製品を導入することになった背景

2019年に設立されたSBIデジトラスト株式会社は、FATF(金融活動作業部会)が提唱するAML/CFTの高度化や本人確認、次世代認証等の金融機関向けソリューション事業を展開する目的で、SBIセキュリティ・ソリューションズとNECとの間で設立されました。この背景には、金融機関向けの認証認可基盤サービス「Trust Idiom」の開発と提供があります。

導入前に企業が抱えていた課題

2020年に、ウォレットサービスを経由して、地方銀行を中心としたいくつかの銀行口座から不正に預金が引き出されるという事件が発生しました。この事件をきっかけに、IT業界・金融業界のセキュリティ意識が高まり、堅牢な認証・認可機能への需要が増加しました。このような状況下で、SBIデジトラスト株式会社は、FIDO認証/CIBAを用いた「Trust Idiom」を開発しました。

導入前の課題に対する解決策

SBIデジトラスト株式会社は、前述の課題を解決するために「Trust Idiom」を開発しました。このサービスは、金融機関向けの本人確認済みIDを発行するIDaaSであり、従来のID連携方式を改善することを目的としています。具体的には、ペイメントサービスと金融機関がそれぞれ個別に身元確認を行う従来の方式から、生体情報でのFIDO認証や金融グレードのFAPI・CIBAにも対応した新しい認証・認可方式を採用しています。

製品の導入により改善した業務

「Trust Idiom」の導入により、金融機関は従来よりもシームレスなペイメントサービスの利用を実現できるようになりました。また、最新のセキュアなID管理の運用環境を適切なコストで提供することが可能となりました。このサービスによって、消費者は安全性と利便性の向上を享受できるようになり、金融機関もセキュリティのリスクを大幅に低減することができました。