ビズネットの「購買管理プラットフォーム」は、工具や資材、IT製品といった企業の備品や消耗品(間接材)を、複数の通販サイトや専門店(この記事ではサプライヤーと呼びます)からまとめて探して注文でき、社内の承認と請求の処理までを1つにまとめるサービスです。デジタル化の窓口編集部がデモ環境を実際に操作して検証した結果、備品の購入先が複数に分かれていて、請求書の処理や承認の手間を減らしたい会社にとっては、有力な候補になると判断しました。一方で、特注品のように毎回見積が欠かせない物が購買の大半を占める会社では、カタログから選んで買えることの利点が小さくなります。
検証の条件:2026年9月下旬、デジタル化の窓口 編集部がデモ環境を実際に操作(発注する担当者の画面)
図① 検証の結論。向いている会社・向かない会社と、よかった点・気になった点

1. ビズネットはどんなサービスか
ビズネットの購買管理プラットフォームは、会社が工具や資材などの間接材を買うときの「探す・注文する・承認する・請求をまとめる」を1つの仕組みで引き受けるサービスで、初期費用と月額の基本料は0円です(ユーザーカタログなどは有料のオプション)。
通常は、購入先が通販サイトや販売店に分かれていると、発注する担当者はサイトを1つずつ探し、経理は購入先の数だけ請求書を処理することになります。一方、ビズネットでは、発注する担当者が1つの画面上で複数のサプライヤーの商品をまとめて検索でき、上長による承認も同じ画面上で行えます。また、ビズネット経由で購入した商品の請求書はビズネットが取りまとめて一本化するため(ユーザーカタログの分はオプション)、発注から承認、請求までを一元管理できます。
図② ビズネットを使うときの流れ。探す・注文する・承認する・請求をまとめるの4段階

機能は、発注する担当者が使う検索・比較・注文の機能、承認者が使う承認の機能、購買部門と経理が使う管理・データ・請求の機能に分かれています。有料のオプションになるのは、ユーザーカタログ、ユーザーカタログの分の請求取りまとめ、購買・会計システムとの連携運用などです(ビズネット公式)。
図③ ビズネットの主な機能を、使う人ごとにまとめた図。有料オプションは別に示す

基本情報
項目 | 内容 |
|---|---|
提供会社 | ビズネット株式会社 |
対象 | 間接材(工具・現場資材・消耗品・備品・IT製品など)の購買。主な利用者は中堅・大企業 |
利用企業数 | 14,000社以上(2023〜2025年に利用した企業の数。公式サイトの記載) |
初期費用・月額の基本料 | 0円(ユーザーカタログなどは有料のオプション。料金は見積) |
連携サプライヤー | モノタロウ、ビックカメラ、トラスコ中山、エスコ、アズワンなど40社(公式サイトの一覧。使えるサプライヤーは契約によって異なる) |
使う画面 | 発注する担当者と承認者は「会員サイト」、購買部門の管理者は管理者用のサイト「Bizm@nage」 |
導入期間の目安 | 標準で2か月程度(ユーザーカタログや既存システムとの連携を使う場合は追加) |
支払い | 月末締め・翌月末の銀行振込 |
ログイン | IDとパスワード。2026年9月30日から、メールアドレスと多要素認証による方式や、自社の認証システムとの連携(SSO)も選べる(切り替えはビズネットへの問い合わせ) |
利用環境 | ブラウザで利用(インストール不要) |
出典:ビズネット公式、連携サプライヤー一覧、公式FAQ、9月末機能改修のご案内
2. 検証ポイントと方法
導入を考える会社が気にする5つの問いを検証ポイントに決め、デモ環境を実際に操作して確かめました。操作して分からなかった点は、ビズネットに質問して回答を得ています。
購買管理の仕組みを入れても、現場がいつもの物を見つけられなかったり、承認の手間が増えたりすると、社員は使い慣れた通販サイトに戻ってしまいます。そのため、導入を考える会社の購買部門や総務、経理の担当者が気にする問いから、次の5つを選びました。
欲しい物が見つかるか(いつもの物がすぐ見つかり、通販サイトに戻らずに済むか)
選んで注文するまでが手軽か(現場が迷わず注文できるか)
承認が負担にならないか
経理と購買部門の手間が減るか(請求書・集計)
導入と運用の負担はどれくらいか(準備・費用・サポート)
図④ 5つの検証ポイントと検証の方法

3. 5つのポイントの評価
5つのポイントのうち、①〜④は発注する担当者・承認者・経理のふだんの手間に関わるもので、どれも今のやり方より手間が減るという評価です。⑤の導入の負担は、費用よりも、最初に自社の購買ルールを整理する準備にあります。
図⑤ 5つの検証ポイントごとの評価

① 欲しい物が見つかるか
横串検索に出るサプライヤーの商品は、通販サイトを1つずつ開かなくても1回の検索でまとめて探せるので、いつもの物を探す手間は今より減ると感じました。
購買の仕組みを新しく入れるときは、「欲しい物が見つからず、現場が使い慣れた通販サイトに戻ってしまわないか」が心配になります。デモ環境で「コピー用紙 A4」と1回検索すると、ビズネットのカタログ(スマートオフィス)と連携しているサプライヤー(エスコ、トラスコ中山、アズワン、ビックカメラなど)の商品がまとめて表示されました。ビズネットはこの検索を「横串検索」と呼んでいます。検索結果はサプライヤーごとのタブで整理されており、複数のサプライヤーの商品を効率よく比較・確認できます。
図⑥ 検索結果。上部にサプライヤーごとのタブが表示され、タブを切り替えることで各サプライヤーの商品を確認できる


デジタル化の窓口編集部
ビズネットに確認したところ、導入した会社の現場からよく評価されるのが、この横串検索だそうです。通販サイトを1つずつ見に行っていた手間が減ることが喜ばれている、という回答でした。
ビズネットの回答では、各サプライヤーのサイトからその時点の情報を取得しているので、価格は常に最新の値が表示され、在庫の無い商品は注文できないようになっています。商品の詳細画面には、情報を取得した日付として操作した当日の日付が表示されていました。注文確認の画面を開いたときにも、カートの商品の最新の情報を取り直す仕組みになっています。
横串検索に出ないサプライヤーの商品は、「カタログ一覧」から各社の専用サイトに移って探します。Amazonビジネスはビズネット公式サイトの連携サプライヤー一覧(ビズネット公式)に掲載されていないため、現在Amazonビジネスで購入している商品については、ビズネット導入後も引き続きAmazonビジネスで購入することになります。使えるサプライヤーは契約によって異なるので、どの購入先の物をビズネットにまとめるかを導入の前に決めておくと、現場への案内がしやすくなります。
② 選んで注文するまでが手軽か
商品を選んでカートに入れ、注文の内容を確かめるまでの流れは一般的な通販サイトに近く、発注する担当者が迷わずに注文できる作りでした。同じ商品の価格と届く日も、サプライヤーをまたいで1つの画面で見比べられます。
新しい仕組みを入れるときに不安になる点として、「操作の問い合わせが購買部門に集まらないか」ということがありますが、ビズネットに確認したところ、導入した会社から「操作が分からない」という問い合わせはあまり無いそうです。デモ環境でカートに入れて確認画面へ進んでみると、流れは通販サイトとほとんど同じで、迷うところはありませんでした。発注する担当者が入れる欄として、自社の発注番号や摘要を入れる欄と、商品ごとに費目を選ぶ欄があり、経理が後で仕分けるための情報を注文のときに入れておけます。
サプライヤーをまたいで同じ商品を比べるときは、検索結果の商品にある「同一品検索」を使います。押すと別のウィンドウが開き、同じ商品を扱うサプライヤーが価格・目安の納期と一緒に縦に並びます。デモ環境で脚立(長谷川工業 RZ-06C)を調べたところ、「価格の安い順」で先頭のビックカメラは目安の納期が10月6日、2番目のトラスコ中山は9月29日で、2番目のほうが1週間早く届く日付でした(2026年9月25日に確認)。通販サイトを1つずつ開いて品番で調べる今のやり方と比べると、サイトを回らずに、価格と届く日を並べて見られます。
図⑦ 同一品検索の画面。同じ脚立を扱うサプライヤーが、価格・目安の納期と一緒に縦に並ぶ


デジタル化の窓口編集部
検索結果がサプライヤーごとのタブに分かれているのを見たとき、最初はタブを開いて回るのが手間だと感じました。同じ商品を比べたいときは同一品検索を使えば1つの画面に並ぶと分かってからは、この分け方にも納得しました。
並び順は「価格の安い順」と「納期の早い順」を切り替えられます。納期の早い順に並べ替えられるのは、2026年8月の案内資料の時点でトラスコ中山・エスコ・ビックカメラの商品です。

デジタル化の窓口編集部
ビズネットに尋ねると、「納期の早い順」はもっと使ってほしい機能だという回答でした。現場には「明日必要」という場面があり、その要望に応えるために最近加えたそうです。
脚立の例で、価格がいちばん安い購入先より2番目のほうが1週間早く届くのを見ていたので、この話には納得しました。価格よりも届く日を優先したい場面は、備品の購買でも起きます。
③ 承認が負担にならないか
限度額を設定すれば、それより少ない注文は承認に回さずに済み、限度額を超えた注文も注文の確認画面がそのまま申請になるので、紙やメールで稟議を回す今のやり方より、承認の手間は軽くなるはずです。
承認を厳しくすると現場が面倒に感じて個別に買ってしまい、緩めると統制が効かなくなるので、その両立が承認の仕組みを入れるときの悩みどころです。デモ環境の設定(1次承認者の限度額が10,000円)では、3,165円の注文では承認の案内が出ず、同じ商品を4点(12,660円)にすると、確認画面に承認が必要な理由と承認者の名前、承認者へのコメント欄が加わりました。申請書を別に作る必要はありません。
図⑧ 限度額を超えた注文の確認画面。承認が必要な理由と承認者が表示される(承認者名は伏せています)

ビズネットの回答では、申請が出ると承認者にメールが届き、承認者は発注する担当者と同じ会員サイトで承認して、そのまま発注に進みます。承認者が別のシステムを覚える必要はありません。
限度額は導入する会社が決めて設定するので、決め方しだいで、数百円のボールペンを買うたびに回していた申請を減らし、承認者は一定額を超える注文に絞って確認できます。承認に回った注文は、理由と承認段階・承認者・処理日時・コメントが注文の記録に残るので、統制の面でも後から確かめられます。
④ 経理と購買部門の手間が減るか
ビズネットを通して買った分は、利用したサプライヤーが複数あっても請求書が1通にまとまり、購買データも会員サイトからまとめて取り出せます。購入先ごとに届く請求書を処理している会社では、この点で経理の手間が減ると考えています。
経理にとっての問いは、請求書の枚数と仕分けの作業が本当に減るかどうかです。ビズネットの回答と公式サイトの記載では、ビズネットを通して買った分は、ビズネットから請求書が1通で届きます(ユーザーカタログの分は、有料オプションの請求取りまとめを使うとまとめられます)。ビズネットは、通販サイトを個別に使うとサイトの数だけ請求書が届くところが1通になるので、経理の処理を大きく減らせるとしています。ビズネットの外に残した購入先の分は今のやり方のまま届きます。
購買部門にとっては、部署ごと・費目ごとの集計の元になるデータを、購入先ごとに集めなくて済むことが大きな違いです。デモ環境では、会員サイトの「購入明細データ」の画面で、119の項目から選んで過去12か月分を取得できる設定になっていることを確かめました。発注者と組織、費目、サプライヤー、承認者と承認日時まで、1つのデータで取り出せます。
図⑨ 購入明細データの設定画面。出力する項目を選んで取得する


デジタル化の窓口編集部
CFOや経理・財務部門の幹部302名が答えた日本CFO協会の2019年の調査では、購買データの75%以上を管理できている企業は、直接材では約63%あるのに対し、間接材では約35%でした(日本CFO協会)。部署ごとに好きな店で買っていて、会社全体で何にいくら使っているのか分からない状態を整えたい購買部門にとっては、このデータの部分が導入の目的の1つになります。
⑤ 導入と運用の負担はどれくらいか
初期費用と月額の基本料はかからず、手間がかかるのは、導入のときに1回、自社の購買ルールを整理して承認ルートと組織を登録する作業で、毎日の発注で購買部門の手間が増えるものではないと考えています。
稟議では、なぜ無料なのか、追加の費用はかからないのか、展開の準備を誰がするのかを必ず聞かれます。ビズネットに確認したところ、ビズネットは導入する会社から基本の利用料を受け取らず、ビズネットを通して買われた金額に応じてサプライヤーから手数料を受け取っています。

デジタル化の窓口編集部
ビズネットに確認したところ、使われなければ収益にならない仕組みなので、運用の設計の段階から深く関わり、使われるようにサポートに力を入れているそうです。導入しただけでは意味がない、という回答もありました。導入の支援に力を入れる理由と料金の仕組みがつながっていて、筋が通っていると感じました。
承認ルート、会社が指定する推奨品、アカウントの発行は、管理者用のサイト「Bizm@nage」で設定します(ビズネットの回答による。メインメニューと承認グループ・推奨品グループは、ビズネットから提供された画面で確認しました)。ビズネットによると、つまずきが多いのは操作よりも、会社ごとの購買のルールと、ビズネットで設定できるルールをすり合わせる運用設計の段階です。一方で、会社ごとの購買ルールに合わせてルールを設定できることを、ビズネットは自社のよさとして挙げています。会社ごとのルールに細かく合わせられるからこそ、最初にそのルールを言葉にしてすり合わせる作業が要るのだと思います。
図⑩ 管理者用サイト『Bizm@nage』の企業管理者HOME(メインメニュー)。企業基本情報入力、企業管理詳細情報入力、企業非表示メニュー設定、組織入力をはじめとした各種管理メニューが表示されている(ビズネット提供画面)

導入期間の目安は標準で2か月程度です。その間に社内でやることを尋ねると、現場の社員への周知が大切だという回答でした。承認ルートと組織の設計・登録も、導入の準備に含まれます。導入するまでは営業担当者を含むビズネットの社内のメンバーが段階に応じて対応し、運用が始まってからの現場の利用者からの問い合わせは、ビズネットのコールセンターが受けています。
4. +α 良かった点
5つのポイントの評価に入れた点のほかにも、使う人の手間を減らす作りがありました。推奨品をリストからまとめて注文できることや、利用者にとって不便だった点について、ビズネット自身が案内で説明したうえで改修を行っていたことです。
推奨品はリストからまとめて注文
会社の管理者が「これを買ってください」と指定した推奨品は、会員サイトの推奨品リストに並びます。デモ環境の推奨品リストは、商品ごとに数量・科目コード・行摘要を入れて、複数の商品を「まとめてカートへ」入れる作りになっていました。毎月決まって買う物は、検索し直さずに注文できます。過去に買った物は「リピートオーダー」で、購入日や購入回数の順に並べて選び直せます。
改修で使う側の不便を直していた
2026年9月末の機能改修の案内資料で、ビズネットは改修前の課題として、納品書に書かれたビズネットの発注番号から注文を探しにくいこと、検収の一覧で絞り込みにくいこと、検収日の順に並べて見られないことを自ら挙げ、9月30日の改修で直していました(ビズネットの案内資料)。デモ環境でも、改修後の検収の画面で発注番号や検収日で検索できるようになっていました。

デジタル化の窓口編集部
使う側の不便を自分たちの言葉で書き、そのうえで直していく姿勢に、好印象を持ちました。
5. -α ちょっと気になった点
気になったのは、カタログ一覧の商品の返品、カタログに無い物の購入、今の取引先の商品を載せるユーザーカタログの料金という3つの条件です。どれも毎日の注文を止めるものではありませんが、会社によって重さが変わるので、どんな使い方なら気にならないかと一緒に書きます。
カタログ一覧の商品の返品
カタログ一覧の商品は、一部店舗を除いて返品できません。注文確認の画面とカタログ一覧には「カタログ一覧で取り扱っている商品は、一部店舗を除き返品不可」という注意書きがあり、横串検索でカートに入れたエスコの商品の確認画面にも表示されていました。決まった品番の物を繰り返し買う使い方なら、気になることはほとんどありません。サイズや色を迷いやすい品目は、注文の前に商品の詳細画面で仕様を見ておくと安心です。ビズネットの2026年8月の案内資料によると、エスコ・ビックカメラなど一部のサプライヤーの商品では、詳細画面からサプライヤーのサイトに移って色違いやサイズ違いを見比べ、そのままビズネットのカートに戻せます。
カタログに無い物の購入
カタログに掲載されていない商品が必要な場合は、別途メーカーや販売店へ個別に発注しなければなりません。そのため、購入先ごとの見積取得や発注手続きなどの対応が発生する可能性があります。
ユーザーカタログの料金
現在取引しているサプライヤーの商品を検索対象に追加したい場合は、有料オプションのユーザーカタログを利用する必要があります。料金は公式サイトで公開されていないため、導入を検討する際は事前に問い合わせて見積もりを確認することをおすすめします。買う物の多くがスマートオフィスや連携サプライヤーで見つかる会社なら、使わなくても困りません。決まった取引先から買う物が多い会社は、よく買う品目と取引先を挙げて見積を頼むと、載せる範囲と費用がはっきりします。
6. 向いている会社・向いていない会社
ビズネットが向いているのは、間接材の購入先が複数の通販サイトや販売店に分かれていて、請求書の処理と承認の手間を減らしたい会社です。毎回見積が欠かせない物が購買の大半を占める会社、購入先を1社の通販サイトに寄せて足りている会社、直接材も含めて調達全体を管理したい会社には、別の種類のシステムやサービスが候補になります。なお、ERPや直接材の購買システムとの連携も可能なので、今利用しているシステムはそのままに、間接材の購買を効率化したい企業にも向いています。
向いている会社
工具、資材、IT製品などの購入先が、複数の通販サイトや販売店に分かれている
購入先ごとに届く請求書の処理に時間がかかっている
単価が決まった指定購買品や企業推奨品が複数ある
部署ごとの購買の実績を、1つのデータで確認したい
購買部門を通すと届くまでに時間がかかり、急ぎの物は社員が立て替えて買っている
決まった品をFAXや電話で注文し、そのたびに見積を取っている(ユーザーカタログ(有料)でカタログにできる場合)
ビズネットで注文した物は会社の注文として請求されるので、社員が立て替える必要はありません。
導入事例では、東北電力で、購買を依頼する現場の部署から直接発注できるようにしたことで、発注から約1か月かかっていた納期が最短で翌日〜数日になっています(ビズネットの導入事例)。ユーザーカタログ(有料)で電設材料をカタログにした東京電力パワーグリッドでは、FAXや電話で発注し、毎回見積を取っていた購買業務について、1件にかかる時間が約3分の1になっています(ビズネットの導入事例)。
会社の規模についてビズネットに尋ねると、声がかかるのは比較的大きな会社が多いという回答でした。向いている会社として挙がったのは、カタログから選んで買う間接材の購買に手をかけたくないと、任せたい範囲がはっきりしている会社です。
向いていない会社
特注品や個別仕様の品など、毎回仕様が変わるため見積が欠かせない物が、購買の大半を占めている会社。ビズネットも、こうした会社ではカタログから選べるメリットを感じにくいと回答しています。見積から発注までを管理する種類のシステムが候補になります。
購入先を1社の通販サイトに寄せて足りている会社。請求書はすでに1社分にまとまっているので、ビズネットで得られる効果は小さくなります。
製品の材料や部品などの直接材も含めて、調達全体を1つのシステムで管理したい会社。購買プロセス全体を管理する種類のシステムが候補になります。
間接材の購買を効率化する仕組みは大きく3つの種類に分かれ、ビズネットは複数のサプライヤーを横断する購買プラットフォームにあたります。
図⑪ 購買の仕組みの3つの種類。ビズネットは複数のサプライヤーを横断する購買プラットフォームにあたる

ほかの購買管理システムの料金や機能は、次の比較表で並べて見られます。
-
ビズネット株式会社の購買管理プラットフォームは、間接材の主要ECサプライヤー商品や、既存取引先企業からの購買の一元化・管理を実現するサービスです。商材ごとに発注先、発注方法を変える必要なく、ワンオペレーションで購買を実現します。また、各サプライヤーの商品を横断して検索できる横串検索機能、最安値・納期順に比較することが可能な同一品検索機能、他にもビズネットが請求書を取りまとめて一本化することにより時間のかかっていた相見積もりや請求書処理等の業務コストを大きく削減します。
検証の詳細
3章の5つの評価について、実際に見た画面と数値を、ポイントごとに図と画面で紹介します。
① 欲しい物が見つかるか
買える商品の範囲。 図⑫の「ベーシックカタログ」と「ユーザーカタログ」はビズネットが提供するカタログの種類で、「連携サプライヤー」と「マーケットカタログ」はデモ環境の画面上に表示されていたカタログです。連携サプライヤーの一部はビズネットの画面の中で検索でき、横串検索に出ないサプライヤーの商品は、カタログ一覧から各社の専用サイトに移って探します。
図⑫ カタログの種類と、カタログ一覧の入口

検索結果の数と表示。 「コピー用紙 A4」の結果は、スマートオフィス、エスコ、アズワン、トラスコ中山、ビックカメラ、マーケットカタログのタブに分かれて並んでいます(2026年9月30日に確認)。エスコなど外部のサプライヤーのタブでは、商品ごとに目安の納期と、販売価格・カタログ掲載価格が表示され、カートに入れた「A4インクジェット光沢紙(50枚)」は販売価格が3,165円、カタログ掲載価格が3,660円(いずれも税抜)でした。
図⑬ 外部サプライヤー(エスコ)のタブ。商品ごとに目安の納期と、販売価格・カタログ掲載価格が表示される

いつもの物をすぐ注文する方法。 推奨品は、管理者がBizm@nageで推奨品のグループとメニューを作り、カテゴリーや商品を紐づけます(ビズネットの回答)。会員サイトでは、指定オフィス機器、指定事務用品、指定オフィス家具など、会社が決めた分類で商品を並べられます。
図⑭ Bizm@nageの企業推奨品のグループ一覧。グループごとに内容の修正・削除と、使うユーザーの登録ができる(ビズネットから提供された画面。デモアカウントとは別のアカウント)

図⑮ 会社が決めた分類で推奨品が並ぶ画面(デモ環境のサンプル)

図⑯ 推奨品リスト。数量・科目コード・行摘要を入れて、まとめてカートに入れられる

注文コードが分かっている物は「コード注文」で最大15行まとめて入力できます(スマートオフィスの商品が対象で、外部のサプライヤーの商品には使えません)。
ユーザーカタログ。 導入事例では、中部電力グループの株式会社シーテックが、ユーザーカタログで指定購買品をWebカタログにし、発注処理にかかる時間を3分の1に、年間1,500時間を削減しています(ビズネットの導入事例)。
導入事例。 ビズネットが公開している導入事例では、NGK株式会社で、現場の社員が複数の購入先のカタログを個別に開いて商品を探していたところ、1件あたりの購買作業が約8分から約5分に短くなっています(ビズネットの導入事例)。
② 選んで注文するまでが手軽か
同一品検索。 並び順の「納期の早い順」は2026年8月に加わった機能で、目安の納期と在庫数が強調されます。2026年8月の案内資料では、在庫数を表示できるのはエスコでした。
カートと注文確認。 図⑰は、カートと注文確認の画面で確かめた項目です。発注番号や摘要の欄は、名前も必須にするかどうかも導入する会社が決めるので、経理の仕分けに要る欄を導入のときに決めておけます。配送料はサプライヤーによって異なるとされています(ビズネット公式FAQ)。
図⑰ カートと注文確認の画面で確かめた項目

③ 承認が負担にならないか
限度額と承認の記録。 図⑱の上部にある「限度額」は、デモ環境の会員サイト内の承認者設定画面に表示される項目です。同じ図の下部にある「記録に残る項目」は、承認フローに回った注文の履歴として記録される項目です。限度額を超えた場合は、注文確認画面に承認に回る理由と承認者へのコメント入力欄が表示されます。過去の注文の詳細画面でも、「記録に残る項目」は後から確認できます。
図⑱ 承認の限度額と、注文の記録に残る項目

組織と承認ルートの設定。 Bizm@nageでは、「ユーザーコード」という組織の単位ごとに承認者と発注者を登録し、承認者は基本的に同じユーザーコードの中から選びます。部門をまたいで承認者を設定したい場合は、「承認グループ設定」で新しい承認グループを作ります。
図⑲ Bizm@nageの承認グループの画面。承認グループ1に、複数の組織のユーザーコードが登録されている(ビズネットから提供された画面。ユーザー名称は伏せています)

④ 経理と購買部門の手間が減るか
請求のまとめ方。 図⑳は、購入の種類ごとに、請求がどうまとまるかを並べたものです。公式サイトでは「購買管理プラットフォームを通してご発注いただいた支払いは当社が取りまとめて請求します」と説明されています(ビズネット公式)。
図⑳ 請求のまとめ方

ビズネットが公開している導入事例では、全国約600店舗の調剤薬局チェーンで、ユーザーカタログ(有料)もあわせて使い、経理に毎月約1万件届いていた請求書が20件になっています(ビズネットの導入事例)。小田急電鉄も、複数届く請求書を費目ごとに仕分けて入力していた作業が、請求のとりまとめで減ったとしています(ビズネットの導入事例)。
購入明細データ。 9月30日の改修で、会員サイトの「データダウンロード」に「購入明細データ」が加わり、これまで管理者向けのBizm@nageで提供されていた形式のデータを、発注する担当者もCSVかEXCELの形式で取得できるようになりました(会社の管理者は、このメニューを表示しない設定にもできます)。対象の期間は納品日か検収日で指定できます。
図㉑ データダウンロードのメニュー。9月30日の改修で「購入明細データ」が加わった

図㉒は、購入明細データで選べる項目を分類したものです。注文の方法や承認者まで1つのデータに入るので、部署ごと・費目ごとの集計と承認の記録を、同じデータから取り出せます。単価と金額は税抜で出力されます(税率と税額は別の項目として選べます)。配送料は「ユーザー配送料」という別のデータで出力します。改修前からある「お届け情報」(72項目・6か月分)は、2027年6月で終了する予定です(ビズネットの案内資料)。検収は会員サイト上で行います。
図㉒ 購入明細データで選べる項目

会計システムへの取り込み。 ビズネットに確認したところ、管理者がBizm@nageから項目や並び順を指定して購入明細をダウンロードし、加工して会計システムに取り込んでいる会社があります。2026年9月の時点では、その加工の手間もなくしたいという要望が多く、ERPや会計システムにそのまま取り込めるファイルを提供するサービスにも対応しているそうです。
インボイス制度・電子帳簿保存法。 インボイス制度には対応済みです。電子帳簿保存法については、公式FAQで企業側での保存が必要とされています。
効果を試算するときの考え方。 導入の効果は、会社ごとの購買量や請求書の枚数によって異なります。図㉓に掲載している、請求書の処理の「購入先から届く請求書の枚数×1枚あたりの処理時間」と、発注の処理の「1件あたりの発注時間の差×月の件数」の試算式に自社の数値を当てはめることで、効果の目安を確認できます。請求書の枚数は、現在受け取っている請求書のうち、ビズネットに集約可能な購入先から届いている分のみを数えます。Sansanの2021年の調査では、請求書を扱う人の1枚あたりの業務時間は約53分でした。この約53分は、請求書の受け取りから支払い、保管までの工程ごとの平均時間を足した値で、紙の請求書を前提にした調査です(Sansan「請求書に関する業務の実態調査2021」)。ビズネットの導入事例では、小島プレス工業で調達部門の発注作業が1件30分から10分になっています(事例)。
図㉓ 導入の効果を試算する式

⑤ 導入と運用の負担はどれくらいか
導入期間。 ビズネットの案内では、導入期間の目安は標準で2か月程度で、ユーザーカタログを使う場合は1か月以上、既存のシステムと連携する場合は2か月程度が加わります(ビズネット公式)。ビズネットは、購買部門の担当者も含めて現場の社員に使ってもらえるよう周知することが大切だとしており、周知の支援も行うとのことです。
図㉔ 導入期間の目安

情報セキュリティ。 ビズネットは情報セキュリティの認証ISO/IEC 27001(ISMS)を取得しています。認証範囲は本社の調達支援サービスの提供などです(ビズネット公式)。ビズネットに確認したところ、IP制限などのセキュリティ設定は画面で設定するのではなく、ビズネットのシステム担当者と導入する会社の情報システム部門がやり取りして、導入前に決めておくことが多いそうです。導入後に大きく変わる部分ではないので、導入前にしっかり固めておく方針とのことです。
編集部の総評
ビズネットの購買管理プラットフォームは、発注する担当者が探して注文する操作を通販サイトに近い手軽さに保ったまま、承認と請求と購買データを会社の管理の下にまとめられるサービスだと感じました。
導入でいちばん手をかけるのは、最初に自社の購買ルールを整理して承認ルートと組織を登録するところで、ビズネットもその運用の設計から支援しています。導入を考えるときは、今よく使っている購入先のうちどこをビズネットにまとめられるかと、部署ごとに誰がいくらまで承認するかを先に書き出しておくと、自社でどこまで手間が減るかをビズネットと具体的に話し合えます。
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ビズネット株式会社の購買管理プラットフォームは、間接材の主要ECサプライヤー商品や、既存取引先企業からの購買の一元化・管理を実現するサービスです。商材ごとに発注先、発注方法を変える必要なく、ワンオペレーションで購買を実現します。また、各サプライヤーの商品を横断して検索できる横串検索機能、最安値・納期順に比較することが可能な同一品検索機能、他にもビズネットが請求書を取りまとめて一本化することにより時間のかかっていた相見積もりや請求書処理等の業務コストを大きく削減します。

