導入することになった背景

当社では、約30年にわたり製薬企業様向けに医薬品市場の統計書を、書籍やCD-ROMといった物理媒体で提供してまいりました。しかし、この提供方法には二つの大きな課題がありました。一つは、顧客企業側で過去数十年分の資料を保管するための膨大なスペースが必要となり、大きな負担となっていたことです。もう一つは、当社自身の課題として、印刷・配送にかかるコストの削減が長年の経営課題でした。さらに、東日本大震災の際には配送が大幅に遅延し、事業継続の観点からもオンライン化の必要性を痛感いたしました。これらの背景から、10年来の課題であった統計書のオンライン提供の実現に向けて、本格的に検討を開始しました。

「快速サーチャーGX」を選んだ理由

選定にあたり、単にPDFファイルをダウンロードできるだけのシステムではなく、顧客にとって付加価値の高いサービスを提供できることを重視しました。その中で「快速サーチャーGX」が選ばれた理由は、まず卓越した検索性能です。膨大な統計データの中から、必要な情報を高速に検索できるだけでなく、複数の帳票を横断して検索できる「串刺し検索」など、顧客の分析業務を強力に支援する高度な機能を備えていました。また、当社では10年以上前から旧製品を利用してCD-ROMを作成していた実績があり、システムの信頼性や操作性に対する安心感があったことも大きな理由です。これらの付加価値により、顧客満足度の向上に繋がると判断し、導入を決定いたしました。

製品の導入により改善した業務

導入後、長年の課題であった統計書のオンライン提供が実現し、事業運営が大きく改善されました。まず、年間1,000万ページに及んでいた印刷・配送業務が不要となり、関連コストを9割削減できる見込みです。また、専門知識を要する帳票の定義・登録作業を外部パートナーにアウトソーシングすることで、社内担当者の運用負荷も軽減され、全体的なコスト削減に成功しました。さらに、これまで全く把握できなかった顧客のデータ利用状況をリアルタイムで確認できるようになり、どのデータがどのように活用されているかを分析できるようになりました。これは、顧客ニーズを深く理解し、今後の新たな商品開発やサービス改善に繋げるための、極めて価値のある情報資産となっています。