製品を導入することになった背景

NTTコミュニケーションズ株式会社は、情報・通信業界で活動しており、資材や部品の調達・購買、契約・支払業務を担当するプロキュアメント&ビリング部が存在します。この部門は年間に膨大な数の調達や支払業務を行っており、その手続きが人手で行われていました。特に、紙の請求書に基づく支払処理が年間6万件ほど発生しており、これが大きな課題となっていました。

導入前に企業が抱えていた課題

プロキュアメント&ビリング部は、年間4万件の物品調達と3万件の役務契約、さらには17万件の役務支払を行っています。このような膨大な業務量に対応するためには、多くの人手と時間が必要であり、業務効率の向上が急募でした。特に、紙の請求書に基づく支払処理が手作業で行われていたため、効率化が難しく、生産性の向上に限界が見えていました。

導入前の課題に対する解決策

この課題を解決するために、NTTコミュニケーションズはAI-OCR「ABBYY FlexiCapture」を導入することを決定しました。この製品は、OCRや機械学習、自然言語処理を活用して文書業務の効率を高めるソリューションです。特に、セキュリティの観点からオンプレミスで構築できる点や、既存のRPA(UiPath)との連携が容易である点が導入の決め手となりました。

製品の導入により改善した業務

ABBYY FlexiCaptureの導入によって、年間4000時間以上の作業時間を削減し、年間3万件の紙請求書を自動的に処理できるようになりました。この効果を高めるために、NTTコミュニケーションズは対応する企業数や請求書の形式を限定し、投資額を抑えつつ生産性を向上させました。具体的には、紙請求の支払処理が多い上位30社に対してABBYY FlexiCaptureを適用し、これによって受領している紙請求書全体の50%程度をAI-OCRで処理することができました。