙媒体で発行・郵送しておりました。特に締め日には、ドットプリンターでの大量印刷から手作業による仕分け・封緘まで、拠点によっては半日以上を要するほどの膨大な業務が発生し、現場の大きな負担となっていました。中期経営計画で掲げる「業務改革」の実現に向け、この煩雑な帳票業務の効率化とコスト削減は喫緊の課題でした。加えて、インボイス制度の開始や改正電子帳簿保存法への対応も迫っており、これらを一挙に解決するため、帳票の電子化とWeb配信システムの導入を決断いたしました。

「SVF Cloud」を選んだ理由

複数のソリューションを比較検討した結果、ウイングアーク社の製品群が当社の要件に最も合致すると判断いたしました。選定の決め手は、まず「invoiceAgent」が月間2万通という大量の帳票配信にも安定して耐えうる高い処理能力を備えていた点です。次に、単に帳票をWeb配信するだけでなく、電子帳簿保存法の要件を満たした文書管理までを一つのプラットフォームで完結できる点も高く評価しました。そして、「SVF Cloud」自体が持つ帳票設計の柔軟性と拡張性により、今回の請求書・納品書に留まらず、将来的に他の社内帳票へと電子化の範囲を拡大していく全社的なDX推進の基盤として最適であると確信し、導入を決定いたしました。

製品の導入により改善した業務

導入後、帳票業務は劇的に改善されました。これまで全国の拠点で半日以上を要していた締め日の発行・郵送作業が完全に不要となり、現場担当者の業務負荷を大幅に削減することに成功しました。コスト面では、郵送費や人件費を含め、年間で約1,700万円もの削減効果を実現し、早期の投資回収を見込んでいます。また、人為的ミスによるファイリングの抜け漏れといった課題も解消され、監査対応の効率化などガバナンス強化にもつながりました。さらに、9割以上の取引先がWeb配信への切り替えに賛同しており、取引先企業のペーパーレス化や業務効率化にも貢献できております。