電子帳票システム比較30選(インボイス・JIIMA認証)｜3つのタイプ別に紹介【監修・2025年最新】

「請求書の印刷・封筒詰め・発送作業に毎月追われている…」
「紙の書類だらけでテレワークが進まない…」
「電子帳簿保存法やインボイス制度への対応、何から手をつければいいか分からない…」

経理や総務、情報システムの担当者様であれば、一度はこのような悩みを抱えたことがあるのではないでしょうか。山積みの紙の帳票、手作業による非効率、増え続ける保管コスト。これらの根深い課題は、電子帳票システムの導入によってまとめて解決できるかもしれません。

この記事では、数ある電子帳票システムの中から自社に最適なものを選ぶためのポイントから、具体的なおすすめ製品、導入のメリットや注意点までを網羅的に解説します。

1. 電子帳票システムとは？3つのタイプと解決できる課題

電子帳票システムとは、帳票の作成、管理、配信などの業務プロセスを組織や企業が効率的に行うためのソフトウェアベースのシステムです。帳票をPCで作成したり、今まで紙だった帳票をデジタルフォーマットに置き換えることでデータとして一元管理、取引先へ配信することができます。今まで手作業だった業務がすべてPCひとつで解決できるようになります。

経済産業省の『電子商取引実態調査』によれば、国内企業の約70%が帳票のデジタル化に取り組み始めており、特に中堅・大企業で導入が進んでいます。
参照：令和 6 年度電子商取引に関する市場調査の結果

電子帳票システムの機能別3タイプ

電子帳票システムは、その得意分野によって大きく3つのタイプに分けられます。まずは自社の課題がどのタイプで解決できるのか、大枠を掴むことが重要です。

例えば、「過去の書類を探すのに時間がかかる」「紙の書類が多くてテレワークが進まない」といった課題には管理・保管タイプが適しています。一方で、「毎月の請求書発行業務が大変」という悩みには作成・発行タイプが有効です。

ＴＯＭＡコンサルタンツグループ株式会社/取締役持木 健太

システムを選定する際には、まず自社の課題を事前に明確にすることが不可欠です。他社の成功事例が必ずしも自社にとっての最適解とは限らず、そのまま適用できないケースも少なくありません。加えて、既存システムとの連携性や業務フロー全体との親和性も、システム選定における重要な要素となります。

2. 【タイプ別】電子帳票システムの主な機能

3つのタイプ別に搭載されている主な機能を知ることで、各製品の特徴がより明確になります。自社に必要な機能がどのタイプに含まれているかを確認しましょう。

① 帳票管理・保管タイプの主な機能

このタイプは、紙やPDFなど、あらゆる帳票を取り込んで一元管理することに長けています。

帳票管理・保管タイプの製品比較をこちら

② 帳票作成・発行タイプの主な機能

このタイプは、既存のフォーマットを再現したり、法制度に対応した帳票を効率的に作成・発行したりします。

帳票作成・発行タイプの製品比較はこちら

③ 帳票配信タイプの主な機能

このタイプは、作成した帳票を取引先の希望に応じて様々な方法で自動的に届けます。

帳票配信タイプの製品はこちら

ＴＯＭＡコンサルタンツグループ株式会社/取締役持木 健太

請求書の送付方法を郵送からWeb配信やメール配信に変更することで、コスト削減や効率化が実現できます。一方で、郵送での受領を必須としている企業も存在します。その場合は、郵送代行サービスの利用や、自社での郵送手配が必要となるため注意が必要です。

3. 【重要】失敗しない電子帳票システムの選び方5つのポイント

多機能な電子帳票システムですが、導入で失敗しないためには、自社の目的や状況に合った製品を選ぶことが不可欠です。ここでは、選定時に必ず確認すべき5つのポイントを解説します。

ポイント1：法令対応は万全か（電子帳簿保存法・インボイス制度）

最も重要なポイントは、法令要件を確実に満たしているかです。特に国税関係書類を扱う場合、電子帳簿保存法への対応は必須です。公益社団法人日本文書情報マネジメント協会（JIIMA）が認証した製品に付与される「JIIMA認証」は、選定における一つの安心材料になります。また、インボイス制度に対応した請求書が発行・保存できるかも必ず確認しましょう。

インボイス制度への対応と合わせて、近年注目されているのが「デジタルインボイス」です。デジタルインボイスとは、国際標準規格（Peppol）に基づき、請求書データをシステム間で直接やり取りできる仕組みのことです。PDFをメール添付する従来の電子請求書とは異なり、データ形式が統一されているため、受け取った側での再入力や変換作業が不要になり、経理業務を一層効率化できます。

デジタルインボイス対応の製品一覧｜デジタルインボイス推進協議会

デジタルインボイスとは | EIPA｜デジタルインボイス推進協議会

ＴＯＭＡコンサルタンツグループ株式会社/取締役持木 健太

デジタルインボイスは普及がなかなか進んでいませんが、日本全体の効率化やグローバル対応には、必要な制度となります。主要な電子帳票サービスを提供している企業は、EIPA（デジタルインボイス推進協議会）の会員に所属しており、デジタルインボイス対応済みサービスとして提供しております。将来的な効率化を見据えて、JIIMA認証だけでなくデジタルインボイス対応済みサービスを選択しておくことも重要な観点になるかと思います。

ポイント2：自社の帳票業務（発行・受領）に合っているか

自社の業務フローの中で、どこに一番課題を感じているかを明確にすることが大切です。「請求書の発行に時間がかかりすぎている」のであれば発行・作成タイプ、「取引先から届く大量の紙の請求書処理が大変」なのであれば管理・保管タイプが適しています。両方の課題を抱えている場合は、どちらの機能も備えたハイブリッドな製品が候補になります。

ポイント3：既存システム（会計・販売管理など）と連携できるか

電子帳票システムは単体で使うよりも、既存のシステムと連携させることで真価を発揮します。例えば、「販売管理システム」の売上データをCSVで取り込んで請求書を自動作成したり、受領した請求書のデータを会計システムにAPI（アプリケーション・プログラミング・インターフェース）で直接連携したりできれば、業務は劇的に効率化します。

ポイント4：誰でも使いやすい操作性とサポート体制か

システムは導入して終わりではありません。ITに不慣れな人でも直感的に操作できるかは非常に重要です。多くの製品で無料トライアルが提供されているので、実際に操作感を試してみましょう。また、導入時の設定支援や、トラブル発生時のサポート体制が充実しているかも確認しておくと安心です。

ポイント5：料金体系は事業規模に見合っているか

料金体系は主に「月額固定制」と「従量課金制」に分かれます。毎月一定量の帳票を扱う場合は月額固定制、帳票の量に波がある場合は従量課金制が向いているでしょう。初期費用やオプション料金も含め、自社の事業規模に見合ったコストで運用できるか、複数の製品を比較して検討しましょう。

ＴＯＭＡコンサルタンツグループ株式会社/取締役持木 健太

電子帳簿保存法のシステム要件を自社ですべて確認することは、非常に困難です。JIIMAは国税庁の一問一答でも言及されている信頼できる組織です。システム選定の際は、JIIMA認証を取得しているか必ず確認するようにしましょう。

「eValue V Air ドキュメント管理」

アクセス権管理や印刷・持ち出し制限など、強固なセキュリティが特徴です。電子帳簿保存法のスキャナ保存要件にも対応し、重要な証憑書類も安心して管理できます。

「invoiceAgent 文書管理」

電子帳簿保存法に対応し、文書の発生から保管、廃棄までのライフサイクルを適切に管理します。インボイス制度にも対応し、文書管理業務全体の効率化を実現します。

「バクラク電子帳簿保存」

誰でも直感的に使えるシンプルな画面設計が魅力です。電子書類もスキャンした紙の書類も一元管理でき、自動読み取り機能で手入力の手間を削減します。

「OPTiM 電子帳簿保存」

請求書や領収書などをアップロードするだけで、AIが台帳記入を自動で行います。電子帳簿保存法・インボイス制度の保存要件に対応しており、面倒な作業から解放されます。

「活文 Report Manager」

様々なシステムから出力される電子帳票やCSV、XMLデータを自動で取り込み、保管・管理します。電子帳簿保存法へのスムーズな対応を支援します。

「freee支出管理 受取請求書」

あらゆる書類を電子保管し、検索機能で必要な情報をすぐに見つけ出せます。電子帳簿保存法に対応した保管が可能で、書類の回収や確認も簡単に行えます。

「e-image」

帳票の取り込みから仕分け、保管、検索までを自動化し、業務効率を向上させます。簡単な操作性と安心のサポート体制で、スムーズな導入・運用が可能です。

「FiBridgeⅡ」

国内トップクラスの高速処理性能を誇り、大量の帳票もストレスなく扱えます。強固なセキュリティと豊富な導入実績で、安心して利用できる電子帳票基盤です。

「Paples」

帳票の設計から出力、電子保管、活用までをワンパッケージで提供します。様々な業務アプリケーションと連携し、統合的な電子帳票基盤として活用できます。

「FileVolante」

基幹システムから出力される帳票を、見た目そのままに電子化して保管・活用します。各種設計ツールとのシームレスな連携で、効率的な帳票運用を実現します。

「快速サーチャーGX」

特別なソフトは不要で、Webブラウザだけでどこからでも帳票の閲覧・検索が可能です。高速な検索エンジンと見やすいビューアで、業務効率を向上させます。

5. 【帳票作成・発行タイプ】おすすめ電子帳票システム10選

次に、法改正にも安心して対応でき、請求書発行を自動化する「帳票作成・発行タイプ」の製品をご紹介します。請求書発行業務の負担を軽減したい企業に最適です。

「楽楽明細」

請求書、納品書、支払明細など、あらゆる帳票の発行に対応します。CSVやPDFデータを取り込むだけで簡単に一括発行でき、電子帳簿保存法・インボイス制度にも対応済みです。

「BtoBプラットフォーム 請求書」

電子請求書の発行・受取で国内シェアNo.1の実績を誇ります。請求データを取り込むだけで発行コストを大幅に削減し、入金消込や督促も簡単に行えます。

「Bill One」

郵送やPDFなど、どんな形式で届く請求書もオンラインで受け取り、正確にデータ化します。最新の法改正に対応した業務フローを構築できます。

「Concur Invoice」

請求書の受け取りから支払いまでをクラウドで完結させます。分析ダッシュボードで経費を可視化し、テレワーク環境でのペーパーレス化を推進します。

「freee請求書」

無料で請求書・見積書・納品書などを作成可能です。スマホからも利用でき、「freee会計」と連携すれば、請求書発行から会計処理までがシームレスにつながります。

「intra-mart Procurement Cloud」

請求書だけでなく、見積書や発注書など、あらゆる国税関係書類の電子取引に自動で対応します。対応漏れを防ぎ、インボイス制度にも完全対応します。

「SVF Cloud」

プログラミング知識がなくても、Webブラウザ上で簡単に帳票を設計・開発できます。多様な出力・配信方法に対応し、帳票データをセキュアな環境で管理します。

「Create!Form」

Excelのような操作感で、表現力豊かな帳票を直感的にデザインできます。帳票設計の工数を大幅に削減し、高速・大量印刷にも対応します。

「Shachihata Cloud」

電子印鑑やワークフローシステムと一体化しています。帳票の作成・申請・承認・回覧・決裁までをクラウド上で完結させ、バックオフィス業務全体を効率化します。

「SATSAVE」

無料プランで即日利用を開始でき、改正電子帳簿保存法に対応した文書管理が可能です。少額から始められるため、スモールスタートに最適です。

6. 【帳票配信タイプ】おすすめ電子帳票システム8選

最後に、郵送コストと手間を大幅に削減する「帳票配信タイプ」の製品をご紹介します。大量の帳票を取引先に送付する企業におすすめです。

「ナビエクスプレス」

作成した帳票データをアップロードするだけで、Web・メール・郵送など、取引先に合わせた方法で自動配信します。既存の帳票デザインをそのまま使えるのも魅力です。

「@Tovas」

100年以上の帳票業務ノウハウを活かした、セキュリティと情報追跡機能に優れたシステムです。専任担当による手厚い導入・運用サポートも受けられます。

「LinkPrint CLOUD」

顧客や取引内容に合わせた柔軟な帳票レイアウトに対応します。手入力から基幹システムとのAPI連携まで、様々な方法で帳票データを取り込み、自在に配信できます。

「ClimberCloud」

使った分だけ支払う柔軟な従量課金制で、スモールスタートに最適です。APIや自動登録ツールにより、既存システムとシームレスに連携し、帳票配信を自動化します。

「EdiGate/POST」

帳票データを自動で配信し、郵送やFAXにかかるコストを大幅に削減します。簡単な操作で、セキュリティの保たれた環境で取引先と帳票データをやり取りできます。

「FILIST」

クラウド版で手軽に導入でき、Web配信機能で郵送料や封筒代を削減します。様々な機能で書類データを一元管理し、業務効率化を支援します。

「AUTO帳票EX」

「ASP・SaaS安全・信頼性情報開示認定」を取得した信頼性の高いサービスです。使用環境に合わせて専任スタッフが導入から運用までを徹底的にサポートします。

「FNX e-帳票FAXサービス」

FAXでの帳票配信に強く、スピード処理や大量配信にも対応します。堅牢なセキュリティと24時間365日のサポート体制で、ミッションクリティカルな業務にも利用できます。