MAJOR FLOW(メジャーフロー) ワークフロー 徹底解説【2025年最新】

本稿では、MAJOR FLOW(メジャーフロー) ワークフローの要点を一望します。最低契約数から無料トライアルの有無、外部連携機能の効果的な使い方、カルビーをはじめとする3社の導入事例まで網羅。相場観と導入のチェックリストを示し、短期間で導入適否を判断できるように整理しています。記事末尾の「よくある質問」までぜひご覧ください。

1. MAJOR FLOW ワークフローの要点早わかり

「MAJOR FLOW」はパナソニック ネットソリューションズ株式会社が提供するワークフロー製品です。見たまま操作の申請書作成と柔軟な承認分岐、外部サービスとの広い連携、そして無料トライアルと明確な契約条件が特長です。2024年5月には旧称「MAJOR FLOW Z/MAJOR FLOW Z CLOUD」を一体ブランドへ統一し、名称を「MAJOR FLOW」に刷新しました。

次の表では、機能・価格の起点条件・連携・事例といった“まず押さえるべき要点”を一覧にしています。表の主要項目を比較することで、自社要件とのフィット感を短時間で判断できます。

表の項目を比較することで、初期の契約条件（50ユーザー単位・初期費用あり）と連携の具体性（kintone・クラウドサイン等）を起点に、要件適合を評価できます。

MAJOR FLOWで何ができる？

紙やExcel起点の申請・稟議を電子化し、金額や職位、条件で分岐する承認ルートをノーコードで組めます。現場部門でも申請書の見た目をそのまま再現しやすく、運用変更時の内製（自社メンテナンス）に向きます。加えて、並列承認や差戻し・再申請などの実運用で必要な動作も備わり、ログ記録や権限制御で内部統制にも配慮しています。

さらに、外部サービスとの接続が広く、「kintone」アプリとの即時連携や、外部電子契約・文書管理との連携により「起案→承認→保管」までの一連の流れを一気通貫できます。無料トライアルで自社帳票と承認分岐の再現性を短期に検証できる点も導入前評価に有用です。

どんな企業に向いている？：紙/Excel/Notesからの移行、連携前提の中堅～大企業

合意形成の経路が複雑で、紙・Excel・Notes/Dominoなどレガシー運用からの移行を検討する中堅～大企業に特に適しています。
実事例では「カルビー株式会社」が複数拠点に散在していた10以上のデータベースを「MAJOR FLOW」で一本化し、処理速度の大幅改善と併せて紙・Excel帳票の電子化を進めています。*¹ こうした大規模・多拠点・複雑権限の要件で効果が見込めます。

一方で、カスタマイズ要求が極端に高いケースや独自ワークフローエンジンの既存開発資産を最大限活かしたいケースでは、導入前に要件定義と開発の線引きを明確化し、必要ならパッケージ版のアドオン開発キット活用の検討もおすすめします。

*¹ 事例はこちら：MAJOR FLOW｜ワークフローシステムの導入事例を紹介します！導入する際のポイント・注意点を解説

MAJOR FLOWのシリーズ構成：ワークフローから証憑保管まで

シリーズは「ワークフロー」に加え、「経費精算/支払依頼」「勤怠管理」「証憑保管」で構成されます。個別導入から始めて段階的に横断統合することで、申請・精算・勤怠・証憑がつながる状態を目指せます。
価格・契約の起点条件は各プロダクトで概ね共通し、最低契約数50ユーザー、追加は50ユーザー単位、500MB/ユーザーの添付容量、月または年契約、初回のみ初期費用という設計です。追加50ユーザーあたりの費用目安はワークフローで¥15,000/月（税抜）です。なお、一部の比較サイトでは初期50ユーザーの月額¥30,000という相場観も提示されていますが、最終判断は公式見積で確認してください。

2. MAJOR FLOWの強み：見たまま帳票×柔軟フロー×統制

本章では「MAJOR FLOW」の中核機能と強みを、フォーム作成・承認ルート・内部統制の3視点で整理します。2024年5月17日に旧称「MAJOR FLOW Z/MAJOR FLOW Z CLOUD」を統一し、ブランドを「MAJOR FLOW」へ刷新しています。まずは“見たまま帳票”“複雑な承認分岐”“ログ＆権限制御”という3本柱の把握が近道です。

次の表では、MAJOR FLOWの強みを要点比較しています。表の読み方として、左列が評価観点、中央が具体機能です。

要件定義に入る前段として、契約条件（50ユーザー単位・初期費用あり）と、必要な外部連携（電子契約・会計・kintone等）を先に固めておくと検討がスムーズです。

帳票作成（ノーコード/パーツ/モバイル表示最適化）

「MAJOR FLOW」はボタン操作中心の“見たまま”申請書作成が特長で、現場部門でも短時間で帳票を内製できます。既存の紙・Excel帳票を踏まえた画面再現性が高く、申請変更時の改修スピードを確保しやすいため、導入後の運用コスト削減になります。また、スマートフォン環境も想定されているため、外出先からの起案・承認にも適しています。
初期検証では、自社の代表的な稟議・申請を2〜3種選び、同等の見た目と入力制御をどこまで再現できるかを観察すると判断が早まります。

次の表では、フォーム設計時の着眼点を整理します。右列は典型的な再現方法です。

承認ルート（直列/並列/金額分岐/職位基準/先付けメンテ）

次に、複雑な承認経路への対応力です。「MAJOR FLOW」は直列・並列・合議（多数決）などの複合ルートに加え、金額や申請種別による分岐、職位・役職基準での自動選出といった設定が可能です。これにより、社内規程と申請内容の照合をシステム化でき、承認漏れや規程逸脱を抑止します。短期導入事例でも、複雑な承認フローの踏襲が成功要因として語られています。

次の表では、代表的な分岐条件と設計要点を示します。

権限・監査（セクション制御/操作ログ/内部統制の考え方）

「MAJOR FLOW」では申請書をセクション単位に区切り、閲覧・編集権限を細かく設定できます。さらに、操作ログ・アクセスログを保持・検索でき、証跡を残すことで監査要件に対応しやすくなります。設計段階では、秘匿性の高い書類のセクション権限と、承認・差戻し等のアクションログをどの粒度で保存・検索するかを決めておくと、運用後の監査工数が安定します。
また、外部連携と組み合わせることで統制は一段強化されます。例えば、「クラウドサイン連携機能」の説明やカルビー社の「電子契約×MAJOR FLOW 連携事例」では、稟議完了後の契約実行と改正電子帳簿保存法に沿った保管フローまで一気通貫で整備されています。これにより、手戻りや人的ミスを抑えつつ、監査要件を満たす運用が可能になります。

次の表は、統制・監査設計で事前に決めておくべき論点です。

MAJOR FLOWは最低契約50ユーザー、追加は50ユーザー単位、¥15,000/月（税抜）/追加50ユーザー、容量500MB×ユーザー、月または年契約、初回のみ初期費用が明示されていますが、契約条件は検討初期に必ず確認してください。
要件・見積の整合を早めに取り、必要な外部連携の有無も同時に詰めると、導入可否の判断が早まります。

3. MAJOR FLOWの価格と契約条件

本節では、導入可否の初期判断に必要な起点条件（最低契約数、追加単位、容量、契約期間、初期費用、相場の目安、見積・トライアル可否）を整理します。
結論として、「MAJOR FLOW」は最低契約50ユーザー、追加は50ユーザー単位、1ユーザーあたり500MB、月または年契約、初回のみ初期費用という前提で、概算見積と無料トライアルが用意されています。
相場観としては50ユーザーで¥30,000/月、追加50ユーザーごとに¥15,000/月が目安です（最終判断は公式見積で確認してください）。

次の表では、価格と契約の起点条件を比較形式で確認します。左列が判断観点、中央が具体条件です。

最低契約数・追加単位・容量（500MB×ユーザー）と課金期間

はじめにユーザー数の前提を固めます。最低契約は50ユーザー、追加は50ユーザー単位です。容量は1ユーザーあたり500MBで、契約期間は月または年から選べます。多拠点展開や段階拡張を想定する場合、50ユーザー刻みでの増減計画と、容量超過時の運用（添付の肥大化抑止や文書管理連携）をセットで検討すると、後戻りが減ります。

次の表では、想定ユーザー数別の費用イメージを示します。あくまで目安であり、正式金額は見積で確定します。

初期費用と概算見積（問い合わせ導線）

初期費用は初回のみ必要です。参考として、公式の連携LPでは¥50,000の記載があり、初期コストのオーダー感を掴むことができます。正確な金額は要件（帳票数、連携、権限設計、教育範囲など）で変わるため、概算見積で早めに当てを取り、内部稟議の根拠数字をそろえておくのが得策です。問い合わせは資料請求をするか、トライアル申込と併走してヒアリングを進めるのが効率的です。

次の表では、初期費用まわりで確認しておくべき項目をまとめます。

無料トライアルの可否（基本機能試用）

無料トライアルは公式に用意されており、基本機能をすべて試用可能です。評価観点は、代表的な稟議・申請を2〜3種類選び、同等の見た目（レイアウト）と入力制御（必須、型、分岐）、そして承認ルート（直列・並列・金額分岐）がノーコードでどこまで再現できるかを短期に確認することです。申込みは「トライアル申込」から、評価の具体的な進め方やサポート内容は「無料トライアルサポート」に案内があります。

次の表では、トライアル時のチェックリストを示します。右列は合否判断のめどです。

このように起点条件を押さえ、見積とトライアルを並走させると、社内稟議のスピードと納得感が大きく高まります。ここに掲載されている製品はあくまで目安です。最終金額は必ず資料請求か、ベンダーへの見積もりで決定してください。

4. 外部連携機能とMAJOR FLOWシリーズでの運用

MAJOR FLOWは「作る→承認→保管」までが一気通貫で可能です。特にkintone・電子契約・会計/チャット通知・Webhookなどの連携が追加料金なしで利用でき、重複入力と証跡管理を同時に解決できます。2025年4月にはWebhook連携オプション「データ送信アダプタ」も追加され、汎用的なサービス連携が拡充されています。*²

*² 参照：PR TIMES｜つながるワークフロー「MAJOR FLOW」シリーズの新バージョンをリリース

次の表では、本節で扱う主要連携の位置づけを俯瞰します。一次情報リンクから、具体の実装可否を必ず確認してください。

表の各項目を比較することで、どの業務データを“どこで作り、どこで承認し、どこに保存するか”という役割分担を明確にできます。

kintone連携の位置づけと使い所

マスタ参照と自動起票、そして承認済みデータのkintone更新が定石です。kintone連携の際には、マスタ二重化やAPI呼出し過多、人事異動の影響を受けることに注意しましょう。また、2025年1月には「RICOH kintone plus連携認定」*³ が公表され、拡張エコシステム内での連携実績が強化されました。

kintone連携機能の使い所の例は以下の通りです。

• 取引先/品目マスタ参照：見積・購買・契約申請の選択入力を簡素化
• 自動起票：kintoneの受発注レコードからMAJOR FLOWの発注申請を自動生成
• 双方向更新：承認済み内容でkintoneを更新し、ダッシュボードで全社可視化
• 複雑承認の代替：kintone標準で難しい金額分岐・並列合議をMAJOR FLOW側で実装

*³ PR TIMES｜「MAJOR FLOW ワークフロー」RICOH kintone plus オフィシャルパートナーに認定

次の表は、kintone連携の設計チェックリストです。事前に仕様化することで、開発/運用コストのブレを抑えられます。

クラウドサイン等の外部サービス連携

承認内容がクラウドサインに自動反映され、締結ステータスがMAJOR FLOWへ戻るため、二重入力の解消と契約の見える化が実現します。カルビー社の事例*⁴ では、MAJOR FLOW×クラウドサイン連携で契約書業務の効率化を達成しており、2025年公開のコラムでは年間約2,500件規模の契約運用を示しています。

*⁴ 事例：MAJOR FLOW｜クラウドサイン連携で電子契約がスムーズに 電帳法に則った締結済み契約書の自動保存も実現！

経費/勤怠/証憑保管の横断運用

MAJOR FLOWシリーズは、「経費精算/支払依頼」「勤怠管理」「証憑保管」を段階導入→横断統合できます。公式の「経費精算/支払依頼」「勤怠管理」「証憑保管」で示されるように、AI-OCRによる証憑読み取りと電帳法対応の検索/保存を備え、会計や給与システムとも接続して一気通貫の仕組みを構築できます。実例として、マイクロン社は経費→勤怠→フォームの順で段階導入し、会計/原価管理まで連携を拡大しています。*⁵

*⁵ 事例： MAJOR FLOW｜経費精算、勤怠管理、ワークフローを段階導入。 会計などの他システム連携で 一気通貫のシステム化に成功。

次の表では、横断運用の標準マッピングを示します。自社の台帳や会計コード体系に合わせて差分設計してください。

MAJOR FLOWのおすすめの運用方法

MAJOR FLOWをワークフロー基盤として運用する際の、おすすめの指針です。これらは、経費・勤怠・証憑保管まで横断利用する際により重要になります。

• 権限はセクション単位で分割し、個人情報や単価等はマスキングで最小公開
• ログ粒度（承認/差戻し/代行）と保持期間を先に規定
• 電帳法の検索要件（日付・取引先・金額など）をフィールド設計に織り込む

5. 事例に見る導入のポイントと要件定義の例

本章では、実在企業の導入で確認できる成果を要素分解し、移行設計とKPIに落とし込みます。まず製造業の大規模例を掴み、その示唆を紙/Excel/Notes起点の移行や評価指標の設計へ展開します。

製造業：DB統合×電子化でスピードと統制を両立（カルビー）

カルビー株式会社は拠点ごとに分散していた10以上のデータベースを一本化し、処理速度を大幅改善しました。加えて、手入力削減のための入力画面を内製し、紙・Excelの申請書を順次電子化、iPhoneからPCレス承認まで実現しています。これは、標準化（帳票・ルート・権限）とスピード（起票・承認・検索）の両立を示す好例です。

次の表では、カルビー事例の「導入前→導入後」を要件観点にマッピングしています。DB統合と入力導線の最適化がボトルネックを外す主要因であることが分かります。

導入事例に学ぶ要点（製造業の大規模移行）

• DB設計は一本化前提、マスタ正/従の役割を明確化
• 帳票は現場内製を前提にテンプレ設計、変更容易性を担保
• モバイル承認の可搬性でリードタイム短縮を狙う
• 電子契約や証憑保管までを将来の接続点として要件化

補足として、放送業の札幌テレビ放送株式会社でもどこでも申請・承認が可能になり、承認スピードが向上した事例が公開されています。*⁶ また、金融領域ではPayPay銀行が予算管理システム（fusion_place）と稟議（MAJOR FLOW）をリアルタイム連携し、各段階の状況可視化とガバナンスを両立させています。*⁷ 多業種で“スピード×統制”の再現性が確認できます。

*⁶ 事例：MAJOR FLOW｜予算管理システムとの密な連携を実現 効率化 ガバナンスを実現し、さらなる改善へ
*⁷ 事例：MAJOR FLOW｜社用ノートPCから、どこでも申請や承認ができるように！（札幌テレビ放送株式会社）

導入事例に学ぶ要件テンプレの作り方（KPI例）

最後に、事例から評価指標（KPI）を設計するテンプレートを提示します。評価は「スピード」「品質」「統制」「運用容易性」の4群で観測すると、導入効果を組織に説明しやすくなります。

次の表では、KPIの例と算出方法、想定データ源を整理しています。これをトライアル期間での事前測定に使うと、稟議の説得力が高まります。

さらに、業務別のKPI当て先を作っておくと比較が容易です。次の表は、代表的な業務×KPIの当て先例です。

実装のコツは以下の通りです。

• 代表3申請を選び、事前（現行）→事後（トライアル）でKPIを比較
• モバイル承認と金額分岐の再現性は早期に検証
• kintone/電子契約/証憑保管は必須連携の同期方向（正/従）を先に定義

このKPI設計は、前掲の事例（「カルビー株式会社」「札幌テレビ放送株式会社」「PayPay銀行」）で示されたスピード改善や一気通貫の連携を評価軸へ移したものです。評価基準を先に固めることで、トライアルや見積の議論が具体化し、導入後の“標準化”もブレません。

6.紙/Excel/NotesからMAJOR FLOWを導入するには

紙・Excel・Notes（Domino）などのレガシー運用から移る際は、設計・教育・棚卸の3点が成功のカギです。まず“何をどこまで標準化するか”を先に決め、並行して現場で回る内製オペレーションを設けます。

• 設計（要件・標準化）
  • 帳票テンプレの粒度（必須・型・分岐）を標準化
  • 承認ルートの金額分岐・職位基準・合議をルール化
  • 連携先（会計・電子契約・kintone）の正/従と同期方向を確定
• 教育（役割別トレーニング）
  • 申請者・承認者・管理者で教材を分離
  • 更新容易性（内製）の手順を管理者に重点配分
• 棚卸（現行整理・段階導入）
  • 帳票/規程/例外の棚卸を実データで実施
  • 代表3申請から段階導入、KPIで効果判定し横展開

次の表では、移行時に“落とし穴”になりやすいポイントをMAJOR FLOWの機能で回避する考え方を整理します。表の右列を意識して設計すると、手戻りを抑制できます。

電子契約の実運用は「MAJOR FLOW×クラウドサイン連携」および「カルビーの電子契約連携事例」が参考になります。稟議→契約のデータが自動連携され、締結ステータスも戻ってくるため、二重入力を避けつつ証跡を一本化できます。

7.【まとめ】要件表作成→公式見積とトライアルで検証

本記事では、MAJOR FLOWの機能・価格・連携・事例と、代表的な代替を要件視点で整理しました。「起点条件（50ユーザー単位/初期費用/月or年契約）」と「連携の具体性」を先に明文化し、無料トライアルで“自社帳票×承認分岐”の再現性を検証するのが近道です。次は要件表を作って、公式見積と試用を並行しましょう。
次にやるべき3ステップは以下の通りです。

1. 要件表ドラフトを10項目前後で作成（ユーザー数、容量、対象帳票、分岐条件、主要連携、運用KPIなど）
2. 「MAJOR FLOW」と候補製品へ公式見積を同条件で依頼（概算→詳細）
3. 無料トライアルで自社帳票（例：購買稟議）×分岐（職位・金額）をそのまま再現し、承認リードタイム・モバイル承認率・再申請率をテスト計測

最後に、ブランド表記は2024年5月17日以降は「MAJOR FLOW」に統一する方針で、稟議〜契約〜保管のエンドツーエンド連携は公式の連携一覧を基準に要件化するとスムーズです。