株式会社フツパーは、ローカルLLM「ラクラグ」をAIエージェント機能を備える形へ大幅に更新し、2026年11月1日から正式提供を始めます。社内資料の検索から集計、報告書などのファイル作成までを一連の業務として支援する点が今回のニュースです。従来どおり社内のサーバーで完結する構成を選べるため、機密情報をクラウドに送らずに生成AIを日々の業務に取り入れられるとしています。
社内資料の検索から集計、ファイル作成までを支援
今回のラクラグは、質問の意図に応じて社内の文書を検索し、必要な情報が足りなければ検索条件や方法を変えて再調査します。表、図、数値を含む資料では、該当ページの内容まで確認して回答する仕組みです。
Excel・CSVの表データでは、合計、件数、絞り込み、並べ替え、複数シートをまたぐ集計をチャットで指示できます。文章から数値を推測するのではなく、原本データから直接計算した結果を返すとしています。複雑な集計や情報抽出については、他システムから切り離された専用環境でプログラムを実行して対応します。
成果物は、集計表ならExcelやCSV、報告書ならWord、説明資料ならPowerPoint、配布用ならPDFとして出力可能です。調査で判明した原因、対策、用語は出典付きの知見として記録され、記載がなかったという事実も残ります。
機密資料を社外に出さない構成と権限管理
フツパーは2025年6月から、社内ネットワーク内で動作するローカル型生成AIとしてラクラグを提供してきました。現場からは「資料を探せるだけでなく、集計や報告書づくりまで任せたい」という声が寄せられていたといいます。資料を探した後に人の手作業が残る点を見直し、AIが必要な手順を判断して検索・確認・集計を進めるAIエージェントとして再構築しました。
顧客の社内に設置したサーバーでAIを動かす構成を選べるため、情報をクラウドに出せない企業での利用を想定します。要望に応じて、AWSなどのクラウド上に専用サーバーを構築する選択肢も用意しています。
閲覧および編集の権限を資料別・グループ別に設定でき、操作を記録する監査ログも搭載します。AIモデルごとのメモリ使用量と応答速度を実測し、動作を確認した設定を「レシピ」として同梱しているため、管理者は管理画面からレシピを選んで新しいモデルを導入できます。
専用サーバーとの買い切り型パッケージで提供
高性能GPUを搭載した専用サーバーとソフトウェアは、買い切り型のワンパッケージとして提供され、価格は構成により個別見積もりです。納品後に機器設置、社内ネットワーク接続、アカウント発行、資料アップロードを経て最短即日で利用開始できるとしています。PDF・Word・Excel・PowerPointに加え、スキャンした紙の資料や画像も文字を読み取って取り込めます。新規導入の顧客に加え、保守契約を利用中の顧客には先行して順次提供を始めています。
試験記録や不良報告書の活用を想定した使い方
想定する利用例には、試験記録や不良記録から経緯・原因・対策を日付順に整理してWordへ出力する業務、過去の不良報告書や設備点検記録から類似トラブルを探す業務が挙げられます。試験条件と測定値を比較表にまとめるほか、設計変更の経緯確認や出典付き点検チェックリストの作成にも使えるとしています。
社内に散在する文書と表データを横断して扱う場合、検索で資料を見つけた後の確認、集計、ファイル作成までを誰が担うかが導入判断の材料になります。エンタープライズサーチの比較では、対象ファイル形式、権限管理、出典確認、成果物の出力方法を業務単位で確認したいところです。
編集部では、社内資料の検索に加えて集計表や報告書のファイルまで社内の環境で作れるようになった点を、試験記録や不良報告書など社外に出しにくい資料を扱う製造業などの現場で、使い道を広げる変更と見ています。導入を検討する際は、取り込みたい資料の形式(スキャンした紙の資料を含むか)、資料ごとの権限の分け方、出力したい帳票の種類を事前に整理しておくと、個別見積もりの際に構成を決めやすくなります。
出典: 株式会社フツパープレスリリース(PR TIMES・2026年10月26日)

