導入することになった背景

導入以前、帳票管理はホストコンピュータから夜間に出力し、各拠点へ物理的に配送するという紙を前提とした運用を行っておりました。特に決算期には、一度に段ボール数十箱分にも及ぶ帳票が出力され、朝までに配送準備が完了しないことが常態化するなど、業務遂行上の大きな課題となっていました。増加し続ける用紙代、保管・配送費用、人件費といったコストの抑制と、必要な情報を探すのに膨大な手間と時間がかかっていた非効率な検索業務の改善が、システム導入を検討する直接的な動機となりました。

「FiBridgeII 」を選んだ理由

7社もの製品を比較検討する中で、FiBridgeIIの採用を決定した理由は、当社の厳格な要件を最も高いレベルで満たしていた点にあります。人事データを扱う上で不可欠な、データベースの暗号化といった「機密性」、従来の紙と同様の感覚で扱える「操作性」、将来のデータ増加に対応できる「拡張性」、そして既存の帳票資産を有効活用できる「変換精度の高さ」を総合的に評価しました。加えて、2007年のオープン系システムへの移行時にも他製品への切り替えを検討しなかったのは、導入以来15年間、一度も停止することなく安定稼働を続けてきた高い信頼性と、既存の帳票データを移行するリスクを回避できるという大きなメリットがあったためです。

製品の導入により改善した業務

導入後、帳票に関わる業務は全面的に効率化されました。定量的な効果として、帳票の出力数を2005年度比で56%削減し、手作業による転記ミスをゼロにすることに成功しました。これにより、用紙代や配送費、保管コストなどが大幅に削減されています。また、従来は夜間の仕分け作業が完了せず、翌日の業務に支障をきたすこともありましたが、現在では翌朝一番には全社で最新の帳票を確認できる体制が整いました。利用する業務部門からも、高速な検索機能により必要な情報を迅速に探し出せるようになったと高く評価されています。何よりも、15年以上にわたり安定稼働を続けていることで、システム管理者は障害対応に追われることなく本来の業務に専念でき、IT基盤の安定化に大きく貢献しています。