株式会社インサイトテクノロジー(本社・東京都渋谷区、代表取締役社長 CEO・森田俊哉)は2026年11月2日、同社が提供するOracleデータベース向けのディザスタリカバリ(DR)ソリューション「Dbvisit StandbyMP」に、新しいオプション「Zero Data Loss(ZDL)」を加えると発表しました。Oracle Database Standard Edition 2(SE2)を使い続けたまま、障害が起きたときに失われうるデータの範囲(目標復旧時点=RPO)を、従来の5〜15分から1秒未満に縮めるオプションです。
SE2で失われがちだった直前5〜15分のデータ
同社の説明では、SE2の環境ではアーカイブログを一定の間隔でまとめて送る方式が一般的で、障害が起きると直前の5〜15分ぶんのデータを失うおそれがありました。この範囲を大きく縮めるには、高価なEnterprise Edition(EE)とOracle Data Guardを組み合わせるか、複雑な独自の構成を組む必要があり、費用と運用の負担から見送る企業も少なくなかったとしています。
同社は、システムが復旧しても障害の直前の取引データが消えていれば、現物の記録とシステムを突き合わせて入力し直す作業が残ると指摘しています。例として、製造業で直近5分間の生産・出荷データが失われた場合を挙げています。
Redoログをリアルタイムで複製する仕組み
ZDLは、これまでのアーカイブログの転送に加えて、オンラインRedoログをリアルタイムで複製する「デュアルレプリケーション技術」を使います。障害が起きたときは、スタンバイ側に届いている最新のRedoログを使って復旧します。リアルタイムの転送が途中で止まった場合は、従来のアーカイブログの転送で復旧を続けます。
同社は、対応する環境と適切な構成・稼働条件がそろえばRPOを1秒未満にできるとしたうえで、すべての障害でデータの損失がゼロになることを保証するものではないと注記しています。追加のミドルウェアは要らず、対応するStandbyMPの環境ではワンクリックで有効にできると説明しています。スイッチオーバーやフェイルオーバー、DRテスト、監視といった今の機能と運用の手順はそのまま使えるとしています。
ライセンス費用と復旧後の照合作業への影響
ZDLはSE2の環境で使えるため、EEに切り替える必要がありません。同社は、比べる構成によってはOracleのライセンス費用を最大で約75%減らせるとしていますが、削減率は比較する構成や契約の条件で変わると注記しています。
復旧後の作業については、想定ケースとして、これまで60分かかっていたデータの照合・検証が15分になり、作業時間を約75%減らせるという参考値を示しています。データベースそのものの復旧時間(RTO)は変わりません。同社は、生産管理や在庫管理、受発注、決済など、データが欠けると業務に直接響くシステムでの利用を想定しています。
ZDLを使うには対応バージョンへの更新などの条件があり、ASM環境では追加の設定が必要になる場合があります。同社は、Dbvisit StandbyMPをすでに使っている企業へのZDLの導入を進めるとしています。
バックアップソフトを比べるときに見ておきたい点
編集部では、EEに移らずにSE2のまま、障害の直前までのデータを守る範囲を広げようとしている点に注目しています。バックアップソフトの比較ハブには、遠隔地へのレプリケーション(複製)の機能を災害対策に使える製品などが載っています。提供開始の日付や料金はリリースに書かれていないため、Oracle SE2のデータベースを守る手段として比べる際は、今使っているStandbyMPのバージョンでZDLを使えるか、ASM環境で追加の設定が要るか、リアルタイムの転送が止まったときにどこまでのデータが守られるかを確かめておきたいところです。
出典: 株式会社インサイトテクノロジー プレスリリース(PR TIMES・2026年11月2日配信)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000127.000087136.html

