any株式会社(東京都千代田区、代表取締役・吉田和史)は2026年11月5日、ベテラン人材の判断基準を抜き出して引き継ぐ、AIエージェント搭載の新サービス「Qast Clone(キャスト クローン)」の提供を始めました。社内の会議や資料に断片的に埋もれた判断基準を抽出・構造化し、その組織独自の文脈やルールも引き出して「ナレッジクローン」を作り、日常の相談や資料のレビューで使えるようにするサービスです。正式提供に先立ち、複数の大手企業でクローンの構築を始めているとしています。anyは、AIナレッジプラットフォーム「Qast」を2018年から提供しています。
会議や資料から判断基準を引き出す人的支援
クローンを作る工程は、Qastで8年間培った知見をもとに、ナレッジマネジメントに詳しい専門メンバーが人的支援として担います。会議の音声や資料から判断基準を抽出・構造化し、本人へのインタビューで「何を、なぜ、どこまで見るか」を深掘りします。同社は、本人も自覚していない判断基準は資料をAIに読み込ませるだけでは抽出できず、何を問いどこを深掘りするかという「問いの設計」がクローンの質を左右すると説明しています。
チャットでの相談と資料のレビューに使うクローン
作ったクローンには24時間いつでもチャットで相談でき、提案書や資料をアップロードすると判断の理由とともにレビューを受けられます。クローンのレビューを本人が評価・修正し、定期的に本人へのアンケートで不足している情報を補うことで、使うほど再現の精度が上がるとしています。経営層に限らず現場のマネージャーや部長のクローンも作れ、同社は同じ人物でも「営業」「経営」「プロダクト」など判断の観点ごとにクローンを分けることを勧めています。活用例として、出張の多い部長に代わって「部長クローン」が提案書を一次レビューする使い方を挙げています。クローンが会議に参加して問いや意見を出し、会議中の質問にリアルタイムで答える機能は開発中で、2027年1月に提供する予定です。
代表のクローンを社内で使うanyの例
any社内では、代表取締役の吉田氏が参加した社内会議の音声やレビューの記録、資料、本人へのヒアリングから作ったナレッジクローン「AI吉田」を使い始めています。社員はチャットでの相談や資料のレビューに使い、本人がいないときでも判断の観点を確かめられるようになったといいます。判断の範囲を超える問いには「この情報だけでは判断できない。本人に確認してほしい」と答え、最終的な判断は人に委ねる設計にしています。同社の『ナレッジマネジメント白書2026』では、業務でAIを活用する企業は2026年に52.6%で、そのうち57.5%は個人での活用にとどまっていました。
ナレッジ共有のツールを比べるときに見ておきたい点
編集部では、本人へのインタビューで判断の「なぜ」を引き出す工程を専門メンバーが担い、そのうえでクローンを本人の評価と修正で育てていく作りにしている点に注目しています。ナレッジマネジメントツールの比較ハブには、FAQや文書を取り込んでAIで答える製品が載っています。料金や大手企業の導入の名前はリリースに書かれていないため、クローンの元になる会議の音声や資料をどこまで渡せるかや、本人がインタビューとレビューの評価にどのくらいの時間を割く必要があるかを確かめておきたいところです。
出典: any株式会社プレスリリース(PR TIMES・2026年11月5日配信)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000076.000033337.html

