導入することになった背景

大手地方銀行として、勘定系システムの共同化という大規模なシステム更改プロジェクトが、帳票管理基盤を見直す直接的な契機となりました。従来も一部の帳票は電子化していたものの、その利用は限定的であり、大半の帳票は本部で一括印刷し、全営業店へ物理的に配送していました。この運用は、印刷、配送、保管にかかるコストが膨大であることに加え、利用者にとっては「紙帳票」「電子帳票」「各種データ」と情報の入り口が分散し、非常に使いづらい状況を生み出していました。この非効率な業務プロセスを根本から改善するため、全帳票の電子化と情報アクセスの統合が経営上の急務でした。

「FiBridgeII 」を選んだ理由

システム更改にあたり複数の製品を比較検討した結果、FiBridgeIIの継続利用を決定いたしました。その理由は主に三点あります。第一に、2003年の導入以来、大きな障害もなく稼働を続けてきた「安定性」です。金融機関の基幹業務を支えるシステムとして、この実績は高く評価されました。第二に、既に電子化していた過去の帳票データをスムーズに「継承できる」点です。別システムを導入した場合に発生する大規模なデータ移行のコストとリスクを回避できることは、大規模プロジェクトを推進する上で大きなメリットでした。そして最後に、当行からの機能改善要望に対し、ベンダーが次期バージョンで対応するなど、長年にわたる信頼関係と「将来性への期待」も、選定を後押しする重要な決め手となりました。

製品の導入により改善した業務

導入後、帳票とデータがFiBridgeII上で統合的に管理されるようになり、利用者が必要な情報へアクセスする手間が大幅に削減され、業務効率が飛躍的に向上しました。従来は書庫へ赴き手作業で探していた帳票も、自席のパソコンから即座に検索できるようになり、お客様からの問い合わせにも迅速に対応できる体制が整っています。また、データ配信機能の活用により、約300種類もの帳票について、オーバーレイや帳票定義の作成が不要となり、開発期間の短縮と工数削減に大きく貢献しました。全帳票を電子化したことで、印刷や配送、保管スペースにかかるコストも削減され、さらに利用状況の分析を通じて不要な帳票を整理するなど、継続的な業務改善の基盤が構築されています。