consentFlowとは？価格・導入すべき企業をわかりやすく解説

BPMN的な表現で承認経路を可視化し、フォーム設計から即アプリ化までを一気通貫で進められる「consentFlow」。本記事では、Cloud/for Dominoの料金体系と各プランの使いどころ、SSO・監査証跡・バックアップ/クラスタといった運用の肝、そして1か月無料トライアルを軸にした失敗しない検証手順を、一次情報に基づき中立に整理します。さらに、意思決定に直結する費用試算のポイントやサポートSLAも確認し、最短で本番像に到達するための具体的なアクションに落とし込みます。

1. consentFlowとは？ローコードとプロコード開発のハイブリッド

「consentFlow」は、承認ワークフローを中核に業務アプリを可視化設計→そのまま実装できるワークフローシステムです。
ブラウザ上のワークフローモデラーとWEBフォームビルダーで“図を描く→即反映”の体験を実現し、必要に応じてサーバーサイドのプロコード（JavaScript/Java）で拡張できます。提供形態はクラウド（Cloud）とfor Domino（オンプレ/ハイブリッド）を用意し、SSOや多言語・マルチテナントにも対応します。2024年11月時点で累計ユーザー27,000名超が利用しています。*¹

*¹累計ユーザー数27,000名を突破！承認ワークフローを直感的にビジュアル設計できるローコード＋プロコード開発システム「consentFlow Cloud」

次の表では、提供形態・参考価格・主な機能の対応関係を一覧化しています。

※価格は公式公表値の最小構成、税別の月額目安です。
※Azure AD/ADのSAML認証、REST API等はオプションとして提供されています。

consentFlowの一目でわかる「規模・提供形態・特徴」

規模と提供形態、コンセプトを把握します。数値・用語は公式発表や製品ページの表記に基づきます。

consentFlowはどんな企業におすすめ？

複雑な承認経路をノーコード中心で設計しつつ、必要時にプロコードで拡張したい企業に適しています。Teams/SSOの統合運用や、既存Domino資産のモダナイズ要件がある組織とも親和性が高いです。

メリットの一例

• 設計→実装のリードタイム短縮
• ローコードで内製化しつつ、プロコードで限界突破
• Cloud/オンプレの選択制で情報統制と拡張性の両立

留意点（デメリットの側面）

• プロコード拡張にはJava等の知見が必要
• for DominoはDomino環境前提（またはクラウド版の契約が必要）
• 連携や認証の一部は追加オプション費用が発生

これらは導入設計段階で要件・体制・コストのバランスを検討するのが妥当です。

製品構成の全体像

「consentFlow」の構成は、設計（モデラー/フォーム）—運用（Cloud/オンプレ/ハイブリッド）—管理（権限・監査・バックアップ/クラスタリング）—テンプレートで整理できます。複雑な要求にも対応しやすいよう、高可用性（クラスタリング）や定期バックアップなどの運用機能も提供されています。

次の表では、構成要素と役割を対応付けています。

2. consentFlowの主要機能とユースケース

consentFlowは、承認ワークフロー（WF）とフォームをブラウザ上で設計→即アプリ化できることが魅力です。直列・並列・分岐・引き戻し・代理/代行などの複雑なWFをノーコードで組み立て、テンプレートを使えば経費や休暇などの申請業務をすぐ運用できます。

次の表では、主要機能と典型ユースケースを対応付けて整理しています。自社の要件に近い行から読み進めると検討がスムーズです。

1. 承認ワークフローモデラ―（BPMN的表現で即実装）

見たい承認経路を図で描いてそのまま実装できます。条件分岐、協議（並列）、部門間承認、代理/代行、職位ベースの自動割当など、運用で詰まりやすい要件をGUIで表現できます。

次の表では、設計要素と設定イメージ、どのような運用課題を解決するかを対比しています。表の各項目を押さえることで、運用で起きがちな滞留や例外処理を設計段階で織り込めます。

2. WEBフォームビルダー（ドラッグ&ドロップで心臓部を作成）

申請フォームはドラッグ&ドロップで配置→保存→即利用できます。必須チェック、表示/非表示の条件分岐、外部データの取得、レスポンシブ表示までブラウザだけで完結します。

次の表では、よく使う入力制御と活用シーンを対応付けました。

3. 権限・監査・多言語・マルチテナント

内部統制の要点である細粒度の権限と監査証跡、そして多言語・マルチテナントに対応します。監査証跡はフィールド単位で変更前後の値・変更者・日時を記録し、改ざんの抑止と原因追跡を担保します。

次の表では、ガバナンス観点の設定ポイントをまとめます。

4. テンプレート活用（経費・休暇・出張ほか）

よく使う申請アプリは、テンプレートをベースに承認経路だけ調整して即運用できます。フォーマットや必須項目が揃うため、短期間の立ち上げに向きます。

次の表では、テンプレート起点で立ち上げやすい領域を例示します。

RPA「AutoMate」との連携で、交通費の妥当性チェックなど承認後プロセスの自動化を実現した導入事例もあります。

導入事例：三和コムテック｜ワークフローソリューション「consentFlow」を AutoMateがサポート

5. MS Teams/Slack連携・SSO

MS Teamsとは公式にSSO連携できます。TeamsのタブにconsentFlowを配置し、Azure AD経由で追加ログインなしで利用可能です。Slackについては、ベンダー公式の技術記事でSlack連携の活用例に言及があり、通知・データ連携の選択肢として検討可能とされています。

次の表では、認証と通知・連携の観点で比較します。自社の利用環境に合わせて読み替えてください。

ほか、CDataとの業務連携により250以上のSaaS/DBとデータ接続が可能になりました。*²

*²ケートリック株式会社｜HCL Notes / Domino のモダナイズソリューションのケートリックとCData が業務提携

3. 料金プランと費用感（Cloud/for Domino/オプション）

本章では「consentFlow」の料金体系を、Cloud各プランとfor Domino（オンプレ）、および主要オプションに分けて整理します。金額は税別、いずれも年間契約が前提です。500ユーザー以上でボリュームディスカウント、年額100万円以上の契約は複数年で最大25%割引が案内されています。

次の表では、Cloudの代表的な4プランを横並びで比較しています。含まれるユーザー数や機能差を起点に、スモールスタートから大規模運用までの位置づけを把握してください。

 Cloud共有サーバー（スモールスタート）

小規模〜中小規模の検証・本番をすばやく始めたい場合に適しています。初期¥0/月額¥20,000（20ユーザー含む）で、メール送信は最大200通/月、アプリは12個までです。まずは標準テンプレートを活用し、承認経路の適合を見極めたい企業に向きます。

次の表では、共有プランの主要指標を一覧化します。単価感と制約範囲を一目で確認できます。

活用時に意識するとよいポイントは以下の通りです。

• まずは経費・休暇など1〜2業務の電子化から着手
• メール送信やアプリ数の上限に近づいたら占有サーバーを検討
• 年間契約前提、長期利用なら複数年契約での割引も選択肢

Cloud占有サーバー/占有＋クラスタ

専有環境により性能・セキュリティ・拡張性を高める選択です。占有は¥80,000/月（50ユーザー含む）、クラスタ2台構成は¥110,000/月で、無制限アプリ/10GB/ユーザー、プロコード開発・外部連携・独自ドメインなどが利用可能です。

次の表では、占有と占有＋クラスタの違いを整理します。可用性要件と拡張ニーズの観点で読み分けてください。

このプランで留意すべき点は、以下の通りです。

• プロコード開発や外部連携を活かすときはオプション費用（後述）も併せて計画
• 独自ドメインや大容量送信など、IT運用ポリシーとの整合を事前に確認

エンタープライズ

グループ会社・取引先まで巻き込む大規模運用を想定するプランです。¥510,000/月（500ユーザー含む）が出発点で、社外ユーザーを安価に追加できるため、パートナー連携のある企業で費用対効果を得やすい設計です。

次の表では、エンタープライズ特有の条件を整理します。ユーザー拡張と無制限アプリを軸に検討してください。

導入において重要なポイントは以下の通りです。

• ID連携・権限設計を早期に固め、社外ユーザーの追加単価を含めて総コストを試算
• クラスタ構成やバックアップ要件は可用性目標（RTO/RPO）に合わせて調整

consentFlow for Domino

既存のHCL Domino環境で使うオンプレモデルです。ユーザー数に応じてCloudより安価に提供可能と案内されており、Dominoを保有する企業のTCO最適化に向きます。

次の表では、Cloudとfor Dominoの費用と前提の違いを整理します（for Dominoの正確な価格は個別見積）。

このプランの注意点は、以下の通りです。

• バージョンや周辺ミドルの要件適合を確認
• 将来クラウドとのハイブリッド運用（同期・冗長）も選択肢

主要オプション（例）

要件に応じて追加できるSAML認証、REST API、バックアップ、監査ログなどのオプションです。プライベートクラウド契約が必須となる項目があるため、前提条件も併記します。

次の表では、代表オプションの初期費用とランニング費用、備考（前提）を比較します。

見積もり時は、以下の要件をチェックしてみましょう。

• 連携要件（AD/SSO、REST、外部DB/ドライバ）
• 可用性要件（クラスタ、バックアップ世代）
• メール送信量・ストレージの上限
• 社外ユーザー数と増加見込み

4. 導入形態とセキュリティ/運用（Cloud & On-Prem）

本章では「consentFlow」のクラウド(aPaaS)とオンプレミスの運用要点を、冗長化・バックアップ・認証連携・モバイル最適化まで一気通貫で整理します。まずは導入形態ごとの全体像を比較します。

次の表では、クラウドとオンプレの主な違いを比較しています。

クラウドはベンダー運用で可用性と復旧容易性が高く、オンプレはカスタマイズ自由度が強みです。

クラウド（aPaaS）：冗長・バックアップ

aPaaS版は、別拠点クラスタ冗長と複数回/日のバックアップで、障害時の復旧と事業継続の確度を高めます。バックアップはアプリ/サーバー単位でスケジュール運用できます。

次の表では、クラウドにおける保全機構を整理しています。

冗長化とバックアップを標準提供するため、RPO/RTO計画を社内でゼロから設計する負担を抑えられます。

オンプレミス：NTF配布・対応バージョン

オンプレはDominoサーバー上で稼働し、テンプレートベースで迅速に展開できます。公式要件はDomino V9.0FP10以降です。

次の表では、オンプレ導入時の要点を示します。

テンプレート標準搭載のワークフロー群を出発点に、自社要件へ改修しやすいのがオンプレの強みです。

クラスタリング構成

クラスタリングは負荷分散と無停止運用を狙った冗長化で、障害復旧後も自動同期されます。クラウド/オンプレ双方で活用できます。

次の表では、クラスタ設計のポイントをまとめます。

導入時は、証跡ログやバックアップスケジュールと矛盾しないクラスタポリシー設計が重要です。

認証・SSO・外部連携

認証はAzure AD/Active DirectoryとSAMLによるSSO、APIはRESTやSQL連携、さらにMicrosoft TeamsやSlackとの連携に対応します。構内AD/Entra IDのいずれでも、既存のID基盤を生かした統合が可能です。

次の表では、代表的な統合パターンを比較します。

運用上は、SSO連携後のロール設計（RBAC）と操作ログの保全を合わせて設計すると監査対応が容易になります。

モバイル最適化

UIはレスポンシブ標準で、スマートフォンからの申請・承認が快適です。現場・外出先での決裁リードタイム短縮に寄与します。

次の表では、モバイル活用のポイントをまとめます。

モバイル前提の設計では、承認期限・代理承認・再申請の運用ルールまで含めてワークフロー定義に落とし込むと、現場定着がスムーズです。

5. 失敗しない要件定義：チェックリスト（実務視点）

consentFlowの導入を成功させる鍵は、要件→運用→統合の順に“先に決めること”を明文化することです。まずは次の5点を短期間で棚卸しし、社内承認資料に落とし込みます。

次の表は、各領域で“最初に決めるべきこと”の全体像です。表の観点で要件を粒度揃えすると、社内の合意形成が速く進みます。

6. 導入の流れ（最短：1か月トライアル→本番へ）

導入は、問い合わせ→打ち合わせ→デモ環境準備→検証・調整→本番開始の順で進みます。「consentFlow」は1か月の無料トライアルを公式に提供しており、必要に応じて検証期間の延長相談もできます。運用開始後は原則2営業日以内に応答するテクニカルサポートが案内されています。

次の表では、公式案内に基づく導入の全体像を比較しています。各フェーズの所要期間・主な作業・成果物をひと目で確認できます。

1. お問い合わせ（課題ヒアリング）

まずは「お問い合わせ」から、対象となる業務名や現状の承認プロセス、望ましいリードタイムなどを共有します。要件の粒度が粗くても問題ありません。ヒアリングを通じて、評価範囲と初期スコープを一緒に整えます。

共有すべき情報の例

• 対象アプリ（経費、休暇、購買、稟議など）
• 承認パターン（分岐条件、並列協議、代理/代行の要否）
• 利用予定ユーザー数・社外ユーザーの有無
• シングルサインオンや既存SaaS/基幹連携の要件

成果物の例

• ヒアリングメモと初期スコープ
• デモ実施に向けた前提条件の整理

2. 打ち合わせ（デモ・提案）

「導入の流れ」に沿い、実機デモでワークフローモデラーやフォームビルダーを確認し、近しい導入事例を交えて解決方針をすり合わせます。費用・スケジュール感もこの段階で概算を共有します。

すり合わせの観点

• 現場フローをBPMN的に再現できるか
• フィールド権限や監査証跡など統制要件との整合
• SSOやAPIなど拡張要件の前提（本番での有効化条件）

3. 利用環境の準備（デモ環境）

ベンダー側で御社専用のデモ環境が用意され、操作検証を開始します。デモ期間中の質問は開発技術者が直接回答と案内されています。デモ依頼は「デモ使用依頼」から行えます。

準備しておくと良いもの

• テスト用アカウントと所属・職位データ
• 申請フォームの雛形（現行Excel/紙）
• 連携が必要な外部システムの一覧

4. 検証・調整（1か月トライアル）

「よくある質問」に1か月の無料トライアルが明記され、全ての機能を試用できます。トライアル期間は承認経路・フォーム設定・権限・監査証跡・SSO・通知など、運用の詰まりやすい要素を中心に検証します。

次の表では、トライアルで詰めておくべき評価観点を整理します。完了条件を明確にしておくと本番移行が円滑です。

5. ご利用開始（サポート体制）

本番稼働後は、テクニカルサポートが通常48時間（2営業日）以内に応答します。トップページの案内ではサポートポータルへの24時間コンタクトやクラウド稼働状況の公開も示されています。問い合わせはフォーム/電話の両方で受け付けています。

初期運用のチェックリスト

• 承認の滞留・差し戻し率の把握と閾値設定
• 権限・監査ログの運用監視
• メール送信量・ストレージ使用量の推移
• 社外ユーザーの追加手順とガバナンス

7.【まとめ】1か月無料トライアルを申し込もう

まずは「consentFlow」のテンプレートとワークフローモデラーで、稟議・経費・休暇のいずれか1業務を本番同等の設計で試し、「費用について」の各プランに当てはめて概算TCOを算出しましょう。標準の1か月無料トライアルで全機能を検証できます。
「お問い合わせ」から1か月無料トライアルを申請したあとは、稟議・経費・休暇のどれか1つをPoC対象に決め、現行ルールを提供→Teams/SSOと権限・監査証跡まで含めて“本番像”を検証→結果に応じてCloud共有→占有→クラスタの順で最適プランへ移行といった手順を踏むと、自社に合ったプランが検討できます。
まずは1ヶ月無料トライアルから始めてみましょう。