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RFQ(見積依頼書)とは|RFI・RFPとの違いやポイントも解説

目次

「RFQ」とは見積りを依頼する書類のことで、日本語の「見積依頼書」や「見積要求書」と同じ意味です。「RFQ」を基として、製品の購入先となる企業(サプライヤー)が見積りを作成することになるため、「RFQ」には、自社が要求したい製品やサービスの要件や取引の条件をしっかりと明記する必要があります。ここでは、「RFQ」作成のポイントや注意点、混同されがちな「RFI」「RFP」との違いについて徹底解説します。

RFQとは?

言葉の意味

「RFQ」とは「Request for Quotation」の省略で、日本語では「見積依頼書」や「見積要求書」と呼ばれます。「RFQ」は、見積りの依頼書のことであり、これを基として、製品の購入先となる企業(サプライヤー)が見積りを作成します。ですから「RFQ」には、自社が要求したい製品やサービスの要件や取引の条件を明記することになります。

具体的な内容

「RFQ」に含めるべき内容は、「依頼主の情報」「求める性能や仕様」「数量」「納期」「支払方法」「発注スケジュール」など多岐に渡ります。そのため「RFQ」の作成時点で、発注だけでなく、納入の過程や最終的な自社の業務で利用する段階に至るまで、先を見越して、必要な要件や条件を取りまとめておく必要があります。

また、サプライヤーの選定で困っているとき、複数の企業に見積りを算出してもらい、比較検討することがありますが、「RFQ」に記載する事項をテンプレート化しておくことで、サプライヤーの平等な比較に繋がります。

 

RFI・RFPとの違い

「RFQ」と似た言葉に「RFI」「RFP」があります。しかし、それぞれの意味は全く異なりますので、違いをしっかり理解しておきましょう。

「RFI」とは

「RFI」とは「Request for Information」の略で、日本語では「情報提供依頼」と呼ばれます。「RFI」は、サプライヤーから製品カタログやパンフレットの送付、質問への解答などの情報提供を依頼する書類のことです。そのため、サプライヤーに問いたい、製品やサービスの内容や供給可能な数量などの事項を取りまとめます。

「RFP」とは

「RFP」とは「Request for Proposal」の略で、日本語では「提案依頼」と呼ばれます。一般的な情報の提供を求める「RFI」と異なり、「RFP」では、実際の契約を想定した、より具体的な製品やサービスの提案を求めます。これにより、自社の規模感やカスタマイズに合わせた、より正確な見積金額を得ることができます。

以上のように「RFQ」「RFI」「RFP」の意味には明確な違いがあることがわかりました。製品やサービスをサプライヤーから購入する際、「RFI」→「RFP」→「RFQ」の順に登場することになります。「RFQ」「RFI」「RFP」は、それぞれ何を目的としているのか、しっかり理解しておりましょう。

 

購買管理業務での位置づけ

「RFQ」「RFI」「RFP」は、購買管理業務のどの段階で必要なのでしょうか。購買管理には「購買依頼書の作成・申請」「購入先の選定・見積り」「発注」「納品・品質確認」「請求書の精算」の5つの段階が含まれます。「RFQ」「RFI」「RFP」は、それぞれ「購入先の選定・見積り」の段に含まれます。

「購入先の選定・見積り」は更に以下の7つのステップに分けることができます。そのうち、「RFQ」「RFP」が必要となるのは、それぞれ以下の場面です。

1.発注条件を整理・決定

各部門から購買部門に向けて送られた購入依頼書を基に、自社全体や各部門で必要としているモノは何か、購買する物品の具体的な機能や内容を決定します。

2.選定条件の設定【RFIの送付】

購入依頼書を基に、購買部門は、どのサプライヤーから供給を受けるか検討します。この段階で、候補となるサプライヤーに「RFI」を送付し、カタログやパンフレットを受け取り、契約先になり得る企業の製品やサービスを比較します。

3.見積もりを依頼するサプライヤーを決定【RFPの送付】

契約先となる候補の企業へ「RFP」を送付します。これにより、自社の規模感や事業内容に応じて、具体的な製品やサービスの提案をもらうことができます。「RFP」の送付の返信として受け取った提案を比較し、さらに契約候補となる企業や製品を絞っていきます。

4.見積り【RFQの送付】

「RFQ」を送付して、自社の条件に当てはまる生産体制における、具体的な見積りを算出してもらいます。これにより、最終的に自社が支払うコストを正確に把握することができます。

5.交渉する

カタログやパンフレット、相手企業からの提案情報、見積りなどを踏まえて、必要な場合はここで交渉します。供給量や時期の調整などは契約候補の企業と、機能やサービスの優先順位や妥協点などは発注元の各部門とそれぞれ交渉し、互いに納得できることを確認します。

6.製品・サービスの最終評価、選定

全ての情報を基に、製品やサービスを評価します。

7.契約先を決定する

上記評価の中で、最も有益と判断された製品やサービスを持つ会社を抽出し、購買契約を結びます。

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作成時のポイントや注意点

「RFQ」には、「依頼主の情報」「求める性能や仕様」「数量」「納期」「支払方法」「発注スケジュール」など、購買に必要な情報を記入する必要がありますが、書き方や内容によって、見積りの精度や結果が変わってきます。より有効な見積りを獲得するためには、以下のポイントや注意点を加味して作成する必要があります。

考慮すべきポイント

1.現状の課題点や導入の目的が明確か

新しい製品やサービスを導入する目的や解決したい課題点を明記しましょう。これにより、自社と「RFQ」を受け取ったサプライヤーとの間における、趣旨や解釈の相違を防ぎ、目的に沿った見積りの算出に繋がります。

2.製品やサービスの種類や内容を示しているか

サプライヤーから購買したい製品やサービスの種類や内容、作業範囲、プランなど、購買したい製品やサービスの詳細を示しましょう。

3.完成・運用までのスケジュールが明記されているか

サプライヤーからの提案情報などを基に、希望する完成・運用までの具体的なスケジュールを明記します。これにより、生産体制の構築や原材料の調達を含めた、より正確な見積りを受け取ることが可能になります。

4.具体的な数値を含んでいるか

発注数や想定取引価格など、購買条件を明確な数値で示しているか確認しましょう。購買条件の数値に基づいて、見積りが算出されるため、具体的であればあるほど、正確な見積りに繋がります。

5.譲れない条件を明記しているか

サプライヤーの都合や原材料調達などにより、必ずしも発注内容の全てが実現可能とは限りません。そのため、発注内容に優先順位をつけ、どうしても譲れない点を明記しておきましょう。

心がけたい注意点

細かい注文をつけすぎないこと

会社が求める要件を詳細まで勘案することは重要ですが、細かい部分まで一方的に決定してしまうと、サプライヤー側の生産体制などを理由に「調達困難」と判断されてしまうことがあります。優先順位の低い項目や要件の詳細は、双方の了解を得られるよう、サプライヤーと相談し、どこまで実現可能か把握することを心がけましょう。

ここまで「RFQ」に含めるべき内容を説明してきましたが、個人の購買と異なり、企業の購買は数量が多いことも珍しくないため、契約先の企業への配慮も必要です。過度に細かい注文を付けることは避け、適宜、商談などのコミュニケーションをとって、互いの納得できる契約を目指しましょう。また、「RFQ」に、相談により変更可能な点も記入するなど、製品やサービスを購入する側も柔軟性をもっておくことが重要です。

 

購買管理システム導入で効率化

こうした購買管理業務の「RFQ」などの書類の作成、やり取りを簡略化する方法として、「購買管理システム」の導入があります。「購買管理システム」の詳細は、以下のサイトで解説しています。

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まとめ

以上のように、「RFQ」は、その後の購買業務全体に大きな影響を与える重要な書類であることが分かりました。ポイントや注意点をしっかりと抑え、最適な「RFQ」を作成することで、物品やサービスの調達円滑化に繋がるだけでなく、社内全体の安定した業務遂行や生産性向上にも重大な影響を与える要素でもあります。本記事を参考に、最適な「RFQ」の作成を実現しましょう。

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