株式会社STYZは、AIを活用した事業・業務変革を支援する「STYZ X」において、カンパニーブレイン構築ソリューション「Mimiria(ミミリア)」の提供を開始したと2026年10月22日に発表しました。明文化されていないノウハウや判断基準をAIヒアリングで集め、社内のAIツールで参照できる形にするものです。社内AIの回答を自社の判断基準に沿わせたい企業にとって、現場の知識をどう集めてAIに渡すかを考える材料になります。
Mimiriaは特許出願済みで、導入企業は約4週間で自社専用のナレッジ基盤「カンパニーブレイン」を構築できるとしています。1部門・1業務領域から小さく始められる点も挙げられています。
現場の判断基準をAIに渡す仕組み
汎用的な生成AIが参照できるのはデータ化された情報に限られるため、企業ごとに異なるローカルルールや判断基準まで踏まえた回答は難しい場合があります。STYZ Xは、現場の判断基準がAIに渡っていない点を課題の一つと捉えました。
Mimiriaは、手順書だけでは把握しにくい判断の理由や例外への対応を、社員との対話から収集する仕組みです。 一部の代表者だけでなく部門の全員にヒアリングを行い、特定の担当者に集中しやすい知識を組織で使える形にすることを目指しています。
STYZ Xは、明文化されていないノウハウを組織で繰り返し使える状態にすることが、人員の増減に左右されにくい事業基盤につながるとしています。自社の知見を管理・共有する手段を比較する際は、ナレッジマネジメントツールの情報も参照できます。
聴く・蓄える・活かすの三段階で進む流れ
Mimiriaは「聴く」「蓄える」「活かす」の3段階で進みます。最初の段階では、AIが現場社員一人あたり約30〜50分の個別ヒアリングを実施します。事前の資料準備は不要で、「なぜその判断をしたのか」「どのような例外があるのか」といった内容まで聴取する設計です。
収集した内容は約4週間で解析・構造化され、誰がどのような基準で判断しているかを確認できる「判断基準の台帳」として生成されます。 台帳によって、自社業務のどこにAIを活かすべきか、どこで自動化の効果が大きいかが見えるようになり、AI投資や業務改革の構想を考える際の判断材料にもなるとしています。
構築後は、MCPなどを通じて既存の社内AIチャットや業務エージェントへ接続します。自社の基準に沿った一次回答や一次チェックをAIが担う環境の構築を掲げています。
効率化の先にあるAI活用の論点
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が2026年7月に公表した「DX動向2026」では、AI導入の具体的な効果として「業務が効率化したり迅速化した」と回答した企業は91.6%でした。一方で、「売上や利益が向上した」は3.9%、「顧客満足度が向上した」は4.5%にとどまります。
STYZ Xはこの結果から、AIの効果が業務効率化に集中し、事業の成果にまで結びついている企業は限られていると見ています。 また、現状把握のヒアリングが一部の代表者にとどまると、現場ごとの例外処理やローカルルールが抜け落ちたまま設計が進み、全社展開の段階で実務と合わなくなると説明しています。
小さく始めて定着を検証する支援
STYZ Xでは、戦略・ITコンサルティングの経験者とAIエンジニアがチームを組み、対象業務の選定からAIエージェントの構築、現場での検証まで支援します。導入後は業務への定着度を毎月、実績値で報告し、対象業務を段階的に広げる方針です。
Mimiriaによる判断基準の収集に加えて、STYZ Xが現場での定着までを支援する点が特徴です。 編集部としては、AIの回答精度だけでなく、どの業務の判断基準を対象にするか、利用状況をどう測るかを導入前に確認しておくとよいと考えます。
出典: 株式会社STYZプレスリリース(PR TIMES・2026年10月22日配信)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000357.000022873.html

